/netcf
.NET Compact Framework を対象とするようにコンパイラを設定します。
/netcf
解説
/netcf オプションでは、Visual Basic コンパイラが完全な .NET Framework ではなく .NET Compact Framework を対象にします。 .NET Framework だけで使用できる言語機能は無効になります。
/netcf オプションは /sdkpath と組み合わせて使用するよう設計されています。 /netcf によって無効になる言語機能は、/sdkpath の対象となるファイルで使用できる言語機能と同じです。
注意
/netcf オプションは Visual Studio の開発環境内からは利用できません。このオプションを利用できるのは、コマンド ラインからコンパイルするときだけです。/netcf オプションは、Visual Basic デバイス プロジェクトが読み込まれている場合に設定されます。
/netcf オプションは、次の言語機能を変更します。
プログラムの実行を終了する End <キーワード> ステートメント (Visual Basic) キーワードが無効になります。 次のプログラムは、/netcf なしでコンパイルおよび実行可能ですが、/netcf を指定するとコンパイル時に失敗します。
Module Module1 Sub Main() End ' not valid to terminate execution with /netcf End Sub End Module
すべての形式の遅延バインディング。 認識されている遅延バインディングのシナリオと同じ状況になると、コンパイル時エラーが発生します。 次のプログラムは、/netcf なしでコンパイルおよび実行可能ですが、/netcf を指定するとコンパイル時に失敗します。
Class LateBoundClass Sub S1() End Sub Default Property P1(ByVal s As String) As Integer Get End Get Set(ByVal Value As Integer) End Set End Property End Class Module Module1 Sub Main() Dim o1 As Object Dim o2 As Object Dim o3 As Object Dim IntArr(3) As Integer o1 = New LateBoundClass o2 = 1 o3 = IntArr ' Late-bound calls o1.S1() o1.P1("member") = 1 ' Dictionary member access o1!member = 1 ' Late-bound overload resolution LateBoundSub(o2) ' Late-bound array o3(1) = 1 End Sub Sub LateBoundSub(ByVal n As Integer) End Sub Sub LateBoundSub(ByVal s As String) End Sub End Module
Auto (Visual Basic)、Ansi (Visual Basic)、Unicode (Visual Basic) 修飾子が無効になります。 Declare ステートメント ステートメントの構文も Declare Sub|Function name Lib "library" [Alias "alias"] [([arglist])] に変更されます。 /netcf によるコンパイルへの影響を、次のコードで示します。
' compile with: /target:library Module Module1 ' valid with or without /netcf Declare Sub DllSub Lib "SomeLib.dll" () ' not valid with /netcf Declare Auto Sub DllSub1 Lib "SomeLib.dll" () Declare Ansi Sub DllSub2 Lib "SomeLib.dll" () Declare Unicode Sub DllSub3 Lib "SomeLib.dll" () End Module
Visual Basic で削除された Visual Basic 6.0 のキーワードを使用すると、/netcf を使用した場合に別のエラーが発生します。 これにより、次のキーワードに対するエラー メッセージが影響を受けます。
Open
Close
Put
Print
Write
Input
Lock
Unlock
Seek
Width
Name
FreeFile
EOF
Loc
LOF
Line
使用例
次のコードは、C ドライブ上の .NET Compact Framework の既定のインストール ディレクトリにある Mscorlib.dll のバージョンと Microsoft.VisualBasic.dll のバージョンを使用して、.NET Compact Framework で Myfile.vb をコンパイルします。 通常は、最新のバージョンの .NET Compact Framework を使用します。
vbc /netcf /sdkpath:"c:\Program Files\Microsoft Visual Studio .NET 2003\CompactFrameworkSDK\v1.0.5000\Windows CE " myfile.vb
参照
関連項目
コンパイル コマンド ラインのサンプル (Visual Basic)