PowerShell 構成スクリプト (PowerPivot for SharePoint)
PowerShell スクリプトでサーバーを配置および管理する SharePoint ファーム管理者またはサービス管理者向けのトピックです。SharePoint 2010 サーバーの全体管理を使用して同じタスクを実行する方法については、「構成 (PowerPivot for SharePoint)」を参照してください。
構成済みまたは既にファームのメンバーである既存の SharePoint サーバーに SQL Server PowerPivot for SharePoint をインストールした場合、PowerPivot for SharePoint 配置における動作を目的とした SharePoint サービスやアプリケーションの作成または変更を、SQL Server セットアップで行うことはできません。配置を完了するには、構成タスクを手動で実行する必要があります。インストール後のタスクはすべてスクリプトで実行できます。このトピックでは、テンプレートを示して、スクリプトの使用方法および実行方法について説明します。
このトピックの内容は次のとおりです。
前提条件
コマンドの実行方法
PowerPivot ソリューションの配置
PowerPivot 機能のアクティブ化
PowerPivot サービス アプリケーションの作成
Windows トークン サービスに対するクレームの開始
Excel Services の有効化と構成
Secure Store Service の有効化とデータ更新の構成
既定の Web アプリケーションの最大アップロード サイズの再構成
前提条件
このトピックのコマンドを実行するには、ローカル管理者およびファーム管理者である必要があります。
コマンドの実行方法
このトピックの PowerShell コマンドは、PowerPivot for SharePoint の配置の特定の要素を構成するための各セクションに分けられています。SharePoint 2010 管理シェルで各コマンド ブロックを個別に実行したり、.ps1 ファイルに配置したりできます。
各コマンドを個別に実行するには
Microsoft SharePoint 2010 製品のプログラム グループで、[SharePoint 2010 管理シェル] を右クリックして [管理者として実行] をクリックします。
シェルで次のコマンドを入力して、十分な権限があるかどうかを確認します。このコマンドを実行すると、Excel Services でサポートされている PowerShell コマンドの一覧が返されます。
get-help *SPExcel*
.ps1 ファイルを実行するには
または、スクリプトを単一の .ps1 ファイルに結合して、すべての設定を 1 回の操作で構成することもできます。この場合は、署名されていないスクリプトを実行できるように実行ポリシーを一時的に変更する必要があります。以下の手順は、この方法について説明しています。
管理者権限を使用して、SharePoint 2010 管理シェルを開きます。
次のコマンドを実行して、実行ポリシーを確認します。後で、PowerPivot for SharePoint の配置が完了したら、実行ポリシーをこの値にリセットします。
Get-ExecutionPolicy
次のコマンドを実行して、署名されていないスクリプトを許可するように実行ポリシーを一時的に変更します。Y を入力して、操作を確定します。
Set-ExecutionPolicy Unrestricted
完全修飾されたファイル名を入力して、スクリプトを実行します。たとえば、スクリプトを PowerPivotConfig.ps1 という名前のファイルに保存した場合は、次の行を入力して Enter キーを押し、スクリプトを実行します。
C:\Scripts-ps1\PowerPivotConfig.ps1
実行ポリシーを手順 2. の元の値にリセットします。Y を入力して、操作を確定します。
Set-ExecutionPolicy restricted
PowerShell ウィンドウから値をコピーするには
このトピックには、PowerShell ウィンドウから ID をコピーすることが必要になる手順がいくつかあります。この方法が既知でない場合は、次の手順に従ってください。
管理者権限を使用して、SharePoint 2010 管理シェルを開きます。
GUID を返すコマンドを入力します (たとえば、Get-SPServiceInstance など)。
ウィンドウの左上隅にある PowerShell アイコンをクリックします。
[編集] をポイントし、[マーク] をクリックします。
カーソルを使用して、ID をハイライトします。
PowerShell アイコンを再度クリックして、[編集] をポイントし、[コピー] をクリックします。これで、ID がクリップボードに格納されました。パラメーター値として ID を使用する他のコマンド ステートメントに ID を貼り付けることができます。
PowerPivot ソリューションの配置
PowerPivot for SharePoint には、PowerPivot サービス アプリケーションを作成する前に配置する必要があるグローバル ソリューションとアプリケーション レベルのソリューションが 1 つずつ含まれています。グローバル ソリューションは SQL Server セットアップによって配置されます。アプリケーション レベルのソリューションはセットアップ後に配置する必要があります。このスクリプトは、PowerPivot 機能の統合をサポートする SharePoint Web アプリケーションごとに実行する必要があります。
このスクリプトの代わりに、「PowerPivot ソリューションの配置」に記載されている手順を使用することもできます。
Install-SPSolution -Identity PowerPivotWebApp.wsp -AllWebApplications -GACDeployment
機能のアクティブ化
各サイト コレクションには、PowerPivot 機能のアクティブ化が必要です。このスクリプトは、"somesite" という名前の SharePoint Web アプリケーションのルート サイト コレクションを指定します。"somesite" は、Web アプリケーションの実際の名前に置き換えてください。追加のサイト コレクション (たとえば、PowerPivot という名前のサイト) を作成した場合、URL は http://somesite/PowerPivot になります。
このスクリプトの代わりに、「サイト コレクションを対象とした PowerPivot 機能の統合のアクティブ化」に記載されている手順を使用することもできます。
Enable-SPFeature -Identity "PowerPivotSite" -URL http://somesite/
注 |
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Get-SPFeature コマンドを使用して、すべてのファーム、Web、およびサイトスコープの機能の一覧を表示できます。このコマンドを実行すると、PowerPivot のファーム機能とサイト コレクション機能の両方の ID が表示されます。 |
PowerPivot サービス アプリケーションの作成
PowerPivot サービス アプリケーションを作成すると、PowerPivot System サービスに HTTP エンドポイントが提供されます。ファームには、少なくとも 1 つの PowerPivot サービス アプリケーションがあり、それは既定のプロキシ グループのメンバーである必要があります。
このスクリプトでは、PowerPivot サービス アプリケーションに対するサービス ID として既定のサービス アプリケーション プールを使用することに注意してください。また、このスクリプトには、ファーム データベース サーバーのプレースホルダーが含まれます。'Your database server name goes here' という文字列を、ファームの構成データベースをホストする SQL Server データベース エンジン インスタンスの名前に置き換えてください。
スクリプトの実行前に、データベース サーバーがリモート TCP/IP 接続を許可するように構成されていることを確認します。これが許可されていない場合は、SQL Server 構成ツールを使用して、TCP/IP を有効にできます。
このスクリプトの代わりに、「PowerPivot サービス アプリケーションの作成および構成」に記載されている手順を使用することもできます。
New-PowerPivotServiceApplication -ServiceApplicationName "Default PowerPivot Service Application" -DatabaseServerName "your database server name goes here" -DatabaseName DefaultPowerPivotServiceApplicationDB -AddToDefaultProxyGroup
Windows トークン サービスに対するクレームの開始
PowerPivot for SharePoint がインストールされている各 SharePoint サーバーで、Windows トークン サービスに対するクレームを実行する必要があります。
このスクリプトの代わりに、「既存の SharePoint サーバーに PowerPivot for SharePoint をインストールする方法」に記載されている手順を使用することもできます。
次のコマンドを実行して、Windows トークン サービスに対するクレームの ID を取得します。
Get-SPServiceInstance
サービスに対して返される ID をコピーします。
サービスを指定する ID を使用して、次のコマンドを入力します。
Start-SPServiceInstance <ID>
Get-SPServiceInstance を再実行して、Windows トークン サービスに対するクレームがオンラインであることを確認します。
PowerPivot for SharePoint がインストールされている各 SharePoint サーバーでこれを繰り返します。
Excel Services の有効化と構成
Excel Services は、SharePoint にパブリッシュする Excel ブックのサーバー側のレンダリングを実行します。PowerPivot for SharePoint は、PowerPivot データの要求をトリガーしたり、PowerPivot データをピボットテーブルまたはワークシート内のその他のデータ オブジェクトとしてレンダリングしたりする際に、Excel Services に依存します。
このスクリプトの代わりに、「既存の SharePoint サーバーに PowerPivot for SharePoint をインストールする方法」に記載されている手順を使用することもできます。
情報の収集および前提条件の確認
次のコマンドを実行して、Excel Calculation Services がオンラインになっているかどうかを確認します。オンラインでない場合は、Windows トークン サービスに対するクレームを開始するために使用した同じ方法でサービスを開始します。
Get-SPServiceInstance
次のコマンドを実行して、Excel Services サービス アプリケーションが既に有効になっているかどうかを確認します。サービス アプリケーションが既に存在する場合は、それを作成するコマンドをスキップしますが、外部データ アクセスを有効にするコマンドは実行し、ブックの最大サイズを増やし、データ更新警告を無効にします。
Get-SPExcelServiceApplication
サービス アプリケーションの作成に使用するアプリケーション プールの名前を取得します。次のスクリプトでは、SharePoint Web Services の既定のアプリケーション プールを使用します。ただし、次のコマンドを実行して、他のアプリケーション プールがより適切であるかどうかを判断できます。
Get-SPServiceApplicationPool
サービス アプリケーションおよびサービス アプリケーション プロキシの作成
New-SPExcelServiceApplication -name "Excel Services Application" –ApplicationPool "SharePoint Web Services Default"
New-SPExcelServiceApplicationProxy -name "Excel Services Application Proxy" –ServiceApplication "Excel Services Application" -DefaultProxyGroup
サービス アプリケーションの構成
このスクリプトは、ブックの最大サイズを増やし、外部データ アクセスを有効にし、データ更新の警告を無効にします。
Set-SPExcelFileLocation -Identity 'http://' -ExcelServiceApplication "Excel Services Application" -ExternalDataAllowed 2 -WorkbookSizeMax 2000 -WarnOnDataRefresh:$false
既定のサービス アプリケーション プロキシ グループへのサービス アプリケーションの追加
Excel Services アプリケーション用のサービス アプリケーション プロキシ ID を取得し、その ID をコピーします。
Get-SPServiceApplicationProxy
サービス アプリケーション プロキシ ID を既定のプロキシ グループに追加し、"serviceAppId" を PowerShell ウィンドウからコピーした実際の ID に置き換えます。
$ProxyGroup = Get-SPServiceApplicationProxygroup -default Add-SPServiceApplicationProxyGroupMember -Identity $ProxyGroup -Member "serviceAppId"
Secure Store Service の有効化とデータ更新の構成
Secure Store Service は、資格情報を保存するために使用される SharePoint リソースです。PowerPivot for SharePoint で Secure Store Service を使用すると、保存された資格情報または参照される資格情報に基づくデータ更新操作がサポートされます。
重要 |
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PowerPivot データ更新オプションを有効化するには、このセクションのコマンドを実行するだけで十分です。特に、ユーザーは、自分の資格情報を入力してデータの更新ジョブを実行するか、または資格情報を提供する定義済み対象アプリケーションの SSS ID を入力できます。このスクリプトは、PowerPivot の自動データ更新アカウントを作成または設定しません。こうしたスクリプトを自分で作成するか、サーバーの全体管理でアカウントを設定することはできます。詳細については、「PowerPivot データ更新用の保存された資格情報の構成と使用」を参照してください。 |
情報の収集および前提条件の確認
次のコマンドを実行して、Secure Store Service がオンラインになっているかどうかを確認します。オンラインでない場合は、Windows トークン サービスに対するクレームを開始するために使用した同じ方法でサービスを開始します。
Get-SPServiceInstance
サービス アプリケーションの作成
プレースホルダー値は、データベース サーバーに置き換えてください。
New-SPSecureStoreServiceapplication -Name "Secure Store Service" -partitionmode:$false -sharing:$false -databaseserver "Your database server" -databasename "SecureStoreServiceAppDB" -ApplicationPool "SharePoint Web Services Default" -auditingEnabled:$true -auditlogmaxsize 30
サービス アプリケーション プロキシの作成および既定のプロキシ グループへの追加
Secure Store Services のサービス アプリケーション ID を取得して、その ID をコピーします。
Get-SPServiceApplication
次のコマンドを実行して、前の手順でコピーしたサービス アプリケーション ID に <ID> を置き換えます。
New-SPSecureStoreServiceApplicationProxy -name "Secure Store Service Proxy" -ServiceApplication <ID> -defaultproxygroup
マスター キーの生成
マスター キーに変数を設定します。
$newPassPhrase='type a strong password here'
Secure Store Service アプリケーション プロキシの ID をコピーします。次のステップで使用します。
Get-SPServiceApplicationProxy
サービス アプリケーション プロキシに変数を設定します。
$proxy='paste the ID for the secure store service application proxy here'
次のコマンドを順に実行します。
Update-SpSecureStoreMasterKey -ServiceApplicationProxy $proxy -PassPhrase $newPassPhrase Update-SpSecureStoreApplicationServerKey -ServiceApplicationProxy $proxy -PassPhrase $newPassPhrase
使用状況と正常性のデータ収集の構成
このスクリプトは、システムの使用状況の情報に関する使用状況とサーバーの状態のデータ収集を有効にします。データ収集を 5 分間隔に指定します。これによって、既定値の 30 分よりも頻繁に収集されることになります。使用状況のデータ収集を有効にすると、PowerPivot 管理ダッシュボードのレポートを含めて、組み込みレポートで使用される情報が提供されます。
このスクリプトの代わりに、「使用状況データ収集の構成 (PowerPivot for SharePoint)」に記載されている手順を使用することもできます。
Set-SPUsageService -UsageLogCutTime 5
既定の Web アプリケーションの最大アップロード サイズの再構成
既定では、SharePoint は、50 メガバイトまでのファイルをアップロードできます。このスクリプトでは、SharePoint Web アプリケーションのファイルの最大アップロード サイズを 2,047 MB に変更します。2,047 は、SharePoint でサポートされる最大値です。
次の行を順に入力します。1 行目は Web アプリケーションを取得し、2 行目はプロパティを設定し、3 行目はサーバーのプロパティを更新します。"somesite" のプレースホルダー値は、アプリケーションの実際の名前に置き換えてください。Get-SPWebApplication を使用して、ファームで定義されているアプリケーションの一覧を返すことができます。
このスクリプトの代わりに、「アップロードするファイルの最大サイズの構成 (PowerPivot for SharePoint)」に記載されている手順を使用することもできます。
$webapplication=Get-SPWebApplication http://somesite/
$webapplication.MaximumFileSize=2047
$webapplication.Update()