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ReportDocument.Load() メソッドを使ったアンマネージド RAS へのバインド

  • [アーティクル]
Note注

このページでは、Crystal Reports for Visual Studio では使用できなかったが、アップグレード バージョンで使用可能になった機能について説明します。Crystal Reports for Visual Studio の詳細については、「Crystal Reports for Visual Studio について」を参照してください。アップグレード バージョンについての詳細情報は、「アップグレード オプション」を参照してください。

オブジェクト モデル

このレポートをバインドするシナリオでは ReportClientDocument を使用しています（「ReportClientDocument オブジェクト モデルによるレポートのバインド（RAS）」を参照）。

レポートの場所

レポートはプロジェクトに埋め込まれます。レポートは実行時に、ネットワーク経由で指定された「Report Application Server（RAS）」にロードされます。

説明

Crystal Reports for Visual Studio で埋め込みレポートと ReportDocument オブジェクト モデルを使用する Visual Studio プロジェクトは、アンマネージド RAS サーバーへ容易にポートできます。

このシナリオでは、埋め込みレポートはネットワーク経由で指定されたアンマネージド Report Application Server（RAS）にロードされます。サンプル コードとして、次の実装セクションを参照してコードに 2 行追加してください。

  • RAS サーバー名を ReportDocument.ReportAppServer プロパティに割り当てます。
  • ReportDocument.Load() メソッドを呼び出します。

埋め込みレポートは ReportDocument オブジェクト モデルに書き込まれますが、Crystal Reports Developer では ReportClientDocument オブジェクト モデルを使用する RAS サーバーに埋め込みレポートを直接バインドできます。これが可能になったのは、Crystal Reports Developer では ReportDocument オブジェクト モデルが、ReportClientDocument オブジェクト モデルを指定するプロキシ層として再度書き込まれるためです。詳細については、「ReportClientDocument オブジェクト モデル（RAS）」を参照してください。

基本となる ReportClientDocument オブジェクト モデルは、ReportDocument.ReportClientDocument プロパティから直接アクセスできます。これにより、ReportClientDocument オブジェクト モデルで実行時にレポートを修正することが可能になります。

長所

  • ReportDocument オブジェクト モデルを使用するレポートと対話するオリジナル コードをすべて管理できます。同時に、基本となる ReportClientDocument オブジェクト モデルへのフル アクセスが、ReportDocument.ReportClientDocument プロパティによって可能になります。
    Note注

    ReportClientDocument オブジェクト モデルを使用すると、レポート定義ファイルの作成、編集、および変更の保存をプログラミングできます。詳細については、アーキテクチャの「ReportClientDocument オブジェクト モデル（RAS）」を参照してください。
  • Report Application Server（RAS）の優れたレポート エンジンの処理能力によって、パフォーマンスが向上します。詳細については、「Business Objects レポーティング ソリューションのアーキテクチャの比較」を参照してください。

短所

  • コードを多少追加する必要があります。レポートが CrystalReportViewer コントロールと ReportDocument にバインドされるごとに、コードを 2 行追加する必要があります。次の実装セクションを参照してください。
  • RAS サーバーへアップグレードすると、レポート処理のパフォーマンスが大幅に向上します。

埋め込みレポートをネットワーク上で指定されたアンマネージド RAS サーバーにロードする

  • 「Report Application Server（RAS）」10 がインストールされ、正しく動作する。
  • ネットワーク上でアンマネージド RAS サーバーの名前を特定し、書き込みます。この例では、サーバー名は“RAS01”です。

この手順は、「プロジェクトの設定」で作成されたプロジェクトにのみ有効です。「プロジェクトの設定」では、この手順で必要な特定の名前空間の参照とコード設定が説明されており、この設定は、この手順を完了するために必須です。したがって、この手順を始める前にまず、「プロジェクトの設定」の手順を実行しておく必要があります。

  1. 「プロジェクトの設定」で作成した ConfigureCrystalReports() メソッドには、レポートをバインドする次のコードがあります。

    コードの 2 行の間に、ネットワーク上のアンマネージド RAS サーバーを特定する新しい 2 行を追加します。次に、この埋め込みレポートを RAS サーバーにロードすると、レポートが CrystalReportViewer コントロールにバインドされます。

    hierarchicalGroupingReport = New Hierarchical_Grouping()
myCrystalReportViewer.ReportSource = hierarchicalGroupingReport

    hierarchicalGroupingReport = new Hierarchical_Grouping();
crystalReportViewer.ReportSource = hierarchicalGroupingReport;

  2. hierarchicalGroupingReport がインスタンス化された後で、hierarchicalGroupingReport 変数の ReportAppServer プロパティに RAS サーバーの名前を入力します。

    hierarchicalGroupingReport.ReportAppServer = "RAS01"

    hierarchicalGroupingReport.ReportAppServer = "RAS01";

  3. ReportDocument.Load() を呼び出します。

    「プロジェクトの設定」からレポートをバインドするコードは、このコード行に続きます。

    hierarchicalGroupingReport.Load("rassdk://C:\report.rpt",
"RAS01")

    hierarchicalGroupingReport.Load(@"rassdk://C:\report.rpt",
"RAS01");

  4. プロジェクトをコンパイルおよびデバッグします。

これで、レポートはネットワーク経由でプロジェクトからアンマネージド Report Application Server（RAS）にロードされます。

ReportDocument オブジェクト モデル内から ReportClientDocument オブジェクト モデルにアクセスする

  1. 前の手順でのデバッグ モードを終了します。

  2. プロジェクトへの参照として、次のアセンブリを追加します。

    • CrystalDecisions.ReportAppServer.ClientDoc
    • CrystalDecisions.ReportAppServer.Controllers
    • CrystalDecisions.ReportAppServer.DataDefModel

  3. Visual Basic の場合は“Imports”文を、C# の場合は“using”文を、クラスの先頭に 3 つ入力します。

    Imports CrystalDecisions.ReportAppServer.ClientDoc
Imports CrystalDecisions.ReportAppServer.Controllers
Imports CrystalDecisions.ReportAppServer.DataDefModel

    using CrystalDecisions.ReportAppServer.ClientDoc;
using CrystalDecisions.ReportAppServer.DataDefModel;
using CrystalDecisions.ReportAppServer.Controllers;

  4. ConfigureCrystalReports() メソッドで、Load() メソッドを呼び出すコード行と、レポートをコントロールにバインドするコード行との間に、“ModifyReport”という名前の新しいプライベート ヘルパー メソッドの呼び出しを入力します。

    ModifyReport()

    ModifyReport();

  5. ModifyReport() プライベート ヘルパー メソッドを、次のサンプルごとに作成します。コードの目的は、ReportDocument オブジェクト モデル内で ReportClientDocument オブジェクト モデルへのアクセスを示すことです。このコードは、レポート上に表示されるフィールドから、最初に使用できるフィールドを削除します。

    Note注

    データベース テーブル フィールドがレポート結果フィールド コレクションにない場合、アプリケーションは例外をスローします。

    		 
    Private Sub ModifyReport()
Dim myReportClientDocument As ISCDReportClientDocument = _
hierarchicalGroupingReport.ReportClientDocument
Dim myTables As Tables = _
myReportClientDocument.DatabaseController.Database.Tables
Dim myTable As CrystalDecisions.ReportAppServer.DataDefModel.Table
myTable = CType(myTables(0), CrystalDecisions.ReportAppServer.DataDefModel.Table)
Dim myFields As Fields = myTable.DataFields

Dim myField As ISCRField
For Each myField In myFields
Dim myResultFieldController As ResultFieldController = _
myReportClientDocument.DataDefController.ResultFieldController
Try
myResultFieldController.Remove(myField)
Exit For
Catch
End Try
Next
End Sub

    private void ModifyReport()
{
ISCDReportClientDocument reportClientDocument = hierarchicalGroupingReport.ReportClientDocument;
Tables tables = reportClientDocument.DatabaseController.Database.Tables;
CrystalDecisions.ReportAppServer.DataDefModel.Table table =
(CrystalDecisions.ReportAppServer.DataDefModel.Table)tables[0];
Fields fields = table.DataFields;

for (int i = 0; i < fields.Count; i++)
{
ISCRField field = fields[i];
ResultFieldController resultFieldController =
reportClientDocument.DataDefController.ResultFieldController;
try
{
resultFieldController.Remove(field);
break;
}
catch
{
}
}
}
    Note注

    基本となる ReportClientDocument オブジェクト モデルに対してプログラムされるすべては、論理的に ReportDocument インスタンスの中で発生し、CrystalReportViewer コントロールにバインドされます。このコードのサンプルでは、ここに示されたフィールドの削除は、実行時にのみ行われます。レポート定義ファイルには保存されません。

  6. レポートを表示するには、プロジェクトをビルドおよび実行してください。

関連項目