ReportViewer Web サーバーおよび Windows フォーム コントロール
ReportViewer コントロールは、Microsoft Visual Studio 2008 で作成したレポートをホストするために使用します。コントロールには 2 つのバージョンがあります。1 つは ASP.NET ページ用の ReportViewer Web サーバー コントロールで、もう 1 つは Windows フォーム アプリケーションで使用できる ReportViewer Windows フォーム コントロールです。Visual Studio では、使用しているプロジェクトの種類に基づいて、どちらのバージョンを使用してコントロールを埋め込むかが判断されます。たとえば、ReportViewer コントロールを ASP.NET プロジェクトに埋め込む場合は、Web サーバー コントロールが自動的に提供されます。
ReportViewer の機能
どちらのバージョンの ReportViewer コントロールでも、次の機能がサポートされています。
レポート、ツール バー、およびドキュメント マップを表示するための表示領域。ツール バーは構成可能であり、複数ページ レポートでの移動、ズーム、検索、印刷、およびエクスポート機能をサポートするランタイム機能が提供されます。ドキュメント マップは、レポートにマップを明示的に追加した場合に表示されます。
処理モード、表示領域、およびツール バーを構成するためのプロパティ。
レポートを処理する場所、および方法を制御するためのローカル処理モードおよびリモート処理モードのサポート。ローカル処理モードでは、アプリケーション内のコントロールで処理されるクライアント レポート定義を取得します。リモート処理モードでは、Microsoft SQL Server 2005 Reporting Services レポート サーバーで以前にパブリッシュされた、完全に処理されたレポートを取得します。
コードを使用してコントロールのカスタマイズ、構成、操作を行うためのプログラム インターフェイス。実行時に ReportViewer で使用されるデータ ソースを変更することもできます。
Web サーバー コントロールと Windows フォーム コントロールの機能の相違点
使用するコントロールの種類によって、レポートの既定の表示形式とツール バーの表示特性が決まります。レポートの処理および配置戦略には他にも相違点があります。次の表で、ReportViewer Web サーバー コントロールと Windows フォーム コントロールの違いについて説明します。
既定の表示形式 |
Web サーバー コントロールでは HTML 形式を使用してレポートが表示されますが、Windows フォーム コントロールでは GDI (Graphical Device Interface) を使用して Windows ユーザー インターフェイスのスタイルと同様の表示が提供されます。 どちらのバージョンのコントロールでも追加のエクスポート オプションがサポートされており、レポートを PDF ファイルまたは Excel ファイルとして表示できるようになっています。 |
処理 |
ローカル レポート処理は、Windows フォーム コントロールでは必ずバックグラウンド プロセスとして実行されます。Web サーバー コントロールでは、ローカル レポート処理を非同期で実行するように構成できます。 |
印刷 |
Windows フォーム コントロールからのレポートの印刷では、オペレーティング システムの印刷機能が使用されます。Web サーバー コントロールからのレポートの印刷では、レポートをリモート サーバーで処理する場合、ActiveX の印刷コントロールが使用されます。ローカルで処理したレポートを Web サーバー コントロールから印刷する場合は、レポートを別の出力形式にエクスポートしてから印刷します。 |
配置 |
ASP.NET アプリケーションの Web サーバー コントロールでホストされているレポートの配置戦略では、セッションの状態と Web ファーム構成を考慮する必要があります。Web サーバー コントロールを使用してリモート レポート サーバーのレポートを処理する場合は、データをレポートに提供するサーバーおよび外部データ ソースにアクセスするアプリケーション ユーザーの認証方法を検討する必要があります。 |
ブラウザ要件 |
Web サーバー コントロールには、ブラウザの要件があります。Web サーバー コントロールで提供されているすべてのレポート機能を使用するには、スクリプトを有効にして Microsoft Internet Explorer 6.0 を使用する必要があります。その他のブラウザも使用できますが、レポート機能が制限される場合があります。詳細については、「ReportViewer Web サーバー コントロールのブラウザ サポート」を参照してください。 |
このようなコントロール間の相違点を理解するだけでなく、処理モードの影響について理解することもさらに重要です。使用する処理モードの種類によって、コントロールの使用方法、レポートの作成、処理、および配置方法が決まります。クライアントでのローカル処理は、定義済みのレポートの数が比較的少なく、アプリケーションに対してローカルなデータ ソースが存在するアプリケーションに最適です。リモート サーバーでのリモート処理は、ローカル コントロールよりも大きな処理能力を必要とする場合に推奨されます。リモート処理では、ライセンス供与された SQL Server 2005 へのアクセスが必要になります。処理モードの詳細については、「リモート処理用の ReportViewer の構成」および「ローカル処理のための ReportViewer の構成」を参照してください。
参照
処理手順
チュートリアル : ローカル処理モードでの ReportViewer Web サーバー コントロールとデータベースのデータ ソースの使用法
概念
レポートと ReportViewer コントロールの配置
非同期表示のための ReportViewer の構成
ReportViewer からのレポートの印刷
HTML 出力用のレポート レイアウトの最適化 (Visual Studio レポート デザイナ)
レポートの概要 (Visual Studio)
ReportViewer コントロールの追加と設定
ReportViewer ツール バーの構成と使用