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中央管理サーバーの別の SQL Server への移動

 

トピックの最終更新日: 2014-03-18

フロントエンド サーバーまたはフロントエンド プールを削除するときは、その前に、中央管理サーバーを別のフロントエンド サーバーまたはフロントエンド プールに移動することが必要な場合があります。

中央管理サーバーは単一マスター/複数レプリカのシステムであり、データベースの読み取り/書き込みコピーが、中央管理サーバーを含むフロントエンド サーバーによって保持されています (つまり、Standard Edition に対して併置された SQL Server または Enterprise Edition の専用 SQL Server)。中央管理サーバーを含むフロントエンド サーバーなどのトポロジ内に存在する各コンピューターは、中央管理ストア データの読み取り専用コピーを、セットアップと展開の間にコンピューターにインストールされる SQL Server データベース (既定の名前は RTCLOCAL) に保持しています。ローカル データベースは、すべてのコンピューターでサービスとして実行している Lync Server レプリカ レプリケーター エージェントによって、レプリカの更新を受け取ります。中央管理サーバーおよびローカル レプリカの実際のデータベースの名前は XDS であり、xds.mdf および xds.ldf ファイルで構成されます。マスター データベースの場所は、Active Directory ドメイン サービス (AD DS) 内のサービス コントロール ポイント (SCP) によって参照されます。中央管理サーバーを使用して Lync Server 2010 を管理および構成するすべてのツールは、SCP を使用して中央管理ストアを特定します。

中央管理サーバーを正常に移動した後は、中央管理サーバー データベースを元のフロントエンド サーバーから削除する必要があります。

データベースを現在の SQL Server データベースから移動先の SQL Server データベースに移動し、新しい中央管理サーバーの場所を指し示すように SCP を更新するには、Lync Server 管理シェルで Windows PowerShell のコマンドレット Move-CsManagementServer を使用します。

ADSIEdit を使用すると、Active Directory ドメイン サービス (AD DS) での中央管理ストアの定義の現在の状態を表示できます。SCP の場所は、構成コンテナー内の、識別名 (DN) CN=Topology Settings, CN=RTC Service, DC=<ドメイン> の下です。CN=Topology Settings の下は msRTCSIP-GlobalTopologySetting クラスのグローバル一意 ID で名前を付けられたオブジェクトです。GUID を右クリックし、[プロパティ] をクリックします。中央管理サーバーは、msRTCSIP-BackEndServer という名前の属性において、SQL Server の完全修飾ドメイン名 (FQDN) とインスタンスの形式で定義されています (例: sqlbe.contoso.net\rtc)。msRTCSIP-GlobalTopologySetting 属性の手動での更新は行わないでください。

warning警告:
中央管理サーバーを移動するプロセスは簡単なタスクではなく、中央管理サーバーを移動する前に慎重にプロセスを計画する必要があります。移動を行っている間はサービスの中断が発生し、データが失われる可能性があります。中央管理サーバーの移動は、どうしても必要な場合にのみ行う必要があります。

中央管理サーバーを移動する前のフロントエンド サーバーの準備

中央管理サーバーを移動する前に、ここで説明する手順を使用して、フロントエンド サーバーを準備します。

Enterprise Edition のフロントエンド プールを準備するには

  1. 中央管理サーバーを再配置する移動先の Enterprise Edition フロントエンド プールでの作業: Lync Server 管理シェルがインストールされているコンピューターに、RTCUniversalServerAdmins グループのメンバーとして、または「セットアップのアクセス許可の委任」に説明されている必要なユーザー権限を使用してログオンします。また、中央管理ストアをインストールするデータベースに対して、SQL Server データベースの sysadmin ユーザーの権限とアクセス許可も必要です。

    important重要:
    この手順では、フロントエンド プールの設定に関するガイダンスは示しません。移動先のフロントエンド プールを設定する必要がある場合は、「フロント エンド サーバーおよびフロント エンド プールの設定」を参照してください。
  2. Lync Server 管理シェルを以下の手順で起動します。[スタート]、[すべてのプログラム]、[Microsoft Lync Server 2010]、[Lync Server 管理シェル] の順にクリックします。

  3. 移動先の SQL Server データベースに新しい中央管理ストアを作成するには、Lync Server 管理シェルで次のように入力します。

    Install-CsDatabase -CentralManagementDatabase -SQLServerFQDN <FQDN of your SQL Server> -SQLInstanceName <name of instance>
    
    important重要:
    Install-CsDatabase は、使用可能なオプションが多数ある複雑なコマンドです。最初に「Lync Server 2010 用 SQL Server の構成」を読み、オプションとそれを選択した場合の影響について理解しておく必要があります。
  4. [Lync Server フロントエンド] サービスのステータスが [開始] であることを確認します。

Standard Edition のフロントエンド サーバーを準備するには

  1. 中央管理サーバーを再配置する移動先の Standard Edition フロントエンド サーバーでの作業: Lync Server 管理シェルがインストールされているコンピューターに、RTCUniversalServerAdmins グループのメンバーとして、または「セットアップのアクセス許可の委任」に説明されている必要なユーザー権限を使用してログオンします。

  2. Lync Server 展開ウィザードを次のようにして起動します。[スタート] ボタンをクリックし、[すべてのプログラム]、[Microsoft Lync Server 2010]、[Lync Server 展開ウィザード] の順にクリックします。

  3. Lync Server 展開ウィザードで、[最初の Standard Edition サーバーの準備] をクリックします。

  4. [コマンドの実行] ページで、Microsoft SQL Server 2008 Express データベース ソフトウェアが中央管理サーバーとしてインストールされます。 必要なファイアウォール規則が作成されます。 データベースと必要なソフトウェアのインストールが完了したら、[完了] をクリックします。

    note注:
    最初のインストールには少し時間がかかります。この際、コマンド出力の概要画面が更新されることはありません。 これは、SQL Server Express がインストールされるためです。 データベースのインストールの進行状況を監視する必要がある場合は、タスク マネージャーを使用してセットアップを監視してください。
  5. 移動先の Standard Edition フロントエンド サーバーに新しい中央管理ストアを作成するには、Lync Server 管理シェルで次のように入力します。

    Install-CsDatabase -CentralManagementDatabase -SQLServerFQDN <FQDN of your Standard Edition Server> -SQLInstanceName <name of instance - RTC by default>
    
    important重要:
    Install-CsDatabase は、使用可能なオプションが多数ある複雑なコマンドです。最初に「Lync Server 2010 用 SQL Server の構成」を読み、オプションとそれを選択した場合の影響について理解しておく必要があります。
  6. [Lync Server フロントエンド] サービスのステータスが [開始] であることを確認します。

中央管理サーバーを別のプールまたはフロントエンド サーバーに移動するには

  1. 中央管理サーバーにする移動先サーバーでの作業 (前のセクションの手順を使用して準備したサーバーまたはプール): Lync Server 管理シェルがインストールされているコンピューターに、RTCUniversalServerAdmins グループのメンバーとして、または「セットアップのアクセス許可の委任」に説明されている必要なユーザー権限を使用してログオンします。また、SQL Server データベース管理者ユーザーの権限とアクセス許可も必要です。

  2. Lync Server 管理シェルを以下の手順で起動します。[スタート]、[すべてのプログラム]、[Microsoft Lync Server 2010]、[Lync Server 管理シェル] の順にクリックします。

  3. Lync Server 管理シェルで、次のように入力します。

    Enable-CsTopology
    
    warning警告:
    Enable-CsTopology が成功しない場合は、コマンドの実行を妨げている問題を解決してから続行してください。Enable-CsTopology が成功しない場合、移動は失敗し、トポロジが、中央管理ストアが存在しない状態のままになる可能性があります。
  4. 中央管理ストアを移動する先のフロントエンド サーバーまたはフロントエンド プールの Lync Server 管理シェルで、次のように入力します。

    Move-CsManagementServer
    
  5. Lync Server 管理シェルに、現在の状態と提案された状態の、サーバー、ファイル ストア、データベース ストア、およびサービス接続ポイントが表示されます。この情報を注意深く読み、移動元と移動先が意図したものであることを確認します。続行するには「Y」を入力し、移動を中止するには「N」を入力します。

  6. Move-CsManagementServer コマンドで表示される警告またはエラーを確認して解決します。

  7. 中央管理サーバーを再配置した移動先サーバーで、Lync Server 展開ウィザードを開始します。[スタート] ボタンをクリックし、[すべてのプログラム]、[Microsoft Lync Server 2010]、[Lync Server 展開ウィザード] の順にクリックします。

  8. Lync Server 展開ウィザードで、[Lync Server システムのインストールまたは更新] 、[ステップ 2: Lync Server コンポーネントのセットアップまたは削除]、[次へ] の順にクリックし、概要を確認し、[完了] をクリックします。

  9. 中央管理ストアの移動元サーバーで、Lync Server 展開ウィザードを開始します。[スタート] ボタンをクリックし、[すべてのプログラム]、[Microsoft Lync Server 2010]、[Lync Server 展開ウィザード] の順にクリックします。

  10. Lync Server 展開ウィザードで、[Lync Server システムのインストールまたは更新] 、[ステップ 2: Lync Server コンポーネントのセットアップまたは削除]、[次へ] の順にクリックし、概要を確認し、[完了] をクリックします。

  11. Lync Server を再起動します。

  12. 新しい中央管理ストアでレプリケーションが行われていることを確認するには、Lync Server 管理シェルで次のように入力します。

    Get-CsManagementStoreReplicationStatus
    
    note注:
    レプリケーションが現在のすべてのレプリカを更新するには、少し時間がかかる場合があります。

移動後に中央管理ストアのファイルを削除するには

  1. 中央管理ストアの移動元サーバーで、Lync Server 管理シェルがインストールされているコンピューターに、RTCUniversalServerAdmins グループのメンバーとして、または「セットアップのアクセス許可の委任」に説明されている必要なユーザー権限を使用してログオンします。SQL Server データベース管理者ユーザーの権限とアクセス許可も必要です。

  2. Lync Server 管理シェルを以下の手順で起動します。[スタート]、[すべてのプログラム]、[Microsoft Lync Server 2010]、[Lync Server 管理シェル] の順にクリックします。

    warning警告:
    レプリケーションが完了して安定するまで、以前のデータベース ファイルを削除しないでください。レプリケーションが完了する前にファイルを削除すると、レプリケーション プロセスが中断し、新しく移動した中央管理サーバーが不明状態のままになります。レプリケーションの状態を確認するには、Get-CsManagementStoreReplicationStatus コマンドレットを使用します。
  3. 中央管理ストア データベースを移動元の中央管理サーバーから削除するには、次のように入力します。

    Uninstall-CsDatabase -CentralManagementDatabase -SqlServerFqdn <FQDN of SQL Server> -SqlInstanceName <Name of source server>
    

    次に例を示します。

    Uninstall-CsDatabase -CentralManagementDatabase -SqlServerFqdn sqlbe.contoso.net -SqlInstanceName rtc
    

    <FQDN of SQL Server> は、中央管理ストアがもともと配置されていた移動元のサーバーであり、Enterprise Edition の展開でのバックエンド サーバーまたは Standard Edition サーバーの FQDN です。InstanceName は、中央管理ストアが SQL Server の指定したインスタンス内にあったことを示します。

    note注:
    この手順では、Lync Server の展開の構成を保持している主要なデータベース ファイルである xds.mdf と ldf、および場所情報サービスのデータを保持している lis.mdf および .ldf ファイルを削除します。古いデータベース ファイルを削除せず、中央管理ストアを以前の場所に戻そうとすると、XDS の情報が古く、XDS データ ファイルを削除するまで中央管理ストアの移動は失敗することを示すエラーが表示されます。