Exchange 2007 SP1 または SP2 へのクラスタ化メールボックス サーバーのアップグレード
適用先: Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1
トピックの最終更新日: 2011-11-14
クラスタ化メールボックス サーバーは、比較的単純な手順で、Microsoft Exchange Server 2007 RTM (Release To Manufacturing) 版から Exchange Server 2007 Service Pack 1 (SP1) または Exchange 2007 Service Pack 2 (SP2) にアップグレードできます。ただし、アップグレードに関して検討および計画の必要がある特定の項目があります。クラスタ化メールボックス サーバーを Exchange 2007 SP1 または SP2 にアップグレードする前に、以下について慎重に検討することをお勧めします。
Upgrading a clustered mailbox server to Windows Server 2008 Exchange 2007 SP1 および SP2 では、Windows Server 2008 で動作するクラスタ化メールボックス サーバーのサポートを含む、Windows Server 2008 のサポートが導入されます。ただし、Windows Server 2008 フェールオーバー クラスタ (Microsoft Windows の以前のバージョンでサーバー クラスタと呼ばれていた) に大幅な変更を行った結果、Windows Server 2003 から Windows Server 2008 へのフェールオーバー クラスタのアップグレードが展開できなくなります。そのため、Windows Server 2003 から Windows Server 2008 にクラスタ化メールボックス サーバーをアップグレードするには、すべてのノードに対してシステムを動作させながら、Windows Server 2008 を使用して新しいフェールオーバー クラスタを構築し、古いクラスタから新しいクラスタにデータを移行する必要があります。メールボックスの移動ウィザードまたは Move-Mailbox コマンドレットを使用すると、古いクラスタから新しいクラスタにメールボックスを移動できます。さらに、パブリック フォルダのレプリケーションを使用すると、古いクラスタから新しいクラスタにパブリック フォルダのデータを移動できます。メールボックスの移行の詳細については、「メールボックスの移動」を参照してください。パブリック フォルダ データの移行の詳細については、「パブリック フォルダ データベースの内容を別のパブリック フォルダ データベースに移動する方法」を参照してください。
クラスタの前提条件を満たす Exchange 2007 SP1 または SP2 にアップグレードする前に、クラスタ ノードが Windows Server 2003 Service Pack 2 (SP2) を実行中である必要があります。クラスタを Windows Server 2003 SP2 にアップグレードする方法の詳細については、Windows Server 2003 Service Pack 2 のインストールおよびデプロイメント ガイドに関するページを参照してください (このサイトは英語の場合があります)。
パッシブ ノードを正しくアップグレードする パッシブ ノードのみを Exchange 2007 SP1 または SP2 にアップグレードすることができます。Exchange 2007 のパッシブ ノードは、クラスタ化メールボックス サーバーを含まないフェールオーバー クラスタのノードです。このノードに、既定のクラスタ グループ、Exchange に関連しないその他のリソース グループなど、他のクラスタ グループをいずれも含めないことをお勧めします。パッシブ ノードを Exchange 2007 SP1 または SP2 にアップグレードする前に、これらのグループを別のノード (アクティブ ノードなど) に手動で移動する必要があります。コマンド ラインの次のコマンドを使用して、既定のクラスタ グループを別のノードに移動します。
Cluster.exe group "Cluster Group" /move:<NodeName>
Exchange 2007 SP1 または SP2 のアップグレード手順を実行する クラスタ化メールボックス サーバーは、コマンド ライン バージョンのセットアップ (Setup.com) によってのみ、Exchange 2007 SP1 または SP2 にアップグレードすることができます。グラフィカル ユーザー インターフェイス (GUI) バージョンのセットアップ (Exchange Server 2007 セットアップ ウィザードまたは Setup.exe とも呼ばれる) を使用して、既存のクラスタ化メールボックス サーバーを Exchange 2007 SP1 または SP2 にアップグレードすることはできません。Exchange Server 2007 セットアップ ウィザードは、新しいクラスタ化メールボックス サーバーの作成にのみ使用することができます。
Exchange 2007 SP1 および SP2 のアップグレード手順でダウンタイムを計画する Exchange 2007 は、Exchange 2007 RTM から Exchange 2007 SP1 または SP2 にクラスタ化メールボックス サーバーをアップグレードする展開をサポートしています。ただし、これらのアップグレードはクラスタ化メールボックス サーバーの一部のダウンタイムに影響を与えます。ダウンタイム量は、各組織がクラスタ全体に対してアップグレード手順を実行するのにかかる時間に応じて変化します。ダウンタイムは手順の半ばに始まります。手順は以下のように実行されます。
- 最初にパッシブ ノードをアップグレードします。クラスタ連続レプリケーション (CCR) 環境には常に唯一のパッシブ ノードが含まれていますが、シングル コピー クラスタ (SCC) 環境には複数のパッシブ ノードが含まれることがあります。パッシブ ノードのアップグレード中、クラスタ化メールボックス サーバーはオンラインのままで、クライアントにとって使用可能である可能性があります。
- すべてのパッシブ ノードを Exchange 2007 SP1 または SP2 にアップグレードした後に、クラスタ化メールボックス サーバーをオフラインにし、アクティブ ノードからクラスタ内のアップグレードされたパッシブ ノードに移動する必要があります。
- 次に、元のアクティブ ノード (ここでは、パッシブ ノード) は Exchange 2007 SP1 または SP2 にアップグレードされます。
注 : 最初のパッシブ ノードを Exchange 2007 SP1 または SP2 にアップグレードした後に、クラスタ化メールボックス サーバーをアップグレードし、アップグレードされたパッシブ ノードでオンラインにすることができます。これにより、パッシブ ノードはアクティブ ノードになります。 更新プログラムのロールアップの削除と Exchange 2007 SP1 および SP2 Exchange 2007 用の 1 つまたは複数の更新プログラムのロールアップがインストールされているコンピュータに Exchange 2007 SP1 または SP2 をインストールする場合、SP1 または SP2 がシステムにインストールされる前に、更新プログラムのロールアップが Exchange 2007 SP1 または SP2 のセットアップによって自動的に削除されます。Exchange 2007 SP1 または SP2 をインストールする前に、更新プログラムのロールアップを手動で削除する必要はありません。
クラスタ化メールボックス サーバーを Exchange 2007 SP1 または SP2 にアップグレードする方法の詳細については、次のトピックを参照してください。
- CCR 環境内のクラスタ化メールボックス サーバーを Exchange 2007 SP1 または SP2 にアップグレードする方法
- シングル コピー クラスタを Exchange 2007 SP1 または SP2 にアップグレードする方法
Exchange 2007 RTM、Exchange 2007 SP1、または Exchange 2007 SP2 を実行しているクラスタ化メールボックス サーバーの管理
Exchange 管理ツール (Exchange 管理コンソールおよび Exchange 管理シェル) の Exchange 2007 RTM バージョンを使用して、Windows Server 2003 または Windows XP を実行しているコンピュータから Exchange 2007 RTM を実行しているクラスタ化メールボックス サーバーを管理することができます。
Exchange 2007 SP1 または SP2 バージョンの Exchange 管理ツールを使用して、Windows Server 2008、Windows Server 2003、または Windows XP を実行しているコンピュータから Exchange 2007 SP1 または SP2 を実行しているクラスタ化メールボックス サーバーを管理することができます。現在のところ、Windows Vista を使用してクラスタ化メールボックス サーバーをリモート管理することはできません。Windows Vista からのリモート管理は、次回の Windows Vista 用の管理ツール パックで可能になる予定です。Exchange 2007 SP1 または SP2 を実行しているスタンド アロン コンピュータは Windows Vista から管理できます。
クラスタ サービスでは、異なるオペレーティング システム間でのフェールオーバー クラスタのリモート管理にクラスタ管理ツールを使用できないので、異なるオペレーティング システム間でのフェールオーバー クラスタのリモート管理に Exchange 管理ツールを使用することはできません。たとえば、以下の操作は行えません。
- Windows Server 2003 または Windows XP を実行しているコンピュータから Windows Server 2008 を実行しているクラスタ化メールボックス サーバーを管理すること。
- Windows Server 2008 を実行しているコンピュータから Windows Server 2003 を実行しているクラスタ化メールボックス サーバーを管理すること。
前述の制限だけでなく、同じコンピュータに異なるオペレーティング システムのバージョンのクラスタ管理ツールをインストールすることもできません。そのため、Exchange 環境で複数のクライアントおよびオペレーティング システムを実行している場合、リモート デスクトップ プロトコル ツールなどの代わりの方法を使用して、Exchange サーバーの一部またはすべてを管理する必要があることがあります。クラスタ管理ツールは、Windows Server 2003 または Windows XP に適切なバージョンの管理ツール パック (Adminpak.msi) をインストールすることによりインストールできます。Windows Server 2003 または Windows XP の Adminpak.msi の詳細については、マイクロソフト サポート技術情報の記事 304718「Windows XP Professional ベースのクライアントまたは Windows Server 2003 ベースのクライアントを使用して Windows サーバー ベースのコンピュータをリモート管理する方法」を参照してください。
Windows Server 2008 にフェールオーバー クラスタ管理ツールをインストールするには、コマンド プロンプト ウィンドウを開き、次のコマンドを実行します。
ServerManagerCmd -I RSAT-Clustering
詳細情報
Exchange 2007 SP1 および SP2 でサポートされている Windows Server 2008 の高可用性機能の詳細については、「Exchange 2007 SP1 の高可用性新機能」を参照してください。
Windows Server 2003 サーバー クラスタから Windows Server 2008 フェールオーバー クラスタへの移行プロセスの詳細については、Windows Server 2008 製品ドキュメントの「フェールオーバー クラスタ」セクションの「Windows Server 2003 を実行しているクラスタからの移行プロセスについて」を参照してください。
Windows Server 2008 には、強化された機能や名前を変更された機能が含まれます。Windows Server 2008 と Windows Server 2003 間の機能の変更に関する詳細については、「用語の変更」を参照してください。
参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。