IAMExtTransport インターフェイス
IAMExtTransport インターフェイスは、VCR またはカムコーダの駆動デバイスを制御する。アプリケーションはこのインターフェイスを使って、駆動デバイスを再生、録画/録音、停止したり、駆動デバイスにメディアが格納されているかどうかを調べたり、その他の駆動デバイス関連の機能を実行できる。このインターフェイスの実装は、デバイスによって異なる。デバイスがこれらをサポートしていない場合、メソッドによっては、E_NOTIMPL を返す。
このインターフェイスには、編集イベントおよび編集プロパティ セットを介したノンリニア編集のためのメソッドもある。現在 DirectShow は、インターフェイスのこの部分を実装するフィルタもドライバも提供していない。
フィルタ開発者への注意点 : VCR のような、駆動デバイスのある外部デバイスをコントロールするフィルタを作成する場合は、このインターフェイスを実装すること。このインターフェイスを実装する場合は、IAMExtDevice インターフェイスも実装すること。
要件
DV カムコーダ ドライバである MSDV では、他にもいくつかの定数をヘッダファイル Xprtdefs.h 内で定義する必要がある。
ハードウェアの要件
外部 VCR を制御するには、特定のハードウェアの要件が推奨される。RS-422 シリアル インターフェイスを持つ VCR の場合は、特別なシリアル ポート カードまたは外付けの RS-232 対 RS-422 アダプタが必要である。さらに、最適なパフォーマンスを得るには、16550 高性能 UART (Universal Asynchronous Receiver/Transmitter) が組み込まれたシリアル ポート カードをコンピュータが装着し、38.4 ボーなどの高速なボーレートを実現する必要がある。
IAMExtTransport インターフェイスは、IUnknown から継承されるメソッドに加え、以下のメソッドを公開する。
メソッド | 説明 |
GetCapability | 外部駆動デバイスの全般機能を取得する。 |
put_MediaState | メディアの現在の状態を設定する。 |
get_MediaState | メディアの現在の状態を取得する。 |
put_LocalControl | デバイスの状態をローカル制御またはリモート制御に設定する。 |
get_LocalControl | デバイスの状態を取得する。 |
GetStatus | 駆動デバイスの状態を判別する。 |
GetTransportBasicParameters | 駆動デバイスの基本引数の設定値を取得する。 |
SetTransportBasicParameters | 駆動デバイスの基本引数を設定する。 |
GetTransportVideoParameters | 駆動デバイスのビデオ引数の設定値を取得する。 |
SetTransportVideoParameters | 駆動デバイスのビデオ引数を設定する。 |
GetTransportAudioParameters | 駆動デバイスのオーディオ引数の設定値を取得する。 |
SetTransportAudioParameters | 駆動デバイスのオーディオ引数の設定値を設定する。 |
put_Mode | 駆動デバイスの動きを、再生、停止、または録音/録画といった新しいモードに設定する。 |
get_Mode | 駆動デバイスのモードを取得する。 |
put_Rate | 速度変更が可能な外部デバイスの再生速度を設定する。 |
get_Rate | 再生速度を取得する。 |
GetChase | チェース モードの状態を取得する。 |
SetChase | チェース モードを有効または無効にする。 |
GetBump | バンプ モードの状態を取得する。 |
SetBump | 複数の外部デバイスの同期をとるために、再生速度を一時的に変更する。 |
get_AntiClogControl | ヘッド詰まり防止コントロールが有効かどうかを判別する。 |
put_AntiClogControl | 駆動デバイスのヘッド詰まり防止コントロールを有効または無効にする。 |
GetEditPropertySet | 編集プロパティ セットの現在の状態を取得する。 |
SetEditPropertySet | 編集プロパティのグループである編集プロパティ セットを登録する。 |
GetEditProperty | 特定の編集プロパティ セットに関連付けられている個別の引数と値を取得する。 |
SetEditProperty | 特定の編集プロパティ セットに関連付けられている個別の引数と値を定義する。 |
get_EditStart | エディット コントロールがアクティブかどうかを判別する。 |
put_EditStart | エディット コントロールをアクティブにする。 |
注意
Windows Driver Model (WDM) デバイスでは、WDM ドライバが PROPSETID_EXT_TRANSPORT プロパティをサポートするのであれば、WDM ビデオ キャプチャ フィルタ が自動的にこのインターフェイスを公開する。詳細は、Windows DDK のドキュメントを参照すること。