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コマンド ラインを使用して最低特権管理で Windows SharePoint Services 3.0 をインストールする

この記事の内容 :

  • インストール ソフトウェア要件

  • 最低特権管理のために必要なアカウントを判別する

  • 最低特権アカウントを使用して Windows SharePoint Services 3.0 をインストールする

  • Psconfig コマンド ライン ツールを使用してサーバーを構成する

  • 追加の構成タスクを実行する

  • Stsadm コマンド ライン ツールを使用して Web アプリケーションおよびサイト コレクションを作成する

  • トレース ログを構成する

ここでは、最低特権管理を使用して、スタンドアロン サーバーまたはサーバー ファームに Windows SharePoint Services 3.0 をインストールする方法について説明します。

Windows SharePoint Services 3.0 の標準構成では、インストール プロセスを単純化するために、スタンドアロン サーバーとサーバー ファームの両方について一連のユーザー アカウントとインストール設定を使用します。ただし、多くの場合、企業は、最低特権のセキュリティ実践を使用する必要があります。つまり、各サービスまたはユーザーに、実行が認められているタスクを実行するために必要な最小限の権限とグループ メンバシップだけを与えます。最低特権要件を満たすように Windows SharePoint Services 3.0 をインストールするには、追加の準備と構成手順が必要です。最低特権管理を使用することを強くお勧めします。

最低特権管理を使用して、スタンドアロン サーバーまたはサーバー ファームに Windows SharePoint Services 3.0 をインストールするには、以下の手順を実行する必要があります。

  1. 展開を計画し、必要なソフトウェアがすべてインストールされていることを確認します。

  2. インストール時に使用される必須アカウントを特定します。

  3. コマンド プロンプトで Setup を使用し、構成ファイルを指定することによって、最低特権 Setup ユーザー アカウントを使用して Windows SharePoint Services 3.0 をインストールします。

  4. Psconfig コマンド ライン ツールを適切なオプションで使用してサーバーを構成します。

  5. Stsadm コマンドライン ツールを使用して、Web アプリケーションを作成します (サーバー ファーム インストールの場合のみ)。

  6. Stsadm コマンドライン ツールを使用して、サイト コレクションを作成します (サーバー ファーム インストールの場合のみ)。

インストール ソフトウェア要件

Setup を実行する前に、展開の準備としていくつかの操作を実行する必要があります。インストール前に実行する必要がある操作の一覧については、「サーバー ファーム環境に Windows SharePoint Services 3.0 をインストールする」を参照してください。どちらの展開でも、Setup を実行する前に、以下のソフトウェア要件を満たしていることを確認してください。

  • 最新の Service Pack を適用した Windows Server 2003 オペレーティング システムのクリーン インストール上にある Windows SharePoint Services 3.0。Windows SharePoint Services 3.0 を Windows Server 2008 にインストールするには、「章の概要 : エンドツーエンドの展開シナリオ (Windows SharePoint Services)」を参照してください。

    注意

    ファーム内の Windows SharePoint Services 3.0 のインスタンスはすべて、同じ言語であることが必要です。 たとえば、同じファームには、Windows SharePoint Services 3.0 の英語版と日本語版の両方をインストールできません。

  • Microsoft .NET Framework Version 3.0。.NET Framework Version 3.0 のダウンロードには、ワークフロー機能に必要な Windows Workflow Foundation テクノロジが含まれています。

    注意

    Microsoft .NET Framework Version 3.5 を使用することもできます。.NET Framework Version 3.5 は、Microsoft ダウンロード センター (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=110508&clcid=0x411) からダウンロードできます。

  • Windows SharePoint Services 3.0 を実行するすべてのサーバー上の Internet Information Services (IIS) Manager で ASP.NET 2.0 が有効になっていること。

  • Web サーバーに Windows SharePoint Services 3.0 をインストールする前に、少なくとも 1 つのデータベース サーバー上で、最新のサービス パックが適用された Microsoft SQL Server 2000 または Microsoft SQL Server 2005 が実行していること。

サーバー ファームを展開するには、Web サーバーおよびアプリケーション サーバーとして機能するサーバー コンピュータが少なくとも 1 台、データベース サーバーとして機能するサーバー コンピュータが 1 台必要です。

最低特権管理のために必要なアカウントを判別する

最低特権管理を使用して、いずれかのセキュリティ構成に Windows SharePoint Services 3.0 をインストールする前に、Windows SharePoint Services 3.0 の 2 層セキュリティ モデルと、各構成に必要な詳細なアカウント権限を理解しておく必要があります。詳細については、以下のリソースを参照してください。

最低特権管理を使用して Windows SharePoint Services 3.0 をインストールするための要件と構成手順の多くは、標準のファーム インストールに似ているので、標準のファーム インストールに精通している必要があります。標準のファーム インストールの詳細については、「サーバー ファーム環境に Windows SharePoint Services 3.0 をインストールする」を参照してください。

次の表は、最低特権管理を使用して Windows SharePoint Services 3.0 をインストールするために使用するアカウントと、ファーム インストールのための標準的なアカウント要件を比較して示しています。

アカウント 目的 サーバー ファームの標準的な要件 ドメイン ユーザー アカウント要件を使用する最低特権管理

セットアップ ユーザー アカウント

以下を実行するために使用されるセットアップ ユーザー アカウントです。

  • 各サーバーでのセットアップ。

  • SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザード。

  • Psconfig コマンド ライン ツール。

  • Stsadm コマンド ライン ツール。

  • ドメイン ユーザー アカウント

  • セットアップが実行される各サーバーの Administrators グループのメンバ。

  • SQL Server が動作しているコンピュータでの SQL Server ログイン。

  • 以下の SQL Server セキュリティ ロールのメンバ

    • securityadmin 固定サーバー ロール

    • dbcreator 固定サーバー ロール

データベースとの間で読み取りまたは書き込みを行う Stsadm コマンドライン コマンドを実行する場合、セットアップ ユーザー アカウントは、そのデータベースの db_owner 固定データベース ロールのメンバである必要があります。

サーバー ファームの標準的な要件。ただし、以下の追加または例外事項があります。

  • 別々のドメイン ユーザー アカウントを使用します。

  • セットアップ ユーザー アカウントは、SQL Server を実行しているコンピュータ上の Administrators グループのメンバではない必要があります。

サーバー ファーム アカウントまたはデータベース アクセス アカウント

サーバー ファーム アカウントは以下の目的で使用されます。

  • サーバー ファームを構成および管理します。

  • SharePoint サーバーの全体管理 Web サイトのアプリケーション プール ID として機能します。

  • Windows SharePoint Services Timer サービスを実行します。

  • ドメイン ユーザー アカウント

サーバー ファーム アカウントには、サーバー ファームに参加する Web サーバーおよびアプリケーション サーバー上の追加の権限が自動的に与えられます。

サーバー ファーム アカウントは、SQL Server を実行しているコンピュータの SQL Server ログインとして自動的に追加され、以下の SQL Server セキュリティ ロールに追加されます。

  • dbcreator 固定サーバー ロール

  • securityadmin 固定サーバー ロール

  • サーバー ファーム内のすべてのデータベースの db_owner 固定データベース ロール

サーバー ファームの標準的な要件。ただし、以下の追加または例外事項があります。

  • 別々のドメイン ユーザー アカウントを使用します。

  • サーバー ファーム アカウントは、サーバー ファーム内のいずれのサーバー上の Administrators グループのメンバでもありません。これには、SQL Server を実行しているコンピュータも含まれます。

  • サーバー ファーム アカウントは、構成データベースを作成するために、SQL Server に対する権限を必要としません。

最低特権管理を達成するための最小要件には、以下が含まれます。

  • 異なるサービスおよびプロセスに別々のアカウントを使用する。

  • 実行サービスまたはプロセス アカウントがローカル管理者権限で実行されていない。

サービスごとに個別のサービス アカウントを使用し、各アカウントに割り当てる権限を制限することにより、悪意のあるユーザーやプロセスが環境に危害を加える危険性を低減させることができます。

最低特権管理は、各シナリオのセキュリティ構成に応じて、さまざまな方法で実装することができます。最低特権管理の構成には、以下が含まれます。

  • 個別のドメイン ユーザー アカウント

  • SQL Server 認証

  • 既存のデータベースに接続するドメイン ユーザー アカウント

最低特権アカウントを使用してサーバーに Windows SharePoint Services 3.0 をインストールする

インストールに必要なアカウントを判別したら、Windows SharePoint Services 3.0 をインストールすることができます。Windows SharePoint Services 3.0 をインストールするには、以下の操作を実行します。

  1. Windows SharePoint Services 3.0 をインストールして、SharePoint.exe ファイルをコンピュータに保存します。

  2. SharePoint.exe ファイルを抽出します。

  3. Config.xml ファイルを選択します。

  4. 選択した Config.xml ファイルと、以前に作成した最低特権セットアップ ユーザー アカウントを使用して、Setup を実行します。

注意

負荷分散されたすべてのフロントエンド Web サーバーの同じドライブに Windows SharePoint Services 3.0 をインストールする必要があります。

ハードウェア要件に応じて、以下のリソースの 1 つから Windows SharePoint Services 3.0 をインストールし、SharePoint.exe ファイルをコンピュータに保存します。

SharePoint.exe ファイルは、コマンド プロンプトで次のように抽出する必要があります。

drive:\path\SharePoint.exe /extract:drive:\path

SharePoint.exe ファイルを抽出したフォルダには、サンプルの構成ファイル (Config.xml) が含まれています。これらのサンプル ファイルは、DVD のルート ディレクトリの \Files フォルダ内の、さまざまなシナリオに対応するフォルダに格納されています。次の表は、サンプル ファイルの一覧と説明を示しています。

構成ファイル 説明

Setup\Config.xml

単一サーバーへのインストール

SetupFarmSilent\Config.xml

サイレント モードによるサーバー ファームのインストール

SetupGradualUpgradeSilent\Config.xml

サイレント モードによる既存ファームの段階的アップグレード

SetupSilent\Config.xml

サイレント モードによる単一サーバーへのインストール

SetupUpgradeSilent\Config.xml

サイレント モードによる既存ファームの一括アップグレード

重要

Windows SharePoint Services 3.0 に付属するサンプル構成ファイルでは、この <Setting Id="SETUP_REBOOT" Value="Never"/> 設定が省略されています。コマンド ライン インストール時に再起動しないようにするには、この設定を含める必要があります。

Example

次に示す例は、サイレント モードでファームをセットアップする構成 (SetupFarmSilent) です。

<構成>

<Package Id="sts">

<Setting Id="REBOOT" Value="ReallySuppress"/>

<Setting Id="SETUPTYPE" Value="CLEAN_INSTALL"/>

</Package>

<Logging Type="verbose" Path="%temp%" Template="Microsoft Windows SharePoint Services 3.0 Setup(*).log "/>

<Setting Id="SERVERROLE" Value="WFE"/>

<Setting Id="USINGUIINSTALLMODE" Value="0"/>

<Display Level="none" CompletionNotice="no" />

</Configuration>

コマンド プロンプトから Config.xml ファイルを使用してセットアップを実行する

  1. Windows SharePoint Services 3.0 がインストールされているドライブでルート ディレクトリに移動して、setup.exe ファイルを探します。

  2. 選択した Config.xml ファイルを使用してセットアップを実行します。

    setup /config <path and file name>

    注意

    サンプル構成ファイルのいずれかを選択することも、独自の構成ファイルをカスタマイズすることもできます。

  3. Enter キーを押します。

これで、セットアップは完了しました。

Example

サイレント モードでファームをセットアップするには、コマンド プロンプトで次のコマンドを入力し、Enter キーを押します。

setup /config Files\SetupFarmSilent\config.xml

構成ファイルをカスタマイズすることもできます。インストールを制御するには、まずテキスト エディタで Config.xml ファイルを編集して必要な要素を含め、それらの要素にとって適切な設定を指定します。次に、setup /config*<path and file name>* を実行して、Config.xml ファイルで設定したオプションを使用して Setup を実行することを指定します。たとえば、一般的な構成オプションとしては、次のログ ファイルの場所の追加があります。<Logging Type="off" | "standard"(default) | "verbose" Path="path" Template="file name.log"/> このログ ファイルの場所は、コマンド ライン インストールが失敗した場合に表示されます。

重要

Config.xml を編集するには、メモ帳などのテキスト エディタを使用します。Microsoft Office Word 2007 などの汎用の XML エディタは使用しないでください。

構成ファイルのカスタマイズに使用できるオプションの詳細については、「Config.xml リファレンス (Windows SharePoint Services)」を参照してください。

セットアップ用コマンド ライン オプションの詳細については、「Setup.exe コマンドライン リファレンス (Windows SharePoint Services)」を参照してください。

Psconfig コマンド ライン ツールを使用してサーバーを構成する

Setup の完了後、Psconfig コマンドライン ツールを使用して、Windows SharePoint Services 3.0 を構成することができます。このツールは、%COMMONPROGRAMFILES%\Microsoft shared\Web server extensions\12\Bin にあります。構成オプションは、Windows SharePoint Services 3.0 をスタンドアロン サーバーにインストールするか、ファームにインストールするかによって異なります。

Psconfig コマンドライン ツールとその操作およびパラメータの詳細については、「SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードのコマンド ライン リファレンス (Windows SharePoint Services)」を参照してください。

スタンドアロン サーバー上の Windows SharePoint Services 3.0 を構成する

最低特権管理を使用するスタンドアロン サーバー展開では、setup コマンドと共に Psconfig コマンドライン ツールを実行することができます。

次の手順では、スタンドアロン サーバー上の Windows SharePoint Services 3.0 を構成する方法について説明します。

Stsadm コマンドライン ツールを使用してスタンドアロン サーバー上の Windows SharePoint Services 3.0 を構成する

  1. 以前に作成および構成したセットアップ ユーザー アカウントを使用してログオンします。

  2. SharePoint 製品とテクノロジがインストールされているドライブで、ディレクトリ %COMMONPROGRAMFILES%\Microsoft shared\Web server extensions\12\Bin に移動します。

  3. 次のコマンドを入力し、Enter キーを押します。

    stsadm -cmd setup

Psconfig コマンドライン ツールは、構成手順を順に説明し、構成の正常完了を通知します。スタンドアロン サーバー インストールの場合、これがコマンドライン インストールの最後の手順です。

ファーム上の Windows SharePoint Services 3.0 を構成する

最低特権管理を使用するサーバー ファーム展開では、Psconfig コマンドライン ツールを使用して、新しいファームを作成するか、既存のファームに接続することができます。Psconfig コマンドライン ツールは、ファーム内の最初のサーバーに SharePoint サーバーの全体管理 Web サイトをインストールします。このため、サーバーの全体管理 Web サイトを実行する予定のサーバーを、最初に Windows SharePoint Services 3.0 をインストールするサーバーにすることをお勧めします。

次の手順では、ファーム内の最初のサーバーを構成する方法について説明します。

注意

構成の問題を防ぐため、記載されているとおりの順序で手順に従ってください。

Psconfig コマンド ライン ツールを使用してファーム上の Windows SharePoint Services 3.0 を構成する

  1. 以前に作成および構成したセットアップ ユーザー アカウントを使用してログオンします。

  2. SharePoint 製品とテクノロジがインストールされているドライブで、ディレクトリ %COMMONPROGRAMFILES%\Microsoft shared\Web server extensions\12\Bin に移動します。

  3. 構成データベースを作成します。

    psconfig -cmd configdb -create -server <データベース サーバー名> -database <データベース名>

    [ -dbuser <domain\user name> -dbpassword <password> ]

    -user <domain\user name> -password <password>

    -addomain <domain name> -adorgunit <org unit>

    -admincontentdatabase <サーバーの全体管理 Web アプリケーション コンテンツ データベース名>

    注意

    dbuser および dbpassword パラメータは、SQL Server 認証を使用する展開でのみ使用されます。Windows 認証を使用する場合、これらのパラメータは必要ありません。

  4. ヘルプ コレクションをインストールします。

    psconfig -cmd helpcollections -installall

  5. リソース セキュリティ エンフォースメントを実行します。

    psconfig -cmd secureresources

  6. サーバー ファームにサービスを登録します。

    psconfig -cmd services -install

    注意

    サービスをインストールしたら、Stsadm コマンド ライン ツールを使用して、Windows SharePoint Services Search を開始および構成する必要があります。

    1. stsadm -o spsearch -action start -farmserviceaccount <domain\user name> -farmservicepassword <password> [-database name <content database name> ] [-database server <server instance> ] [-search server <search server name> ]

      詳細については、「Spsearch : Stsadm 操作 (Windows SharePoint Services)」を参照してください。

      注意

      以前に作成し構成したサーバー ファーム アカウントのドメインおよびユーザー アカウント情報を使用します。

    2. ファームのサービスを準備します。

      psconfig -cmd services –provision:

  7. すべての機能を登録します。

    psconfig -cmd installfeatures

  8. SharePoint サーバーの全体管理 Web アプリケーションを準備します。

    psconfig -cmd adminvs -provision -port <port> -windowsauthprovider onlyusentlm

  9. 共有アプリケーション データをインストールします。

    psconfig -cmd applicationcontent –install

これで、サーバーの全体管理 Web サイトが作成されました。

サイトの作成を開始する前に、すべてのファーム サーバーに Windows SharePoint Services 3.0 をインストールして構成することをお勧めします。

注意

これらのコマンドのいずれかが失敗した場合は、セットアップ後、構成ログファイルを参照してください。これらのログ ファイルは、%COMMONPROGRAMFILES%\Microsoft shared\Web server extensions\12\Logs にあります。ファイル名は "PSC" で始まり、拡張子は .log です。

既存の構成データベースに接続して、既存のサーバー ファームにサーバーを追加するには、–create パラメータの代わりに -connect パラメータを指定して configdb コマンドを実行します。

psconfig -cmd configdb -connect –server <server name> -database <database name>

注意

構成データベースを作成したときに既に含めたので、–admincontentdatabase コマンドは省きます。

SharePoint サーバーの全体管理 Web アプリケーションを追加のサーバーで提供する場合は、psconfig -cmd adminvs -provision –port*<port>*-windowsauthprovider onlyusentlm コマンドを使用します。こうすると、SharePoint サーバーの全体管理 Web アプリケーションを実行しているサーバーに障害が発生した場合のリスクを軽減できます。

サーバー ファームへのコマンドライン インストールを正常に完了するには、Stsadm コマンドライン ツールを使用して Web アプリケーションを作成し、ファームのサイト コレクションを作成する必要があります。ただし、Web アプリケーションとサイト コレクションを作成する前に、まず、追加の構成タスクを実行することをお勧めします。

追加の構成タスクを実行する

Windows SharePoint Services 3.0 のインストール後に、次の管理タスクを実行することをお勧めします。

Stsadm コマンド ライン ツールを使用して Web アプリケーションとサイト コレクションを作成する

ファーム上に Windows SharePoint Services 3.0 を作成および構成したら、Stsadm コマンド ライン ツールを使用して Web アプリケーションとサイト コレクションを作成する必要があります。 Web アプリケーションは、インターネット インフォメーション サービス (IIS) サイトと一意のアプリケーション プールで構成されます。 新しい Web アプリケーションを作成するときには、新しいデータベースも作成し、そのデータベースに接続するために使用する認証方法を定義します。

さまざまなユーザーが異なるドメインを使用してコンテンツにアクセスする必要があるエクストラネット環境では、別の IIS Web サイトまで Web アプリケーションを拡張することが必要になる場合があります。この作業では、同じコンテンツをホストする追加の IIS Web サイトを使用して、異なる一連のユーザーに同じコンテンツを公開します。

重要

Stsadm コマンド ライン ツールを実行するには、ローカル コンピュータの Administrators グループのメンバである必要があります。

Stsadm コマンド ライン ツールを使用して Web アプリケーションおよびサイト コレクションを作成する

  1. SharePoint 製品とテクノロジがインストールされているドライブで、ディレクトリ %COMMONPROGRAMFILES%\Microsoft shared\Web server extensions\12\Bin に移動します。

  2. 次のコマンドを入力し、Enter キーを押します。

    stsadm -o extendvs

    -url <URL 名>

    -ownerlogin <Domain\user_name>

    -owneremail <電子メール アドレス>

    [-exclusivelyusentlm]

    [-ownername <display name> ]

    [-databaseuser <database user name> ]

    [-databaseserver <データベース サーバー名> ]

    [-databasename <新しいコンテンツ データベースの名前> ]

    [-databasepassword <database password> ]

    [-lcid <language> ]

    [-sitetemplate <site template> ]

    [-description]

    [-sethostheader]

    [-apidname <application pool name> ]

    [-apidtype {configurableID | NetworkService} ]

    [-apidlogin <Domain\user_name> ]

    [-apidpwd <アプリケーション プール パスワード> ]

    詳細については、「Stsadm コマンドライン ツール (Windows SharePoint Services)」および「Extendvs : Stsadm 操作 (Windows SharePoint Services)」を参照してください。

Example

次のコマンドを実行すると、URL が http://intranet でコーポレート チーム サイト テンプレートを使用する Web アプリケーションとサイト コレクションが作成されます。

stsadm -o extendvs -url http://intranet -ownerlogin <domain\user name> -owneremail <user@domain.com> sitetemplate STS#0 -exclusivelyusentlm -databaseserver <database server name> -databasename <content database name> -apidname <application pool name> -apidtype {configurableID | NetworkService} -apidlogin <domain\user name> -apidpwd <password>

使用するテンプレートを指定していない場合、サイト所有者はサイトを最初に閲覧する際にテンプレートを選択できます。

Stsadm コマンド ライン ツールを使用して Web アプリケーションやサイト コレクションを追加作成する場合には、extendvs 操作または createsite 操作を使用できます。

extendvs 操作は、Web アプリケーションを拡張し、新しいコンテンツ データベースを作成します。createsite 操作は、指定されたユーザーをサイト コレクション所有者およびサイト コレクション管理者として、特定の URL にサイト コレクションを作成します。

注意

createsite 操作を行っても、新しいコンテンツ データベースは作成されません。新しいサイトと共に新しいコンテンツ データベースを作成する場合は、createsiteinnewdb 操作を使用してください。

詳細については、「Createsite : Stsadm 操作 (Windows SharePoint Services)」および「Createsiteinnewdb : Stsadm 操作 (Windows SharePoint Services)」を参照してください。

extendvs 操作では、ロケール ID (LCID) パラメータを使用して、サイト コレクションの言語を指定することもできます。LCID を指定しなかった場合、サーバーの言語がトップ レベルのサイト コレクションに使用されます。使用可能な LCID の値の詳細については、「List of Locale ID (LCID) Values as Assigned by Microsoft (英語)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=63028&clcid=0x411) を参照してください。

サイトを作成した後、代替アクセス マッピングを構成できます。 代替アクセス マッピングは、Windows SharePoint Services 3.0 との通信中 (Windows SharePoint Services 3.0 Web サイトのホーム ページの参照中など) にユーザーを正しい URL に転送します。 代替アクセス マッピングによって、Windows SharePoint Services 3.0 は Web 要求を正しい Web アプリケーションおよびサイトにマップでき、Windows SharePoint Services 3.0 は正しいコンテンツをユーザーに提供できます。詳細については、「代替アクセス マッピングを計画する (Windows SharePoint Services)」を参照してください。

トレース ログを構成する

トレース ログは、発生する可能性がある問題の分析に役立ちます。トレース ログに書き込まれるイベントを利用して、問題が発生する前に、Windows SharePoint Services 3.0 に加えられた構成の変更を特定できます。

既定では、Windows SharePoint Services 3.0 は 2 日間のイベントをトレース ログ ファイルに保存します。つまり、2 日より古いイベントを含むトレース ログ ファイルは削除されます。Windows SharePoint Services Search サービスを使用する予定の場合は、7 日間のイベントを保存するようにトレース ログを構成することをお勧めします。

[サーバーの全体管理] の [診断ログ] ページを使用して、保持するトレース ログ ファイルの最大数、および各ログ ファイルのイベント記録時間 (分単位) を構成できます。既定では、96 個のログ ファイルが保持され、各ログ ファイルには 30 分間のイベントが格納されます。

96 個のログ ファイルに、ファイルあたり 30 分間のイベントが格納されると、2,880 分間 (2 日間) のイベントが記録されることになります。

また、ログ ファイルを書き込む場所を指定することも、既定のパスをそのまま使用することもできます。

トレース ログ ファイルは、Windows SharePoint Services Search サービスの構成の変更に関連する問題のトラブルシューティングに役立てることができます。構成変更に関連する問題はすぐに発見されるとは限らないため、構成変更を行った日にシステムが作成したすべてのトレース ログ ファイルを保存されることをお勧めします。これらのログ ファイルは上書きされない安全な場所に、長期間保存してください。ログ ファイルの保存のみに使用されるハード ディスク ドライブ パーティションにログ ファイルを保存することをお勧めします。

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このトピックは、簡単に読んだり印刷したりできるように、次のダウンロード可能なドキュメントに収められています。

入手可能なブックの一覧については、「Windows SharePoint Services のダウンロード可能なブック」を参照してください。