次の方法で共有


SharePoint への保存

PowerPivot データ アクセスをサポートするように拡張されている SharePoint サイトに、PowerPivot データが含まれている Excel ブックを保存できます。 ファイルをパブリッシュした後、他のユーザーがその Excel ブックをどのように表示したり、使用できるかは、SharePoint 権限およびドキュメント プロパティによって決まります。

このトピックの内容は次のとおりです。

開始前の準備

認証および更新の設定の確認

ファイルの場所の選択

SharePoint へのファイルの保存

Excel Services のオプションを使用したパブリッシュ

SharePoint からの PowerPivot ブックのアップロード

開始前の準備

PowerPivot ブックを SharePoint にパブリッシュするには、十分な権限が与えられており、必要なソフトウェアがインストールされていることが条件となります。また、パブリッシュするブックを準備する方法について熟知している必要もあります。

サーバー ソフトウェア

ブラウザーでブックを表示するには、使用中の SharePoint サーバーに PowerPivot for SharePoint と Excel Services がインストールされている必要があります。 SharePoint で PowerPivot ブックを処理して表示するには、これら両方のサービスが必要になります。

サイト上でライブラリとコンテキスト メニューを確認することによって適切なソフトウェアがインストールされているかどうかを判断できる場合もありますが、必要なサーバー ソフトウェアがインストールされているかどうかを SharePoint 管理者に問い合わせなければならない場合もあります。 サイトに PowerPivot ギャラリーが含まれている場合は、PowerPivot for SharePoint がインストールされています。 同様に、Excel デスクトップ アプリケーションに Excel ブックをダウンロードしなくてもブラウザー ウィンドウでそのファイルを開くことができる場合は、SharePoint サーバーで Excel Services が実行されています。

ブックの自動データ更新を予定している場合は、サーバー管理者に問い合わせて、データのインポートに使用したデータ プロバイダーがサーバー上で使用可能であることも確認してください。

権限

SharePoint にドキュメントを保存する際に、SharePoint 権限によって、作業内容を表示、編集、または削除できるユーザーが判断されます。 次の表では、パブリッシュされるブックに対する特定の権限を付与する SharePoint 権限について説明します。

権限

権限

表示

表示権限を持っているユーザーは、ファイルの URL アドレスにアクセスしてブックを開くことができます。 また、表示権限を持っているユーザーは、他の Excel ブックや Excel レポートの読み取り専用外部データ ソースとしてブックを使用することもできます。

投稿

投稿権限は、SharePoint ライブラリでドキュメントの追加、編集、または削除を行うことができる権限であるため、表示権限より強力です。 SharePoint にドキュメントを保存するには、投稿権限が必要です。

投稿権限を持っているユーザーは、ファイルをダウンロードして PowerPivot for Excel で修正し、再び SharePoint に保存することができます。

フル コントロール

フル コントロールには、投稿に関連付けられたすべての権限に加え、一覧またはライブラリを作成または管理する権限およびチェックアウトを元に戻す権限が含まれます。

任意の SharePoint サイトまたはライブラリへのアクセス権は、サイト管理者またはサイト所有者がグループまたは個々のユーザーに指定する権限を通じて付与されます。

ほとんどのユーザーは、表示権限と投稿権限のいずれかを持っています。 SharePoint サイトの [サイトの操作] メニューを参照すると、どちらの権限を持っているかがわかります。 メニューに [すべてのサイト コンテンツの表示] しか表示されない場合、そのユーザーは表示権限を持っていますが、その SharePoint サイトにファイルをパブリッシュすることはできません。 複数のメニュー項目が表示される場合、またはリボンに [ライブラリ ツール] が表示される場合、そのユーザーは投稿権限を持っています。

ブックの準備

PowerPivot データが含まれている Excel ブックをパブリッシュするには、次のチェックリストに従ってドキュメントを準備する必要があります。

  1. ファイルをパブリッシュした後でも有効な接続情報を使用する PowerPivot ブックの作成方法を確認します。 詳細については、「SharePoint 用 PowerPivot ブックの作成」を参照してください。

  2. PowerPivot データを SharePoint にパブリッシュする際のセキュリティ上の考慮事項を確認します。 詳細については、「SharePoint 上の PowerPivot ブックのセキュリティ保護」を参照してください。

  3. 次の推奨事項に従い、SharePoint に表示される PowerPivot ブックを視的に改善します。

    1. Excel ワークシートにわかりやすい名前を付けます。 ドキュメントを PowerPivot ギャラリーにパブリッシュすると、ワークシート名がページ ラベルになります。

    2. 使用されていない視覚的要素をオフにします。 Excel ウィンドウにある [ビュー] リボンの [表示] 領域で [グリッド線][数式バー]、および [見出し] をオフにします。

    3. 空の Excel ワークシートやレポートに関係ない Excel ワークシートを非表示にします。 Excel ウィンドウで、シート タブを右クリックし、[シートを表示しない] を選択します。

    4. ブックでセル A1 を選択してから、そのブックを保存してパブリッシュします。 パブリッシュされたファイルをブラウザー ウィンドウで開くと、ブック内で最後にアクティブだったセルにフォーカスが設定されます。 マウス カーソルをセル A1 に配置しておけば、ワークシートの左上がブラウザー ウィンドウの左上に表示されます。

    5. SharePoint にパブリッシュする際に、ブック内の表示するオブジェクトと非表示にするオブジェクトを選択できます。 詳細については、このトピックの「Excel Services のオプションを使用したパブリッシュ」を参照してください。

認証および更新の設定の確認

最適な結果を得るには、認証およびデータ更新に Excel の既定の設定を使用します。

Windows 認証の確認

既定では、PowerPivot データへのアクセス時にブックの閲覧者の ID が使用されるように、Excel で Windows 認証が指定されています。 既定の設定にしておくと、PowerPivot ブックを使用しているユーザーに関する正確な情報を PowerPivot サーバー ソフトウェアが取得できるので、同じデータを使用する他のユーザーとのコラボレーションが容易になります。 [なし] または Secure Store Service (SSS) ID を指定すると、組織内の実際のユーザーではなく、Excel Services の自動実行用ユーザー アカウント (または SSS ID) のブックの使用状況データが記録されます。

  1. Excel リボンで、[データ] タブの [接続] をクリックします。

  2. [プロパティ] をクリックします。

  3. [定義] をクリックします。

  4. [認証の設定] をクリックします。

  5. [Windows 認証] が選択されていることを確認して、[OK] をクリックします。

コントロール更新の設定の指定

コントロールの更新の設定は、PowerPivot ギャラリー ライブラリにおける PowerPivot ブックのプレビュー方法に影響を与える場合があります。 たとえば、ブックで [開くときに更新する] プロパティが使用されており、データ更新操作に関する警告を発行するよう Excel Services が構成されている場合は、ドキュメントのプレビュー イメージではなく Excel のデータ更新に関する警告のサムネイル画像が表示されます。

  1. Excel のリボンで、[データ] タブの [接続] をクリックします。

  2. [プロパティ] をクリックします。

  3. [使用] タブの [コントロールの更新] で、次の推奨設定に基づいて、[ファイルを開くときにデータを更新する] チェック ボックスをオンまたはオフにします。 推奨設定は、PowerPivot データへのアクセス方法によって異なります。

データ アクセス

コントロールの更新の推奨設定

データがブックに埋め込まれている場合

(最も一般的なシナリオ)

[ファイルを開くときにデータを更新する] チェック ボックスをオフにします。 すべてのデータが埋め込まれているため、ブックを開くたびにデータを更新する必要はありません。

データが外部データ ソースとして保存されている場合

(PowerPivot ブックのデータをインポートせず、そのブックへの外部データ接続を設定した場合など)

[ファイルを開くときにデータを更新する] チェック ボックスをオンにします。 データが別の場所にあるため、データへの最新の変更を取得するには、更新を行う必要があります。

プレビュー イメージの生成を可能にするには、SharePoint 管理者に Excel Services の [更新時の警告] の設定をカスタマイズするよう依頼します。 詳細については、Web サイトの「PowerPivot サイトの信頼できる場所の作成」を参照してください。

サーバー側のデータ更新操作

(SharePoint に保存して PowerPivot データ更新のスケジュールを設定した PowerPivot ブックの場合)

[ファイルを開くときにデータを更新する] チェック ボックスをオンにします。 このブックに対してデータ更新がスケジュールされているため、PivotTable キャッシュが確実に新しいデータに置き換わるように、このブックの [ファイルを開くときにデータを更新する] プロパティは自動的に有効になります。 チェック ボックスをオフにした場合は、そのブックを SharePoint に再度保存すると自動的にオンになります。

ファイルの場所の選択

サイトで共有するドキュメントは、通常、ドキュメント ライブラリに格納されます。 Shared Documents は最も一般的なドキュメント ライブラリですが、PowerPivot for SharePoint がある SharePoint サイトには PowerPivot ギャラリーもある場合がほとんどです。このギャラリーには、プレビュー機能やカスタム ライブラリ ビュー機能が用意されており、ブックのデータ更新構成スケジュールにも容易にアクセスできます。 PowerPivot ギャラリーの詳細については、「SharePoint での PowerPivot ブックの使用」を参照してください。

PowerPivot for SharePoint のある SharePoint サーバーを選択する必要があります。 PowerPivot サーバー ソフトウェアのないサーバーにパブリッシュすると、ドキュメントをライブラリから開いたときにデータが読み込まれません。

Shared Documents、PowerPivot ギャラリー、またはその他のドキュメント ライブラリにブックを保存できます。 これらの場所を使用するには、ライブラリの Web URL アドレスがわかっている必要があります。 既定の SharePoint サイトの場合、これらのライブラリの Web URL アドレスは次のとおりです。

  • http://<server name>/Shared%20Documents

  • http://<server name>/PowerPivot%20Gallery

ライブラリの Web URL アドレスを調べるには、ライブラリ内のドキュメントを右クリックして [プロパティ] をクリックします。 [アドレス (URL)] に、ドキュメントの SharePoint パスが表示されます。 マウスを使用して URL 全体を選択してください。 URL が長いと、表示範囲に収まらない場合があります。

通常は、使用前に URL を編集する必要があります。 特に、URL にビューアーやソースのプロパティが含まれている場合は、それらのプロパティを削除し、サーバー名、サイト名、ライブラリ名のみで構成された URL パスを作成してください。 たとえば、http://Contoso/Sales/_layouts/xlviewer.aspx?id=/PowerPivot%20Gallery/ContosoSales.xlsx&Source=http%3A%2F%2FContoso%2FPowerPivot%2520Gallery%2FForms%2FAllItems%2Easpx&DefaultItemOpen=1 という URL では、太字の部分を保持し、残りを削除することで実際の URL パスを取得できます。 この URL プロパティの場合、ContosoSales.xlsx ファイルをパブリッシュする際の実際のパスは http://Contoso/Sales/PowerPivot%20Gallery/ContosoSales.xlsx、サイトとライブラリのみの実際のパスは http://Contoso/Sales/PowerPivot%20Gallery となります。

場所を選択する際には、ブックを共有するユーザーが使用できるライブラリを選択します。 他のユーザーがブックを使用できるようにするには、ライブラリまたはドキュメントに対する権限が必要になる場合もあります。 詳細については、「SharePoint 上の PowerPivot ブックのセキュリティ保護」を参照してください。

SharePoint へのファイルの保存

  1. ファイルを保存します。

  2. [ファイル] タブをクリックします。

  3. [ファイル] メニューの [保存して送信] をクリックします。

  4. [SharePoint に保存] をクリックします。

  5. [最近の場所] または [場所] にあるサイトを選択するか、[場所の参照] を選択し、使用するライブラリのサイトを参照します。

  6. [名前を付けて保存] をクリックします。

  7. 既存の場所を使用する場合は、[名前を付けて保存] ダイアログ ボックスの [ファイル名] にファイルの名前を入力します。 [場所の参照] を選択した場合は、SharePoint サイトの URL 全体またはその一部を入力します。 http://<server name> などの、URL アドレスの一部を入力した場合は、[保存] をクリックして指定したサーバーへの接続を開き、使用するライブラリのサイトを参照します。 SharePoint の URL の例については、このトピックの「ファイルの場所の選択」を参照してください。

    GMNI_ExcelSaveAs

  8. [保存] をクリックしてブックをライブラリにパブリッシュします。

ブラウザー ウィンドウで、ドキュメントがライブラリに表示されることを確認します。 新たにパブリッシュされたドキュメントが一覧に表示されます。 ライブラリの設定によってドキュメントの表示位置が決まります (ドキュメントは、日付の昇順や名前のアルファベット順などで並べ替えられます)。 ブラウザー ウィンドウを更新しないと、直前に追加したドキュメントが表示されない場合もあります。

Excel Services のオプションを使用したパブリッシュ

Excel 2010 には、ピボットテーブルやスライサーなど、特定のワークシートまたはオブジェクトを選択するためのオプションがあります。 ただし選択した名前付きオブジェクトは、ブック内でのデータ ビジュアライゼーションにしか影響しないことに注意してください。 ブックを SharePoint に保存するときには、基になる PowerPivot データ ソースにあるテーブル、行、および列がすべて含まれています。 詳細については、「SharePoint 上の PowerPivot ブックのセキュリティ保護」を参照してください。

  1. [ファイル] タブの [保存して送信] をクリックし、[SharePoint に保存] をクリックします。

  2. ページの右上にある [発行オプション] をクリックします。

  3. [発行オプション] の [表示] タブで、ブック内の個々のシートまたはアイテムを選択します。

  4. [パラメーター] タブで、パブリッシュするパラメーターを選択します。 [発行オプション] の [パラメーター] タブでは、パブリッシュしたブックに表示するスライサーを選択できます。

  5. [OK] をクリックします。

  6. [名前を付けて保存] をクリックします。

  7. 既存の場所を使用する場合は、[名前を付けて保存] ダイアログ ボックスの [ファイル名] にファイルの名前を入力します。 または、[場所の参照] を選択した場合は、http://<server name> などの SharePoint URL アドレスの全体または一部を入力し、[保存] をクリックして指定したサーバーへの接続を開きます。

  8. [保存] をクリックします。

SharePoint からの PowerPivot ブックのアップロード

PowerPivot ブックを追加するもう 1 つの方法として、SharePoint サイトからアップロードする方法があります。 SharePoint から起動する場合は、この方法を使用します。

  1. SharePoint サイトでドキュメント ライブラリを開きます。

  2. ライブラリ ツールで [ドキュメント] をクリックします。

  3. [ドキュメントのアップロード] で、[ファイルのアップロード] をクリックします。

  4. .xlsx ファイルを保存した場所に移動し、ファイルを選択します。

  5. [保存] をクリックします。

ファイルが SharePoint サイトにアップロードされ、フォルダーに表示されます。 ブラウザーの更新ボタンをクリックしないと、このファイルが表示されない場合もあります。 これで、ファイルを SharePoint で開くことができるようになりました。 ファイルの場所を他のユーザーに教えるには、ファイルの URL アドレスを伝えてください。

関連項目

タスク

SharePoint 用 PowerPivot ブックの作成

概念

SharePoint での PowerPivot ブックの使用

SharePoint で PowerPivot データを自動的に更新する

SharePoint 上の PowerPivot ブックのセキュリティ保護