Visual Studio Team System の新機能

更新 : 2007 年 11 月

このトピックでは、Microsoft Visual Studio Team System 2008 に含まれる新機能と強化された機能を紹介します。各エディションで使用できる機能の詳細については、「Visual Studio Team System 2008 製品ラインの機能比較」を参照してください。

Visual Studio Team System 2008 を実際のソフトウェア開発で使用する方法の詳細については、「Global Bank: Visual Studio Team System 2008 用のシナリオ」を参照してください。

トピック目次

Team Foundation Server Service Pack 1

  • Team Foundation ビルド

  • Team Foundation バージョン管理

  • Team Foundation 作業項目トラッキング

  • Visual SourceSafe 用移行ツール

Team Foundation Server

  • Team Foundation ビルド

    • ビルド定義

    • ビルドの継続的な統合

    • スケジュールされたビルド

    • ビルド エージェント

    • ビルドに対する HTTPS と SSL (Secure Sockets Layer)

    • Team Foundation ビルドをカスタマイズするための新しいプロパティ

    • Team Foundation ビルドをカスタマイズするための新しいタスクとターゲット

  • Team Foundation ソース管理

    • Destroy

    • チェックアウト時の最新バージョンの取得

    • ファイルの注釈付け

    • フォルダの比較

  • Team Foundation 作業項目トラッキング

  • Team Foundation Server の管理

Architecture Edition

  • トップダウン アプローチを使用してアプリケーション システムをデザインする

  • .NET Web サービス エンドポイントを WSDL ファイルに準拠させる

  • ASP.NET アプリケーション用の ASP.NET Web アプリケーション プロジェクトを生成する

  • カスタム プロトタイプを保存、インポート、エクスポートする

  • .NET Framework の複数のバージョンから選択する

  • Office の複数のバージョンから選択する

Database Edition

  • テーブルとインデックスのオプションを指定する

Developer Edition

  • Team Edition for Developers

    • 規則の拡張と強化

    • ユーザー辞書をサポートするスペル チェック

    • エラー リストからの抑制に対する制御の向上

    • 生成されるコードの自動抑制オプション

    • コード分析ポリシーの改善

  • コード メトリックス

  • プロファイリング ツール

    • 64 ビットのサポート

    • 完全な割り当て履歴

    • 行レベルのサンプリング データ

    • レポートのノイズ除去

    • ランタイム制御

    • フィルタ処理された分析

    • レポートの比較

    • 向上したチップ カウンタ サポート

    • Windows カウンタのサポート

    • レポート ファイルの圧縮

    • ホット パス

    • レポート ビュー データの HTML へのコピー

    • Windows Communications Foundation のサポート

    • Visual Studio Team Suite でのロード テストと Web テストの統合

Test Edition

  • コードのテスト方法

    • Visual Studio Professional Edition での単体テストの使用

    • 単体テストのより簡単な実行

    • テスト クラス間の継承の使用

    • 単体テストのデバイス上での実行

    • ホスト アダプタの作成

    • 単体テスト データ バインディングの強化

  • Web サイトの Web テスト

    • 別の Web テストからの Web テストの呼び出し

    • Web テスト データ バインディングの強化

    • Web テスト機能の強化

  • ロード テスト

    • ロード モデリングの制御

    • ロード テスト アナライザ ビューの強化

    • 強化されたロード テストの結果リポジトリの管理機能

    • XML ファイルの発行されたスキーマ

Team Foundation Server Service Pack 1

このセクションで後述する機能と強化に加え、Service Pack 1 では、次のような管理機能の強化が行われています。

  • Microsoft SQL Server 2008 のサポート

  • Team System Web Access へのリンク

  • パフォーマンスとスケーラビリティの強化

Team Foundation ビルド

  • TFSBuild.proj ファイルを簡単に検出できるようになりました。

    チーム エクスプローラでビルド定義名を右クリックし、[構成フォルダの表示] をクリックすると、バージョン管理で TFSBuild.proj ファイルを検出できます。

  • ビルド トリガが設定された方法を判断できます。

    新しいプロパティにより、ビルドがトリガされた方法が示され、このフィールドに指定できる値それぞれに基づいて実行されるスクリプトを TFSBuild.proj ファイルに記述できます。これらの値には、"Manual"、"IndividualCI"、"BatchedCI"、"Schedule"、および "ScheduleForced" があります。プロパティは、ビルド ログ ファイルにも示されます。詳細については、「Reason プロパティ」および「ビルド レポートの概要」を参照してください。

  • テスト結果を検出できます。

    ビルドを失敗させることなくテスト結果を検出し、これらの結果に基づくビルド条件を設定できます。

Team Foundation バージョン管理

  • バージョン管理に簡単に項目を追加できるようになりました。

    バージョン管理に項目を追加する際、ウィザードに従って、追加するファイルを指定したり、必要ないファイルをフィルタにより除外したりできます。また、Windows エクスプローラからソース管理エクスプローラにファイルやフォルダをドラッグ アンド ドロップで追加することもできます。詳細については、「方法 : 非プロジェクトまたは非ソリューションのファイルおよびフォルダをバージョン管理に追加する」を参照してください。

  • バージョン管理において、ソリューションまたはプロジェクトにバインドされているかどうかにかかわらず、すべてのファイルを同様に管理できます。

    バージョン管理されているファイルは、開いているプロジェクトまたはソリューションに含まれているかどうかに関係なく、すべて同じように処理されます。コンテキスト メニューでは、単一ファイル レベルでバージョン管理のすべての標準機能を使用できます。

  • 作業フォルダをより簡単にマップできるようになりました。

    ソース管理エクスプローラで作業フォルダを右クリックすることにより、作業フォルダのマップ、マップしたフォルダのクローク、および作業フォルダの削除ができます。また、ソース管理エクスプローラでリンク パスを確認することにより、フォルダがマップされているかどうかを検証することもできます。フォルダがマップされていない場合、リンクをクリックして、[マップ] ダイアログ ボックスを開くことができます。詳細については、「方法 : マップされたワークスペースを作成する」、「方法 : ワークスペースを変更する」、「方法 : ワークスペースを削除する」、および「方法 : ワークスペースでフォルダをクロークまたはクローク解除する」を参照してください。

  • ファイルが最後にチェックインされた日時を確認できます。

    ソース管理エクスプローラには、最後のチェックインの日時を示す列が含まれています。

  • ファイルのソースの場所を指定できます。

    ソース管理エクスプローラで、[ソースの場所] ボックスにパスを入力できます。

  • ファイルをメモリに直接ダウンロードできます。

    ファイルを一時ファイルにダウンロードしてから読み込むのではなく、メモリに直接ダウンロードして、コンテンツを処理できます。

  • 分岐をこれまでより最大で 10 倍速く作成できます。

    tf branch コマンドの /checkin オプションを使用することにより、まず変更を保留してから後でこれをチェックインする手間を省いて、分岐を作成できます。詳細については、「Branch コマンド」を参照してください。

  • 同じコード ベースで、ある分岐から別の分岐にワークスペースを切り替えた後に、ワークスペースへのファイルのダウンロードを最適化できます。

    tf get コマンドの /remap オプションにより、2 つの分岐間で異なる項目のみがダウンロードされ、これにより同一ファイルに対する最適化を行うことができます。詳細については、「Get コマンド」を参照してください。

Team Foundation 作業項目トラッキング

  • Office 2007 のリボン上の [チーム] タブを使って、作業項目をトラッキングできます。

    詳細については、「Microsoft Excel や Microsoft Project で作業項目を管理する」を参照してください。

  • 電子メール メッセージにクエリと作業項目へのリンクを添付できます。

    チーム エクスプローラでは、クエリを右クリックすることにより、1 つの作業項目または作業項目の一覧を電子メールで送信できます。Team System Web Access では、メッセージに作業項目またはクエリが含まれるので、受信者は関連作業項目をより簡単に調べることができます。詳細については、「方法 : クエリ結果を電子メールで送信する」を参照してください。

Visual SourceSafe 用移行ツール

  • VSSConverter は、以前検出したファイルと同じ名前のファイルを変換し、名前空間の競合が起こらないようにします。

    詳細については、「Visual SourceSafe からの移行」を参照してください。

  • ソース ツリーを変換する際、ソリューションは自動的に、Visual SourceSafe ではなく、Team Foundation に再バインドされます。

  • VSSConverter がタイムスタンプの問題を自動的に修正します。

    Visual SourceSafe はサーバーではなくクライアントのタイムスタンプを使用するため、多くの Visual SourceSafe データベースにタイムスタンプの矛盾が発生します。VSSConverter は自動的にこの問題を調整します。

  • 変換の問題をより簡単に診断できるようになりました。

    変換中にログ ファイルに書き込まれるメッセージがわかりやすくなり、情報量も多くなりました。

Team Foundation Server

Team Foundation の一部のコンポーネントでは、Visual Studio Team System 2008 Team Foundation Server 用の新機能の追加と改善が行われています。

Team Foundation ビルド

ビルド定義

ビルド定義は、Microsoft Visual Studio 2005 Team System のビルド タイプに代わる機能です。ビルド タイプとは異なり、ビルド定義はチーム エクスプローラのユーザー インターフェイスを使用して変更できます。ビルド定義も、バージョン管理のワークスペースをサポートします。ローカル パスを指定し、バージョン管理で指定した場所にビルド ファイルを格納できます。詳細については、「方法 : ビルド定義を作成する」および「Team Foundation ビルドの構成ファイルについて」を参照してください。

ビルドの継続的な統合

新しいビルド定義を作成するとき、または既存のビルド定義を変更するときに、ビルドのトリガを指定できます。オン デマンド ビルド、ロール ビルド、およびチェックインのたびにビルドが開始する継続的な統合を使用できます。また、ロール ビルドを定義するときは、ビルドの間の待機の長さも定義できます。詳細については、「方法 : ビルド定義を作成する」を参照してください。

スケジュールされたビルド

変更がなくても、スケジュールに従ってビルドを実行できるようになりました。詳細については、「方法 : ビルド定義を作成する」を参照してください。

ビルド エージェント

ビルド エージェントには、ビルド コンピュータの名前とは別の名前を付けることができます。詳細については、「方法 : ビルド エージェントを作成および管理する」を参照してください。各ビルド エージェントは、双方向ポートと、ビルドの実行に使用される既定のポートの 2 種類のポートを使用して、ビルド コンピュータに接続できます。詳細については、「方法 : Team Foundation ビルドの双方向ポートを構成する」を参照してください。

ビルドに対する HTTPS と SSL (Secure Sockets Layer)

HTTPS と SSL を必要とするように Team Foundation ビルドを設定できるようになりました。詳細については、「方法 : HTTPS と SSL (Secure Sockets Layer) の使用を必須とするビルド エージェントを設定する」を参照してください。

Team Foundation ビルドをカスタマイズするための新しいプロパティ

Team System 2008 Team Foundation Server には、ビルドをカスタマイズするための新しいプロパティが組み込まれています。これらのプロパティには、C++ のビルドの動作をカスタマイズする SkipInvalidConfigurations、CustomizableOutDir、および CustomizablePublishDir が含まれます。詳細については、「カスタマイズ可能な Team Foundation のビルド プロパティ」を参照してください。

Team Foundation ビルドをカスタマイズするための新しいタスクとターゲット

Team Foundation ビルドには、ビルド プロセスをカスタマイズするためにオーバーライドできる多数の新しいターゲットが含まれています。詳細については、「カスタマイズ可能な Team Foundation のビルド ターゲット」、「BuildStep タスク」、「GetBuildProperties タスク」、「SetBuildProperties タスク」、および「WorkspaceItemConverterTask タスク」を参照してください。

Team Foundation ソース管理

Destroy

ソース管理されたファイルを Team Foundation バージョン管理から破棄または完全に削除できるようになりました。詳細については、「Destroy コマンド」を参照してください。

チェックアウト時の最新バージョンの取得

チェックアウト時にファイルの最新バージョンを自動的に取得するよう Team Foundation バージョン管理に指定できます。詳細については、「Team Foundation のチェックアウト設定」を参照してください。

ファイルの注釈付け

ソース コード ファイルに注釈を付けることができます。変更内容、変更者、変更日などの情報を、ソース コードで 1 行ずつ確認できます。詳細については、「方法 : 注釈を使用してファイルの変更を表示する」を参照してください。

フォルダの比較

ソース管理を使用して、2 つのサーバー フォルダ、2 つのローカル フォルダ、またはサーバー フォルダとローカル フォルダを比較できます。足りない項目や、追加、削除、競合する変更のある項目などの差異を確認できます。詳細については、「方法 : 2 つのフォルダを比較する」を参照してください。

Team Foundation 作業項目トラッキング

重い負荷がかかっている状態でのほとんどの作業項目トラッキング動作のパフォーマンスが、大幅に改善されました。Visual Studio 2005 Team Foundation Server と比較すると、スループットが 2 倍になりました。個々の動作を完了するまでの時間が短くなりました。Team Foundation データ層サーバーでの CPU の使用量が少なくなりました。大規模な組織は、サーバー上のユーザーを追跡する作業項目を、Visual Studio 2005 Team Foundation Server よりも多くサポートできます。

Visual Studio Team System 2008 Team Foundation Server はスケーラビリティが優れています。スケーラビリティにより、負荷がかかっているサーバーでのほとんどの作業項目トラッキング動作の応答時間が大幅に向上しました。これは、500 人を超えるチームの場合に特に顕著です。大規模な組織は、サーバー上のユーザーを追跡する作業項目を、Visual Studio 2005 Team Foundation Server よりも多くサポートできます。

Team Foundation Server の管理

多数のユーザーを Visual Studio Team System 2008 Team Foundation Server に追加する際の信頼性が向上し、長い遅延や他の問題も発生しにくくなりました。サポートされるユーザーの総数は変わりませんが、Active Directory と Visual Studio Team System 2008 Team Foundation Server の間でのユーザーの同期が早く完了します。

Architecture Edition

Visual Studio Team System Architecture Edition では、Visual Studio Team System 2008 の次の領域で新機能と機能強化が加えられています。

トップダウン アプローチを使用してアプリケーション システムをデザインする

システム デザイナでは、トップダウン アプローチを使用してアプリケーション システムをデザインできます。新しいシステム デザイン ソリューションを開始することも、既存のソリューションを継続することもできます。システムやアプリケーションやエンドポイントを、システム定義にメンバとして直接追加できます。エンドポイントをシステム定義の境界に直接追加し、後でその動作をメンバにデリゲートできます。メンバとその基になる定義の名前を同時に変更します。定義から孤立したアプリケーション システムのメンバを修復できます。

.NET Web サービス エンドポイントを WSDL ファイルに準拠させる

既存の .NET Web サービス プロバイダ エンドポイントの動作を、WSDL ファイルに準拠させることができます。

ASP.NET アプリケーション用の ASP.NET Web アプリケーション プロジェクトを生成する

ASP.NET Web アプリケーション テンプレートを選択し、ASP.NET アプリケーションを実装できます。これにより、そのアプリケーションに対応するプロジェクトの種類が生成されます。

カスタム プロトタイプを保存、インポート、エクスポートする

カスタム プロトタイプを個人使用またはコンピュータのすべてのユーザー用に保存またはインストールできるようになりました。カスタム プロトタイプは、レジストリの編集ではなくインポートによってインストールできます。

Bb385832.alert_note(ja-jp,VS.90).gifメモ :

ただし、SDM (System Definition Model) SDK (Software Development Kit) を使用して作成したアプリケーション プロトタイプの .sdmdocument ファイルをインストールするためには、レジストリを編集する必要があります。

他のユーザーと共有するカスタム プロトタイプをエクスポートできるようになりました。

.NET Framework の複数のバージョンから選択する

ASP.NET、Windows、および Office アプリケーション用に、.NET Framework 2.0、3.0、または 3.5 を選択できるようになりました。

Office の複数のバージョンから選択する

Office アプリケーション用に、Office 2003 または Office 2007 のプロジェクト テンプレートを選択できるようになりました。

詳細については、「Architecture Edition の新機能」を参照してください。

Database Edition

Visual Studio Team System Database Edition は、Visual Studio Team System のインストールに統合されました。スイート全体をインストールするときには、個別にインストールする必要がなくなりました。

テーブルとインデックスのオプションを指定する

Microsoft SQL Server 2005 での新しい保存形式である vardecimal など、テーブルとインデックスの定義でオプションを指定できるようになりました。

詳細については、「方法 : テーブルとインデックスのオプションを指定する」を参照してください。

Developer Edition

Team Edition for Developers

コード分析ツールは、コード障害に対するさまざまなチェックを実行し、エラー ウィンドウに警告として表示します。

詳細については、「高品質なコードの作成」、「マネージ コードの警告に対応するコードの解析」、および「C/C++ コードの警告に対応するコードの分析」を参照してください。

コード分析では、次の機能が強化されました。

規則の拡張と強化

コード分析には、20 を超える新しい規則があります。一部のルールは、正確さ (特に名前付け規則関連) を高めることで強化されました。

詳細については、「マネージ コードの警告に対応するコードの解析」、「C/C++ コードの警告に対応するコードの分析」、および「方法 : マネージ コードのコード分析を有効/無効にする」を参照してください。

ユーザー辞書をサポートするスペル チェック

スペル チェックを、リソース文字列だけでなく、クラス、メソッド、およびプロパティの名前にも使用できます。標準以外の語句には、ユーザー辞書を使用できます。

エラー リストからの抑制に対する制御の向上

プロジェクト レベルまたはソース内で、エラー ウィンドウからコード分析の問題を抑制できます。

生成されるコードの自動抑制オプション

生成されるコードから、エラー メッセージを自動的に抑制できます。これは、デザイナ生成のコードに対して特に有効です。

コード分析ポリシーの改善

サーバーからプロジェクトに設定をコピーするときに、ローカルな選択を置き換えるか、またはポリシー規則をローカルなプロジェクト規則とマージするかを選択できます。また、ポリシー違反に関する情報がいっそう詳細になりました。これにより、違反の原因を特定できます。

コード メトリックス

コード メトリックスとは、開発者が開発中のコードをより理解できるようにする、ソフトウェアの一連の基準です。開発者は、コード メトリックスを利用することで、作成し直したり、より徹底的なテストを実行したりする必要のある型やメソッドを把握できます。さらに、開発チームは、ソフトウェアの開発時に、リスクの可能性を特定し、プロジェクトの現在の状態を把握して、進行状況を追跡できます。

コード メトリックスの詳細については、「マネージ コードの複雑さと保守性の測定」を参照してください。

プロファイリング ツール

Visual Studio Developer Edition のプロファイリング ツールを使用すると、開発者は、コード内のパフォーマンス関連の問題を計測、評価、および特定できます。

プロファイリング ツールの詳細については、「プロファイリング ツールを使用したアプリケーション パフォーマンスの分析」を参照してください。

プロファイリング ツールには、次の機能が追加されました。

64 ビットのサポート

プロファイラは、64 ビットのオペレーティング システムとハードウェアでの 64 ビット アプリケーションと、64 ビットのオペレーティング システムとハードウェアで実行される 32 ビット アプリケーションの両方をサポートするようになりました。

完全な割り当て履歴

プロファイラは、割り当て用に完全な呼び出し履歴を備えています。これは、非ユーザー コードで発生する割り当てで、ユーザー アクションが間接的な原因になっている場合に有効です。完全な履歴を使用することで、コードのどの部分が割り当ての間接的な原因になっているのかが正確にわかります。

パフォーマンス セッションのプロパティ ページで設定を構成することで、割り当てデータを収集できます。結果を見るには、パフォーマンス レポートの割り当てビューを使用します。

詳細については、「方法 : .NET メモリ割り当ておよび有効期間データを収集する」および「[割り当て] ビュー」を参照してください。

行レベルのサンプリング データ

プロファイリング ツールのパフォーマンス レポートには、命令ポインタと行の表示が含まれるようになっています。また、モジュール ビューにも行の情報が含まれています。

詳細については、「命令ポインタ (IP) ビュー」、「行ビュー」、および「[モジュール] ビュー」を参照してください。

レポートのノイズ除去

ノイズを除去するようにパフォーマンス レポートを構成できます。これにより、[コール ツリー] ビューや [割り当て] ビューに表示されるデータの数が制限されます。ノイズ除去を行うことで、パフォーマンスの問題を発見しやすくなります。これは、パフォーマンス レポートの分析に役立ちます。

詳細については、「方法 : パフォーマンス レポートでノイズ除去を構成する」、「[呼び出しツリー] ビュー」、および「[割り当て] ビュー」を参照してください。

ランタイム制御

プロファイリング ツールには、ランタイム制御が組み込まれています。ランタイム制御は、プロファイラと共に自動的に開始します。パフォーマンス データのログ記録のために、一時停止して再開できます。さらに、ランタイム制御を使用すると、ログを一時停止してアプリケーションを開始できます。これにより、アプリケーション起動時のデータ収集をスキップできます。ランタイム制御を使用すると、関心のあるイベントがアプリケーションの有効期間中に発生したときに、パフォーマンス データに注釈を手動で挿入できます。後で注釈を使用してデータをフィルタできます。

フィルタ処理された分析

タイムスタンプ、プロセス、スレッド、およびマークで、パフォーマンス レポートをフィルタ処理できるようになりました。クエリ表示ボタンを使用して、フィルタ処理された分析を取得できます。また、VSPerfReport コマンドの /summaryfile オプションも使用できます。

詳細については、「VSPerfReport」を参照してください。

レポートの比較

プロファイラでは、レポートの比較がサポートされるようになりました。パフォーマンス エクスプローラ、または VSPerfReport コマンドの /diff オプションを使用することで、レポートを比較できます。

詳細については、「プロファイリング ツール データ ファイルの比較」、「方法 : プロファイラ データ ファイルを比較する」および「VSPerfReport」を参照してください。

向上したチップ カウンタ サポート

プロファイリング ツールでは、わかりやすいチップ カウンタ名が使用されています (例 : "L2 Misses"、"ITLB Misses"、"Mispredicted Branches")。XML ファイルを変更することで、特定のアーキテクチャ用にさらにカウンタを構成できます。

Windows カウンタのサポート

プロファイラは、Windows カウンタを収集するようになりました (例 : "% Processor Time"、"% Disk Time"、"Disk Bytes/sec"、"Page Faults/sec")。パフォーマンス セッション プロパティ ページの Windows カウンタ ノード、または VSPerfCmd コマンドの /wincounter オプションを使用できます。カウンタはマーク ビューに表示されます。カウンタは、フィルタリング エンドポイントとして使用できます。

詳細については、「[マーク] ビュー」、「方法 : Windows カウンタ データを収集する」、および「VSPerfCmd」を参照してください。

レポート ファイルの圧縮

プロファイリング ツールを使用すると、すばやく開く、小さい圧縮されたレポート ファイルを生成できます。これは、完全なレポートから作成されるこれらのファイルは既に分析されているためです。パフォーマンス エクスプローラでレポートを右クリックして [分析されたものを保存] をクリックするか、または VSPerfReport コマンドの /summaryfile オプションを使用します。

詳細については、「方法 : 分析されたレポート ファイルを保存する」および「VSPerfReport」を参照してください。

ホット パス

プロファイラは、パフォーマンス レポートのコール ツリーと割り当てビューで、最も負荷のかかるコード パスを自動的に展開できるようになりました。

詳細については、「[呼び出しツリー] ビュー」および「[割り当て] ビュー」を参照してください。

レポート ビュー データの HTML へのコピー

プロファイラは、クリップボードのリッチ レポートをサポートします。パフォーマンス レポートから、リッチ データ (ヘッダーと値のあるテーブル) をコピーして貼り付けることができます。

Windows Communications Foundation のサポート

プロファイリング ツールは、Windows Communications Foundation (WCF) をサポートしています。

Visual Studio Team Suite でのロード テストと Web テストの統合

テスト ビューとテスト結果から、Web テストとロード テストのパフォーマンス セッションを作成できます。

Bb385832.alert_note(ja-jp,VS.90).gifメモ :

この機能は、Visual Studio Team System にのみ適用されます。

Test Edition

Visual Studio Team System Test Edition では、Visual Studio Team System 2008 Test Edition の次の領域で新機能と機能強化が加えられています。

コードのテスト方法

単体テストをより簡単かつ迅速に作成および実行できるようになり、より広範な実行コードを対象とすることが可能になりました。

Visual Studio Professional Edition での単体テストの使用

Visual Studio Professional Edition を使用する開発者は、単体テストと順序指定テストという 2 種類のテストを作成し、実行できるようになりました。単体テストでは、実行コードの特定のメソッドが正しく動作することを検証し、回帰テストや、関連テストまたはスモーク テストを実行できます。順序指定テストは、他のテストを指定された順序で実行します。詳細については、「Visual Studio Professional Edition でのテスト ツールの使用」を参照してください。

単体テストのより簡単な実行

新しいメニューとショートカット キーにより、単体テストの開発者は、より迅速にテストの実行を開始し、実行するテストを選択できます。また、製品のソース コードにアクセスしなくても、バイナリ ファイルからテストを生成できます。戻り値およびメソッドのパラメータとしてのジェネリック データ型に対するテストを生成できます。詳細については、「方法 : 選択したテストを実行する」、「方法 : 単体テストを生成する」、および「ユニット テストおよびジェネリック」を参照してください。

テスト クラス間の継承の使用

テスト クラスでは、他のクラスのメンバを継承できるようになりました。これにより、開発者は基本テスト クラスで初期設定やテストを作成し、それを継承する派生テスト クラスを作成できます。この機能により、テスト コードの重複を除去できます。開発者にとっては、単体テストを適切にカスタマイズするための選択肢が広がります。詳細については、「単体テストの概要」を参照してください。

単体テストのデバイス上での実行

Visual Studio には、C# および Visual Basic のスマート デバイス アプリケーションを対象とする各種のテスト ツールが用意されています。これらのツールは、Test Edition の機能のサブセットを構成します。詳細については、「スマート デバイス プロジェクト用のテスト ツール」を参照してください。

ホスト アダプタの作成

通常は、テストを Team System テスト ツール に用意された既定の環境で実行します。既定の環境とは別の環境でテストを実行するには、ホスト アダプタを使用します。Visual Studio SDK を使用することによって、新しいホスト アダプタを作成できます。Visual Studio SDK は、関連サイトからダウンロードできます。

単体テスト データ バインディングの強化

ウィザードを使用して、単体テストを CSV ファイルや XML ファイルなどのデータ ソースに簡単にバインドできるようになりました。詳細については、「方法 : データ ドリブン ユニット テストを構成する」を参照してください。

Web サイトの Web テスト

Visual Studio Team System 2008 Test Edition では、Web テストの作成における柔軟性が向上しています。

別の Web テストからの Web テストの呼び出し

Web テスト データ バインディングの強化

Test Edition には、csv ファイルと xml ファイルのサポートが組み込まれています。新しいウィザードを使用して、簡単にデータ バインディングを行うことができます。プロセスを完了する前に、データをプレビューすることもできます。詳細については、「Web テストでのデータ バインディング」を参照してください。

Web テスト機能の強化

Test Edition には、テスト レベルの検証規則のサポートが追加されました。テスト レベルで検証規則を作成できます。これらの新しい規則は、テスト内の個別の要求すべてに適用できます。テストでエラーが発生した場合は、Web テストを停止できます。また、予想される HTTP ステータス コードの戻りを検証できます。詳細については、「検証規則と抽出規則の使用」を参照してください。

Test Edition では、Web テストから要求を抽出することにより、新しい Web テストを作成できるようになりました。他の Web テストの呼び出しを挿入することもできます。これにより、Web テスト コンポーネントを作成し、Web テストや Web 要求を再利用することができます。詳細については、「方法 : Web テストを抽出する」および「方法 : 別の Web テストの呼び出しを挿入する」を参照してください。

ロード テスト

ロード テストの実行用に、より現実的なロード モデリング オプションを使用できるようになりました。また、返されるデータをいっそう詳細かつ柔軟に整理できます。

ロード モデリングの制御

ロード テストでは、追加のロード モデリング オプションが提供されています。これらのオプションを使用することで、アプリケーションや Web サイトの実際の使用をより正確に反映したロード テストを作成できるようになりました。実行するテストの数、各テストの所要時間、またはユーザーがテストを実行するペースに基づいて、使用シナリオを作成することができます。詳細については、「テスト ミックスの概要」を参照してください。

ロード テスト アナライザ ビューの強化

Test Edition のロード テスト アナライザには、主要なインジケータと結果を印刷およびエクスポートが可能な 1 つのページに表示する、新しい概要ビューが追加されました。また、4 種類の新しい組み込みグラフで、重要な情報が表示されます。一度に最大 4 つのグラフを表示できます。これらの拡張により、一度に最大で 4 つのテーブルを見ることができます。詳細については、以下のトピックを参照してください。

強化されたロード テストの結果リポジトリの管理機能

Test Edition には、新たにレポジトリの管理ダイアログ ボックスが追加されており、ロード テストの結果リポジトリに直接アクセスできます。このダイアログ ボックスでは、ロード テストの結果を簡単に表示、インポート、エクスポート、削除できます。詳細については、「リポジトリ内の結果の管理」を参照してください。

XML ファイルの発行されたスキーマ

Test Edition を使用すると、作成されたデータが XML ファイルに格納されます。これらのファイルには次のものが含まれます。

  • テスト メタデータ ファイル。拡張子は .vsmdi です。このファイルには、ソリューションに含まれるテストの情報が保存されます。詳細については、「テストの再利用」を参照してください。

  • テスト結果ファイル。拡張子は .trx です。テストを実行すると、Visual Studio が自動的にテスト結果を .trx ファイルに保存します。詳細については、「方法 : テスト結果をエクスポートする」を参照してください。

  • テキスト形式の手動テスト。拡張子は .mtx です。テキスト形式の手動テストを作成すると、そのテストは .mtx ファイルとしてテスト プロジェクトに保存されます。詳細については、「方法 : 手動テストを作成する」を参照してください。

Team System 2008 Test Edition では、Test Edition が使用するすべての XML ファイルが TestTypes.xsd という新しい XSD によって定義されます。これらのファイルを手動またはプログラムによって編集する場合、生成される XML は、この XSD で定義されたスキーマに準拠している必要があります。同様に、この拡張子のファイルを作成する場合にも、この XSD で定義されたスキーマに準拠している必要があります。そうでない場合、Test Edition はこれらのファイルを使用できません。

Visual Studio 2005 で作成されたテスト プロジェクトには、XML ファイルが含まれています。Visual Studio 2005 テスト プロジェクトを開くと、Visual Studio 2008 プロジェクト アップグレード ウィザードが起動し、XML ファイルを新しい形式に変換するためのアクセス許可が必要であることを示すメッセージが表示されます。それらのファイルを Team System 2008 Test Edition で使用するためには、Visual Studio でファイルを変換する必要があります。1 つまたは複数のファイルを変換またはアップグレードしなかった場合は、Visual Studio でテスト プロジェクトを開くことはできません。同様に、以前の形式のファイルをテスト プロジェクトに追加した場合も、Visual Studio でファイル形式をアップグレードするかどうかを確認するメッセージが表示されます。[はい] を選択すると、Visual Studio によってファイルが変換され、テスト プロジェクトの一部として使用できるようになります。[いいえ] を選択すると、ファイルの追加はキャンセルされます。

このリリースには次のような利点があります。

  • Web テストの検証規則の改善。

    より柔軟に検証規則を適用し、その結果に基づいて Web テストのプログラム フローを制御できるようになりました。

  • ロード モデリングの制御の向上。

    実行するロード テストのロード モデリングをより柔軟に制御できるようになりました。

  • ロード テスト アナライザ ビューの強化。

    新たな組み込みグラフと表示機能が追加されたことにより、ロード テストの結果をより簡単かつ迅速に把握できます。

  • 強化されたロード テストの結果リポジトリの管理機能。

    より簡単にロード テストの結果リポジトリにアクセスできるようになりました。

  • テスト結果用のスキーマ化された XML ファイル。

    テスト結果をプログラムで処理し、XML 形式の .trx (テスト結果) ファイルに自動的に格納できます。

詳細については、「Test Edition の新機能」を参照してください。

参照

その他の技術情報

Visual Studio Team System