複数のサーバーに SharePoint 統合をインストールして構成する方法

更新日: 2011 年 9 月

このトピックでは、2 台のサーバーの配置トポロジに SharePoint 統合モードで Reporting Services (SSRS) をインストールして構成する手順について説明します。

重要な注意事項重要

1 台および 2 台のサーバー配置で手順の多くが同じであるため、詳細の参照先として単一サーバーのトピックが示される場合が多数あります。「方法: スタンドアロン サーバーに SharePoint 統合をインストールして構成する」を参照してください。

ヒントヒント

SharePoint Developer Tools は、SharePoint スタンドアロン構成のみをサポートします。詳細については、SharePoint のドキュメント (「SharePoint ソリューションの開発要件」) を参照してください。

データベース エンジン専用の第 3 のサーバーでアプリケーション データベースをホストする方法は、ユーザー数が比較的多いことが予想される場合にパフォーマンスを向上させる目的でよく使用される方法です。3 台以上のサーバーの使用方法の詳細については、「SharePoint 統合モードでの Reporting Services の配置トポロジ」を参照してください。

必要条件

コンポーネントをインストールする前に、次の手順を実行する必要があります。

2 台のサーバーの配置のためのインストールの概要

2 台のサーバーの配置としては、複数のデザインが考えられます。アプリケーションおよびネットワークの用途に適した配置を決定する必要があります。

2 台のサーバーの配置: 例 1

可能な配置デザインとしては、次の図に示すように、1 台のコンピューターをすべてのアプリケーション コンポーネントに使用し、もう 1 台のコンピューターをデータベース コンポーネントのみに使用する形態があります。

注意

このように配置するには、コンピューター 1 およびコンピューター 2 の両方に SQL Server をインストールする必要があります。2 台のコンピューターに、同じエディションの SQL Server をインストールする必要があります。

2 コンピューター配置

2 台のサーバーの配置: 例 2

別の配置デザインとしては、最初のコンピューターを SharePoint アプリケーション コンポーネントのみに使用し、第 2 のコンピューターにデータベース コンポーネントと共に SSRS サーバーをインストールする形態があります。このデザインを次の図に示します。この記事では、このデザインについて説明しています。

注意

この配置では、コンピューター 1 とコンピューター 2 の両方に SharePoint 製品がインストールされている必要があります。2 台のコンピューターに、同じエディションの SharePoint 製品をインストールする必要があります。

2 コンピューター配置: 例 2

次に、2 台のコンピューターにインストールするコンポーネントの概要を示します。

  • 最初のコンピューター: このサーバーはファームのプライマリ サーバーとなり、SharePoint サーバーの全体管理はこのサーバーにインストールされます。ユーザーは、このコンピューター上のサイト コレクションからレポート サーバー コンテンツにアクセスします。

    • SharePoint の製品またはテクノロジのインスタンス

    • SharePoint 製品用 Reporting Services アドイン

  • 第 2 のコンピューター: このサーバーを使用して、レポート サーバー データベースおよび SharePoint アプリケーション データベースと共にレポート サーバーをホストします。

    • SQL Server 2008 R2 Reporting Services.

    • SQL Server データベース エンジン

    • SharePoint Web サーバー フロントエンド コンポーネント (レポート サーバーで SharePoint オブジェクト モデルを使用するため)

複数サーバー配置のアカウント要件

  • SharePoint の製品またはテクノロジのインスタンスを SharePoint_config データベースに接続するには、ドメイン ユーザー アカウントが必要です。サーバー ファームでは、サービスとデータベースの接続にドメイン アカウントを使用する必要があります。可能であれば、このアプリケーションだけに使用できる新しいアカウントを作成します。独自の資格情報や、SharePoint サイトに通常のユーザーとしてアクセスする可能性があるユーザーの資格情報は使用しないようにしてください (アクセス拒否エラーが発生します)。

  • ドメイン アカウントの SQL Server データベース ログインを作成する必要があります。このログインには、サーバーに対する DBCreator 権限が必要です。

  • SharePoint アプリケーション プールのプロセス アカウントをドメイン ユーザーとして実行するように構成する必要があります。

  • レポート サーバー サービスをドメイン ユーザー アカウントとして実行するように構成する必要があります。

  • すべてのセットアップ プログラムを実行し、プライマリ サイト コレクション管理のための権限を許可し、レポート サーバー統合の構成時にデータベース アクセスを許可するには、管理者資格情報が必要です。

インストールの順序

次に、お勧めのインストールと構成の順序を示します。

  1. **コンピューター 2:**SQL Server Reporting Services および SQL Server データベース エンジンをインストールします。

  2. **コンピューター 2:**SharePoint オブジェクト モデルがコンピューター上に存在し、レポート サーバーで使用できる状態になるように、SharePoint 2010 製品の最小構成をインストールします。

  3. **コンピューター 1:**SharePoint 2010 製品準備ツールを実行します。これによって、SharePoint 2010 製品の Reporting Services アドインがインストールされます。

  4. **コンピューター 1:**SharePoint Server 2010 または SharePoint Foundation 2010 をインストールします。

  5. **コンピューター 1:**SharePoint の製品とテクノロジの構成ウィザードを実行し、データベース サーバーを選択します。

  6. **コンピューター 1:**サーバーの全体管理でサイト コレクション機能を構成し、SharePoint サイトを開いて環境の有効性を確認します。

  7. **コンピューター 1:**SharePoint サーバーの全体管理でレポート サーバーの統合機能を構成します。

コンピューター 2: Reporting Services とデータベース エンジンをインストールするには

コンピューター 2: SharePoint Web サーバー フロントエンドを SSRS サーバーにインストールするには

コンピューター 1: SharePoint 2010 製品準備ツールを実行するには

コンピューター 1: SharePoint 2010 製品をインストールするには

コンピューター 1: SharePoint 製品構成ウィザードを実行するには

  • 方法: スタンドアロン サーバーに SharePoint 統合をインストールして構成する」の「SharePoint 製品構成ウィザードを実行するには」に記載されている手順を完了します。ただし、次の注意点があります。

    • [構成データベースの設定] ページで、データベース サーバー名を入力します。データベース エンジンを既定のインスタンスとしてコンピューター 2 にインストールした場合は、データベース サーバー名はコンピューター 2 のコンピューター名になります。

    • [SharePoint サーバーの全体管理の構成] ページで、[次へ] をクリックして既定値をすべてそのまま使用します。ドメインで権限の借用機能と委任機能が Windows 認証に対して有効になっていることがわかっている場合は、代わりに [ネゴシエート (Kerberos)] を選択できます。それ以外の場合は、既定値を選択して [次へ] をクリックします。

    インストールの順序の先頭へ

コンピューター 1: ファーム構成ウィザードを完了するには

コンピューター 1: SharePoint サーバーの全体管理でレポート サーバーの統合機能を構成するには

Reporting Services サービスをビルトイン アカウントで実行している場合はエラーが発生します。ドメイン ユーザー アカウントを使用するように既にサービスを構成している場合は、サービスを再起動して古い接続情報を消去します (現在のセッションで既存の接続がある場合)。サービス アカウントの構成の詳細については、「レポート サーバー サービスのアカウントの構成」を参照してください。

インストールの順序の先頭へ

省略可能: Reporting Services アドインをダウンロードしてインストールするには

  • SQL 2008 R2 Reporting Services SharePoint 2010 アドインは、SharePoint 製品準備ツール (PreRequisiteInstaller.exe) でインストールされる製品の 1 つであることに注意してください。したがって、ダウンロードとインストールを別々に行う必要はありません。ただし、インストールの順序または手順を変更する場合は次の情報を参照してください。

    アドイン rsSharePoint.msi は別にダウンロードしてインストールすることもできます。詳細については、「SharePoint 製品用 Reporting Services アドインの入手先」および「Reporting Services アドインをインストールまたはアンインストールする方法」を参照してください。

    重要な注意事項重要

    Reporting Services アドインをインストールするには、SharePoint Web ファームの管理者であるか、サイト コレクションの管理者である必要があります。

    インストールの順序の先頭へ

次の手順

すべてのコンポーネントをインストールし、サーバー コンポーネントを接続するための設定を構成した後は、権限を割り当ててコンテンツの種類を追加し、レポート サーバー アイテムを SharePoint ライブラリに追加する必要があります。

サーバーの統合のための配置タスクを完了するには

  1. SharePoint Web アプリケーションを起動します。既定の URL は http://<your-server-name> です。

  2. ユーザーが SharePoint サイトにアクセスできるように権限を設定します。セキュリティは必要ですが、既存の権限を継承する場合は、特定のアイテムに対して権限を設定する必要はありません。詳細については、SQL Server オンライン ブックの「SharePoint サイトのレポート サーバー アイテムに対する権限の付与」または「サイト上のレポート サーバー アイテムに対する権限を設定する方法 (Reporting Services の SharePoint 統合モード)」を参照してください。

  3. 新しい共有データ ソース、レポート モデル、およびレポート ビルダー レポートを作成する場合は、Reporting Services のコンテンツの種類を追加します。詳細については、SQL Server オンライン ブックの「レポート サーバー コンテンツの種類をライブラリに追加する方法 (Reporting Services の SharePoint 統合モード)」を参照してください。

  4. レポートおよびモデルで使用する共有データ ソースを作成します。詳細については、SQL Server オンライン ブックの「共有データ ソースを作成および管理する方法 (Reporting Services の SharePoint 統合モード)」を参照してください。

  5. サブスクリプションまたは自動レポート処理で使用する共有スケジュールを作成します。詳細については、SQL Server オンライン ブックの「共有スケジュールを作成および管理する方法 (Reporting Services の SharePoint 統合モード)」を参照してください。

  6. レポート定義ファイル (.rdl)、データ ソース ファイル (.rds)、およびレポート モデル ファイル (.smdl) を SharePoint ライブラリにパブリッシュします。また、SharePoint ライブラリでアップロード コマンドを使用して、.rdl ファイルと .smdl ファイルをアップロードすることもできます。ただし、.rds ファイルはアップロードできません。権限に応じて、レポート ビルダーでレポートを作成してライブラリに保存することもできます。共有データ ソースまたは外部ファイルへの参照がレポートに含まれている場合、参照を更新する必要があります。詳細については、SQL Server オンライン ブックの「SharePoint サイトへのモデルおよび共有データ ソースの配置」および「SharePoint ライブラリにドキュメントをアップロードする方法 (Reporting Services の SharePoint 統合モード)」を参照してください。

レポートをアップロードする場合、レポートのデータ ソース プロパティが正しいことを確認してください。このデータ ソースでは、外部データ ソースに対する有効な接続文字列が必要です。資格情報の種類は、ネットワーク トポロジに対して有効である必要があります。具体的には、Kerberos 認証がドメインに対して有効ではない場合、資格情報の種類に Windows 統合セキュリティは使用できません。代わりに、保存された資格情報を指定する必要があります。データ ソース プロパティが正しいことを確認したら、レポート名をクリックしてレポートを開くことができます。レポートは、レポート ビューアー Web パーツに自動的に表示されます。

レポートが表示されない場合は、レポートに対する権限と、外部データ ソースへの接続を定義するデータ ソース プロパティを確認します。サイトまたはファームでは、SharePoint の権限を使用して、レポート、レポート モデル、共有データ ソース、およびアドホック レポートの作成に使用されるレポート ビルダー ツールへのアクセスを制御しています。これらのアイテムがユーザーに表示されない場合、権限が正しく設定されているかどうかを確認する必要があります。

SharePoint 統合モードで実行されるレポート サーバーは、レポート マネージャーでは管理できません。サポートされている機能とサポートされていない機能の一覧については、SQL Server オンライン ブックの「SharePoint 統合モードで Reporting Services がサポートする機能」を参照してください。

変更履歴

日付

変更

2011 年 9 月

SharePoint Developer Tools は SharePoint スタンドアロン構成のみをサポートするという内容のメモを追加しました。

以前の SharePoint UI から SharePoint 2010 UI に参照を更新し、新しい図を使用したほか、特に 2 台のサーバーのインストールに関するトピックに重点を置き、単一サーバーのトピックにリンクするなど、多数の編集を行いました。