実験 - 詳細ビュー
実験の詳細ビューでは、収集されるデータを基本ビューよりも詳細に管理することができます。
- [Triggers/Actions] タブ - 特定のイベントで起動されるトリガーを作成します。各トリガーが起動された時に実行するアクションを 1 つまたは複数割り当ることができます。
- [Target Program] タブ - ターゲット プログラムと起動オプションを指定します。
- ボタン - ボタンを使用して、実験ビューを切り替えたり、実験を実行したりします。
[Triggers/Actions] タブ
詳細ビューでは、トリガーとアクションを使用してデータ収集をカスタマイズします。
トリガー
トリガーは、特定のタイミングで起動されるイベントです。ターゲット プログラムをプロファイリングするには、まず測定項目と測定の頻度を決定します。次に、測定が行なわれる際のトリガーを選択します。次の表にあるトリガーの種類の中から選択できます。
トリガー | 説明 |
---|---|
[Program Start] | ターゲット プログラムの開始時に起動されます。 |
[フレーム](Frame) | 指定されたフレームの開始時に起動されます。 |
[Time] | ターゲット プログラムが起動してから特定の時間が経過した後に起動されます。 |
[User Marker] | ターゲット プログラムがマーカー名を指定して D3DPERF_SetMarker を呼び出したときに起動されます。 |
[Begin User Event] | ターゲット プログラムが開始イベント名を指定して D3DPERF_BeginEvent を呼び出したときに起動されます。 |
[End User Event] | ターゲット プログラムが終了イベント名を指定して D3DPERF_EndEvent を呼び出し、イベントを終了させたときに起動されます。 |
[Key Combination] | ユーザーが指定されたキーの組み合せを押したときに起動されます。 |
PIX は、各フレームの開始時に時間およびキーの組み合せに基づいてトリガーをチェックします。ターゲット プログラムがレンダリングを停止すると、これらのトリガーは処理されなくなります。
アクション
PIX は、トリガー イベントが発生するたびに 1 つまたは複数のアクションを実行します。使用可能なアクションにはいくつかの種類があります。
アクション | 説明 |
---|---|
[Create a run file] | 収集されたデータを実行ファイルに保存します。[Disable write caching] オプションを選択すると、データをただちにディスクに書き込みます (ターゲット プログラムがクラッシュする場合に便利です)。 |
[Grab a screen shot] | フレーム バッファーを画像ファイルに保存します。ファイルの保存オプションを参照してください。 |
[Modify Device] | デバイスの作成時に、ハードウェアで高速化されたデバイスとリファレンス デバイスを切り替えます。 |
[Modify Draw Calls] | 描画関数呼び出しを有効または無効にします。次の 3 つのオプションがあります。[標準](Normal) - すべての描画関数呼び出しを許可します。[すべてをブロック](Block all) - すべての描画関数呼び出しを無効にします。[バック バッファー呼び出しをブロック](Block back buffer calls) - バック バッファーの描画関数呼び出しを無効にします (速度向上のための便利な手段です)。 |
[Post Window Message] | ウィンドウ メッセージをターゲット プログラムに送信します。 |
[Save Device State] | 次のデバイス インターフェイス API 呼び出しの実行後に、デバイス ステートを HTML ファイルに保存します。「ファイルの保存オプション」を参照してください。 |
[Set Call Capture] | すべての Direct3D/D3DX 呼び出しをキャプチャーします。キャプチャーの種類は、基本ビューのデータ収集オプションに一覧表示されます。 |
[Set Per-Frame Counters] | データを収集するカウンターを選択します。 |
[Start Gathering GPU Events] | GPU イベントを収集します。
Windows XP と Windows Vista の相違: このイベントは Windows Vista のみで使用できます。
以前に起動された実験が PIX の終了前に GPU イベントの収集を停止していなかった場合、収集が失敗する可能性があります(これは、PIX がクラッシュしたり、タスク マネージャーによって終了された場合に起こることがあります)。データ収集を再度有効にするには、次のいずれかを実行します。
|
[Stop Gathering GPU Events] | GPU イベントの収集を停止します。PIX が正常に終了したときは、このイベントが暗黙に呼び出されます。
Windows XP と Windows Vista の相違: このイベントは Windows Vista のみで使用できます。
|
[Terminate Program] | ターゲット プログラムを終了させます。実験を終了すると、PIX はデータ収集を停止し、実行ファイルを閉じます。実行ファイルを終了すると、PIX は完全に終了します。 |
ファイルの保存オプション
ファイル保存のオプションがいくつか用意されています。
- [Path to screen shot] - フォルダーとファイル名を指定します (ファイル拡張子は含めません)。ステップ機能が用意されており、ファイル名の数字のプレースホルダーとしてシャープ文字 (#) を挿入することによって、ファイル名に自動的に増分値が付加されます。たとえば、「C:\Image0001.bmp」、「C:\Image0002.bmp」のようなファイル名に記録するには、パスに「C:\Image####」を指定します。
- [File Type] - 3 文字の拡張子です。
- [上書き](Overwrite) - 既存のファイルを上書きします。
- [Hide Cursor] - マウス カーソルを非表示にします。
- [Increment Type] - ファイル名に付加される増分値です。
- [なし](None) - 同一のファイル名に書き込みます。
- [フレーム](Frame) - 現在のフレーム番号を挿入します。
- [ステップ](Step) - 増加する数値を挿入します。
トリガーおよびアクションのボタン
イベント ビューには、いくつかのボタン コントロールを備えたツール バーがあります。イベント ビューのこれらのコントロールを使用して、データの表示を切り替えたり、イベント間を移動したりします。
記号 | 名前 | 説明 |
---|---|---|
[Add Trigger] | トリガーを新規作成します。 | |
[Add Action] | アクションを新規作成します。 | |
[Move Up] | 現在のトリガーまたはアクションの位置を、ツリー内で前のトリガーまたはアクションと入れ替えます。 | |
[Move Down] | 現在のトリガーまたはアクションの位置を、ツリー内で次のトリガーまたはアクションと入れ替えます。 | |
[削除](Delete) | 現在選択されているトリガーまたはアクションを削除します。 |
トリガー (またはアクション) を変更するには、そのトリガー (またはアクション) を選択し、対応するドロップ ダウン ボックスを使用してエントリを選択します。
[Target Program] タブ
[Target Program] タブでは、ターゲット プログラムとその起動方法に関する情報を入力します。このタブで、ターゲット プログラムのパス、スタートアップ フォルダー、およびコマンドライン引数を指定します。
起動されるアプリケーションは、分析対象のアプリケーションを起動するためのヘルパー プログラムである場合もあります。その場合には、[Skip processes before gathering] に数字を設定して、分析するアプリケーションを PIX に通知します。
フィールド | 説明 |
---|---|
[Program path] | ターゲット プログラムです。ファイルの完全パスを指定します。 |
[Startup folder] | ターゲット プログラムの実行が行われるフォルダーです。 |
[Command-line arguments] | ターゲット プログラムに渡されるコマンドライン引数です。 |
[Skip processes before gathering] | PIX がデータを収集するときに無視するプロセス数です。このオプションは、ターゲット プログラムが実際に分析されるプログラムを起動するためのヘルパー プログラムである場合に使用します。 |
[Record a diagnostic log] | PIX が監視するすべての API 呼び出しの開始と終了のログをテキスト ファイルに記録します。PIX の分析中にターゲット プログラムが予期せず終了した場合は、このログが役立ちます。 |
[Include debug output messages in diagnostic log] | すべてのデバッグ出力を API 開始/終了情報と共に診断ログに記録します。診断ログが有効になっていない場合、この項目は灰色で表示され選択できません。 |
[Disable D3DX analysis] | PIX が D3DX 呼び出しを分析しないようにします。これによって分析の速度が上がり、一部の D3DX 関数で発生する可能性のある問題を回避できます。 |
ボタン
詳細ビューにはいくつかのボタンが表示されます。
基本ビューと詳細ビューの間で切り替えるには、[Fewer Options] ボタンを使用します。
ターゲット プログラムを起動して、データ収集を開始するには、[Start Experiment] ボタンを使用します。