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プロセス テンプレートのカスタマイズの概要

更新 : 2007 年 11 月

プロセス テンプレートは、チームの進め方に影響するチーム プロジェクトの主要な側面を定義します。プロセス テンプレートをカスタマイズすると、チーム プロジェクト コントロールのセキュリティ、プロジェクト ポータルで利用できるテンプレート、ソース コード管理のチェックイン メモ、新しい作業項目の種類とクエリ、監視とステータスのレポート、および使用しているイテレーションと組織単位について定義できます。プロセス テンプレートは、チーム プロジェクトの最初のプロセス設定を定義します。プロセス設定の多くは、チーム プロジェクトが作成された後でもカスタマイズできます。

ms194945.alert_note(ja-jp,VS.90).gifメモ :

プロセス テンプレートの最大サイズは 2 GB です。プロセス テンプレートをカスタマイズするときには、変更によってサイズがこの値を超えないよう注意してください。

変更のスコープ

カスタマイズ作業の影響が及ぶ範囲は、その対象に応じて、広い場合と狭い場合とがあります。取り得る方法は次の 2 つです。

  • 新しいチーム プロジェクトすべてのカスタマイズ プラグイン、作業項目の種類、およびプロセス ガイダンスを変更することによってプロセス テンプレートをカスタマイズできます。この場合、変更内容は、そのプロセス テンプレートから作成されたすべてのプロジェクトに反映されます。

  • 既存のチーム プロジェクトのカスタマイズ レポート、作業項目の種類、およびプロジェクト ポータルの機能を変更することによって、チーム プロジェクトの要素をカスタマイズできます。この場合、加えた変更は、そのプロジェクトで行われる作業には反映されますが、他のプロジェクト (既存のプロジェクトや今後作成されるプロジェクト) には反映されません。

新しいチーム プロジェクトすべてのカスタマイズ

新しいチーム プロジェクトすべてをカスタマイズするには、チーム プロジェクトが使用するプロセス テンプレートを変更する必要があります。こうすると、1 つの場所で加えた変更を、その新しいプロセス テンプレートから作成された新しいチーム プロジェクトすべてに対して反映できます。詳細については、「既存の MSF プロセス テンプレートの修正」を参照してください。

ms194945.alert_note(ja-jp,VS.90).gifメモ :

新しい一連のチーム プロジェクトに対して、新しいプロセス テンプレートを作成することが適している場合もあります。MSF for Agile Software Development や MSF for CMMI Process Improvement などの既存のプロセス テンプレートを使用したうえで、自らの必要性に応じて変更を加えることをお勧めします。

既存の MSF プロセス テンプレートの修正

プロセス テンプレートのプラグイン

プロセス テンプレートのプラグインは、新しいチーム プロジェクトを作成するときに実行されるコンポーネントです。プラグインは、その区分に対して必要なファイルや構成データを設定します。Visual Studio Team System には、Microsoft のプラグインとして、作業項目トラッキング、分類、Windows SharePoint Services、バージョン管理、レポート、グループおよびアクセス許可が含まれています。各プラグインを修正してプロセス テンプレートをカスタマイズできます。プラグインの修正の詳細については、「プロセス テンプレート プラグイン」を参照してください。

作業項目の種類

チーム メンバは、作業項目を使用して、完了が必要な作業をトラックします。チームが使用するプロセスやコミュニケーション方法により適合させるために、Visual Studio Team System に用意されている作業項目の選択肢を拡張できます。それを行うには、新しい作業項目の種類を作成します。作業項目の種類とは、新しい作業項目を作成するもとになるテンプレートです。また、既存の作業項目の種類を修正することもできます。プロセス テンプレート向けの作業項目の種類のカスタマイズや作成の詳細については、「作業項目の種類のカスタマイズ」を参照してください。

プロセス ガイダンス

プロセス ガイダンスとは、特定のソフトウェア開発プロセスのためのロール、作業項目、作業生産物、アクティビティ、およびレポートをドキュメント化したコンテンツです。プロセス ガイダンスはプロセス テンプレートを補完します。

Microsoft Visual Studio Team System には、MSF for Agile Software Development と MSF for CMMI Process Improvement の 2 つのプロセス テンプレートが含まれています。これらの各プロセスは、プロジェクトでのソフトウェア開発向けにカスタマイズして使用できます。プロセス テンプレートをカスタマイズしたときには、加えた変更に応じて、対応するプロセス ガイダンスも更新する必要があります。詳細については、「MSF for Agile Software Development」および「MSF for CMMI Process Improvement」を参照してください。

既存のチーム プロジェクトのカスタマイズ

既存のチーム プロジェクトを変更することは、プロセス テンプレートを変更することに似ていますが、スコープがはるかに狭くなります。既存のチーム プロジェクトを変更すると、チーム メンバが毎日の作業を行う方法に影響します。将来プロセス テンプレートから作成する新しいプロジェクトの性質は変更されません。

レポート

チーム プロジェクトの状況の変化に応じて、プロジェクトの管理に使用する Microsoft Excel のレポートを変更することが必要になる場合があります。また、データ ウェアハウスに新しいフィールドが用意されたり、レポートに別のレコードを選択することが必要になったときに、レポートの変更が必要になることもあります。レポートを更新することによって、元のソース データの仕様に適合する新しいデータを使用するピボットテーブルまたはピボットグラフ レポートを更新できます。詳細については、「方法 : Team System 用に Microsoft Excel でレポートを編集する」を参照してください。

レポート デザイナは、Visual Studio 内で実行されるグラフィカル ツールとウィンドウのセットです。レポート デザイナは、レポートのデータ領域とフィールド、レポートのレイアウトの調整、対話形式の機能の設定など、データ ソースやクエリ情報を定義できる、グラフィカル インターフェイスです。レポート デザイナは、データ ウェアハウスに対するカスタムのレポートを作成および編集するためのメインのツールとして使用します。詳細については、「方法 : レポート デザイナを使用して Team System の詳細レポートを作成する」を参照してください。

作業項目の種類

チーム メンバは、作業項目を使用して、完了が必要な作業をトラックします。チームが使用するプロセスやコミュニケーション方法により適合させるために、Visual Studio Team System に用意されている作業項目の選択肢を拡張できます。それを行うには、新しい作業項目の種類を作成します。作業項目の種類とは、新しい作業項目を作成するもとになるテンプレートです。また、既存の作業項目の種類を修正することもできます。

ms194945.alert_note(ja-jp,VS.90).gifメモ :

作業項目の種類の定義は、既存の単一のプロジェクトに対してか、将来のすべてのプロジェクトに対してかの 2 つのレベルで変更できます。タスクには、変更のスコープに応じて、重要な違いが 1 つあります。XML 要素の作成と再定義の方法はどちらの場合も同じですが、プロセス テンプレートをカスタマイズする場合には、XML の編集のみが必要です。既存のプロジェクトをカスタマイズする場合には、XML の編集に加えて、XML ファイルの変更を既存のチーム プロジェクトにインポートする必要があります。これを行うには、「作業項目編集ツール」で説明するツールを使用します。

既存のプロジェクトの作業項目の種類の管理には、次のツールを使用します。詳細については、「作業項目の種類のカスタマイズ」および「チュートリアル : 作業項目の種類の基本的なカスタマイズ」を参照してください。

作業項目の種類に関する XML 定義を Team Foundation Server からエクスポートするには、witexport コマンドを使用します。また、このコマンドは、XML 定義の表示にも使用できます。詳細については、「witexport」を参照してください。

作業項目の種類に変更を加えた直後に witimport コマンドを使用すると、作業項目の種類を検証して XML ファイルから Team Foundation Server のチーム プロジェクトにインポートすることができます。詳細については、「witimport」を参照してください。

Team Foundation Server の作業項目の種類フィールドを管理するには、witfields コマンドを使用します。詳細については、「witfields」を参照してください。

グローバル リストに関する XML 定義を Team Foundation Server からエクスポートするには、glexport コマンドを使用します。また、このコマンドは、XML 定義の表示にも使用できます。詳細については、「glexport」を参照してください。

グローバル リストに変更を加えた直後に glimport コマンドを使用すると、グローバル リストを検証して XML ファイルから Team Foundation Server のチーム プロジェクトにインポートすることができます。詳細については、「glimport」を参照してください。

SharePoint

Team Foundation をインストールすると、既定の Windows SharePoint Services Web サイトが自動的に作成されます。また、Team Foundation Server で新しいプロジェクトを作成するたびに、プロジェクトの Web サイトが自動的に作成されます。一方、Team Foundation Server で使用するその他の Web サイトを作成できます。また、これらの Windows SharePoint Services Web サイトの変更や削除を行うこともできます。詳細については、「方法 : Windows SharePoint Services サイトを作成、編集、および削除する」を参照してください。

プロジェクト ポータル

Windows SharePoint Services にチーム プロジェクト ポータルが Web サイトとして作成されます。ユーザーはチーム エクスプローラまたは Web ブラウザでこのサイトにアクセスして、チーム プロジェクトのステータスをすばやく理解するために必要な情報を得ることができます。プロジェクト ポータルは Web パーツで構成されているため、カスタマイズを加えたバージョンのプロジェクト ポータルを作成できます。プロジェクト ポータルに表示される標準の情報に加えて、プロジェクト内外の他のデータ ソースに接続する Web パーツを追加できます。詳細については、「チーム プロジェクト ポータルの使用」を参照してください。

参照

概念

プロセス テンプレートのカスタマイズの計画

プロセス テンプレートのアーキテクチャ

その他の技術情報

プロセス テンプレートの主要な概念

プロセス テンプレート スキーマのリファレンス

作業項目の種類のカスタマイズ