SQL Server 2012 のインストールでの製品の更新プログラム
製品の更新プログラムは、SQL Server 2012 セットアップの新機能です。 セットアップでは、メインの製品と使用可能な更新プログラムが同時にインストールされるように、最新の製品の更新プログラムとメインの製品のインストールを統合できます。 製品の更新プログラムは、Microsoft Update、Windows Server Update Services (WSUS)、ローカル フォルダー、またはネットワーク共有で適用可能な更新プログラムを検索できます。 セットアップで最新バージョンの適用可能な更新プログラムが検出されると、ダウンロードが実行されて、現在の SQL Server のセットアップ プロセスと統合されます。 製品の更新プログラムは、累積更新プログラム、サービス パック、またはサービス パックと累積更新プログラムに取り込むことができます。 製品の更新プログラム機能は、SQL Server 2008 PCU1 で提供されていたスリップストリーム機能を拡張したものです。
既定では、製品の更新プログラムはクライアント コンピューターの Windows Update Service で適用可能な更新プログラムを検索します。 Windows Update Service は、ライブ Microsoft Update サービスまたはマネージ WSUS サービスをとおして更新プログラムを入手できます。 ファイル共有またはフォルダーで更新プログラムを検出するには、コマンド プロンプトから、または構成ファイルを使用して、SQL Server のセットアップを起動し、UpdateSource パラメーターを指定して既定値を上書きします。 また、更新プログラムを承認することで、SQL Server セットアップが WSUS を介して取得する更新プログラムを制御することもできます。
フォルダーまたはネットワーク共有からではなく、ライブ Microsoft Update サービスまたは WSUS サービスから更新プログラムを取得することをお勧めします。 詳細については、この後で説明します。
SQL Server セットアップでの製品の更新プログラムの使用
製品の更新プログラム機能は SQL Server セットアップと統合されており、インストールの流れは次のように変わっています。
[製品の更新プログラム] ページに、使用できる最新の SQL Server 製品の更新プログラムが表示されます。 更新プログラムを含めない場合は、[SQL Server 製品の更新プログラムを含める] チェック ボックスをオフにします。 セットアップが Windows Update Service で製品の更新プログラムを検索し、製品の更新プログラムが検出されない場合、SQL Server セットアップは [セットアップ ファイルのインストール] ページに自動的に移動します。
[セットアップ ファイルのインストール] ページには、セットアップ ファイルのダウンロード、抽出、およびインストールの進行状況が表示されます。 SQL Server セットアップの更新プログラムが検出され、含まれるように指定されている場合は、その更新プログラムもインストールされます。
[インストールの準備完了] ページでは、製品の更新プログラム機能が有効/無効であるか、およびインストールされる SQL Server の最終バージョンの更新プログラムであるかどうかが示されます。
既定の動作
既定では、SQL Server は Windows Update Service で製品の更新プログラムを検索します。 クライアント コンピューターがインターネットにアクセスでき、会社のポリシーに SQL Server セットアップが使用できる更新プログラムについての記述がない場合、このオプションは問題なく動作します。 このモードでは、組み込まれる更新プログラムについてユーザーはそれほど柔軟に設定できません。 ユーザーが選択できるのは、SQL Server セットアップの間に [製品の更新プログラム] ページで検出された更新プログラムを除外することだけです。 この既定モードでは、Windows Update Service はライブ Microsoft Update サービスに加えて WSUS を介して更新プログラムを取得できます。 WSUS 管理者は、SQL Server セットアップで組み込み、ダウンロードし、インストールできる更新プログラムを制御できます。
既定の動作の制御
既定の動作を上書きするには (製品の更新プログラムの機能を無効にする、更新プログラムの検索場所を変更するなど)、次のコマンドライン パラメーターを設定します。
コマンドライン パラメーター |
説明 |
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UpdateEnabled |
UpdateEnabled パラメーターの値は、SQL Server セットアップが製品の更新プログラムを検索し、それらを含める必要があるかどうかを指定します。 有効な値は TRUE と FALSE つまり 1 と 0 です。 例:
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UpdateSource |
UpdateSource パラメーターの値は、SQL Server セットアップが製品の更新プログラムを検索する場所を指定します。 有効値は次のとおりです。
"MU" が既定値であり、Windows Update Service の更新プログラムを検索するように指定します。 SQL Server の更新プログラムを UNC パスまたはローカル共有にダウンロードするときは、UpdateSource を \\servername\sharename のような UNC パスまたは C:\somefolder のようなローカルの有効なパスとして指定します。 UpdateSource パラメーターを指定して、ソース メディアから Setup.exe ファイルを実行します。 UpdateSource パラメーターを使用すると、承認されたすべての更新プログラムを 1 つのフォルダー内に置き、実行するセットアップのバージョンとアーキテクチャに基づいて、適用可能な更新プログラムがセットアップによって決定されるようにすることができます。 サービス パックとそのサービス パックの累積更新プログラム (SP1 や SP1 CU1 など) が入手可能な場合は、次の手順を実行します。
累積更新プログラム パッケージの場合、最初のダウンロードは _zip.exe です。 パッケージを解凍して、SQLServer2012-KB2765331-x64.exe をフォルダーに抽出する必要があります。 複数のサービス パックおよび累積更新プログラムを入手できる場合は、setup.exe によって、最新バージョンのサービス パックとそのサービス パックに対応する累積更新プログラムがインストールされます。 例:
Setup.exe を実行している場所を基準にしてパスを指定することもできます。 例:
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パラメーターの使用方法
これらのパラメーターは以下の方法で指定できます。
インストール オプション |
使用例 |
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コマンド ライン |
コマンド ラインからパラメーターを使用する方法の例を次に示します。
コマンド ラインからの SQL Server のインストールに関する詳細については、「コマンド プロンプトからの SQL Server 2012 のインストール」を参照してください。 |
ConfigurationFile.ini |
セットアップを実行するときに構成ファイルを指定する方法の例:
この表の最後に ConfigurationFile.ini ファイルの例を示します。 構成ファイルを使用して SQL Server をインストールする方法の詳細については、「構成ファイルを使用した SQL Server 2012 のインストール」を参照してください。 |
DefaultSetup.ini |
SQL Server ソース メディアのルート レベルの \x86 および \x64 フォルダーに DefaultSetup.ini ファイルがある場合は、DefaultSetup.ini ファイルを開き、UpdateEnabled パラメーターをファイルに追加します。 DefaultSetup.ini ファイルが存在しない場合は、作成し、SQL Server ソース メディアのルート レベルの \x86 および \x64 フォルダーにコピーできます。 次に、DefaultSetup.ini ファイルの例を示します。
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注 |
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製品の更新プログラムの設定または /UpdateSource パラメーターの設定を変更しても、Windows Update の設定は変更されません。 |
次に、ConfigurationFile.ini ファイルの例を示します。
; Microsoft SQL Server 2012 Configuration file
[OPTIONS]
; Specifies a Setup work flow, like INSTALL, UNINSTALL, or UPGRADE. This is a required parameter.
ACTION="Install"
; Specifies whether SQL Server Setup should discover and include product updates.
; The valid values are True and False or 1 and 0.
; By default SQL Server Setup will include updates that are found.
UpdateEnabled=TRUE
; Specifies the location where SQL Server Setup will obtain product updates.
; The valid values are "MU" to search Microsoft Update, a valid folder path, a relative path such as
; .\MyUpdates or a UNC share. By default SQL Server Setup will search Microsoft Update or a Windows
; Update service through the Window Server Update Services.
UpdateSource=.\Updates
Windows Server Update Services の使用
WSUS 管理者は、Microsoft Update からの更新プログラムを同期できます。 同期用に製品を構成するには、次のようにします。
WSUS 管理コンソールで [オプション] ノードをクリックします。
[製品とクラス] をクリックし、[製品] タブをクリックします。
SQL Server の [SQL Server 2012 Product Updates for Setup] を選択し、[OK] をクリックします。
[クラス] タブで、WSUS サーバーで同期する更新プログラムのクラスのチェック ボックスをオンにして、[OK] をクリックします。
WSUS を使用してダウンロードする更新プログラムのセットを構成する方法の詳細については、「更新プログラムおよび同期を構成する」(https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkID=219944) を参照してください。
SQL Server 2012 Product Updates for Setup は非表示の製品であり、対話形式のスキャンでは使用できませんが WSUS では認識でき、その後、Windows Update Service に問い合わせるときに SQL Server セットアップで認識できます。 更新プログラムが WSUS に同期された後、管理者は、Windows Update クライアントが WSUS サーバーを参照している場合、SQL Server セットアップによって認識されるように更新プログラムを承認できます。
注 |
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非表示製品の更新プログラムは、新規インストールまたはアップグレードでのみ使用できます。 既存のインストールのパッチには使用されません。 |
マイクロソフトは、引き続き、SQL Server のサービス パックと重要な更新プログラムを、SQL Server の現在のインストールに対する Microsoft Update を使用して提供します。 Windows Server Update Services (WSUS) の詳細については、「Windows Server Update Services」(https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=214208) を参照してください。
スリップストリーム機能
製品の更新プログラム機能は、SQL Server 2008 PCU1 で使用できたスリップストリーム機能に代わるものです。 したがって、スリップストリーム機能に関するコマンド ライン パラメーター /PCUSource および /CUSource は、使用できなくなりました。 これらのパラメーターは引き続き動作しますが、SQL Server セットアップの将来のリリースでは削除される可能性があります。 /UpdateSource パラメーターは、スリップストリームのパラメーターの機能を結合します。
SQL Server 2008 PCU1 で使用できたスリップストリームの機能の詳細については、「SQL Server 更新プログラムのスリップストリーム」(https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=219945) を参照してください。
関連項目
タスク
インストール ウィザードからの SQL Server 2012 のインストール (セットアップ)