モバイル クライアントに関する技術的考慮事項
トピックの最終更新日: 2013-02-22
「モビリティの計画」セクションでは、モバイル アクセスをサポートするように Lync Server 環境を構成する場合の考慮事項について説明します。このトピックでは、考慮する必要のある、その他のクライアント固有の情報について説明します。
モバイル クライアントの証明書要件
Microsoft Lync 2010 モバイル クライアントの自動検出をサポートするように選択する場合は、「証明書インフラストラクチャの要件」で説明されている Lync Server 2010 の証明書要件に加えて、特定のサブジェクトの別名 (SAN) エントリを証明書に含め、モバイルクライアントからのセキュリティで保護された接続をサポートする必要があります。詳しくは、「モビリティの証明書の要件」をご覧ください。
サーバーで証明書のインストールおよび構成を行うための要件のほかに、モバイル クライアントで証明書をインストールするための追加の要件はありません。
自動検出の要件
計画フェーズ中に、Lync モバイル クライアントの自動検出をサポートするか、既存の Web サービス URL を使用するかを決定する必要があります。自動検出機能を使用するには、この機能をサポートするように DNS を構成して新しい Web 公開ルールを作成する必要があります。詳しくは、「モビリティの要件の定義」および「モビリティの技術要件」をご覧ください。
モバイル クライアントのサインイン要件
モバイル アクセスをユーザーに展開する場合、ユーザーとの通信で必要とされるサインイン情報は、以下の要因によって決まります。
Lync モバイル クライアント
モバイル クライアントの自動検出を使用するように Lync Server 2010 が構成されているかどうか
ユーザーが社内の Lync Server または Office 365 および/または Lync Online でホストされているかどうか
ユーザーの SIP アドレスがユーザーのユーザー プリンシパル名 (UPN) と同じかどうか
以下のセクションで、各モバイル クライアントで必要なサインイン フィールドの概要について説明します。
Windows Phone、iPhone、iPad、および Android のサインイン要件
以下の表に、Lync 2010 for Windows Phone、Lync 2010 for iPhone、Lync 2010 for iPad、および Lync 2010 for Android の各ユーザーに必要なサインイン フィールドについて説明します。モバイル クライアントの自動検出を構成していない場合、ユーザーは、[サーバーの自動検出] をオフにして、内部および外部の検出アドレスを入力する必要もあります。
注: |
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[サインイン アドレス] および [パスワード] フィールドは、サインイン画面で使用できます。ユーザーは、サインイン画面から追加のサインイン設定を選択することで、[ユーザー名]、[サーバーの自動検出]、内部検出アドレス、および外部検出アドレスの各フィールドにアクセスできます。 |
ユーザーのホスト先 | SIP アドレスが UPN に一致する? | サインイン フィールド |
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Lync Server 2010 (社内) |
はい |
[サインイン アドレス] = SIP アドレス [パスワード] = パスワード [ユーザー名] = 空白 |
Lync Server 2010 (社内) |
いいえ |
[サインイン アドレス] = SIP アドレス [パスワード] = パスワード [ユーザー名] = UPN またはドメイン\ユーザー名 |
Office 365 および/または Lync Online |
はい |
[サインイン アドレス] = SIP アドレス [パスワード] = パスワード [ユーザー名] = 空白 |
Office 365 および/または Lync Online |
いいえ |
[サインイン アドレス] = SIP アドレス [パスワード] = パスワード [ユーザー名] = UPN |
Nokia (Symbian) のサインイン要件
以下の表に、Lync 2010 for Nokia (Symbian) のモバイル クライアントで必要なサインイン フィールドの概要について説明します。モバイル クライアントの自動検出を構成していない場合、ユーザーは、[サーバーの自動検出] をオフにして、内部および外部の検出アドレスを入力する必要もあります。
注: |
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[サインイン アドレス]、[パスワード]、[ユーザー名]、および [ドメイン] の各フィールドは Lync 2010 のセットアップ画面で使用できます。ユーザーは、[サーバーの自動検出] チェック ボックスをオフにすることで、内部検出アドレスと外部検出アドレスの各フィールドにアクセスできます。 |
ユーザーのホスト先 | SIP アドレスが UPN に一致する? | サインイン フィールド |
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Lync Server 2010 (社内) |
はい |
[サインイン アドレス] = SIP アドレス [パスワード] = パスワード [ユーザー名] = UPN、ドメイン\ユーザー名、またはユーザー名 [ドメイン] = ユーザーのドメイン ([ユーザー名] フィールドに指定されていない場合) |
Lync Server 2010 (社内) |
いいえ |
[サインイン アドレス] = SIP アドレス [パスワード] = パスワード [ユーザー名] = UPN、ドメイン\ユーザー名、またはユーザー名 [ドメイン] = ユーザーのドメイン ([ユーザー名] フィールドに指定されていない場合) |
Office 365 および/または Lync Online |
はい |
[サインイン アドレス] = SIP アドレス [パスワード] = パスワード [ユーザー名] = 空白 [ドメイン] = 空白 |
Office 365 および/または Lync Online |
いいえ |
[サインイン アドレス] = SIP アドレス [パスワード] = パスワード [ユーザー名] = UPN [ドメイン] = 空白 |
"勤務先から通話" 機能の要件
"勤務先から通話" 機能を使用するように計画する場合、"電話の同時呼び出しを有効にする" オプションが選択された音声ポリシーおよび "EnableMobility" オプションが選択されたモビリティ ポリシーをユーザーに割り当てる必要があります。詳しくは、「モビリティ ポリシーの構成」をご覧ください。
特定のフェデレーション連絡先が "勤務先から通話" 機能を使用してユーザーのモバイル デバイスでユーザーに接続できるようにするには、フェデレーション連絡先に "仕事仲間" プライバシー関係を割り当てる必要があります。これを割り当てない場合、フェデレーション連絡先 (既定では、"外部連絡先" プライバシー関係が割り当てられる) は、"勤務先から通話" 機能を使用できません。
モバイル クライアントの Join Launcher
Join Launcher は既存の Lync Web App IIS Web コンポーネントの一部です。Lync Server 2010 の累積的な更新プログラム(2011 年 8 月) 以降のリリースでは、Join Launcher を使用すると、ユーザーはモバイル デバイスを使用して会議にオプションで参加できます。
モバイル ユーザーが予定表のアラーム内の参加リンクをクリックすると、会議サーバーは、モバイル ユーザーが会議に参加できるように、ユーザーにコールバックします。モバイル ユーザーが会議に参加すると、そのユーザーの ID が名簿に表示されます。会議中に、ダイヤルイン ユーザーが会議に参加または会議から退出すると、モバイル ユーザーにアナウンスが流れます。その後、モバイル ユーザーは、電話のキーパッドからデュアルトーン多重周波数 (DTMF) コマンドを使用して、自身をミュートまたはミュート解除できます。
ユーザーが招待者一覧に含まれない場合、ユーザーは発表者によって許可されるまで電話会議ロビーに自動的に追加されます。発表者によって許可されると、会議サーバーからモバイル ユーザーへのコールバックが開始されます。
モバイル クライアントに Lync アプリケーションがインストールされていない場合、Join Launcher にリンクが表示されます。ユーザーはこのリンクをクリックして、モバイル プラットフォームのアプリケーション マーケットプレースから Lync アプリケーションをダウンロードできます。
エンタープライズ VoIP が有効でないモバイル ユーザーの会議参加
モビリティ機能や勤務先電話からの通話機能にアクセスできるユーザーは、エンタープライズ VoIP が有効になっている必要があります。しかし、エンタープライズ VoIP が有効になっていないユーザーは、適切な音声ポリシーが割り当てられていれば、モバイル デバイスのリンクをクリックして会議に参加できます。特定の音声ポリシーをこれらのユーザーに割り当てるか、ユーザーに適用されるグローバルまたはサイト レベルのポリシーが存在することを確認できます。割り当てた音声ポリシーには、公衆交換電話網 (PSTN) 使用法レコードとユーザーが会議に参加するためにダイヤルできる領域を定義するルートが必要です。音声ポリシー、PSTN 使用法レコード、およびルートの設定について詳しくは、「音声ポリシー、PSTN 使用法レコード、およびボイス ルートの構成」をご覧ください。
モバイル クライアントのプッシュ通知
iPhone、iPad、または Windows Phone のモバイル クライアントがアクティブでないときに、Mobility Service は、IM への新しい招待、不在着信した IM への招待、不在着信した通話、音声メールなど、各種イベントに関する通知 (プッシュ通知と呼ばれる) をモバイル デバイスに送信できます。Mobility Service は、通知を https 経由で、Lync Online データ センターに配置されたクラウドベースのサービスに送信します。このサービス (Microsoft Lync Server 2010 Push Notification サービスと呼ばれる) は、通知を Apple Push Notification サービスまたは Microsoft Push Notification サービスに送信します。その後、Apple Push Notification サービスまたは Microsoft Push Notification サービスは、通知をモバイル デバイスに送信します。既定では、プッシュ通知サービスはオフになっていますが、管理者は展開中または展開後にプッシュ通知サービスを構成できます。詳しくは、「モビリティの要件の定義」をご覧ください。
iPhone および iPad モバイル デバイスでは、Lync はクライアント セッションを最大で 3 日間維持します。これにより、ユーザーは、最大で 3 日間 (週末など)、アプリケーションを使用しなくても接続を維持し、プッシュ通知を受信できます。3 日経過した後、Lync はサインアウトし、ユーザーは、再サインインが必要であることを示すメッセージを受信します。
注: |
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Android および Nokia モバイル プラットフォームでは、Lync アプリケーションをバックグラウンドで実行できます。したがって、プッシュ通知は必要ありません。Android モバイル デバイスの Lync アプリケーションを終了する唯一の方法は、Lync から明示的にサインアウトすることです。Nokia モバイル デバイスでは、ユーザーは、Lync アプリケーションから直接サインアウトするか、または Lync アプリケーションを停止するかを選べます。 |
モバイル クライアントのログの収集
Lync モバイル クライアントのログ機能を使用すると、ユーザーは、使用状況データをユーザー プロファイルに記録できます。ユーザーは、モバイル デバイスの Lync で発生する可能性のある問題をトラブルシューティングする目的でこのデータを使用できます。既定では、診断ログはオフになっていますが、ユーザーに問題が発生した場合は、診断ログをオンにするようにユーザーに指示できます。診断ログでは、Lync セッション、音声パラメーターと接続パラメーター、デバイスのセットアップ、プレゼンス データ、メッセージの詳細、ログオン履歴、および連絡先リストに関する情報が追跡されます。診断ログを有効にした後、ユーザーは、ログ情報をサポート チームに手動で送信するように選択できます。
iPad または iPhone デバイスでログを送信するには、[オプション] に移動し、[ログ]、[ログ ファイルの送信] ボタンの順にタップします。電子メールフォームが表示されると、ユーザーは受信者 (サポート チームなど) の電子メール アドレスを入力し、[送信] をタップできます。この機能を正常に動作するには、ユーザーは [ログ記録を有効にする] をオンにしておく必要があります。
Windows Phone でログを送信するには、ユーザーは、[設定] に移動し、[ログ] を選び、[ログを送信] をタップできます。ログがイメージ ファイルに変換されて "保存した写真" ファイルに保存されたこと、およびそのファイルを添付する必要があることを説明するダイアログ ボックスが表示されます。ユーザーが [OK] をクリックすると、電子メール フォームが表示されます。ユーザーは受信者の電子メール アドレスを入力して、ダイアログに示された写真を添付します。登録された各ログ イメージの表面には、添付するファイルを識別する番号が印刷されています。ユーザーがログを送信するたびに、ログ イメージに印刷される番号は増加します。
Nokia デバイスでは、ログを送信するための機能は提供されません。
注: |
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モバイル デバイスをコンピューターに接続しているときに、ログ イメージ ファイルの送信を試みると、問題が発生する場合があります。この問題が発生した場合、ユーザーは、コンピューター ケーブルを外して、ログを再度送信できます。 |