Notification Services のインスタンスの配置
Notification Services アプリケーションは、Notification Services のインスタンスに配置されます。Notification Services 管理オブジェクト (NMO) を使用して作成されたプログラムによるインスタンス構成またはインスタンス構成ファイル (ICF) によって、1 つ以上の通知アプリケーションが Notification Services のインスタンスに関連付けられます。
インスタンスを配置するには、次のタスクを実行します。
- インスタンス構成をコンパイルして、インスタンスおよびアプリケーションのデータベース オブジェクトを作成します。
- Notification Services のインスタンスを登録します。
- ホストされるイベント プロバイダ、ジェネレータ、およびディストリビュータを実行する Notification Services エンジンをインストールします。インスタンスの登録時にインストール可能な Microsoft Windows サービスをこのエンジンにすることも、カスタム アプリケーションでエンジンをホストすることもできます。
- ホストされないイベント プロバイダまたはサブスクリプション管理インターフェイスをアプリケーションで使用する場合は、これらのコンポーネントも配置する必要があります。
ここでは、Notification Services のインスタンス、ホストされないイベント プロバイダ、およびサブスクリプション管理インスタンスを配置するための指針と配置例を提供します。
メモ : |
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Notification Services の配置はすべて、それぞれが異なります。このセクションの手順は、独自の配置手順を開発およびテストするためのガイドラインとしてのみ使用してください。 |
配置のオプション
Notification Services は、複数のシステム構成をサポートします。
- Notification Services エンジン コンポーネントとデータベースを 1 台のサーバーに配置できます。
- Notification Services エンジンとデータベースを別々のサーバーに配置できます。
- Notification Services エンジン コンポーネントを複数のサーバーに配置して、大規模アプリケーション用のスケールアウト オプションを提供できます。
- Notification Services エンジン コンポーネントは、フェールオーバー クラスタで実行できます。
- Notification Services のインスタンスのデータベースは、フェールオーバー クラスタに配置できます。詳細については、「フェールオーバー クラスタリング」を参照してください。
Notification Services のインスタンスは、インスタンスと同じサーバーまたはリモート サーバーで実行可能な、ホストされないイベント プロバイダおよびサブスクリプション管理インターフェイスを使用することもできます。詳細については、次のトピックを参照してください。
これらの構成の詳細については、「ハードウェア構成」を参照してください。
基本的な配置手順
Notification Services のインスタンスの基本的な配置手順を次の一覧に示します。各手順は複数の方法で実行できます。オプションおよび手順については、後述の「配置手順」を参照してください。
重要 : |
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Microsoft SQL Server 2005 では、ネットワーク プロトコルが既定で無効になっています。何らかの Notification Services コンポーネントがデータベース サーバー以外のサーバーで実行されている場合、適切なネットワーク プロトコルを有効にする必要があります。詳細については、「SQL Server セキュリティ構成」を参照してください。 |
- 配置を計画し、必要な情報を集めます。
- データベース、イベント プロバイダ、ジェネレータ、およびディストリビュータをどのサーバーでホストするか、サブスクリプション管理インターフェイスをどこに配置するかなど、インスタンスのシステム構成を決定します。
Microsoft SQL Server Standard Edition を使用している場合は、ホストされるイベント プロバイダ、ジェネレータ、およびディストリビュータをすべて同じサーバーに配置する必要があります。 - Notification Services エンジンの実行に使用するアカウントを決定します。このアカウントには、ドメイン アカウント、ローカル アカウント、または組み込みアカウントを使用できます。詳細については、「Notification Services のインスタンスの Windows アカウントの構成」を参照してください。
- SQL Server に接続するためのセキュリティ モデルを決定します。Notification Services、Windows 認証、および SQL Server 認証を使用できますが、Microsoft では Windows 認証を推奨しています。
- SQL Server 認証を使用する場合は、Notification Services エンジンが SQL Server への接続に使用する SQL Server ログインを決定します。このログインには、最低限の権限を許可します。その他の権限は後で許可します。
- インスタンスがホストするすべてのアプリケーションについて、XSLT (Extensible Stylesheet Language Transforms) ファイルやカスタム コンポーネントなどのインスタンス構成、アプリケーション定義、および操作ファイルを取得します。これらのファイルはインスタンスを作成および実行する際に必要となります。
インスタンスの作成に使用するファイルとインスタンスの実行に使用するファイルは、別々に格納する必要があります。詳細については、「ファイルおよびフォルダのセキュリティ保護」を参照してください。
- データベース、イベント プロバイダ、ジェネレータ、およびディストリビュータをどのサーバーでホストするか、サブスクリプション管理インターフェイスをどこに配置するかなど、インスタンスのシステム構成を決定します。
- Notification Services をインストールします。
ホストされるイベント プロバイダ、ジェネレータ、またはディストリビュータを実行する各サーバーに Notification Services エンジン コンポーネントをインストールします。ホストされないイベント プロバイダまたはサブスクリプション管理アプリケーションを実行する各サーバーに Notification Services クライアント コンポーネントをインストールします。 - Notification Services のインスタンスを作成します。
インスタンスを作成すると、インスタンス構成からインスタンス データを読み取って、インスタンスのデータベース オブジェクトが作成されます。次に、関連付けられた各アプリケーション定義からアプリケーション データを読み取って、アプリケーションのデータベース オブジェクトを作成します。 - Notification Services のインスタンスを有効にします。
インスタンスを有効にすると、インスタンス データベースでインスタンスの状態が "有効" に設定され、イベント コレクション、通知の生成、通知の配信、サブスクライバ管理、およびサブスクリプション管理が有効になります。 - Notification Services のインスタンスを登録します。
インスタンス名、バージョン、およびデータベース サーバーの情報を Windows レジストリに追加します。イベント プロバイダ、ジェネレータ、ディストリビュータ、またはサブスクリプション管理インターフェイスを実行する各サーバーでインスタンスを登録する必要があります。また、Windows サービスを使用してエンジン コンポーネントを実行するコンピュータ上で、インスタンス登録時に Windows サービスを作成する必要があります。 - Notification Services エンジンの SQL Server ログインを作成します。
NS$instanceName Windows サービスでは、このサービスを実行するための Windows アカウントが使用されます。また、SQL Server 認証を使用している場合は、Notification Services のインスタンスの登録時に指定された SQL Server ログインが使用されます。 - このログインのデータベース ユーザー アカウントを作成してから、ユーザーを適切なデータベース ロールに追加します。詳細については、「Notification Services のインスタンスの SQL Server 権限の構成」を参照してください。
- インスタンスを開始します。
NS$instanceName Windows サービスを使用している場合、インスタンスを開始するには、ホストされるイベント プロバイダ、ジェネレータ、またはディストリビュータを実行する各サーバーでサービスを開始します。
Notification Services は、有効なすべてのコンポーネントに対して、イベント コレクション、通知の生成、および配信機能を開始します。
これで、サブスクライバおよびサブスクリプションの追加やイベントの送信を実行できるようになり、Notification Services によって通知が生成されるようになりました。アプリケーションが正常に動作しない場合は、次の手順を実行してインスタンスの状態を表示し、すべてのコンポーネントが正しいサーバーで有効になっていること、および正常に実行されていることを確認します。また、Windows イベント ビューアのアプリケーション ログを調べて、エラーや警告がないか確認します。
チュートリアル
ここでは、Windows 認証を使用するさまざまなシステム構成に Notification Services のインスタンスを配置する方法についてのチュートリアルを提供します。このチュートリアルを使用すると、Notification Services アプリケーションの配置について十分に理解できると共に、インスタンスおよびアプリケーションを配置するための独自の手順やバッチ ファイルを作成できるようになります。
配置手順
次の各トピックには、上記の配置手順が含まれます。
Notification Services をインストールするには
Notification Services のインスタンスを作成するには
- Notification Services のインスタンスを作成する方法 (SQL Server Management Studio)
- nscontrol create コマンド
- Microsoft.SqlServer.Management.Nmo.Instance.Create
Notification Services のインスタンスを有効にするには
- Notification Services のインスタンスを有効にする方法 (SQL Server Management Studio)
- nscontrol enable コマンド
- Microsoft.SqlServer.Management.Nmo.Instance.Enable
Notification Services のインスタンスを登録するには
- エンジン コンポーネントに対する Notification Services のインスタンスを登録する方法 (SQL Server Management Studio)
- クライアント コンポーネントに対する Notification Services のインスタンスを登録する方法 (SQL Server Management Studio)
- nscontrol register コマンド
- RegisterLocal
Notification Services のインスタンスにデータベース権限を許可するには
- Notification Services のインスタンスにデータベース権限を許可する方法
- ホストされないイベント プロバイダにデータベース権限を許可する方法
- サブスクリプション管理インターフェイスにデータベース権限を与える方法
Notification Services のインスタンスを開始するには
- Notification Services のインスタンスを開始する方法 (SQL Server Management Studio)
- Notification Services のインスタンスを開始する方法 (SQL Server 構成マネージャ)
- Notification Services のインスタンスを開始する方法 (サービス マネージャ)
- Notification Services のインスタンスを開始する方法 (コマンド プロンプト)
- Notification Services のクラスタ化インスタンスを起動する方法
インスタンスの状態を表示するには
参照
概念
ホストされないイベント プロバイダの配置
サブスクリプション管理インターフェイスの配置
その他の技術情報
Notification Services の配置
Notification Services のトラブルシューティング