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Office ソリューション用アプリケーション マニフェスト

アプリケーション マニフェストは、Microsoft Office ソリューションに読み込まれるアセンブリについて記述した XML ファイルです。 Visual Studio の Microsoft Office 開発ツールでは ClickOnce アプリケーション マニフェスト スキーマを使用します。このスキーマは、「ClickOnce アプリケーション マニフェスト」で定義されています。

Office ソリューション用のアプリケーション マニフェストは、次の ClickOnce 要素および属性を使用します。

要素

説明

属性

<assembly> 要素 (ClickOnce アプリケーション)

必ず指定します。 最上位の要素です。

manifestVersion

<assemblyIdentity> 要素 (ClickOnce アプリケーション)

必ず指定します。 ClickOnce アプリケーションのプライマリ アセンブリを指定します。

name

version

publicKeyToken

processorArchitecture

language

<trustInfo> 要素 (ClickOnce アプリケーション)

アプリケーションのセキュリティ要件を指定します。

なし

<entryPoint> 要素 (ClickOnce アプリケーション)

必ず指定します。 アプリケーション コードを実行するためのエントリ ポイントを指定します。

name

dependencyName

customHostSpecified

<dependency> 要素 (ClickOnce アプリケーション)

必ず指定します。 アプリケーションを実行するために必要な依存関係をそれぞれ指定します。 必要な場合には、プレインストールしなければならないアセンブリを指定します。

なし

<file> 要素 (ClickOnce アプリケーション)

必ず指定します。 アプリケーションで使用する、アセンブリ以外のファイルを指定します。 ファイルに関連付けられている分離COM (Component Object Model) コンポーネントを含めることができます。

name

size

Office ソリューション用アプリケーション マニフェストには、co.v1 名前空間の次の要素があります。

<entryPoint>
    <co.v1:customHostSpecified />
</entryPoint> 

これらのアプリケーション マニフェストには、vstav3 名前空間の次の要素と属性もあります。

<addIn>
  <entryPointsCollection>
    <entryPoints>
      <entryPoint>
      </entryPoint>
    </entryPoints>
  </entryPointsCollection>
  <update></update>
  <postActions>
    <postAction>
      <postActionData>
      </postActionData>
    <postAction>
  </postActions>
  <application>
    <customizations>
      <customization>
      </customization>
    </customizations>
  </application
</addIn>

要素

説明

属性

<customHostSpecified> 要素 (Visual Studio での Office 開発)

必ず指定します。 マニフェストを Office ソリューションとして明確にマークします。

なし

<addin> 要素 (Visual Studio での Office 開発)

必ず指定します。 エントリ ポイントを単一の名前空間に格納します。

なし

<entryPointsCollection> 要素 (Visual Studio での Office 開発)

必ず指定します。 1 つ以上の Office ソリューション用のすべてのアセンブリをグループ化します。

id

<entryPoints> 要素 (Visual Studio での Office 開発)

必ず指定します。 Office ソリューションを実行するためのすべてのアセンブリをグループ化します。

なし

<entryPoint> 要素 (Visual Studio での Office 開発)

必ず指定します。 Office ソリューションで実行するためのアセンブリを識別します。

class

contract

<update> 要素 (Visual Studio での Office 開発)

必ず指定します。 ソリューションの更新を構成します。

enabled

expiration

<postActions> 要素 (Visual Studio での Office 開発)

省略可能です。 Office ソリューションのインストール後に実行される、すべての配置後アクションをグループ化します。

なし

<postAction> 要素 (Visual Studio での Office 開発)

省略可能です。 配置後アクションを識別します。

なし

<postActionData> 要素 (Visual Studio での Office 開発)

省略可能です。 配置後アクション用にデータを構成します。

なし

<application> 要素 (Visual Studio での Office 開発)

必ず指定します。 アプリケーション固有の情報を単一のノードにラップします。

なし

<customizations> 要素 (Visual Studio での Office 開発)

必ず指定します。 アプリケーション ホスト固有のすべての情報を個別の名前空間に格納します。

なし

<customization> 要素 (Visual Studio での Office 開発)

必ず指定します。 アプリケーション ホスト固有の情報を個別の名前空間に格納します。

xmlns

<document> 要素 (Visual Studio での Office 開発)

ドキュメント レベルのソリューションでのみ必須です。 カスタマイズ固有の情報を格納します。

solutionId

<appAddin> 要素 (Visual Studio での Office 開発)

アプリケーション レベルのソリューションでのみ必須です。 カスタマイズ固有の情報を格納します。

application

loadBehavior

keyName

<friendlyName> 要素 (Visual Studio での Office 開発)

省略可能です。 インストールされているアドインの一覧に表示されるアドインの名前を格納します。

なし

<description> 要素 (Visual Studio での Office 開発)

アプリケーション レベルのアドインでのみ必須です。 インストールされているプログラムの一覧に表示される説明を格納します。

なし

<formRegions> 要素 (Visual Studio での Office 開発)

フォーム領域を含んでいる Outlook 2007 アドインでのみ必須です。

なし

<formRegion> 要素 (Visual Studio での Office 開発)

フォーム領域を含んでいる Outlook 2007 アドインでのみ必須です。

Name

<vstoRuntime> 要素 (Visual Studio での Office 開発)

必ず指定します。 Office ソリューションがサポートする、Visual Studio Tools for Office ランタイムの特定のバージョンを記述します。

release

version

supportUrl

解説

Office ソリューションのアプリケーション マニフェストと配置マニフェストは、手動で編集できます。 アプリケーション マニフェストと配置マニフェストを編集した後は、マニフェストの生成および編集ツール (mage.exe および mageui.exe) を使用して再署名する必要があります。 詳細については、「方法: アプリケーション マニフェストおよび配置マニフェストに再署名する」を参照してください。

ファイルの場所

アプリケーション マニフェストは単一のバージョンのソリューションに特有のものです。 このため、アプリケーション マニフェストは、配置マニフェストとは別の場所に格納する必要があります。 Visual Studio は、バージョン固有のファイルを、発行フォルダーの Application Files サブディレクトリ内の対応するバージョンに基づいて名前を付けられたサブディレクトリに格納します。

ファイル名の構文

アプリケーション マニフェスト ファイルの名前は、assemblyIdentity 要素に指定されたアプリケーションの完全な名前および拡張子に、.manifest という拡張子を付けた名前にします。 たとえば、OutlookAddIn1.dll カスタマイズを参照するアプリケーション マニフェストは、次のようなファイル名構文を使用します。

OutlookAddIn1.dll.manifest

ドキュメント レベルのカスタマイズの例

説明

次のコード例は、Visual Studio Tools for Office ソリューションに固有のアプリケーション マニフェストのセクションを示しています。 この例では、Microsoft Office Excel 2007 のドキュメント レベルのカスタマイズを記述しています。

コード

<entryPoint>
    <co.v1:customHostSpecified />
</entryPoint> 
[...]
<vstav3:addIn 
  xmlns:vstav3="urn:schemas-microsoft-com:vsta.v3">
  <vstav3:entryPointsCollection>
    <vstav3:entryPoints>
      <vstav3:entryPoint 
        class="ContosoExcelWorkbook.ThisWorkbook">
        <assemblyIdentity 
          name="ContosoExcelWorkbook" 
          version="1.0.0.0" 
          language="neutral" 
          processorArchitecture="msil" />
      </vstav3:entryPoint>
      <vstav3:entryPoint 
        class="ContosoExcelWorkbook.Sheet1">
        <assemblyIdentity 
          name="ContosoExcelWorkbook" 
          version="1.0.0.0" 
          language="neutral" 
          processorArchitecture="msil" />
      </vstav3:entryPoint>
      <vstav3:entryPoint 
        class="ContosoExcelWorkbook.Sheet2">
        <assemblyIdentity 
          name="ContosoExcelWorkbook" 
          version="1.0.0.0" 
          language="neutral" 
          processorArchitecture="msil" />
      </vstav3:entryPoint>
      <vstav3:entryPoint 
        class="ContosoExcelWorkbook.Sheet3">
        <assemblyIdentity 
          name="ContosoExcelWorkbook" 
          version="1.0.0.0" 
          language="neutral" 
          processorArchitecture="msil" />
      </vstav3:entryPoint>
    </vstav3:entryPoints>
  </vstav3:entryPointsCollection>
  <vstav3:update 
    enabled="true">
    <vstav3:expiration 
      maximumAge="7" 
      unit="days" />
  </vstav3:update>
  <vstav3:application>
    <vstov4:customizations 
      xmlns:vstov4="urn:schemas-microsoft-com:vsto.v4">
      <vstov4:customization>
        <vstov4:document 
          solutionId="73e" />
      </vstov4:customization>
    </vstov4:customizations>
  </vstav3:application>
</vstav3:addIn>

アプリケーション レベルのアドインの例

説明

次のコード例は、Visual Studio Tools for Office ソリューションに固有のアプリケーション マニフェストのセクションを示しています。 この例では、フォーム領域を含む Microsoft Office Outlook 2007 のアプリケーション レベルのアドインを記述しています。

コード

<entryPoint>
    <co.v1:customHostSpecified />
</entryPoint> 
[...]
<vstav3:addIn 
  xmlns:vstav3="urn:schemas-microsoft-com:vsta.v3">
  <vstav3:entryPointsCollection>
    <vstav3:entryPoints>
      <vstav3:entryPoint 
        class="ContosoOutlookAddIn.ThisAddIn">
        <assemblyIdentity 
          name="ContosoOutlookAddIn" 
          version="1.0.0.0" 
          language="neutral" 
          processorArchitecture="msil" />
      </vstav3:entryPoint>
    </vstav3:entryPoints>
  </vstav3:entryPointsCollection>
  <vstav3:update 
    enabled="true">
    <vstav3:expiration 
      maximumAge="7" 
      unit="days" />
  </vstav3:update>
  <vstav3:application>
    <vstov4:customizations 
      xmlns:vstov4="urn:schemas-microsoft-com:vsto.v4">
      <vstov4:customization>
        <vstov4:appAddIn 
          application="Outlook" 
          loadBehavior="3" 
          keyName="ContosoOutlookAddIn">
          <vstov4:friendlyName>
            ContosoOutlookAddIn
          </vstov4:friendlyName>
          <vstov4:description>
            ContosoOutlookAddIn - Outlook add-in 
            created with Visual Studio Tools for Office
          </vstov4:description>
          <vstov4:formRegions>
            <vstov4:formRegion
                name="OutlookAddIn1.FormRegion1">
              <vstov4:messageClass name="IPM.Note" />
              <vstov4:messageClass name="IPM.Contact" />
              <vstov4:messageClass name="IPM.Appointment" />
            </vstov4:formRegion>
          </vstov4:formRegions>
        </vstov4:appAddIn>
      </vstov4:customization>
    </vstov4:customizations>
  </vstav3:application>
</vstav3:addIn>

複数プロジェクトの配置例

説明

次のコード例は、Visual Studio Tools for Office ソリューションに固有のアプリケーション マニフェストのセクションを示しています。 この例では、フォーム領域を含む Microsoft Outlook 2007 のアプリケーション レベルのアドインと、Microsoft Excel 2007 のドキュメント レベルのカスタマイズをインストールする、複数プロジェクトの配置を記述しています。

コード

  <entryPoint>
    <co.v1:customHostSpecified />
  </entryPoint>
[...]
  <dependency>
    <dependentAssembly 
      dependencyType="install" 
      allowDelayedBinding="true" 
      codebase="ContosoExcelWorkbook.dll" 
      size="12800">
      <assemblyIdentity 
        name="ContosoExcelWorkbook" 
        version="1.0.0.0" 
        language="neutral" 
        processorArchitecture="msil" />
      <hash>
        <dsig:Transforms>
          <dsig:Transform Algorithm=
            "urn:schemas-microsoft-com:HashTransforms.Identity" />
        </dsig:Transforms>
        <dsig:DigestMethod Algorithm=
            "http://www.w3.org/2000/09/xmldsig#sha1" />
        <dsig:DigestValue>ONF</dsig:DigestValue>
      </hash>
    </dependentAssembly>
  </dependency>
  <dependency>
    <dependentAssembly 
      dependencyType="install" 
      allowDelayedBinding="true" 
      codebase="ContosoOutlookAddIn.dll" 
      size="10240">
      <assemblyIdentity 
        name="ContosoOutlookAddIn" 
        version="1.0.0.0" 
        language="neutral" 
        processorArchitecture="msil" />
      <hash>
        <dsig:Transforms>
          <dsig:Transform Algorithm=
            "urn:schemas-microsoft-com:HashTransforms.Identity" />
        </dsig:Transforms>
        <dsig:DigestMethod Algorithm=
            "http://www.w3.org/2000/09/xmldsig#sha1" />
        <dsig:DigestValue>i4e</dsig:DigestValue>
      </hash>
    </dependentAssembly>
  </dependency>
  <vstav3:addIn 
    xmlns:vstav3="urn:schemas-microsoft-com:vsta.v3">
    <vstav3:entryPointsCollection>
      <vstav3:entryPoints 
        id="ContosoExcel">
        <vstav3:entryPoint 
          class="ContosoExcelWorkbook.ThisWorkbook">
          <assemblyIdentity 
            name="ContosoExcelWorkbook" 
            version="1.0.0.0" 
            language="neutral" 
            processorArchitecture="msil" />
        </vstav3:entryPoint>
        <vstav3:entryPoint 
          class="ContosoExcelWorkbook.Sheet1">
          <assemblyIdentity 
            name="ContosoExcelWorkbook" 
            version="1.0.0.0" 
            language="neutral" 
            processorArchitecture="msil" />
        </vstav3:entryPoint>
        <vstav3:entryPoint 
          class="ContosoExcelWorkbook.Sheet2">
          <assemblyIdentity 
            name="ContosoExcelWorkbook" 
            version="1.0.0.0" 
            language="neutral" 
            processorArchitecture="msil" />
        </vstav3:entryPoint>
        <vstav3:entryPoint 
          class="ContosoExcelWorkbook.Sheet3">
          <assemblyIdentity 
            name="ContosoExcelWorkbook" 
            version="1.0.0.0" 
            language="neutral" 
            processorArchitecture="msil" />
        </vstav3:entryPoint>
      </vstav3:entryPoints>
      <vstav3:entryPoints 
        id="ContosoOutlook">
        <vstav3:entryPoint 
          class="ContosoOutlookAddIn.ThisAddIn">
          <assemblyIdentity 
            name="ContosoOutlookAddIn" 
            version="1.0.0.0" 
            language="neutral" 
            processorArchitecture="msil" />
        </vstav3:entryPoint>
      </vstav3:entryPoints>
    </vstav3:entryPointsCollection>
    <vstav3:update 
      enabled="true">
      <vstav3:expiration 
        maximumAge="7" 
        unit="days" />
    </vstav3:update>
    <vstav3:application>
      <vstov4:customizations 
        xmlns:vstov4="urn:schemas-microsoft-com:vsto.v4">
        <vstov4:customization 
          id="ContosoExcel">
          <vstov4:document 
            solutionId="73ec4ba9-a983-40b3-af63-5fb172ea81db" />
        </vstov4:customization>
        <vstov4:customization 
          id="ContosoOutlook">
          <vstov4:appAddIn 
            application="Outlook" 
            loadBehavior="3" 
            keyName="ContosoOutlookAddIn">
            <vstov4:friendlyName>
              ContosoOutlookAddIn
            </vstov4:friendlyName>
            <vstov4:description>
              ContosoOutlookAddIn - Outlook add-in created with 
              Visual Studio Tools for Office
            </vstov4:description>
          </vstov4:appAddIn>
        </vstov4:customization>
      </vstov4:customizations>
    </vstav3:application>
  </vstav3:addIn>

配置後アクションの例

説明

次のコード例は、Visual Studio Tools for Office ソリューションに固有のアプリケーション マニフェストのセクションを示しています。 この例では、インストール完了後にレジストリ キーを作成する配置後アクションを記述しています。

コード

<vstav3:postActions>
  <vstav3:postAction>
    <vstav3:entryPoint 
      class="PostDeploymentAction.PostDeploymentActionSample">
      <assemblyIdentity 
        name="PostDeploymentAction" 
        version="1.0.0.0" 
        language="neutral" 
        processorArchitecture="msil" />
    </vstav3:entryPoint>
    <vstav3:postActionData>
    </vstav3:postActionData>
  </vstav3:postAction>
</vstav3:postActions>

参照

参照

Office ソリューション用配置マニフェスト

ClickOnce アプリケーション マニフェスト