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ラボ環境での Test Controller の設定

 

発行: 2016年7月

このトピックでは、Microsoft Test Manager を使用してラボ環境でテストを実行できるように、テスト コントローラーをインストールおよび構成する方法、および Test Agent を構成する方法について説明します。 チーム プロジェクト コレクションのラボ環境を作成する前に、チーム プロジェクト コレクションに対して少なくとも 1 つのテスト コントローラーをインストールおよび構成する必要があります。 ラボ環境のテスト コントローラーを構成する場合は、そのテスト コントローラーをチーム プロジェクト コレクションに登録する必要があります。 また、トポロジに基づいてテスト コントローラーのセキュリティを構成する必要もあります。

注意

Microsoft Test Manager でラボ環境を構成するときに、このトピックを使用してテスト コントローラーを設定します。Microsoft Test Manager ではなく Visual Studio を使用してテストを管理するテスト コントローラーとテスト エージェントを設定する場合は、「Visual Studio でのテストの管理のためのテスト コントローラーおよびテスト エージェントの設定」を参照してください。Lab Management の詳細については、「アプリケーションのライフサイクルでのラボ環境の使用」を参照してください。

完全な信頼のネットワーク トポロジ

ほとんどの場合、ラボ環境を作成するとき、環境のコンピューターへのテスト エージェントのインストールは手動で行わないようにします。 ラボ環境へのテスト エージェントのインストールと構成は、テスト エージェントの作成時に Lab Management によって自動的に行われます。 ただし、次の場合を除きます。

  • ネットワーク分離環境を作成する場合、その環境をチーム プロジェクト ライブラリに格納する前に、"Microsoft Visual Studio Agents" CD またはダウンロードした ISO イメージを実行して、環境にテスト エージェントをインストールします。 ただし、そのテスト エージェントは構成しないでください。 ネットワーク分離機能の設定方法の詳細については、「ネットワーク分離環境の作成および使用」を参照してください。

  • Windows XP コンピューターを含むラボ環境を作成する場合は、Windows XP コンピューターにテスト エージェントを手動でインストールした後、追加の手順を実行する必要があります。 「Windows XP または Windows Server 2003 マシンを含むラボ環境の構成」を参照してください。

次のセクションを使用して、ラボ環境で使用するようにテスト コントローラーをインストールし、構成します。

  • テスト コントローラーとテスト エージェントのセキュリティ

  • テスト コントローラーのインストールと構成

  • トラブルシューティング

テスト コントローラーとテスト エージェントのセキュリティ

ラボ環境で使用するテスト コントローラーを設定するときに、テスト コントローラー、テスト エージェント、および Team Foundation Server の間のセキュリティを構成する方法は複数あります。 これらの方法では、ローカル コンピューター アカウント、ドメイン アカウント、およびローカル ユーザー グループとドメイン ユーザー グループの組み合わせが使用されます。 ラボ環境がドメイン間トポロジまたはワークグループ トポロジにある場合、これらの構成はさらに複雑になります。

たとえば、テスト エージェントがテスト コントローラーとは異なるドメインにある場合、テスト コントローラー サービスを構成するには、ローカル ユーザー アカウントを、同じユーザー名とパスワードを使用して、テスト コントローラー コンピューターおよび各テスト エージェント コンピューターに作成します。 ただし、このプロセスは簡単になります。それには、テスト コントローラーでラボ サービス アカウントを構成し、そのアカウントを使用してテスト エージェントを実行します。

ラボ サービス アカウントの使用

ローカル コンピューターとドメイン アカウントが、特定のネットワーク トポロジで適切に動作しないことはよくあります。 この問題を解決するには、ラボ サービス アカウントをテスト コントローラーで構成します。

ラボ サービス アカウントを使用すると、テスト エージェントが単一のユーザー アカウントに接続できるので、複数のコンピューターでユーザー アカウントを手動で設定する必要がなくなります。 ラボ サービス アカウントがテスト コントローラーで既に構成されている場合、ラボ環境を作成するとき、アカウントの資格情報が Microsoft Test Manager が自動的に取得され、Test Agent を構成するために使用されます。 また、ラボ サービス アカウントにより、最小限のアクセス許可でテスト エージェントが確実に実行され、テスト コントローラーと通信するようになります。

代替資格情報での Team Foundation Server への接続

テスト コントローラーでラボ サービス アカウントを構成するとき、テスト コントローラーが Team Foundation Server または Team Foundation Service に接続するときに使用できる代替資格情報を指定することもできます。 これにより、複雑なネットワーク トポロジのテスト コントローラーの構成が簡単になります。

たとえば、Team Foundation Server のドメインに双方向の信頼関係がないワークグループまたはドメインに属するテスト コントローラーを登録する場合は、1 つの解決策として、同じユーザー名とパスワードを持つローカル ユーザー アカウントを、Team Foundation Server コンピューターとテスト コントローラー コンピューターの両方に作成します。 さらに良いのは、テスト コントローラーでラボ サービス アカウントを構成し、代替ドメイン アカウントを使用して Team Foundation Server に接続するというアプローチです。 このアプローチを使用すると、ローカル コンピューター アカウントをログオン アカウントとして使用して、コンピューター アカウントを Team Foundation Server に追加せずに、テスト コントローラー サービスを実行できます。 テスト コントローラー コンピューターで管理特権と持つすべてのユーザーが、そのテスト コントローラーのラボ サービス アカウントを構成し、Team Foundation Server または Team Foundation Service に接続するための代替資格情報を指定できます。

次のトポロジについて、テスト コントローラーで代替資格情報を使用してラボ サービス アカウントを構成することをお勧めします。

  • ワークグループ トポロジ:

    ワークグループ トポロジ

  • ドメイン間のトポロジ (信頼および一方向の信頼なし):

    信頼されていないネットワーク トポロジ

    一方向の信頼のネットワーク トポロジ

  • Team Foundation Service トポロジ:

    ホストされている Team Foundation Server ネットワーク トポロジ

Windows 8 での Microsoft アカウントの使用

Windows 8 コンピューターでテスト エージェントまたはテスト コントローラーを実行する場合、いくつかの追加のシナリオによって、テスト コントローラーでラボ サービス アカウントを構成する必要があります。 特に Windows 8 コンピューターでテスト コントローラーを構成し、Microsoft アカウントを使用してコンピューターにログオンする場合は、そのテスト コントローラーでラボ サービス アカウントを構成して、Team Foundation Server に接続できる一連の代替資格情報を指定する必要があります。 これを行わないと、テスト コントローラーは、Team Foundation Server に接続できません。 同様に、テスト エージェントを Windows 8 コンピューターで構成するとき、テスト コントローラーへのログオンに Microsoft アカウントを使用できません。 代わりに、ラボ サービス アカウントを使用できます。

テスト コントローラー コンピューターのユーザー グループ

テスト コントローラーを構成するときに、ユーザー グループとサービスが作成されます。これらは環境のセキュリティを確保するのに役立ちます。 次のグループを使用して、テスト コントローラーでユーザー アカウントのセキュリティを管理します。

ユーザー グループ

インストール時に作成

メンバーが実行できるタスク

TeamTestControllerUsers

Test Controller

  • テストの実行を開始する。

  • 結果の表示

TeamTestControllerAdmins

Test Controller

  • TeamTestControllerUsers と同じタスク

  • 任意のテストの実行を一時停止、延期、または削除する。

  • テスト エージェントの状態を追加、削除、または変更する

  • 環境を作成する

TeamTestAgentService

Test Controller

  • テスト エージェントからテスト コントローラーに接続する

テスト エージェントをテスト コントローラーに接続すると、テスト コントローラーは、テスト エージェント サービスのユーザーがこれらのグループのメンバーであることを確認します。 ユーザーがこれらのどのグループのメンバーでもない場合は、接続が拒否されます。

設置型 Team Foundation Server に登録されているテスト コントローラーの管理

テスト コントローラーが設置型 Team Foundation Server からチーム プロジェクト コレクションに登録されている場合は、テスト コントローラーのユーザー アカウントをこれらのユーザー グループに追加して、テスト コントローラーを管理する必要はありません。 Team Foundation Server のプロジェクト コレクション管理者グループまたはプロジェクト コレクション テスト サービス アカウントのメンバーは、テスト コントローラーを管理できます。

Foundation サービスに登録されているテスト コントローラーの管理

テスト コントローラーが Team Foundation Service からチーム プロジェクト コレクションに登録されている場合、コントローラーへのアクセスは、TeamTestControllerUsers グループと TeamTestControllerAdmins グループのメンバーに制限されます。 適切なユーザーおよびグループをこれらのグループに追加して、そのユーザーがテスト コントローラーにアクセスできるようにする必要があります。

テスト コントローラーのインストールと構成

テスト コントローラーのインストール方法を次に示します。

注意

ドメイン コントローラーでもあるコンピューターにテスト コントローラーをインストールして実行する必要はありません。

テスト コントローラー構成ツールの実行

必要なアクセス許可

テスト コントローラーをインストールするには、コンピューターの Administrators セキュリティ グループのメンバーである必要があります。

テスト コントローラーをインストールして構成するには

  1. "Microsoft Visual Studio Agents" CD またはダウンロードした ISO イメージを読み込み、ルート フォルダーにある setup.exe ファイルを起動します。

    [Visual Studio Agents セットアップ] ページが表示されます。 インストーラーに表示される指示に従います。

  2. インストールしたテスト コントローラーを構成するには、[テスト コントローラーを今すぐ構成] を選択します。 次に、[構成] をクリックしてテスト コントローラー構成ツールを起動します。

    [テスト コントローラーの構成] ダイアログ ボックスが表示されます。

    注意

    このツールを実行すると、テスト コントローラーをいつでも再構成できます。[すべてのプログラム] メニューの [Microsoft Visual Studio Test Controller 構成ツール] をクリックします。

  3. テスト コントローラー サービスのログオン アカウントのユーザー名とパスワードを入力します。 Team Foundation Server に接続するためのアカウントを別に指定しない限り、テスト コントローラーは、このアカウントを使用して Team Foundation Server に接続します。

    注意

    ユーザー アカウントに Null パスワードは使用できません。

  4. 環境を含むチーム プロジェクト用のチーム プロジェクト コレクションにテスト コントローラーを登録します。

    1. [チーム プロジェクト コレクションへ登録] をオンにします。

    2. チーム プロジェクト コレクションを見つけるには、[参照] をクリックし、必要に応じて [追加] をクリックしてサーバーを追加します。

      オプションで、[テスト コントローラーを次のチーム プロジェクト コレクションへ登録] に名前を入力することもできます。 この場合は、完全パスを入力します。 たとえば、「http://<server name>:8080/tfs/DefaultCollection」と入力します。

  5. (省略可能) ロード テスト用にテスト コントローラーを構成するには、[ロード テストの構成] をオンにします。

    ロード テストの詳細については、「[廃版] Visual Studio での Web パフォーマンス テストとロード テスト」および「テスト コントローラーとテスト エージェントを使用したロード テスト」を参照してください。

    1. SQL Server[次の SQL Server インスタンスにロード テスト結果のデータベースを作成] に のインスタンスを入力します。

      注意

      SQL Server がインストールされていない場合は、SQL Express を使用できます。SQL Express のダウンロードおよびインストールの方法の詳細は、Microsoft Web サイトを参照してください。サイズに関する考慮事項の詳細については、「テスト コントローラーとテスト エージェントを使用したロード テスト」を参照してください。

  6. (省略可能) テスト コントローラーでテスト エージェントがラボ サービス アカウントを使用するように指定する場合は、[ラボ サービス アカウントを使用してテスト コントローラーと通信する] をクリックし、[このアカウントは、テスト エージェントでテスト コントローラーとの通信に使用されます] でサービス アカウントの資格情報を指定します。

  7. (省略可能) テスト コントローラーが別のアカウントを使用して Team Foundation Server に接続するように指定する場合は、[Team Foundation Server への接続に別の資格情報を使用する] をクリックし、ポップアップ ウィンドウで資格情報を指定します。

  8. 変更を適用するには、[設定の適用] をクリックします。

    [構成の概要] ダイアログ ボックスが表示されます。 ここには、テスト コントローラーを構成するために必要な各手順の状態が表示されます。

  9. [構成の概要] ダイアログ ボックスを閉じるには、[閉じる] を選択します。 もう一度 [閉じる] をクリックして、テスト コントローラー構成ツールを閉じます。

    [Visual Studio Agents セットアップ] ダイアログ ボックスが表示されます。 ここでは、このコンピューターで必要となるその他のコンポーネントをインストールできます。

    テスト コントローラーは Visual Studio Test Controller という名前の Windows サービスとして実行されます。 このサービスを開始および停止したり、そのプロパティを表示したりするには、[管理ツール][サービス] ツールを使用します。

    テスト コントローラーおよび登録されたテスト エージェントを構成および監視するには、Microsoft Test Manager の [ラボ センター][テスト コントローラー マネージャー] を使用します。

注意

テスト コントローラーをコンピューターにインストールすると、そのコンピューターでレジストリ エントリ HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control が設定されます。この値により、サービス コントロール マネージャーのタイムアウトの設定が通知なしに 30 秒から 10 分に変更され、テスト コントローラーが Team Foundation Server サービスとの通信を開始する際に待機する時間が長くなります。詳細については、「サービスが開始されず Windows Server 2003 でイベント 7000 および 7011 が記録される」を参照してください。

ユーザー アカウント制御 (UAC: User Account Control) 機能を備えたオペレーティング システムを実行するコンピューターにテスト コントローラーをインストールする場合、レジストリ キー HKLM\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\system\ LocalAccountTokenFilterPolicy の値は 1 に設定されます。 これにより UAC のリモート制限が無効になり、テスト エージェントがローカル アカウントを使用するように構成されている場合、リモート認証を行うことができます。 「ユーザー アカウント制御とリモート制限の説明」を参照してください。

トラブルシューティング

テスト コントローラーおよび登録された Test Agent を構成および監視するには、Microsoft Test Manager の [ラボ センター] で [テスト コントローラー マネージャー] を使用します。

テスト エージェントは、準備完了状態にある必要があります。 Test Agent の一覧に Test Agent が含まれていない場合、または Test Agent が切断状態にある場合は、エージェントがインストールされているコンピューター上で Test Agent 構成ツールを実行し、コントローラーがインストールされているコンピューター上でテスト コントローラー構成ツールを実行することができます。

注意

構成ツールを実行するには、[すべてのプログラム][Microsoft Visual Studio] の順にクリックし、必要に応じて [Microsoft Visual Studio Test Agent 構成ツール] または [Microsoft Visual Studio Test Controller 構成ツール] をクリックします。

テスト コントローラーについて、次の条件を確認します。

  • テスト コントローラーのユーザーが TeamTestControllerAdmins グループまたは Administrators グループのメンバーであること。

  • テスト コントローラーが適切なチーム プロジェクト コレクション用に構成されていることを確認します。

    注意

    Visual Studio と同じコンピューター上でテスト コントローラーが実行されていて、アクティブなユーザーを TeamTestControllerAdmins グループに追加した場合は、昇格されたアクセス許可を使用して実行するか、コンピューターを再起動してください。

  • テスト コントローラー サービスに使用するアカウントが、チーム プロジェクト コレクションのプロジェクト コレクション テスト サービス アカウント グループのメンバーである必要があります。または、テスト コントローラー構成ツールの実行に使用するアカウントが、プロジェクト コレクション管理者グループのメンバーである必要があります。

テスト エージェントについて、次の設定内容を確認します。

  • テスト エージェントのユーザーが、テスト エージェントがインストールされているコンピューター上およびテスト コントローラーがインストールされているコンピューター上で TeamTestAgentService グループのメンバーであること。

    注意

    このユーザーが現在のユーザーである場合は、このユーザーをテスト コントローラー コンピューターに追加するとき、ログオフするか、このコンピューターを再起動する必要があります。

  • 適切なテスト コントローラー名とポートが入力されていること。

また、%LOCALAPPDATA%\Temp\TestControllerConfigUI.log ファイルおよび TestAgentConfigUI.log ファイルを調べることで、エラーや詳細を確認することもできます。 これらのファイルは、Test Agent またはテスト コントローラー構成ツールを使用しているときに [構成の概要] ページのリンクから開くことができます。

Windows ファイアウォールを実行している場合、テスト コントローラーのセットアップによって次の例外がファイアウォールに追加されます。 この例外が追加されていることを確認してください。

例外

理由

QTController.exe

テスト コントローラーとの通信を有効にします。

参照

テスト エージェントおよびテスト コントローラーのインストールと構成
ラボ環境でのテスト