App-V 5.0 仮想化アプリケーションの作成と管理
適用対象: Application Virtualization 5.0, Application Virtualization 5.0 SP1, Application Virtualization 5.0 SP2, Application Virtualization 5.0 SP3
Microsoft Application Virtualization (App-V) 5.0 Sequencer が正しく展開されたら、仮想化アプリケーションとして実行するアプリケーション用のインストールおよびセットアップ プロセスの監視および記録にこれを使用できます。
注意
Microsoft Application Virtualization (App-V) 5.0 シーケンサーの構成、シーケンスのベスト プラクティス、仮想アプリケーションの作成と更新の例の詳細については、「Microsoft Application Virtualization 5.0 Sequencing Guide」(https://download.microsoft.com/download/F/7/8/F784A197-73BE-48FF-83DA-4102C05A6D44/App-V 5.0 Sequencing Guide.docx) をご覧ください。
アプリケーションのシーケンス
App-V 5.0 Sequencer を使用して、次のタスクを実行できます。
App-V 5.0 クライアントを実行するコンピューターに展開できる仮想パッケージを作成する。
既存のパッケージをアップグレードする。既存のパッケージを Sequencer を実行しているコンピューターに展開し、アプリケーションをアップグレードして新しいバージョンを作成できます。
既存のパッケージに関する構成情報を編集する。たとえば、ショートカットを追加したり、ファイルの種類の関連付けを変更したりできます。
注意
ローミングを可能にするには、ショートカットを作成し、利用可能なネットワークの場所に保存する必要があります。ショートカットを作成し、非公開の場所に保存する場合、App-V 5.0 クライアントを実行するコンピューターにローカルでパッケージを公開する必要があります。
既存の仮想パッケージを変換する。
Sequencer は、シーケンス中の一時ファイルの格納に、%TMP% \ Scratch または %TEMP% \ Scratch ディレクトリと、Temp ディレクトリを使用します。Sequencer を実行するコンピューターで、アプリケーションをインストールする場合の推定要件を満たすディスクの空き容量があるように、これらのディレクトリを構成する必要があります。一時ディレクトリと Temp ディレクトリをハード ドライブの別のパーティションに構成すると、シーケンス中のパフォーマンスが向上します。
Sequencer を使用して新しい仮想アプリケーションを作成すると、次の一覧のファイルが作成されます。これらのファイルは App-V 5.0 パッケージを構成します。
.msi ファイル。この Windows インストーラー (.msi) ファイルは Sequencer によって作成され、仮想パッケージを対象のコンピューターにインストールする際に使用されます。
Report.xml ファイル。このファイルには、Sequencer によって、シーケンス中に検出された、すべての問題、警告、エラーが保存されますパッケージが作成された後で、この情報が表示されます。このレポートを使用して、診断とトラブルシューティングを実行できます。
.appv ファイル。仮想アプリケーション ファイルです。
展開構成ファイル。展開構成ファイルにより、対象のコンピューターに仮想アプリケーションを展開する方法が決定されます。
ユーザー構成ファイル。ユーザー構成ファイルにより、対象のコンピューターで仮想アプリケーションを実行する方法が決定されます。
重要
パッケージ コンバーターが使用する %TMP% フォルダーと %TEMP% フォルダーを、セキュリティで保護された場所およびディレクトリに構成する必要があります。セキュリティで保護された場所には、管理者だけがアクセスできます。また、パッケージをシーケンスする場合、パッケージをセキュリティで保護された場所に保存するか、変換と監視プロセスの間は他のユーザーがログインできないことをご確認ください。
Sequencer コンソールの [オプション] ダイアログボックスには次のタブがあります。
全般:シーケンス中の Microsoft Update の実行を有効にするには、このタブを使用します。シーケンスする仮想化パッケージにバージョン番号を追加するように構成するには、[パッケージのバージョンをファイル名に追加する] を選択します。認証のプロンプトを表示せずに、パッケージ アクセラレータを使用して仮想化パッケージを作成するには、[常にパッケージ アクセラレータのソースを信頼する] を選択します。
重要
App-V 5.0 では、App-V 4.6 を使用して作成したパッケージ アクセラレータはサポートされません。
解析項目:このタブには、仮想環境内で解析またはトークンを作成する関連ファイルのパスが表示されます。トークンは、[高度な編集] の [パッケージ ファイル] タブを使用してファイルを追加するときに有用です。
除外項目: シーケンス中に監視しないフォルダーとディレクトリを指定するには、このタブを使用します。パッケージの Local App Data フォルダーに保存されるローカル アプリケーション データを追加するには、[新規] をクリックして、場所と、関連する [マッピングの種類] を指定します。このオプションは一部のパッケージで必要です。
App-V 5.0 は、Microsoft Windows サービスが含まれるアプリケーションをサポートします。Windows サービスを含むアプリケーションが Sequencer で監視中にインストールされた場合は、Windows サービスはシーケンスされた仮想パッケージに追加されます。仮想アプリケーションの初回実行時に Windows サービスが作成される場合、Windows サービスがパッケージに追加されるように、インストール後に Sequencer での監視中にそのアプリケーションを実行する必要があります。ローカル システム アカウントで実行されるサービスのみがサポートされます。[自動開始] または [自動開始 (遅延開始)] に構成されているサービスは、パッケージの最初の仮想アプリケーションがパッケージの仮想環境内で実行される前に開始されます。アプリケーションでオンデマンドに開始するように構成された Windows サービスは、パッケージ内の仮想アプリケーションが API 呼び出しによってサービスを開始するときに開始されます。
App-V 5.0 を使用して、新しいアプリケーションをシーケンスする方法
App-V 5.0 SP2 シェル拡張のサポート
App-V 5.0 SP2 は、シェル拡張をサポートしています。シェル拡張は、シーケンス中に検出され、パッケージに埋め込まれます。
シェル拡張は、シーケンス処理中に自動的にパッケージに埋め込まれます。パッケージが公開されると、シェル拡張により、ユーザーは、アプリケーションがローカルにインストールされたかのように同じ機能を利用できます。
シェル拡張を使用するための要件:
埋め込みシェル拡張を含むパッケージは、グローバルに公開する必要があります。アプリケーションは、シェル拡張機能を有効にするのに、クライアント上での追加のセットアップや構成を必要としません。
アプリケーション、Sequencer、および App-V クライアントの "ビット数" が一致しないと、シェル拡張は動作しません。例:
アプリケーションのバージョンは 64 ビットです。
Sequencer は 64 ビット コンピューター上で実行されます。
パッケージは、64 ビットの App-V クライアント コンピューターに配布されます。
次の表に、サポートされるシェル拡張を示します。
ハンドラー | 説明 |
---|---|
コンテキスト メニュー ハンドラー |
メニュー項目をコンテキスト メニューに追加します。コンテキスト メニューを表示する前にこのハンドラーが呼び出されます。 |
ドラッグ アンド ドロップ ハンドラー |
右クリックやドラッグ アンド ドロップの操作を制御し、表示するコンテキスト メニューを変更します。 |
ドロップ ターゲット ハンドラー |
ファイルのようなドロップ ターゲット上に、データ オブジェクトをドラッグ アンド ドロップした後の操作を制御します。 |
データ オブジェクト ハンドラー |
ファイルをクリップボードにコピーしたり、ドロップ ターゲット上にドラッグ アンド ドロップしたりした後の操作を制御します。ドロップ ターゲットに追加のクリップボード形式を提供できます。 |
プロパティ シート ハンドラー |
オブジェクトのプロパティ シート ダイアログ ボックスのページを置換したり追加したりできます。 |
ヒント ハンドラー |
項目のフラグ情報やヒント情報を取得し、マウスオーバーしたときにポップアップ ヒント内に表示できるようにします。 |
列ハンドラー |
Windows Explorer 詳細表示 にカスタムの列を作成したり表示したりできるようにします。並び替えやグループ化を拡張するときに使用できます。 |
プレビュー ハンドラー |
エクスプローラーのプレビュー ウィンドウにファイルのプレビューを表示できるようにします。 |
コピー オン ライト (CoW) ファイル拡張子のサポート
コピー オン ライト (CoW) ファイル拡張により、App-V 5.0 は、仮想パッケージが使用されているときにそこに含まれている特定の場所に動的に書き込みを行います。
次の表に、VFS ディレクトリの下の仮想パッケージに存在できる一方で、App-V 5.0 クライアントを実行しているコンピューターでは更新できないファイルの種類を示します。他のすべてのファイルとディレクトリは変更できます。
.acm |
.asa |
.asp |
.aspx |
.ax |
.bat |
.cer |
.chm |
.clb |
.cmd |
.cnt |
.cnv |
.com |
.cpl |
.cpx |
.crt |
.dll |
.drv |
.exe |
.fon |
.grp |
.hlp |
.hta |
.ime |
.inf |
.ins |
.isp |
.its |
.js |
.jse |
.lnk |
.msc |
.msi |
.msp |
.mst |
.mui |
.nls |
.ocx |
.pal |
.pcd |
.pif |
.reg |
.scf |
.scr |
.sct |
.shb |
.shs |
.sys |
.tlb |
.tsp |
.url |
.vb |
.vbe |
.vbs |
.vsmacros |
.ws |
.esc |
.wsf |
.wsh |
既存の仮想アプリケーション パッケージの変更
Sequencer を使用して、既存のパッケージを変更できます。パッケージを変更するコンピューターのチップ アーキテクチャは、パッケージの作成に使用したコンピューターと一致している必要があります。たとえば、最初に 64 ビット オペレーティング システムを実行しているコンピューターを使用してパッケージをシーケンスした場合、64 ビット オペレーティング システムを実行しているコンピューターを使用してパッケージを変更する必要があります。
プロジェクト テンプレートの作成
.appvt ファイルは、よく適用するカスタム設定の保存に使用できるプロジェクト テンプレートです。その後のシーケンスで、これらの設定をさらに簡単に使用できます。
App-V 5.0 プロジェクト テンプレートと App-V 5.0 アプリケーション アクセラレータは同じではありません。App-V 5.0 アプリケーション アクセラレータはアプリケーション特有ですが、App-V 5.0 プロジェクト テンプレートは複数のアプリケーションに適用できます。さらに、パッケージ アクセラレータを使って仮想アプリケーション パッケージを作成するときに、プロジェクト テンプレートを使用することはできません。App-V 5.0 プロジェクト テンプレートに保存される一般的な設定は、次のとおりです。
テンプレートでは、次のように複数の設定を指定して保存できます。
詳細監視オプション。監視中の Microsoft Update の実行を有効にします。ローカルの相互作用オプションの設定を保存します。
全般オプション。Windows インストーラー の使用、[パッケージのバージョンをファイル名に追加する] を有効にします。
除外項目。 除外する項目のパターンの一覧を示します。
パッケージ アクセラレータの作成
注意
旧バージョンの App-V を使用して作成したパッケージ アクセラレータは、App-V 5.0 を使用して再作成する必要があります。
App-V 5.0 パッケージ アクセラレータを使用して、新しい仮想アプリケーション パッケージを自動的に生成することができます。作成したパッケージ アクセラレータは、再利用したり共有したりすることができます。
場合によっては、パッケージ アクセラレータを作成するときに、Sequencer を実行しているコンピューターのローカルにアプリケーションをインストールする必要があります。この場合、まずインストール メディアを使用してパッケージ アクセラレータを作成します。複数の不足しているファイルが必要な場合、Sequencer を実行しているコンピューターのローカルにアプリケーションをインストールしてから、パッケージ アクセラレータを作成する必要があります。
作成したパッケージ アクセラレータは、再利用したり共有したりすることができます。App-V 5.0 パッケージ アクセラレータの作成は、上級ユーザーが行う操作です。パッケージ アクセラレータには、パスワードとユーザー固有の情報が含まれていることがあります。そのため、パッケージ アクセラレータ、および関連するインストール メディアを安全な場所に保存する必要があります。また、パッケージ アクセラレータを作成した後でデジタル署名を付け、App-V 5.0 パッケージ アクセラレータが適用されるときに発行元が検証されるようにする必要があります。
APP-V パッケージ アクセラレータを使用して仮想アプリケーション パッケージを作成する方法
Sequencer のエラー レポート
App-V 5.0 Sequencer は、シーケンス中によく発生するシーケンス問題を検出することができます。シーケンス ウィザードの最後の [インストール レポート] ページには、問題の重大度に応じて、[エラー]、[警告]、[情報] に分類された診断メッセージが表示されます。
Windows イベント ビューアーを使用して、シーケンスのエラーに関する追加情報を参照できます。
APP-V への提案がございますか
。こちらから提案を追加するか、提案に投票してください。App V の問題については、「APP-V に関する TechNet フォーラム」を利用してください。
App-V 5.0 Sequencer に関するその他のリソース
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MDOP の詳細については、TechNet ライブラリを参照してください。TechNet Wiki では、トラブルシューティング情報を検索できます。また、Microsoft の Facebook と Twitter をフォローすることをお勧めします。
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