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Configuration Manager における割り当てのシナリオ例 :セカンダリ サイト

適用対象: System Center Configuration Manager 2007, System Center Configuration Manager 2007 R2, System Center Configuration Manager 2007 R3, System Center Configuration Manager 2007 SP1, System Center Configuration Manager 2007 SP2

このトピックのシナリオは、クライアントがサイトに割り当てられ、そのクライアントのネットワークの場所が、割り当てられたサイトに接続されているセカンダリ サイトの境界内にある場合に、クライアントがセカンダリ サイトを使用する方法を理解するのに役立ちます。これらのシナリオは、「Configuration Manager における割り当てのシナリオ例 :プライマリ サイト」のシナリオに基づいて作成されており、Configuration Manager を複数サイトに展開している同じ架空の会社を使用します。

以下のシナリオを読む前に、「Configuration Manager のクライアント サイトの割り当てについて」を参照してください。

このシナリオでは、次のことを説明します。

  • プロキシ管理ポイントがないセカンダリ サイトの割り当て

  • プロキシ管理ポイントがあるセカンダリ サイトの割り当て

  • クライアントがクライアントの割り当て済みサイトに接続されたセカンダリ サイト間を移動する

  • クライアントの割り当て済みサイトに接続されていないセカンダリ サイトへの割り当て

セカンダリ サイトの概念を説明するにあたって、以降のすべてのシナリオでは、クライアントが低速の境界で接続する場合でも提供情報とソフトウェアの更新がインストール可能であること、サイト内のすべての境界が高速の境界として構成されていること、保護されている配布ポイントがなく、クライアントに要求されたコンテンツが常に割り当て済みサイトに存在していることを前提とします。このような設定と要因の組み合わせについて説明しているシナリオについては、「Configuration Manager のローミングのシナリオ例 :複合」を参照してください。

これらのシナリオではサイトの割り当てと、現在ある場所から移動されないコンピュータについて説明していますが、割り当てられたサイトに接続されているセカンダリ サイトを検索するときのクライアントの動作は、ローミングと同様です。したがって、それぞれのセカンダリ サイトのシナリオでは、クライアントにグローバル ローミング機能があるか、またはリージョナル ローミング機能のみであるかについて説明しています。

  • グローバル ローミング機能とは、クライアントが Active Directory ドメイン サービスからサイト情報にアクセスする機能です。このとき、Active Directory スキーマが Configuration Manager 2007 向けに拡張されていること、すべてのサイトが Active Directory ドメイン サービスに発行されていること、およびクライアントが同じフォレストに属していることが必要です。詳細については、「Configuration Manager に対して Active Directory スキーマを拡張する方法」を参照してください。

  • リージョナル ローミング機能とは、Active Directory スキーマが Configuration Manager 2007 向けに拡張されてないか、拡張されているものの、一部のサイトが Active Directory ドメイン サービスに発行されていないか、クライアントが同じフォレストに属していない (たとえば、ワークグループ クライアントである) ためにグローバル ローミングを実行できない場合の、クライアントのローミング動作のことです。

Configuration Manager セカンダリ サイトの用語

これらのシナリオでは、クライアントによるセカンダリ サイトの使用方法、セカンダリ サイトのプロキシ管理ポイントについて説明します。次の表に、セカンダリ サイトの用語を簡単な定義を示します。詳細については、「Configuration Manager サイトについて」および「セカンダリ サイトにプロキシ管理ポイントが必要かどうかを判断する」を参照してください。

サイトの用語 説明

セカンダリ サイト

Configuration Manager 2007 サイト データベースはないが、プライマリ サイトに接続され、これにレポートを送信するセカンダリサイト。

セカンダリ サイトは、Configuration Manager 2007 クライアントから収集した情報 (コンピュータのインベントリ データ、Configuration Manager 2007 システムのステータス情報など) を親サイトに転送します。

プロキシ管理ポイント

割り当て済みサイトに接続されているセカンダリ サイトにインストールして、既定の管理ポイントの代わりにクライアントから利用できるサイト システムの役割。プロキシ管理されたセカンダリ サイトの境界内にネットワークの場所があるクライアントは、プロキシ管理ポイントを使用してインベントリ データ、探索データ、ステータス メッセージを送信できます。このクライアント情報は圧縮され、標準のサイト間通信の一部としてプライマリ サイトに送信されます。

また、クライアントは、プロキシ管理ポイントにクライアント ポリシーについて、ポリシーの割り当てとポリシー本文の両方を問い合わせます。ポリシー本文はプロキシ管理ポイントでキャッシュされるため、セカンダリ サイトとその親プライマリ サイトとの間の帯域幅の消費を抑えるのに役立ちます。ポリシー割り当てとポリシー本文の詳細については、「Configuration Manager のクライアント ポリシーについて」を参照してください。

セカンダリ サイトにプロキシ管理ポイントがインストールされていない場合、クライアントはポリシーおよびコンテンツの既定の管理ポイントと直接通信し、すべてのクライアント情報は未圧縮のまま直接プライマリ サイトの既定の管理ポイントに送信されます。

また、クライアントはプロキシ管理ポイントを使用して、提供情報を実行するソフトウェア パッケージ、ソフトウェアの更新展開をインストールするソフトウェアの更新などのコンテンツを要求することもできます。

ローミング シナリオのすべての例で使用する階層

階層にはプライマリ サイトの 3 層があります。

  • 階層の最上位はセントラル サイトで、トロントにある TOR という名前のプライマリ サイトです。

  • プライマリ サイトの第 2 レベルには、ヒューストン、ロンドン、および上海のそれぞれに HOULONSHA という名前のプライマリ子サイトがあります。

    • ヒューストンの子プライマリ サイトには、シアトルとボストンに次の名前の 2 つのセカンダリ サイトがあります :SEABOS

    • LON (ロンドン) の子プライマリ サイトには、マンチェスターに次の名前のセカンダリ サイトがあります :MAN

    • SHA (上海) の子プライマリ サイトにはセカンダリ サイトはありません。

  • プライマリ サイトの第 3 レベルには、シドニーとヘルシンキにそれぞれ SYDHEL という名前の 2 つのプライマリ孫サイトがあります。

    • SYD (シドニー) の孫プライマリ サイトには、メルボルンとブリスベンに次の名前のセカンダリ サイトがあります :MELBRI

    • HEL (ヘルシンキ) の孫プライマリ サイトにはセカンダリ サイトはありません。

以下の図はこの階層を示します。

シナリオで使用される ConfigMgr 階層

プロキシ管理ポイントがないセカンダリ サイトの割り当て

ロンドン (LON) の管理者が、Configuration Manager 2007 クライアントを、ネットワークの場所がマンチェスター (MAN) のセカンダリ サイトの境界内にあるコンピュータにインストールし、サイトの自動割り当てを使用します。マンチェスターのセカンダリ サイトには配布ポイントはありますが、プロキシ管理ポイントはありません。

以下の図は、このシナリオを示します。

セカンダリ サイトおよびプロキシ以外の管理ポイント

グローバル ローミング機能

マンチェスターのコンピュータに Configuration Manager 2007 クライアントがインストールされ、サイトの割り当てが開始されると、Configuration Manager クライアントは、現在の IP アドレス、IP サブネット、および Active Directory サイトを、Active Directory ドメイン サービスの各サイト用に定義された境界のリストと比較します。マンチェスターのサイト (MAN) との一致が見つかり、これがロンドンのセカンダリ サイトであることが認識されます。ロンドンに割り当てて、ロンドンの既定の管理ポイントを検索します。次に、マンチェスターのサイトのプロキシ管理ポイントを検索します。マンチェスターにはプロキシ管理ポイントがないため、すべてのポリシー要求はロンドンの既定の管理ポイントに送信されます。またインベントリ データおよびステータス メッセージがロンドン (LON) の既定の管理ポイントに送信されます。

ただし、ソフトウェア パッケージまたはソフトウェアの更新が必要な場合、クライアントがコンテンツをローカルでダウンロードできるように、既定の管理ポイントはマンチェスターのサイト (MAN) の配布ポイントのリストを返します。

リージョナル ローミング機能

マンチェスターのコンピュータに Configuration Manager 2007 クライアントがインストールされ、サイトの割り当てが開始されると、Configuration Manager クライアントは、サーバー ロケータ ポイントにネットワークの場所 (IP アドレス、IP サブネット、Active Directory サイト (存在する場合)) を送信します。サーバー ロケータ ポイントは、各サイト用に定義された境界のリストと一致するものを検索します。マンチェスターのサイト (MAN) との一致が見つかり、これがロンドンのセカンダリ サイトであることを理解し、LON のサイト情報をクライアントに送信します。クライアントをロンドンに割り当てて、ロンドンの既定の管理ポイントを検索します。マンチェスターのサイトのクライアントに提供するプロキシ管理ポイント情報がない場合、クライアントは、既定の管理ポイントに接続します。すべてのポリシー要求はロンドン (LON) の既定の管理ポイントに送信されます。またインベントリ データおよびステータス メッセージがロンドン (LON) の既定の管理ポイントに送信されます。

ただし、クライアントでソフトウェア パッケージまたはソフトウェアの更新が必要な場合、クライアントがコンテンツをローカルでダウンロードできるように、ロンドンの既定の管理ポイントはマンチェスターのサイト (MAN) の配布ポイントのリストを返します。

ローミング動作の概要

次の表に、このシナリオでのクライアントの動作を示します。

ローミング機能 管理ポイントとの通信 コンテンツをローカルにダウンロードする

グローバル ローミング

既定の管理ポイント :LON サイト (Active Directory ドメイン サービスから検出)

リージョナル ローミング

既定の管理ポイント :LON サイト (サーバー ロケータ ポイントを使用して検出)

プロキシ管理ポイントがあるセカンダリ サイトの割り当て

ヒューストンの管理者が、Configuration Manager 2007 クライアントを、ネットワークの場所がシアトル (SEA) のセカンダリ サイトの境界内にあるコンピュータにインストールし、サイトの自動割り当てを使用します。シアトルのセカンダリ サイトには配布ポイントおよびプロキシ管理ポイントがあります。

以下の図は、このシナリオを示します。

セカンダリ サイトとプロキシ管理ポイント

グローバル ローミング機能

ヒューストンのコンピュータに Configuration Manager 2007 クライアントがインストールされると、Configuration Manager クライアントは、現在の IP アドレス、IP サブネット、および Active Directory サイトを、Active Directory ドメイン サービスの各サイト用に定義された境界のリストと比較します。シアトルのサイト (SEA) との一致が見つかり、これがヒューストンのセカンダリ サイトであることが認識されます。クライアントをヒューストン (HOU) に割り当てて、ヒューストンの既定の管理ポイントを検索します。次に、シアトルのサイトの Active Directory ドメイン サービスのプロキシ管理ポイントを検索します。シアトルのプロキシ管理ポイントが検出されます。ほとんどの操作で、既定の管理ポイントの代わりにこの管理ポイントが使用されています。

クライアントはこのプロキシ管理を使用して、クライアント ポリシーの要求や受け取り、インベントリ データやステータス メッセージの送信を行います。

クライアントでソフトウェア パッケージとソフトウェアの更新が必要な場合、まずシアトルのプロキシ管理ポイントに配布ポイントのリストを要求します。コンテンツがシアトルのサイトに存在しない場合、クライアントはフォールバックして、ヒューストンの既定の管理ポイントに要求し、ヒューストン (HOU) のサイトから配布ポイントのリストが返されます。

リージョナル ローミング機能

ヒューストンのコンピュータに Configuration Manager 2007 クライアントがインストールされ、サイトの割り当てが開始されると、Configuration Manager クライアントは、サーバー ロケータ ポイントにネットワークの場所 (IP アドレス、IP サブネット、Active Directory サイト (存在する場合)) を送信します。サーバー ロケータ ポイントは、各サイト用に定義された境界のリストと一致するものを検索します。サーバー ロケータ ポイントはシアトルのサイト (SEA) との一致を検出し、これがヒューストン (HOU) のセカンダリ サイトであることを認識します。サーバー ロケータ ポイントは HOU のサイト情報をクライアントに送信し、クライアントはヒューストンに割り当てられます。

次に、クライアントはヒューストンの既定の管理ポイントを検索します。クライアントはヒューストンの既定の管理ポイントに接続してクライアントのネットワークの場所を探し、プロキシ管理ポイントがあるシアトルのセカンダリ サイトの境界内にあることを認識します。クライアントにシアトルのプロキシ管理ポイントについて指示します。ほとんどの操作で、クライアントは既定の管理ポイントの代わりにこの管理ポイントを使用します。

クライアントはこのプロキシ管理を使用して、クライアント ポリシーの要求や受け取り、インベントリ データやステータス メッセージの送信を行います。

クライアントでソフトウェア パッケージとソフトウェアの更新が必要な場合、まずシアトルのプロキシ管理ポイントに配布ポイントのリストを要求します。コンテンツがシアトルのサイトに存在しない場合、クライアントはフォールバックして、ヒューストンの既定の管理ポイントに要求し、ヒューストン (HOU) のサイトから配布ポイントのリストが返されます。

ローミング動作の概要

次の表に、このシナリオでのクライアントの動作を示します。

ローミング機能 管理ポイントとの通信 コンテンツをローカルにダウンロードする

グローバル ローミング

既定の管理ポイント :HOU サイト (Active Directory ドメイン サービスから検出)

プロキシ管理ポイント :SEA サイト (Active Directory ドメイン サービスから検出)

リージョナル ローミング

既定の管理ポイント :HOU サイト (サーバー ロケータ ポイントを使用して検出)

プロキシ管理ポイント :SEA サイト (既定の管理ポイントから検出)

同様の割り当て動作

同じ割り当ての動作が次のシナリオでも使用され、マンチェスター以外のすべてのセカンダリ サイトにプロキシ管理ポイントがあることを前提としています。

  • クライアントはヒューストン (HOU) に割り当てられ、ネットワークの場所はボストン (BOS) のセカンダリ サイトの境界内にあります。

  • クライアントはシドニー (SYD) に割り当てられ、ネットワークの場所はメルボルン (MEL) のセカンダリ サイトの境界内にあります。

  • クライアントはシドニー (SYD) に割り当てられ、ネットワークの場所はブリスベン (BRI) のセカンダリ サイトの境界内にあります。

クライアントがクライアントの割り当て済みサイトに接続されたセカンダリ サイト間を移動する

ヒューストンの管理者が Configuration Manager 2007 クライアントを、ネットワークの場所がシアトル (SEA) のセカンダリ サイトの境界内にあるラップトップ コンピュータにインストールし、サイトの自動割り当てを使用します。シアトルのセカンダリ サイトには配布ポイントおよびプロキシ管理ポイントがあります。1 週間後、ラップトップを所有するユーザーがボストンに出張することになりました。ボストンは、割り当て済みサイトに接続されているセカンダリ サイト (BOS) です。

以下の図は、このシナリオを示します。

割り当て済みにアタッチされたセカンダリ サイト間を移動

グローバル ローミング機能

ヒューストンのコンピュータはインストール済みで、ヒューストンのサイト (HOU) に割り当てられていて、シアトル (SEA) のプロキシ管理ポイントを使用します。

ラップトップがボストンに移動され、ボストンのネットワークに接続されると、Configuration Manager クライアントは、割り当て済みサイトの既定の管理ポイントをチェックします。現在のネットワークの場所を、Active Directory ドメイン サービスの各サイト用に定義された境界のリストと比較します。ボストンのサイト (BOS) との一致が見つかり、これがヒューストンのセカンダリ サイトであることが認識されします。ヒューストンの既定の管理ポイントは保持しますが、ボストンのサイトの Active Directory ドメイン サービスのプロキシ管理ポイントを検索します。ボストンのプロキシ管理ポイントが検出されます。ほとんどの操作で、既定の管理ポイントの代わりにこの管理ポイントが使用されています。

クライアントはボストンのプロキシ管理を使用して、クライアント ポリシーの要求や受け取り、インベントリ データやステータス メッセージの送信を行います。

クライアントでソフトウェア パッケージとソフトウェアの更新が必要な場合、まずボストンのプロキシ管理ポイントに配布ポイントのリストを要求します。コンテンツがボストンのサイトに存在しない場合、クライアントはフォールバックして、ヒューストンの既定の管理ポイント要求し、ヒューストン (HOU) のサイトから配布ポイントのリストが返されます。

ラップトップがシアトルに戻ると、Active Directory ドメイン サービスから同じサービス探索要求を実行します。その結果、既定の管理ポイントはヒューストンのままですが、プロキシ管理ポイントはシアトルのプロキシ管理ポイントに戻ります。

リージョナル ローミング機能

ヒューストンのコンピュータはインストール済みで、ヒューストンのサイト (HOU) に割り当てられていて、シアトル (SEA) のプロキシ管理ポイントを使用します。

ラップトップがボストンに移動され、ボストンのネットワークに接続されると、Configuration Manager クライアントは、割り当て済みサイトの既定の管理ポイントをチェックします。ヒューストンの既定の管理ポイントを保持します。クライアントはヒューストンの既定の管理ポイントに接続してクライアントのネットワークの場所を探し、プロキシ管理ポイントがあるボストンのセカンダリ サイトの境界内にあることを認識します。クライアントにボストンのプロキシ管理ポイントについて指示します。ほとんどの操作で、クライアントは既定の管理ポイントの代わりにこの管理ポイントを使用します。

クライアントはボストンのプロキシ管理を使用して、クライアント ポリシーの要求や受け取り、インベントリ データやステータス メッセージの送信を行います。

クライアントでソフトウェア パッケージとソフトウェアの更新が必要な場合、まずボストンのプロキシ管理ポイントに配布ポイントのリストを要求します。コンテンツがボストンのサイトに存在しない場合、クライアントはフォールバックして、ヒューストンの既定の管理ポイント要求し、ヒューストン (HOU) のサイトから配布ポイントのリストが返されます。

ラップトップがシアトルに戻ると、既定の管理ポイントの同じサービス探索要求を実行します。その結果、既定の管理ポイントはヒューストンのままですが、プロキシ管理ポイントはシアトルのプロキシ管理ポイントに戻ります。

セカンダリ サイトの動作のまとめ

次の表に、このシナリオでのクライアントの動作を示します。

ローミング機能 管理ポイントとの通信 コンテンツをローカルにダウンロードする

グローバル ローミング

既定の管理ポイント :HOU サイト (Active Directory ドメイン サービスから検出)

プロキシ管理ポイント :SEA サイトおよび BOS サイト (Active Directory ドメイン サービスから検出)

リージョナル ローミング

既定の管理ポイント :HOU サイト (サーバー ロケータ ポイントから検出)

プロキシ管理ポイント :SEA サイトおよび BOS サイト (既定の管理ポイントから検出)

同様の割り当て動作

同じ割り当ての動作が次のシナリオでも使用され、マンチェスター以外のすべてのセカンダリ サイトにプロキシ管理ポイントがあることを前提としています。

  • 割り当てるときに、クライアントはヒューストン (HOU) に割り当てられ、ネットワークの場所はボストン (BOS) のセカンダリ サイトの境界内にありますが、その後、クライアントはシアトルのサイト (SEA) に移動します。

  • 割り当てるときに、クライアントはシドニー (SYD) に割り当てられ、ネットワークの場所はメルボルン (MEL) のセカンダリ サイトの境界内にありますが、その後、クライアントはブリスベンのサイト (BRI) に移動します。

  • 割り当てるときに、クライアントはシドニー (SYD) に割り当てられ、ネットワークの場所はブリスベン (BRI) のセカンダリ サイトの境界内にありますが、その後、クライアントはメルボルンのサイト (MEL) に移動します。

クライアントの割り当て済みサイトに接続されていないセカンダリ サイトへの割り当て

シドニーの管理者が Configuration Manager 2007 クライアントを、間違ったグループ ポリシー オブジェクトを使用しているコンピュータにインストールし、その結果、シドニーのサイト (SYD) ではなく、ヒューストンのサイト (HOU) にそのコンピュータが割り当てられます。

クライアントのネットワークの場所は、プロキシ管理サーバーのあるメルボルン (MEL) のセカンダリ サイトの境界内にあります。

以下の図は、このシナリオを示します。

割当済みサイトにアタッチされないセカンダリ サイト

グローバル ローミング機能

メルボルンのコンピュータに Configuration Manager 2007 クライアントがインストールされると、Configuration Manager クライアントは Active Directory ドメイン サービスの割り当て済みサイト (HOU) を確認します。クライアントはヒューストンに割り当てられ、IP アドレス、IP サブネット、および Active Directory サイトを、階層に定義された境界のリストと比較します。クライアントは、ネットワークの場所がメルボルン (MEL) のセカンダリ サイトの境界内にあることを確認します。クライアントが利用できるプロキシ管理ポイントはメルボルンにありますが、メルボルンは、割り当て済みサイトに接続されていないセカンダリ サイトです。このシナリオでは、プロキシ管理ポイントをコンテンツの場所の要求のみに使用できます。

クライアントはヒューストンの既定の管理ポイントをクライアント ポリシーに使用し、インベントリ データとステータス メッセージを送信します。メルボルンのプロキシ管理ポイントを使用して、ソフトウェア パッケージおよびソフトウェアの更新が必要なときに、最も近い配布ポイントを要求します。メルボルンのプロキシ管理ポイントは、メルボルンのサイト (MEL) から配布ポイントの一覧を返します。

リージョナル ローミング機能

メルボルンのコンピュータに Configuration Manager 2007 クライアントがインストールされると、Configuration Manager クライアントは、サーバー ロケータ ポイントを使用して、割り当て済みサイト (HOU) を確認します。クライアントはヒューストンに割り当てて、ヒューストンの既定の管理ポイントを検索します。ヒューストンの管理ポイントは、クライアントのネットワークの場所が、割り当て済みサイトおよびそのセカンダリ サイトの境界外にあることを確認します。メルボルンは割り当て済みサイトに接続されていないセカンダリ サイトなので、クライアントはローミングのように動作します。

クライアントはヒューストンの既定の管理ポイントをクライアント ポリシーにの要求と受信に使用し、インベントリ データとステータス メッセージを送信します。ソフトウェア パッケージおよびソフトウェアの更新が必要なとき、ヒューストンの管理ポイントに、最も近い配布ポイントを要求します。ヒューストンの管理ポイントはメルボルンのサイト (MEL) から配布ポイントを返します。

ローミング動作の概要

次の表に、このシナリオでのクライアントの動作を示します。

ローミング機能 管理ポイントとの通信 コンテンツをローカルにダウンロードする

グローバル ローミング

既定の管理ポイント :HOU サイト (Active Directory ドメイン サービスから検出)

プロキシ管理ポイント :MEL サイト (Active Directory ドメイン サービスから検出)

リージョナル ローミング

既定の管理ポイント :HOU サイト (サーバー ロケータ ポイントから検出)

プロキシ管理ポイント :なし

割り当ての解決

このシナリオでは、クライアントが割り当てられ、コンテンツをローカルにダウンロード可能であると想定していますが、クライアントの既定の管理ポイントがローカルでないためにサイト間で不要な WAN トラフィックが発生します。そのため、グローバル ローミング機能のあるクライアントはセカンダリ サイトのプロキシ管理ポイントを完全に利用することができず、リージョナル ローミング機能のあるクライアントはセカンダリ サイトのプロキシ管理ポイントを使用できません。

  • クライアントはメルボルンに配置されていますが、クライアント ポリシーについて定期的にヒューストンの既定の管理ポイントに問い合わせ、インベントリ データとステータス メッセージを送信します。これらの操作にはメルボルンのプロキシ管理ポイントを使用できません。

  • クライアントはメルボルンに配置されていますが、グローバル ローミング機能のあるクライアントだけがソフトウェア パッケージおよびソフトウェアの更新についてメルボルンのプロキシ管理ポイントに問い合わせることができます。

不要な WAN トラフィックを防ぐために、クライアントをシドニーのサイトに再割り当てします。

同様の割り当て動作

クライアントのネットワークの場所がクライアントの割り当て済みサイトに接続されていないセカンダリサイトの境界内にある場合に、同様の割り当ての動作が行われます。

  • クライアントはヒューストン (HOU) に割り当てられ、ネットワークの場所はブリスベン (BRI) のセカンダリ サイトの境界内にあります。

  • クライアントはロンドン (LON) に割り当てられ、ネットワークの場所はシアトル (SEA) のセカンダリ サイトの境界内にあります。

  • クライアントはロンドン (LON) に割り当てられ、ネットワークの場所はボストン (BOS) のセカンダリ サイトの境界内にあります。

  • クライアントはロンドン (LON) に割り当てられ、ネットワークの場所はメルボルン (MEL) のセカンダリ サイトの境界内にあります。

  • クライアントはロンドン (LON) に割り当てられ、ネットワークの場所はブリスベン (BRI) のセカンダリ サイトの境界内にあります。

  • クライアントは上海 (SHA) に割り当てられ、ネットワークの場所はシアトル (SEA) のセカンダリ サイトの境界内にあります。

  • クライアントは上海 (SHA) に割り当てられ、ネットワークの場所はボストン (BOS) のセカンダリ サイトの境界内にあります。

  • クライアントは上海 (SHA) に割り当てられ、ネットワークの場所はマンチェスター (MAN) のセカンダリ サイトの境界内にあります。

  • クライアントは上海 (SHA) に割り当てられ、ネットワークの場所はメルボルン (MEL) のセカンダリ サイトの境界内にあります。

  • クライアントは上海 (SHA) に割り当てられ、ネットワークの場所はブリスベン (BRI) のセカンダリ サイトの境界内にあります。

  • クライアントはトロント (TOR) に割り当てられ、ネットワークの場所はシアトル (SEA) のセカンダリ サイトの境界内にあります。

  • クライアントはトロント (TOR) に割り当てられ、ネットワークの場所はボストン (BOS) のセカンダリ サイトの境界内にあります。

  • クライアントはトロント (TOR) に割り当てられ、ネットワークの場所はマンチェスター (MAN) のセカンダリ サイトの境界内にあります。

  • クライアントはトロント (TOR) に割り当てられ、ネットワークの場所はメルボルン (MEL) のセカンダリ サイトの境界内にあります。

  • クライアントはトロント (TOR) に割り当てられ、ネットワークの場所はブリスベン (BRI) のセカンダリ サイトの境界内にあります。

参照:

タスク

セカンダリ サイトへのプロキシ管理ポイントのインストール方法

概念

Configuration Manager における割り当てのシナリオ例 :プライマリ サイト
Configuration Manager のローミングのシナリオ例 :簡易
Configuration Manager のローミングのシナリオ例 :複合
サイト システムの計画ワークシート

その他のリソース

Configuration Manager クライアントの展開のテクニカル リファレンス