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Windows SharePoint Services の段階的なアップグレードをインストールおよび構成する

段階的なアップグレードは、以前のバージョンを残したまま新しいバージョンをインストールします。Windows SharePoint Services 3.0 をインストールして構成した後で、アップグレードするサイト コレクションとアップグレードのタイミングを決定できます。

注意

スタンドアロン モードの Windows SharePoint Services 2.0 を Microsoft SQL Server™ 2000 Desktop Engine (Windows) (WMSDE) と共に使用している場合は、一括アップグレード (またはデータベース移行) を使用する必要があります。一括アップグレードの実行に関する詳細については、「Windows SharePoint Services の一括アップグレードをインストールおよび構成する」を参照してください。アップグレード方法の選択の詳細については、「アップグレード方法を決定する (Windows SharePoint Services)」を参照してください。

サーバー ファームをアップグレードする場合、必ず次の順番でサーバー ファーム内のすべてのサーバーをアップグレードします。

  1. サーバー ファーム内のすべてのサーバーでセットアップを実行して新しいバージョンをインストールします。

  2. SharePoint サーバーの全体管理 Web サイトが含まれるフロントエンド Web サーバーで、SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードを実行します。

  3. 他のすべてのフロントエンド Web サーバーまたはファーム内の検索サーバーで、SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードを任意の順に実行します。

この記事の内容 :

  • はじめに

  • Windows SharePoint Services 3.0 をインストールする

  • ファーム内の他のフロントエンド Web サーバーで Windows SharePoint Services 3.0 をインストールおよび構成する

  • SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードを実行する

  • コマンド ラインを使用して Windows SharePoint Services 3.0 をインストールおよび構成する

  • ログ ファイルを確認して問題を解決する

はじめに

Windows SharePoint Services 3.0 のインストールを開始する前に、前提条件となっているすべてのソフトウェアがインストールされていることを確認します。詳細については、「前提条件となっているものをすべてインストールする (Windows SharePoint Services)」を参照してください。

セットアップおよび SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードの実行に使用するアカウントの最小限必要な権限を確認してください。

  • アカウントは、Web サーバー コンピュータの Administrators グループのメンバです。

  • すべての SharePoint 製品とテクノロジ データベースに対して固定データベース ロール db_owner が付与されている。

多くの IT 環境では、データベース管理者 (DBA) がデータベースを作成し、管理します。組織のセキュリティ ポリシーおよびその他のポリシーにより、DBA が Windows SharePoint Services 3.0 に必要なデータベースを作成することが要求される場合があります。

注意

DBA がデータベースを作成および管理している環境で Windows SharePoint Services 3.0 を展開する方法については、「DBA が作成するデータベースを使用して展開する (Windows SharePoint Services)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=86818&clcid=0x411) を参照してください。

Windows SharePoint Services 3.0 をインストールする

  1. Setup.exe を実行します。

    ヒント

    Windows SharePoint Services 3.0 をインストールし、その後で利用可能なソフトウェア更新プログラムを別に展開する代わりに、利用可能なソフトウェア更新プログラムを含む Windows SharePoint Services 3.0 インストール ファイルをダウンロードできます。利用可能なソフトウェア更新プログラムを含む Windows SharePoint Services 3.0 インストール ファイルは、Microsoft ダウンロード センターにあります。

  2. [マイクロソフト ソフトウェア ライセンス条項をお読みください] ページで使用許諾契約書の条項を確認し、[「マイクロソフト ソフトウェア ライセンス条項」に同意します] ボックスをオンにして、[続行] をクリックします。

  3. アップグレードの以前のバージョンのページで、[段階的なアップグレードを実行する] をクリックします。

  4. [サーバーの種類] タブで [Web フロントエンド] を選択します。

  5. [今すぐインストール] をクリックします。

    注意

    カスタム サイト定義またはカスタム Web アプリケーションをサーバーにインストールしている場合は、Windows SharePoint Services 2.0 と統合するサード パーティ製品がインストールされていることを通知する [セットアップの警告] ボックスが表示されます。これらのカスタマイズまたはアプリケーションについて認識しており、アップグレード プロセスを続行する用意ができている場合は (いずれかのカスタム テンプレートのアップグレード定義を作成している場合など)、[OK] をクリックします。アップグレード プロセスを中止してこれらの製品を調べる場合は、[キャンセル] をクリックします。アップグレード定義ファイルの詳細については、「新しいカスタム サイト定義を開発し、アップグレード定義ファイルを作成する (Windows SharePoint Services)」を参照してください。

  6. セットアップが実行され、Windows SharePoint Services 3.0 がインストールされます。

  7. 完了ページで [SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードを今すぐ実行する] チェック ボックスをオフにして、[閉じる] をクリックします。

SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードを実行する前に、次の手順を実行する必要があります。

注意

サーバー ファームの展開では、すべての Web サーバーに、同じバージョンのソフトウェア更新プログラムが適用されている必要があります。そのためには、リリースされているソフトウェア製品のコピーと共に、利用可能なソフトウェア更新プログラムを含む、インストール ソースを作成できます (*スリップストリーム* インストール ソースとも呼ばれます)。この更新したインストール ソースからセットアップを実行すると、その Web サーバーのソフトウェア更新プログラムのバージョンは、サーバー ファーム内の他の Web サーバーと同じになります。また、インストール ソースを使用して、新しい Web サーバーを既存のサーバー ファームに追加することもできます。この更新したインストール ソースからセットアップを実行すると、新しい Web サーバーのソフトウェア更新プログラムのバージョンは、サーバー ファーム内の他の Web サーバーと同じになります。インストール ソースの作成の詳細については、「ソフトウェア更新プログラムを含むインストール ソースを作成する (Windows SharePoint Services 3.0)」を参照してください。

ファーム内の他のフロントエンド Web サーバーで Windows SharePoint Services 3.0 をインストールおよび構成する

サーバー ファームがある場合、指示に従って、サーバー ファーム内の各フロントエンド Web サーバーに Windows SharePoint Services 3.0 をインストールした後、SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードを実行します。

注意

セットアップを実行した後で、サーバー ファームにサーバーを追加しないでください。 SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードを実行すると、構成データベースがアップグレードされます。このデータベースにはファーム内のサーバーのリストが含まれ、構成ウィザードの実行後にファームに追加したサーバーはデータベースに含まれないため、Windows SharePoint Services 3.0 トポロジには表示されません。ファームにサーバーを追加する必要がある場合は、アップグレードを開始する前、またはアップグレード プロセスを完了した後に、「アップグレードされたファームにサーバーを追加する (Windows SharePoint Services)」の手順に従って行ってください。

SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードを実行する

  1. [スタート] ボタンをクリックし、[すべてのプログラム] をポイントします。次に、[管理ツール] をポイントし、[SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザード] をクリックします。

  2. SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードの [SharePoint 製品とテクノロジへようこそ] ページで、[次へ] をクリックします。

  3. 構成中に IIS、SharePoint Administration Service、および SharePoint Timer Service を再起動またはリセットしなければならない可能性があることを示すメッセージが表示されます。[はい] をクリックして、ウィザードを続行します。

  4. 既存の言語テンプレート パックがある場合、進む前に新しいバージョンの言語パックをダウンロードしインストールする必要があることを示すメッセージが表示されます。[OK] をクリックして、ウィザードの次の手順に進みます。

  5. [サーバー ファームへの接続] ページで、[いいえ、新しいサーバー ファームを作成します] を選択し、[次へ] をクリックします。

  6. [構成データベースの設定] ページの [データベース サーバー] ボックスに、Microsoft SQL Server 2000 または SQL Server 2005 を実行しているサーバーの名前を入力します。

  7. [データベース名] ボックスでは、既定 (SharePoint_Config) のままにするか、代わりに使用するデータベース名を入力します。

  8. [データベース アクセス アカウントの指定] セクションで、SQL Server への接続に使用するユーザー名およびパスワードを入力し、[次へ] をクリックします。

    注意

    このアカウントは、データベースの作成権限を持っている必要があります。SQL Server がフロントエンド Web サーバーとは別のサーバーで実行されている場合、このアカウントはドメイン アカウントである必要もあります。このユーザー アカウントは、データベース作成者およびセキュリティ管理者という SQL Server セキュリティ ロールのメンバである必要があります。

  9. [SharePoint サーバーの全体管理 Web アプリケーションの構成] ページで、SharePoint サーバーの全体管理 Web アプリケーションが特定のポートを使用するようにする場合は、[ポート番号を指定する] チェック ボックスをオンにし、ポート番号を入力します。

  10. [セキュリティ設定の構成] セクションで、環境に合わせて [ネゴシエート (Kerberos)] または [NTLM] のどちらかを選択し、[次へ] をクリックします。

    注意

    Kerberos 認証を有効にするには、追加の構成手順を実行する必要があります。認証方法の詳細については、「認証方法を計画する (Windows SharePoint Services)」を参照してください。

  11. [SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードの終了] ページで、設定を確認し、[次へ] をクリックします。

    構成ウィザードが実行され、Windows SharePoint Services 3.0 に対して構成データベースとサーバーの全体管理アプリケーションが構成されます。

  12. 複数のサーバーがあるサーバー ファームを使用している場合は、構成ウィザードを実行してアップグレード プロセスを開始する前に、各サーバーでセットアップを実行して新しいバイナリ ファイルをインストールする必要があることを通知するメッセージが表示されます。サーバー ファームの構成と、Windows SharePoint Services 3.0 をインストールおよび構成している場所に応じて、以下の 3 つの選択肢があります。

    • これがファーム内の唯一のサーバーである場合、他の処理は必要ありません。[OK] をクリックして、ウィザードの次の手順に進みます。

    • ファーム内に他のサーバーがあり、他のサーバーでセットアップおよび構成ウィザードをまだ実行していない場合は、サーバーでこのメッセージを開いたままにして、ファーム内の他のサーバーでセットアップおよび構成ウィザードを実行します。他のサーバーでセットアップおよび構成ウィザードを実行したら、フロントエンド サーバーに戻り、[OK] をクリックして SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードの次の手順に進みます。

    • サーバー ファーム内のすべてのサーバーでセットアップおよび構成ウィザードを実行し、それらのすべてのサーバーでこの段階まで処理が完了している場合は、フロントエンド Web サーバーで [OK] をクリックして構成ウィザードの次の手順に進みます。

  13. [構成成功] ページで、構成された設定を確認し、[完了] をクリックします。

SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードが閉じ、サーバーの全体管理が開きます。サーバーの全体管理サイトが開く前に、ユーザー名とパスワードの入力が要求される場合があります。まだ行っていない場合は、新しいバージョンに必要な任意の言語テンプレート パックをインストールできます。詳細については、「利用可能な言語テンプレート パックをインストールする (Windows SharePoint Services)」を参照してください。言語パックをインストールした後 (該当する場合)、特定の Web アプリケーションおよびサイト コレクションのアップグレードを開始できます。「サイトをアップグレードする (Windows SharePoint Services)」のトピックの手順に従って、プロセスを進めます。

コマンド ラインを使用して Windows SharePoint Services 3.0 をインストールおよび構成する

必要な場合は、コマンド ラインから Windows SharePoint Services 3.0 をインストールして構成できます。詳細については、「Setup.exe コマンドライン リファレンス (Windows SharePoint Services)」、「SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードのコマンド ライン リファレンス (Windows SharePoint Services)」、「Stsadm コマンドライン ツール (Windows SharePoint Services)」、および「コマンドラインを使用して Windows SharePoint Services 3.0 をインストールする」を参照してください。

注意

/q スイッチを使用してサイレント モードでインストールを開始した場合、SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードは自動的に開始しません。アップグレードを続行するには、手動でウィザードを開始するか、段階的なアップグレードを強制する引数を使用して psconfig コマンドを実行し、アップグレードを強制する必要があります。

ログ ファイルを確認して問題を解決する

アップグレードが失敗した場合や問題が報告された場合は、ログ ファイルで詳細を参照できます。Upgrade.log ファイルは、%COMMONPROGRAMFILES%\Microsoft Shared\Web server extensions\12\LOGS にあります。

注意

一部の構成で、SharePoint Timer Service (OWStimer) アカウント (既定では、SharePoint Central Administration v3 のアプリケーション プール アカウントで使用されるアカウントと同一) が、%COMMONPROGRAMFILES%\Microsoft Shared\Web server extensions\12\ 内の LOGS フォルダへのアクセス許可を持たない資格情報で設定されます。その場合、Upgrade.log ファイルの一部は、SharePoint Timer Service を実行しているアカウントの一時保存フォルダに格納されます。サーバー コンピュータを再起動したときにアップグレード ログ ファイルが削除されないように、Upgrade.log を別の場所にコピーします。

一般的な問題のトラブルシューティングの詳細については、「アップグレードのトラブルシューティングを実行して再開する (Windows SharePoint Services)」を参照してください。

アップグレード ログ ファイルの表示の詳細については、「アップグレードを検証する (Windows SharePoint Services)」を参照してください。