チュートリアル: ボタンを使用してドキュメントのテキスト ボックスにテキストを表示する

このチュートリアルでは、Microsoft Office Word のドキュメント レベルのカスタマイズでボタンやテキスト ボックスを使用する方法を示します。

適用対象: このトピックの情報は、Word のドキュメント レベルのプロジェクトに適用されます。 詳細については、「Office アプリケーションおよびプロジェクトの種類別の使用可能な機能」を参照してください。

このチュートリアルでは、次の作業について説明します。

• デザイン時にドキュメント レベルのプロジェクトで Word 文書にコントロールを追加する。

• ボタンがクリックされたときにテキスト ボックスにデータを読み込む。

  Note

  次の手順で参照している Visual Studio ユーザー インターフェイス要素の一部は、お使いのコンピューターでは名前や場所が異なる場合があります。 これらの要素は、使用している Visual Studio のエディションや独自の設定によって決まります。 詳細については、「Visual Studio IDE のカスタマイズ」を参照してください。

必須コンポーネント

このチュートリアルを実行するには、次のコンポーネントが必要です。

• Microsoft Office Developer Tools が含まれている Visual Studio のエディション。 詳細については、「Office ソリューションを開発できるようにコンピューターを構成する」を参照してください。

• Microsoft Word

プロジェクトを作成する

最初に、Word 文書のプロジェクトを作成します。

新しいプロジェクトを作成するには

1. 「My Word Button」という名前の Word 文書プロジェクトを作成します。 ウィザードで、[新規ドキュメントの作成] をクリックします。

   詳細については、「方法: Visual Studio で Office プロジェクトを作成する」を参照してください。

   新しい Word 文書が Visual Studio のデザイナーで開かれ、My Word Button プロジェクトがソリューション エクスプローラーに追加されます。

Word 文書にコントロールを追加する

ユーザー インターフェイス コントロールは、Word 文書上のボタンとテキスト ボックスで構成されます。

ボタンとテキスト ボックスを追加するには

1. Visual Studio デザイナーで文書が開いていることを確認します。

2. [ツールボックス] の [コモン コントロール] タブから、TextBox コントロールを文書にドラッグします。

   Note

   Word の既定では、コントロールはテキスト中にインラインでドロップされます。 コントロールや図形オブジェクトの挿入方法を変更するには、Word の [オプション] ダイアログ ボックスの [編集] タブで既定の設定を変更します。

3. [表示] メニューの [プロパティ ウィンドウ] を選択します。

4. プロパティ ウィンドウのドロップダウン ボックスで [TextBox1] を見つけ、このテキスト ボックスの [名前] プロパティを「displayText」に変更します。

5. Button コントロールを文書にドラッグし、次のプロパティを変更します。

   プロパティ	値
   名前	insertText
   テキスト	テキストを挿入

   これで、ボタンがクリックされたときに実行されるコードを記述できるようになりました。

ボタンがクリックされたときにテキスト ボックスにデータを設定する

ユーザーがボタンを選択するたびに、テキスト ボックスに Hello World! が追加されます。

ボタンがクリックされたときにテキスト ボックスに書き込むには

1. ソリューション エクスプローラーで [ThisDocument] を右クリックし、ショートカット メニューの [コードの表示] を選択します。

2. ボタンの Click イベント ハンドラーに次のコードを追加します。

   C#

   private void insertText_Click(object sender, EventArgs e)
   {
       this.displayText.Text += "Hello World!";
   }
   

   VB

   Private Sub insertText_Click(ByVal sender As Object, ByVal e As System.EventArgs) _
       Handles insertText.Click
   
       Me.displayText.Text += "Hello World!"
   End Sub
   

3. C# では、ボタンのイベント ハンドラーを Startup イベントに追加する必要があります。 イベント ハンドラーの作成方法について詳しくは、「方法: Office プロジェクトでイベント ハンドラーを作成する」をご覧ください。

   this.insertText.Click += new EventHandler(insertText_Click);
   

アプリケーションをテストする

これで、文書をテストできるようになりました。ボタンを選択した時に、メッセージ "Hello World!" がテキスト ボックスに表示されることを確認します。

文書をテストするには

1. F5 キーを押してプロジェクトを実行します。

2. ボタンを選択します。

3. テキスト ボックスに "Hello World!" と表示されることを確認します。

次のステップ

このチュートリアルでは、Word 文書でボタンとテキスト ボックスを使用する際の基本事項について説明しました。 ここでは、次の作業を行います。

• コンボ ボックスを使用して書式設定を変更する。 詳しくは、「チュートリアル: CheckBox コントロールを使用してドキュメントの書式を変更する」をご覧ください。

• オプション ボタンを使用してグラフのスタイルを選択する。

関連するコンテンツ

• Office ドキュメントでの Windows フォーム コントロールの概要
• Word を使用したチュートリアル
• Office 開発のサンプルとチュートリアル
• 方法: Office ドキュメントに Windows フォーム コントロールを追加する
• ホスト項目とホスト コントロールの概要