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Visual Studio オートメーションの範囲

Visual Studio には、マクロ、アドインとウィザード、および Visual Studio SDK という 3 つの異なるレベルの機能拡張が用意されています。

マクロ

マクロは、コードを使用して Visual Studio 統合開発環境 (IDE: Integrated Development Environment) を拡張する最も基本的な方法です。 マクロを使用すると、IDE での複数の操作を記録し、それを 1 つのコマンドとして再生できるだけではなく、マクロを記録する際に Visual Studio オートメーション モデルについて学習することもできます。 また、マクロには、Visual Studio IDE を基盤とし、Visual Basic 言語を使用するマクロ IDE と呼ばれる開発環境も用意されています。マクロ IDE は、マクロを作成、変更、およびデバッグするために使用できます。 マクロの詳細については、「マクロの使用による反復操作の自動化」を参照してください。

アドインとウィザード

アドインは、IDE にアタッチして使用するアプリケーションです。アドインを使用することによって、時間および労力を節約できます。 アドインは、Extensibility インターフェイスを実装する COM オブジェクトで、EnvDTE アセンブリに含まれている主要なオートメーション オブジェクト モデルを使用して IDE と通信します。 ツール バー モデルは、Microsoft.VisualStudio.CommandBars に含まれています。

Visual Studio のさまざまなプログラミング言語には、その言語独自のアセンブリを使用した追加のオートメーション オブジェクトが用意されています。 プロジェクト固有のオートメーション アセンブリの一部を次の表に示します。

アセンブリ名

説明

VSLangProj

Visual Basic および Visual C# のプロジェクト オートメーション モデル。

VSLangProj2

Visual Basic および Visual C# のプロジェクト オートメーション モデル。

VSLangProj80

Visual Basic および Visual C# のプロジェクト オートメーション モデル。

VslangProj90

Visual Basic および Visual C# のプロジェクト オートメーション モデル。

VslangProj100

Visual Basic および Visual C# のプロジェクト オートメーション モデル。

Microsoft.VisualStudio.VCCodeModel

Visual C++ コード オートメーション モデル。

Microsoft.VisualStudio.VCProject

Visual C++ プロジェクト オートメーション モデル。

Microsoft.VisualStudio.VCProjectEngine

Visual C++ プロジェクト オートメーション モデル。

Microsoft.VisualStudio.VsWizard

Visual C++ ウィザード オートメーション モデル。

アドインはコンパイル済みのバイナリ コードであるため、知的所有権が保護されます。 アドインは、Visual C++、Visual Basic、Visual C# などの COM を使用するすべての言語で実装できます。

多くの開発者にとって、Visual Studio オートメーション モデルのプログラミングにはマクロで十分です。 ただし、IDE に新しい機能全体を追加する ISV などの開発者にはアドインが適していることがあります。 アドインは、このような機能を組み込み機能のように Visual Studio IDE に含めます。

また、アドインを使用すると、マクロでは実行できない次のようなことも実行できます。

  • IDE のメニューまたはツール バーでツールをホストします。

    このため、プログラミングの実行中に簡単にツールにアクセスできます。

  • [オプション] ダイアログ ボックスで使用するカスタム プロパティ ページを作成します。

    詳細については、「方法: カスタム オプション ページを作成する」を参照してください。

  • Visual Studio のツール ウィンドウと同様に機能するツール ウィンドウを作成します。

    詳細については、「環境ウィンドウの作成と制御」を参照してください。

  • メニューと Visual Studio コマンド バーのコマンドを動的に有効または無効にします。

    詳細については、「方法 : コマンドを追加、処理する」を参照してください。

  • Visual Studio の [バージョン情報] ダイアログ ボックスに連絡先情報および説明を追加します。

ウィザードは、ユーザーが順をおってプログラムを作成したりプログラミング タスクを実行したりできるアプリケーションです。 たとえば、Visual Studio には、アドイン ウィザードが用意されており、ユーザーがアドイン プロジェクトおよび配置プロジェクトを作成するときに役立ちます。 独自のウィザードを作成するには、IDTWizard インターフェイスを実装するプロジェクトをビルドします。 通常、ウィザードは、[新しいプロジェクト] ダイアログ ボックスまたは [新しいファイル] ダイアログ ボックスから起動します。

Visual Studio SDK

マクロ、アドイン、およびウィザードには、多くのユーザーにとって十分な機能が用意されています。 ただし、ユーザーによっては、Visual Studio オートメーション モデルには用意されていない機能が必要な場合もあります。 たとえば、Visual Studio IDE に新しいエディターまたはプログラミング言語を組み込むことが必要な場合があります。 このためには、次の要素が必要になることがあります。

  • 新しいプロジェクトの種類

  • カスタマイズされたエディター

  • 高度なデバッグ機能

このように Visual Studio を拡張できるように、Visual Studio SDK が開発されました。 Visual Studio SDK には、使用している製品を Visual Studio に統合するためのツールおよび情報が用意されています。 Visual Studio SDK は、開発者用のパッケージおよびプラットフォームです。 これを使用することによって、より多くのインターフェイスにアクセスできるようになるため、IDE をより精密かつ広範に制御できます。 Visual Studio SDK を使用することにより、拡張機能のユーザーに対してより多くの機能を提供できます。 詳細については、MSDN Web サイトの Visual Studio 機能拡張センターを参照してください。 また、そのサイトから Visual Studio SDK をダウンロードすることもできます。

参照

処理手順

適切なオートメーション方法の選択

方法 : アドインを作成する

チュートリアル : ウィザードの作成

概念

オートメーション オブジェクト モデルの階層図

その他の技術情報

アドインおよびウィザードの作成