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テスト計画の一部としての自動テストのテスト設定の作成

テストの設定では、診断データ アダプターを使用します。診断データ アダプターは、手動テストや自動テストを実行するときの、収集するさまざまな種類のデータやテスト コンピューターに与える影響を指定します。 たとえば、診断データ アダプターは操作の記録、操作ログ、ビデオ記録の作成や、システム情報の収集を行うことができます。 また、診断データ アダプターを使用して、テスト コンピューター上での潜在的なボトルネックをシミュレートしたり、使用可能なシステム メモリを減らしたりすることもできます。 たとえば、システムにボトルネックを付加するため、低速なネットワークをエミュレートすることができます。

テストの設定では、次の項目を定義します。

  • 実行するテストの種類 (手動または自動)

  • テスト対象のアプリケーションに必要なロール セット

  • テストの実行に使用するロール

  • 各ロールに使用する診断データ アダプター

テスト計画の一部として自動テストを実行するには、自動テストとテスト ケースを関連付けます。

テスト ケースに自動テストを関連付けるには、Visual Studio を使用します。 この関連付けは、Microsoft テスト マネージャーでは行うことができません。 最初に、次の図に示すように、Visual Studio でテスト ケースを開く必要があります。 テスト計画から自動テストを実行する方法の詳細については、「方法: Microsoft テスト マネージャーを使用してテスト計画から自動テストを実行する」を参照してください。

Microsoft Visual Studio を使用してテスト ケースを開く

その後で、次の図に示すように、テスト ケースにテスト メソッドを関連付けることができます。

テスト ケースへのオートメーションの関連付け

注意

Microsoft テスト マネージャー で情報を表示することはできますが、変更することはできません。

コマンド ライン ツールを使用して、自動テストのアセンブリからテスト ケースを作成することもできます。 詳細については、「方法: tcm.exe を使用して自動テストのアセンブリからテスト ケースを作成する」を参照してください。

テスト計画の一部として自動テストを実行する場合は、テスト設定用のロール セットを選択し、テスト計画でこのロール セットが含まれる環境を使用する必要があります。 環境の追加時に必要となる、すべてのロールを追加できます。 ロールおよび環境の詳細については、「テスト コンピューターでのテストの実行またはデータの収集の設定」を参照してください。

テスト計画の一部である自動テストのテスト設定を定義し、一致する環境を選択するには、次の手順を実行します。

テスト計画の一部としての自動テストのテスト設定の作成

テスト計画の一部として自動テストのテスト設定を作成するには

  1. Microsoft テスト マネージャー を開きます。

    注意

    Microsoft テスト マネージャーのウィンドウを表示するには、[スタート] ボタンをクリックし、[すべてのプログラム] をクリックします。 [Microsoft Visual Studio 2010] をポイントし、[Microsoft Test Manager 2010] をクリックします。

  2. センター グループ スイッチャーの下向きの矢印をクリックし、[テスト センター] をクリックします。

  3. センター グループ メニュー バーの [計画] をクリックし、[プロパティ] をクリックします。

    選択したテスト計画のプロパティが表示されます。

  4. [自動での実行][テストの設定] の横にあるドロップダウン矢印をクリックし、[新規作成] をクリックします。

    [全般] ページが選択された状態で、[新しいテストの設定] ページが表示されます。

    注意

    センター グループ メニュー バーの [テストの設定] をクリックし、[新規作成] をクリックして、ラボ センターでテストの設定を作成することもできます。

  5. [名前] ボックスに、テストの設定の名前を入力します。

  6. (省略可能) 他のチーム メンバーにテストの目的がわかるように、[説明] ボックスにテストの設定の説明を入力します。

  7. [実行するテストの種類を選択してください。][自動] をクリックし、[次へ] をクリックします。

    [ロール] ページが選択された状態で、[新しいテストの設定] ページが表示されます。

    注意

    自動テストを実行する場合は、[ローカル] という名前のロール セットを選択してローカルで実行することはできません。自動テストは環境を使用して実行する必要があるからです。

    手動テストを実行する方法については、「手動テストのテスト設定の作成」を参照してください。

    テスト設定ロールのページ

  8. ロール セットおよび対応する環境を示す一覧から、ロール セットを選択します。 使用するロール セットに、対応する環境が少なくとも 1 つ存在することを確認します。 対応する環境が存在しない場合は、環境を作成するか、既存の環境を変更します。 詳細については、「テスト コンピューターでのテストの実行またはデータの収集の設定」を参照してください。

    ヒント

    Test Settings Manager からロールを追加することはできません。 アプリケーションに必要な環境に対応するロールが存在しない場合は、これらのロールが含まれる環境を作成する必要があります。 環境の作成時にロールを追加できます。

  9. [自動テストの実行に使用するロールを選択してください] のドロップダウン リストから、テストの実行に使用するロールを選択します。 [次へ] をクリックします。

    [データと診断] ページが選択された状態で、[新しいテストの設定] ページが表示されます。

    テスト設定のデータと診断ページ

  10. 各ロールで収集するデータと診断を選択するために、ロールを選択します。 各ロールについて、テスト計画におけるテストのニーズに応じて診断データ アダプターを選択します。 各ロールに対して選択した診断データ アダプターを構成するには、[構成] をクリックします。

    各診断データ アダプターの詳細および構成方法については、次の表に示す関連トピックを参照してください。

    注意

    この表には、自動テストで使用できるアダプターのみを示します。 診断データ アダプターの詳細については、「コンピューターの設定およびテストの設定を使用した診断情報の収集」を参照してください。

    自動テストの診断データ アダプター

    診断データ アダプター

    関連するトピック

    IntelliTrace およびテストの影響用の ASP.NET クライアント プロキシ: このプロキシを使用すると、IntelliTrace 診断データ アダプターとテスト影響診断データ アダプターでクライアントから Web サーバーへの HTTP 呼び出しに関する情報を収集できます。

    この情報を収集するために構成は必要ありません。

    イベント ログ: イベント ログ収集を指定し、これをテスト結果に含めるようにテストの設定を構成できます。

    方法: テスト設定を使用してイベント ログ収集を構成する

    IntelliTrace: IntelliTrace 用に診断データ アダプターを構成して、特定の診断トレース情報を収集することで、再現が難しいバグを分離できます。 これにより、この情報を含む .iTrace という拡張子の IntelliTrace ファイルが作成されます。 テストが失敗した場合は、バグを作成できます。 テスト結果と共に保存されている IntelliTrace ファイルがこのバグに自動的にリンクされます。 IntelliTrace ファイルにデータが収集されることによって、コードのエラーを再現して診断するために必要な時間が短縮され、この結果、デバッグの生産性が向上します。 この IntelliTrace ファイルから、別のコンピューターでローカル セッションをシミュレートできます。これにより、バグを再現できない可能性が減少します。

    詳細については、「IntelliTrace を使用したデバッグ」を参照してください。

    方法: 困難な問題をデバッグするのに役立つ IntelliTrace データを収集する

    ネットワーク エミュレーション: テストの設定を使用して、テストに対して人為的なネットワーク負荷をかけることを指定できます。 ネットワーク エミュレーションでは、ダイヤルアップなどの特定のネットワーク接続の速度をエミュレートすることにより、マシンに対する通信に影響を与えます。

    メモ   ネットワーク接続の速度を向上するためにネットワーク エミュレーションを使用することはできません。

    方法: テストの設定を使用してネットワーク エミュレーションを構成する

    システム情報: テストを実行するマシンのシステム情報を含めるようにテストの設定を構成できます。 システム情報は、テストの設定を使用して、テスト結果で指定します。

    この情報を収集するために構成は必要ありません。

    テスト影響: テスト ケースの実行時にアプリケーション コードのどのメソッドが使用されたかについての情報を収集できます。 これを、開発者によるアプリケーション コードに対する変更と合わせて使用することにより、このような開発上の変更によって影響を受けたテストを判別できます。

    方法: コードの変更後に実行するテストをチェックするためのデータを収集する

    ビデオ レコーダー: 自動テストの実行時にデスクトップ セッションのビデオ記録を作成できます。 これは、コード化された UI テストでのユーザー アクションを確認するために使用できます。 ビデオは、再現するのが困難なアプリケーション上の懸案事項をチーム メンバーが特定するのに役立ちます。

    方法: テストの設定を使用してテストを実行するときにデスクトップのビデオを記録する

  11. [次へ] をクリックします。

    [詳細設定] ページが選択された状態で、[新しいテストの設定] ページが表示されます。 必要に応じて、自動テストの高度な設定を構成できます。

  12. テストの実行に使用するディレクトリを構成し、テストの実行に使用するファイルまたはディレクトリを追加するため、[配置] をクリックします。

    1. テストの実行に使用するディレクトリに、テストに必要なファイルを追加するには、[ファイルの追加] をクリックし、追加するファイルを選択します。

    2. テストの実行に使用するディレクトリに、テストに必要なディレクトリを追加するには、[ディレクトリの追加] をクリックし、追加するディレクトリを選択します。

    注意

    プロパティおよび DeploymentItem 属性を使用して個々のテストのファイルおよびディレクトリを配置する方法の詳細については、「方法 : テストの配置を構成する」を参照してください。

  13. テスト前およびテスト後にスクリプトを実行する場合は、[スクリプト] をクリックします。

    1. [テストの実行の開始前に実行するセットアップ スクリプト] にスクリプト ファイルの場所を入力するか、[参照] をクリックしてセットアップ スクリプトを指定します。

    2. [テストの実行の完了後に実行するクリーンアップ スクリプト] にスクリプト ファイルの場所を入力するか、[参照] をクリックしてセットアップ スクリプトを指定します。

  14. 別のホストを使用してテストを実行する場合は、[ホスト] をクリックします。

    1. ASP.NET サイトと同じプロセスで単体テストを実行するには、[ホストの種類][ASP.NET] を選択します。 次に、[構成] をクリックします。 ホストの構成方法の詳細については、「ASP.NET Web サービスの単体テスト」を参照してください。

    2. [32 ビット プロセスまたは 64 ビット プロセスでテストを実行] を使用して、テストを 32 ビット プロセスまたは 64 ビット プロセスで実行するかどうかを選択します。

      ヒント

      柔軟性を最大限に高めるには、テスト プロジェクトを "Any CPU2" 構成でコンパイルします。 これにより、32 ビット エージェントと 64 ビット エージェントの両方で実行できます。 "64 ビット" 構成でテスト プロジェクトをコンパイルしても、特に利点はありません。

    3. [指定されたホストで実行できないテストの処理] で、[既定のホストで実行する] または [実行しない] を選択します。

  15. (省略可能) 各テストの実行および個別のテストの期間を制限する場合は、[タイムアウト] をクリックします。

    1. 時間制限を超えた場合にテストの実行を中止するには、[テストの実行時間が次の値を超えた場合、テストの実行を中止する] を選択し、この制限に使用する値を入力します。

    2. 時間制限を超えた場合に個々のテストを失敗とするには、[テストの実行時間が次の値を超えた場合、個々のテストを失敗とする] を選択し、この制限に使用する値を入力します。

  16. (省略可能) 単体テストおよび Web パフォーマンス テスト用のアドイン オプションを適用する場合は、[アドイン] をクリックします。

  17. (省略可能) 単体テストで読み込まなくてはならないアセンブリの場所を指定する必要がある場合は、[単体テスト] オプションに関連付けられている [構成] をクリックします。

    [アドインの構成 - 単体テスト] ダイアログ ボックスが表示されます。

    1. [読み込まれるアセンブリのルート フォルダー] では、[参照] をクリックしてフォルダーを見つけ、テキスト ボックスに入力します。

      指定するルート フォルダーは環境変数を格納でき、テストが実行される AppDomain の ApplicationBase として使用されるディレクトリを表します。 このディレクトリ内のすべてのアセンブリは、単体テストで読み込むことができます。 稼動環境では、これを、テスト対象コードのアセンブリがインストールされるディレクトリに設定することをお勧めします。 開発環境では、テスト対象コードのアセンブリがビルドされるディレクトリに設定することをお勧めします。 これにより、テストの処理中に製品バイナリをコピーしなくても、テストの検索および実行時に自身が所有している製品バイナリへの参照を読み込んで解決できるようになります。

      ここで値が設定されていないと、テストが実行される AppDomain の ApplicationBase が、テストを格納するディレクトリに設定されます。

    2. [テスト ディレクトリ内のアセンブリに対して読み込みコンテキストを使用します] チェック ボックスをオンまたはオフにします。

      既定では、大部分のアセンブリは正しい "読み込みコンテキスト" に読み込まれます。 通常、[テスト ディレクトリ内のアセンブリに対して読み込みコンテキストを使用します] はオンのままにしてください。 ただし、これをオフにした方がよい状況がいつくかあります。 テスト ディレクトリに大量のアセンブリがあって [読み込まれるアセンブリのルート フォルダー] の下で特定の場所を指定し、テストが読み込みコンテキストでの読み込みに依存しない場合で、これらのテスト アセンブリを読み込むために読み込みコンテキストを使用しない場合、パフォーマンスが向上する可能性があります。 テストが、読み込みコンテキスト以外のコンテキストでの読み込みに依存している場合 (非一般的)。

      詳細については、「アセンブリの読み込みのベスト プラクティス」を参照してください。

    3. [テストの実行時に使用するフォルダー] の下で、[フォルダーの追加] をクリックします。

      [フォルダーの参照] ダイアログ ボックスが表示されます。

    4. 使用するフォルダーを見つけて [OK] をクリックします。

      最も頻繁に使用する可能性がある設定は、[テストの実行時に使用するフォルダー] です。 テストの特定および実行中にアセンブリを解決する必要があるフォルダーへのパスは、複数指定することができます。 このセクションで指定される各パスには、環境変数を含めることができます。 ここで指定される各パスと共に、そのパスに関連付けられているオプションが 2 つあります。

      1 番目のオプション   [読み込みコンテキストの使用] チェック ボックスをオンにして、ディレクトリのアセンブリを解決する際にディレクトリが読み込みコンテキストを使用する必要があることを指定します (テストを正常に実行するために読み込みコンテキストが必要とされない場合、このチェック ボックスをオフにするとパフォーマンスが向上する可能性があります)。

      2 番目のオプション   [サブフォルダーを含める] チェック ボックスをオンにして、ディレクトリのアセンブリを解決する際にサブフォルダーも含めて使用するように指定します。

    5. [テストの探索時に使用する追加のフォルダー] の下で、[フォルダーの追加] をクリックします。

      [フォルダーの参照] ダイアログ ボックスが表示されます。

    6. 使用するフォルダーを見つけて [OK] をクリックします。

      この [テストの探索時に使用する追加のフォルダー] は、チーム ビルドでテストをリモートで実行したり、Microsoft Test Manager から自動実行を行う際に役立ちます。 ここに提供されているパスはアセンブリ解決に使用されますが、使用されるのはテストの検索時のみです。 これらのパスには、環境変数を含めることができます。 テストがビルドの格納場所からリモートで実行されるようにスケジュール設定されているが、テスト アセンブリのすべての依存関係が同じディレクトリに存在するわけではない場合、これらのパスを使用すると、MSTest またはテスト コントローラーは、テストを探索するための十分な依存アセンブリを検出でき、リモート コンピューターでテストを実行するようにスケジュール設定できます。

      Microsoft テスト マネージャーでスケジュール設定する実行に関しては、追加のトークン "%BuildDrop%" があります。このトークンは、通常、ビルドの格納場所を参照するために使用できます。 これにより、新しいビルドがテストされるたびにテスト設定を作成または更新する必要がなくなります。 ただし、このトークンはチーム ビルドを介して直接サポートされません (ビルドの格納場所がビルド定義の BuildDrop という名前の環境変数に設定されていれば、このトークンを使用した場合と同じ結果を得ることができます)。

      詳細については、「単体テストを使用したコードの検証」を参照してください。

    7. [保存] をクリックします。

    8. [閉じる] をクリックします。

  18. (省略可能) このテスト設定での Web パフォーマンス テストの実行方法を制御するプロパティを構成するには、[Web テスト] オプションに関連付けられている [構成] をクリックします。

    [アドインの構成 - Web テスト] ダイアログ ボックスが表示されます。

    1. [固定された実行数]、または [データ ソース行ごとに 1 つ実行] を選択します。

    2. [ブラウザーの種類] ドロップダウン リストを使用して、Web パフォーマンス テストで使用する Web ブラウザーを選択します。 たとえば、[Internet Explorer 8.0] です。

      Web パフォーマンス テストの詳細については、「アプリケーションのパフォーマンスおよびストレスのテスト」を参照してください。

      注意

      Web パフォーマンス テストには Visual Studio 2010 Ultimate が必要です。

    3. [保存] をクリックします。

    4. [閉じる] をクリックします。

  19. テストの設定の概要を表示するために、[次へ] をクリックします。

  20. [保存して閉じる] をクリックして、テストの設定を保存します。

  21. 対応するテスト環境が、[テスト環境] で自動的に選択されます。 テストの設定のロール セットに対応するテスト環境が複数存在する場合は、対応する別の環境を選択できます。

  22. ツール バーの [上書き保存] をクリックすることにより、テスト計画に対する変更を適用できます。

    注意

    テストの設定を変更する必要がある場合は、[テストの設定] のドロップダウン矢印の横にある [開く] をクリックするか、ラボ センターを開き、センター グループ メニュー バーの [テストの設定] をクリックし、[開く] をクリックします。 詳細については、「方法: テスト計画の既存のテスト設定を編集する」を参照してください。

参照

概念

コンピューターの設定およびテストの設定を使用した診断情報の収集

テスト コンピューターでのテストの実行またはデータの収集の設定

その他の技術情報

手動テストのテスト設定の作成

Visual Studio から自動テストを実行するためのテストの設定の作成