Windows 8: 独自の導入計画を作成する
現在使用している Windows OS のバージョンや移行計画のどの段階にあるかに関係なく、Windows 8 は、お使いのインフラストラクチャに適合できます。
Stella Chernyak
さまざまなシナリオや異なるビジネス上の目的のために、あらゆる規模の企業で Windows 8 の導入が計画されています。多くの企業は、PC の生産性とタブレットの利便性を社員に提供できるデバイスの展開に意欲的に取り組んでいます。また、特定のビジネス プロセスの向上に役立つアプリを開発している企業もあります。
多くの企業は、強化されたセキュリティや高速なパフォーマンスなど、向上した基本的な機能を利用することに興味を持っています。また、Windows 8 によって、どれだけモバイル ユーザーの生産性が向上するかに注目している企業もあります。
IT の意思決定者は、タブレットやアプリからモバイル ワーカーのサポートに至るまで、さまざまな理由で Windows 8 の導入を検討していますが、すべての IT の意思決定者が、移行計画に取り組んでいます。Windows 8 の強みの 1 つは、Windows 7 との高い互換性です。そのため、Windows 8 のデバイスは Windows 7 の環境に簡単に導入できます。
それでは、皆さんの環境で採用すべき OS の導入計画について説明しましょう。これは、エンド ユーザーのモビリティ、クラウド ベースのテクノロジ、デバイスの普及、および個人所有 PC の業務利用 (BYOD) のシナリオを管理する際に考慮すべき重要な問題です。皆さんの環境に合った独自の導入計画を考える必要があります。現在のテクノロジのトレンドとして、よりアジャイルな OS の導入アプローチが必要であることは、導入計画を考えるうえで考慮すべき明らかな要素の 1 つです。この記事では、皆さんの環境に最適な Windows の展開計画を作成するのに役立つ考慮事項を現在お使いの Windows のバージョンごとに紹介します。
Windows 7 を展開中
既に Windows 7 の展開を始めている場合は、そのまま展開を続けてください。また、できるだけ早くすべての Windows XP を新しいバージョンの Windows に移行する必要もあります。Windows XP のサポートは、2014 年 4 月 8 日に終了します。
Windows 8 と Windows 7 の高い互換性を活用できます。Windows 8 の機能の恩恵を最も受けることができる社員とユーザー グループを特定し、まずこのようなユーザーを対象に Windows 8 を展開します。また、このようなユーザーには Windows 7 と同時に Windows 8 を展開することもできます。次のシナリオでは、Windows 8 の導入により、ほとんどの企業がすぐに恩恵を受けられます。
- Windows 8 の開発プラットフォームを調査し、Windows 8 アプリを開発および試用する。
- タブレットやその他のデバイスで Windows 8 を使用して、タブレット ソリューションが必要な場合にモビリティとサポート シナリオを実現にする。
- 職場で Windows 8 の BYOD シナリオのサポートを準備する。
もちろん、Windows 8 には、Windows To Go、DirectAccess、強化されたセキュリティ機能、仮想デスクトップ インフラストラクチャ (VDI) の機能強化など、企業が Windows 7 と並行して Windows 8 を導入し始めるのに適した他のシナリオを実現するのに役立つ機能は他にもあります。
Windows 7 の展開完了
Windows 7 の導入が完了している企業は、Windows 8 の恩恵をすぐに受けられる最も良い状態にあります。Windows 8 と Windows 7 の高い互換性により、必要なアプリケーションのテストと修正の量が最小限に抑えられます。
多くの企業が現在所有している Windows 7 のアプリとハードウェアは、Windows 8 と互換性があります。そのため、企業は、ビジネスのニーズに最適な Windows 8 のシナリオの評価と採用に重点を置きやすくなりました。主要なビジネス シナリオでは、今すぐ Windows 7 と並行して Windows 8 を導入することについて評価することをお勧めします。
Windows XP または Windows 7 に移行している初期段階
まだ移行していない場合、今こそ Windows XP から新しい Windows への移行を開始するときです。2014 年 4 月に Windows XP を実行している企業は、サポートされていないソフトウェアを実行するリスクに直面します。また、多くの新しいハードウェアのオプションでは、Windows XP が OS としてサポートされなくなるでしょう。
業務アプリケーションを Windows XP から移行する準備には、かなりの時間がかかります。そのため、まだ準備を始めていない場合は、すぐに準備を始めることをお勧めします。準備の効率を高めて、最も適切な展開計画を立てるには、まず、既存のアプリのインベントリを集めることが重要です。ビジネスにとって重要なアプリや社内の多くのユーザーにとって重要なアプリのテストに重点を置くことができるように、アプリケーションのポートフォリオを合理化します。
重要なアプリのテストに重点を置くことで、Windows 7 と Windows 8 でアプリのテストを実施するのに必要な時間を削減できます。また、特定の Windows 8 の機能の恩恵を受ける部門やビジネス ユーザーのグループを判断する必要もあります。このような調査を行うと、しばらくの間 Windows 7 を使用しても差し支えのないユーザーを判断できます。
環境やビジネス固有のニーズにより、OS の移行では個別のアプローチを採用する必要があります。会社全体で Windows 8 に移行することが最適なオプションになる場合があります。まず Windows 7 に移行するのが最適な場合もあれば、モバイル ユーザーには Windows 8 タブレット、従来の設置型デバイスを使用するユーザーには Windows 7 を展開するというように、主要なシナリオに対応するために、Windows7 と Windows 8 を並行して使用するのが最適な場合もあります。Windows 7 と Windows 8 の高いレベルの互換性により、この展開オプションでは、企業のニーズに対して最も高いレベルで OS の柔軟性を実現できます。
全体的なアプローチは企業の個々の状況によって変わります。企業の規模や現在使用中のアプリの数など、多くの要因について考慮する必要があります。そのため、アプリのテストを合理化することで、導入計画で十分なアジリティを実現することが重要です。あらゆる新しいテクノロジと同様に、本格的に移行が始まったときと、移行が完了したときに、社員をどのように教育するかについても計画を立てる必要があります。
繰り返しになりますが、まだ Windows XP を実行している場合、サポート対象外の OS を実行している状態を避けるため、Windows XP から迅速に新しい Windows に移行することに重点を置く必要があります。Windows 7 と並行して Windows 8 を展開する環境に移行するには今が最適なタイミングです。
Windows Vista
さまざまなイテレーションの Windows Vista を使用している場合は、今すぐ Windows 8 の新しいアプリの開発と試用について検討することをお勧めします。メイン OS として Windows Vista を使用している場合は、Windows 8 への完全な移行計画を立てることをお勧めします。Windows Vista は 2017 年まで完全にサポートされますが、Windows 8 を導入すると、企業はモビリティ、セキュリティ、および生産性の面で大きな恩恵を受けられます。
この記事で紹介した推奨事項は、Windows 8 導入計画に弾みをつけるのに役立つでしょう。導入計画を作成する際は、Windows 展開ツールとガイダンスに関する詳細情報や Windows 8 のエンタープライズクラスの機能と特典に関する詳細情報を参照してください。
Stella Chernyak は、Windows Commercial チームのプロダクト マーケティング シニア ディレクターで、エンタープライズ カスタマー向け Windows クライアント ソリューションのマーケティングを担当しています。Chernyak は 1999 年に Windows チームに加わり、Windows 2000 および Windows XP の発売キャンペーンに携わりました。ウォートン ビジネス スクールで M.B.A. を取得し、モスクワ物理工科大学で理学修士号を取得しました。