Data Quality Services のインストール

SQL Server Data Quality Services (DQS) は、Data Quality サーバーData Quality クライアント の 2 つのコンポーネントが含まれる、SQL Server 2012 の新機能です。

DQS コンポーネント

説明

Data Quality サーバー

Data Quality サーバー は、SQL Server 2012 データベース エンジンの上にインストールされ、DQS_MAIN、DQS_PROJECTS、および DQS_STAGING_DATA の 3 つのデータベースを含んでいます。 DQS_MAIN には、DQS ストアド プロシージャ、DQS エンジン、パブリッシュ済みナレッジ ベースが含まれています。 DQS_PROJECTS には、データ品質プロジェクトの情報が含まれています。 DQS_STAGING_DATA は、ソース データをコピーし、DQS 操作を実行して処理後のデータをエクスポートするためのステージング領域です。

Data Quality クライアント

Data Quality クライアント は、Data Quality サーバー に接続するスタンドアロン アプリケーションであり、高度に直感的なグラフィカル ユーザー インターフェイスを使用して、データ品質に関する操作、および DQS に関連するその他の管理タスクを実行できます。

重要な注意事項重要

前の 2 つの DQS コンポーネントとは別に、Integration Services パッケージ化プロセス内でデータ クレンジングを実行する Integration Services の DQS クレンジング コンポーネント があります。このコンポーネントは Integration Services のインストール時に自動的にインストールされます。 Integration Services のインストールの詳細については、「Integration Services のインストール」を参照してください。

また、マスター データ サービスの DQS 統合を有効にして、Excel 用マスター データ サービス アドインの DQS 照合機能を使用することもできます。 詳細については、「マスター データ サービスを使用した Data Quality Services 統合の有効化」を参照してください。

DQS インストール プロセスは、3 つの部分から成ります。

  • インストール前の作業: DQS をインストールする前に、システム要件を確認します。

  • Data Quality Services のインストールの作業: SQL Server セットアップを使用して DQS をインストールします。

  • インストール後の作業: SQL Server セットアップを完了して DQS のインストールを終了した後、これらのタスクを実行します。

注意

コマンド ラインからのセットアップの実行の手順については、ここでは扱いません。 Data Quality サーバー とクライアントをインストールするためのコマンド ライン オプションについては、「コマンド プロンプトからの SQL Server 2012 のインストール」の「機能パラメーター」を参照してください。

インストール前の作業

DQS をインストールする前に、コンピューターが最小システム要件を満たしていることを確認します。 次の表は、DQS コンポーネントの最小システム要件に関する情報を示しています。

DQS コンポーネント

最小システム要件

Data Quality サーバー

Data Quality クライアント

  • .NET Framework 4.0 (インストールされていない場合は、Data Quality クライアント のインストール時にインストールされます)

  • Internet Explorer 6.0 SP1 以降

重要な注意事項重要
  • Data Quality サーバー と Data Quality クライアント は、同じコンピューターにインストールすることも、別のコンピューターにインストールすることもできます。 両方のコンポーネントは、それぞれ個別に任意の順序でインストールできます。 ただし、Data Quality クライアント を使用するには、接続先の Data Quality サーバー をインストールする必要があります。

  • DQS は、以前のバージョンの SQL Server では動作しません。

  • Microsoft Excel は Data Quality Client のインストールの前提条件ではありませんが、Excel ファイルからのドメイン値のインポートやナレッジ検出のための Excel ファイル内のソース データへのマッピング、クレンジング、照合アクティビティなどのさまざまな操作をクライアント アプリケーションで実行するには、Microsoft Excel 2003 以降が Data Quality Client コンピューターにインストールされている必要があります。

  • SQL Server 2012 Cumulative Update 1 (CU1) のリリースにより、クラスター化された SQL Server 2012 セットアップの一部として DQS のサポートが有効になります。 詳細については、ここを参照してください。 CU1 リリースは、ここでダウンロードできます。

SQL Server 2012 をインストールするための最小システム要件の詳細については、「SQL Server 2012 のインストールに必要なハードウェアおよびソフトウェア」を参照してください。

Data Quality Services のインストールの作業

DQS のコンポーネントをインストールするには、SQL Server 2012 セットアップを使用する必要があります。 SQL Server セットアップを実行するときは、インストール ウィザードの一連のページに従いながら、要件に基づいて適切なオプションを選択する必要があります。 インストール ウィザードのページのうち、選択するオプションによって DQS のインストールに影響するページのみを次の表に示します。

ページ

操作

機能の選択

選択:

  • [データベース エンジン サービス] の下の [Data Quality Services] を選択して Data Quality サーバー をインストールします。
    [Data Quality Services] チェック ボックスをオンにすると、SQL Server セットアップでインストーラー ファイル DQSInstaller.exe がコンピューターの SQL Server インスタンス ディレクトリにコピーされます。 Data Quality サーバー のインストールを完了するには、SQL Server セットアップを完了した後で、このファイルを実行する必要があります。 また、使用する前に、いくつかの追加の手順を実行して Data Quality サーバー を構成する必要があります。 詳細については、「インストール後の作業」を参照してください。

  • [Data Quality Client] を選択して Data Quality クライアント をインストールします。

  • (推奨) [管理ツール - 基本] の下の [管理ツール - 完全] を選択して SQL Server Management Studio をインストールします。 これにより、グラフィカル ユーザー インターフェイスを使用して SQL Server のインスタンスを管理できるようになり、次のセクションで示すインストール後の追加の作業の実行が容易になります。

データベース エンジンの構成

[現在のユーザーの追加] をクリックして、ユーザー Windows アカウントを sysadmin 固定サーバー ロールに追加します。 これは、後で DQSInstaller.exe ファイルを実行して Data Quality サーバー のインストールを完了するために必要です。

インストール後の作業

SQL Server のインストール ウィザードを完了した後で、このセクションで説明する追加手順を実行して、Data Quality サーバー のインストールを実行し、構成して、使用する必要があります。

操作

説明

関連項目

Data Quality サーバー のインストールを実行する

DQSInstaller.exe ファイルを実行します。 DQSInstaller.exe ファイルを実行すると、次の操作が行われます。

  • DQS_MAIN, DQS_PROJECTS, および DQS_STAGING_DATA データベースが作成されます。

  • ##MS_dqs_db_owner_login## ログインと ##MS_dqs_service_login## ログインが作成されます。

  • DQS_MAIN データベースに dqs_administrator, dqs_kb_editor ロールと dqs_kb_operator ロールが作成されます。

  • DQInitDQS_MAIN ストアド プロシージャがマスター データベースに作成されます。

  • DQS_install.log ファイルは通常 C:\Program Files\Microsoft SQL Server\MSSQL11.<instance_name>\MSSQL\Log フォルダーに作成されます。 このファイルには、DQSInstaller.exe ファイルの実行時に行われた操作に関する情報が含まれます。

  • マスター データ サービス データベースが Data Quality サーバー と同じ SQL Server インスタンス上に存在する場合は、マスター データ サービス ログインにマップされたユーザーが作成され、DQS_MAIN データベースに対する dqs_administrator ロールが付与されます。

これにより Data Quality サーバー のインストールが完了します。

Data Quality Server のインストールを完了するための DQSInstaller.exe の実行

ユーザーに DQS ロールを付与する

Data Quality クライアント を使用して Data Quality サーバー にログオンするには、DQS_MAIN データベースに対して、dqs_administratordqs_kb_editordqs_kb_operator の 3 つのロールのいずれかが必要です。 既定では、ユーザー アカウントが sysadmin 固定サーバー ロールのメンバーである場合、DQS ロールがユーザー アカウントに付与されていない場合でも Data Quality クライアント を使用して Data Quality サーバー にログオンできます。 3 つの DQS ロールの詳細については、「DQS セキュリティ」を参照してください。

注意

DQS_PROJECTS および DQS_STAGING_DATA データベースについては、3 つの DQS ロールは使用できません。

ユーザーに DQS ロールを付与する

Data Quality サーバー がリモート コンピューターからアクセスされる場合は、TCP/IP ネットワーク プロトコルを有効にする

Data Quality サーバー と Data Quality クライアント コンポーネントが同じコンピューターにない場合は、Data Quality サーバー がインストールされている SQL Server インスタンスの TCP/IP プロトコルを SQL Server 構成マネージャーを使用して有効にする必要があります。 有効にしないと、リモート Data Quality クライアント アプリケーションは Data Quality サーバー に接続できません。

SQL Server の TCP/IP ネットワーク プロトコルの有効化

データに対する DQS 操作を可能にする

ソース データにアクセスして DQS 操作を実行できることと、処理後のデータをデータベース内のテーブルにエクスポートできることを確認します。

DQS 操作のためのデータへのアクセス

関連項目

タスク

.NET Framework 更新後の SQLCLR アセンブリのアップグレード

DQSInstaller.exe を使用した DQS ナレッジ ベースのエクスポートとインポート

SQL Server 更新プログラムのインストール後の DQS データベース スキーマのアップグレード

概念

SQL Server 2012 のビジネス インテリジェンス機能のインストール

SQL Server 2012 のアンインストール

Data Quality Server オブジェクトの削除

Data Quality Services

その他の技術情報

ビデオ: DQS のインストールおよび構成

Data Quality Services (DQS) のインストールおよび構成の問題のトラブルシューティング