geometry インスタンスから各地点までの距離が指定した許容範囲内にある、すべての地点値の和集合を表すジオメトリック オブジェクトを返します。
構文
.BufferWithTolerance ( distance, tolerance, relative )
引数
distance
バッファー計算の対象となる geometry インスタンスからの距離を指定する float 式です。tolerance
バッファー距離の許容範囲を指定する float 式です。許容範囲とは、返された線形近似の理想的なバッファー距離の最大幅のことです。
たとえば、ある地点の理想のバッファー距離は円ですが、多角形によって近似された形状になる必要があります。 許容範囲が小さいほど、多角形の頂点の数は多くなります。つまり、計算結果の複雑性が増しますが、元の図形との差が小さくなります。
relative
tolerance 値が相対値か絶対値かを指定する bit です。 "TRUE" または 1 の場合許容範囲は相対値で、tolerance パラメーターとインスタンスに外接する四角形の直径の積として計算されます。 "FALSE" または 0 の場合、許容範囲は絶対値です。tolerance 値は、返された線形近似の理想的なバッファー距離の最大幅になります。
戻り値の型
SQL Server の戻り値の型: geometry
CLR の戻り値の型: SqlGeometry
例外
tolerance パラメーターには、0 より大きい値を指定する必要があります。 tolerance <= 0 の場合、System.ArgumentOutOfRangeException がスローされます。
注 |
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tolerance は float 型であるため、tolerance に指定された値が非常に小さい場合、浮動小数点型の丸めの問題が原因で System.Runtime.InteropServices.COMException がスローされる可能性があります。 |
説明
distance > 0 の場合、Polygon インスタンスまたは MultiPolygon インスタンスが返されます。
注 |
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distance は float であるため、非常に小さい値は計算時に 0 と見なされることがあります。 その場合、呼び出し元の geometry インスタンスのコピーが返されます。 「float 型と real 型 (Transact-SQL)」を参照してください。 |
distance = 0 の場合、呼び出し元の geometry インスタンスのコピーが返されます。
distance < 0 の場合
インスタンスの次元数が 0 または 1 のとき、空の GeometryCollection インスタンスが返されます。
インスタンスの次元数が 2 以上のとき、負の値のバッファーが返されます。
注バッファーが負の値であると、空の GeometryCollection インスタンスが作成される場合もあります。
バッファーが負の値であると、geometry インスタンスの境界から、指定された距離の範囲内にある地点がすべて削除されます。
理論上のバッファーと計算されたバッファー間の誤差は max(tolerance, extents * 1.E-7) であり、ここで tolerance は、tolerance パラメーターの値です。 extents の詳細については、「geometry データ型メソッド リファレンス」を参照してください。
使用例
Point インスタンスを作成し、BufferWithTolerance() を使用して、インスタンスの周りの大まかなバッファーを取得する例を次に示します。
DECLARE @g geometry;
SET @g = geometry::STGeomFromText('POINT(3 3)', 0);
SELECT @g.BufferWithTolerance(1, .5, 0).ToString();