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個人用設定の実装

このセクションでは、付属のサンプル アプリケーションのソース コードを詳しく見て、どのように個人用設定の自動適用が実装されているかを説明します。サンプル アプリケーションのソース コードを表示するには、[スタート] メニューから、このアプリケーションの Microsoft Visual Studio 2005 プロジェクトを開きます。

注意

サンプル アプリケーションとソース コードへのショートカットを見つけるには、[スタート] ボタンをクリックし、[すべてのプログラム] をポイントします。次に、[Windows Live ID Client SDK] をクリックし、適切なショートカットをクリックします。

個人用設定とは、ユーザー固有のデータや設定をアプリケーション内に保存したりロードしたりすることです。サンプル アプリケーションでは、ユーザーはサインインするたびにロードされるアプリケーションの背景色を選択できます。また、ユーザーは今後自動的にサインインするかどうかも指定できます。

背景色などのユーザー固有の設定を保存する場合、永続的で一意の識別子を個々のユーザーに関連付けると便利です。Windows Live ID では、この識別子を "クライアント識別子" (cId) の形で実現しています。サインイン名は変わることがありますが、個々の Windows Live ID アカウントのクライアント識別子は変わりません。

クライアント識別子へのアクセスは、その時点で認証済みの Identity オブジェクトの cId プロパティを通じて行うことができます。

個人用設定を実装するには、アプリケーションでユーザー固有の設定の保存と取得ができることが必要です。また、この設定をユーザーが変更または削除できるインターフェイスがアプリケーションに用意されていることも必要です。既定のサインイン名がある場合、自分で作成するアプリケーションでは、構成ファイル、レジストリ、データベース、テキスト ファイル、Web サービス、またはその他の自分の好きな方法で保存することができます。

サンプル アプリケーションでは、既定のサインイン名とユーザー固有の背景色の設定は、アプリケーションの構成ファイルに保存されます。構成ファイルは特殊な XML ファイルであり、このファイルの作成とアクセスには、System.Configuration 名前空間に含まれるクラスで表される .NET Framework 構成システムが使用されます。

具体的には、System.Configuration.ConfigurationManager クラスの静的な AppSettings プロパティと System.Configuration.Configuration オブジェクト インスタンスの AppSettings プロパティが使用されます。

System.Configuration.ConfigurationManager クラスの静的な AppSettings プロパティを通じて、アプリケーション構成ファイルの AppSettings セクションに読み取り専用でアクセスできます。System.Configuration.Configuration オブジェクト インスタンスの AppSettings プロパティでは、アプリケーション設定の追加、削除、および変更を行うためのメソッドを利用できます。既定では、設定はアプリケーションと同じディレクトリにある構成ファイルに、自動的に次の例のように保存されます。

<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>
<configuration>
<appSettings>
<add key="1234567890123456_bgColor" value="-128" />
<add key="defaultUserName" value="user@example.com" />
</appSettings>
</configuration>

.NET Framework 構成システムでは、アプリケーション構成ファイルのロード、解析、およびこのファイルへの変更の保存を自動的に処理します。これにより、ユーザー固有の設定やデータの保存、取得、および変更が非常に便利になります。詳細については、MSDN Web サイトの ConfigurationManager.AppSettings および Configuration.AppSettings を参照してください。

このセクションの内容

個人用設定のセットアップ方法

個人用設定の実装方法