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"作業項目の履歴" パースペクティブ

更新 : 2007 年 11 月

"現在の作業項目" パースペクティブでは、サーバー上の作業項目の現在の状態に基づくクエリとレポートが提供されます。これに対して、"作業項目の履歴" パースペクティブでは、作業項目に関する時系列の履歴情報のビューが提供されます。このパースペクティブは、作業項目の履歴リレーショナル テーブルに基づいています。このパースペクティブを使用することで、次のような質問に答えることができます。

  • 前回のイテレーションで発生した日単位のアクティブなバグの総数。

  • 前年の月単位のアクティブなシナリオの数。

  • 先月発生した日単位の各優先度のバグの数。

これらの質問に対しては、ある特定の時点における合計を使用する必要があります。このような種類の質問に対しては、"現在の作業項目数" メジャーを使用します。このメジャーは計算されるメジャーであり、"作業項目" パースペクティブに含まれます。

ms244678.alert_note(ja-jp,VS.90).gifメモ :

Team Foundation キューブでパースペクティブを使用するには、データ層で Microsoft SQL Server 2005 Enterprise Edition または SQL Server 2005 Enterprise (64) Edition を使用する必要があります。Team Foundation Server に含まれる SQL Server 2005 Standard Edition は、パースペクティブの使用をサポートしていません。SQL Server 2005 Standard Edition の使用時には、すべてのパースペクティブのキューブ要素は Team System のデータ キューブに存在します。

"作業項目" パースペクティブ内の履歴情報を使用して実行できる別の種類のクエリでは、特定の日のアクティビティ (特定の日の項目の総数ではない) に関する質問に答えることができます。"状態の変更数" メジャーおよび "リビジョン数" メジャーを使用すると、次のような質問に答えることができます。

  • 先月終了した日単位のバグの数。

  • 前回のマイルストーンで再アクティブ化されたバグの数。

  • 特定の週またはイテレーションで、あるユーザー セットが終了した優先度 1 のバグの数。

  • Issue フラグが設定されていた QA タスクで、今年終了した QA タスクの週単位の数。

これらのメジャーとは別に、プロセス テンプレート内でメジャーの役割を果たすことが指定されているフィールド (つまり、reportable="measure") によって、計算されるメジャーが新しく作成され、"現在の作業項目数" メジャーのような、ある時点でのレポートが可能になります。たとえば、MSF for Agile Software Development プロセス テンプレートでは、アクティブ作業、残存作業、および基準作業のスケジューリング フィールドをメジャーとして宣言します。これらのメジャーによって、Microsoft Project との統合を使用するプロジェクトで、レポートを実行できます。MSF for Agile Software Development プロセス テンプレートに基づくプロジェクトには、これらの値のメジャーが含まれます。これらのメジャーを使用することで、次のような質問に答えることができます。

  • 先月から持ち越している作業項目のセットを持つ未解決の残存作業の量。

  • 一連の開発者によって完了した作業の量。

  • 特定の日以降に作成された追加作業の量。

メジャー

"作業項目の履歴" パースペクティブに含まれるメジャーを次の表に示します。ここに示されているスケジューリング メジャーは、既定のプロセス テンプレートに含まれています。キューブ内のメジャーがプロセス テンプレート内のフィールドに基づく場合、キューブ内のメジャーは元のフィールドの参照名を使用しますが、Microsoft Excel や他のレポート ツールでキューブを参照すると、メジャー名のローカライズされた翻訳が表示されます。

メジャー

説明

累計基準作業

選択されたディメンションの基準計画からの作業時間。このメジャーの参照名は Microsoft_VSTS_Scheduling_BaselineWork です。

累計実績作業

選択されたディメンションに対して実行された作業時間。このメジャーの参照名は Microsoft_VSTS_Scheduling_CompletedWork です。

累積数

選択されたディメンションに対して発生した作業項目のリビジョンの数。

累計残存作業

選択された作業項目を完了するための残りの作業時間。このメジャーの参照名は Microsoft_VSTS_Scheduling_RemainingWork です。

リビジョン数

発生した作業項目のリビジョンの数。これは、作業項目の詳細な履歴を表示するときに役立ちます。たとえば、"リビジョン数" を返し、"変更者" ディメンションでスライスされ、日付範囲でフィルタ処理されるクエリは、各ユーザーが作業項目を変更した回数を表示します。

このメジャーは、特定の作業項目の詳細な履歴を表示する場合も役立ちます。

状態の変更数

作業項目の状態が変化した回数。"作業項目の履歴" パースペクティブ内のディメンションと共に使用すると、特定の期間の特定の区分内のバグ アクティブ化の結果を表示できます。

作業項目 URL

作業項目の URL (Uniform Resource Locator)。URL は、Web ブラウザがインターネット リソースを見つけるときに使用されるプロトコルを指定するものであり、リソースが存在するサーバーの名前と、場合によってはリソースのパスを含みます。

非表示メジャー

ある時点の合計を求める計算を行うために、さまざまな非表示メジャーが使用されます。このような非表示メジャーは、Microsoft Excel やレポート デザイナなどのクライアント ツールに対しては公開されませんが、配置されたキューブのキューブ定義には存在します。非表示メジャーは、特定の日時のメジャーの合計を集計する MDX LastChild 関数を使用して計算を実行します。

メジャー

説明

LastChild レコード数

"作業項目カウント" の計算で使用される非表示メジャー。

LastChild Microsoft_VSTS_Scheduling_RemainingWork

"残存作業" の計算で使用される非表示メジャー。

LastChild Microsoft_VSTS_Scheduling_CompletedWork

"実績作業" の計算で使用される非表示メジャー。

LastChild Microsoft_VSTS_Scheduling_BaselineWork

"基準作業" の計算で使用される非表示メジャー。

共有ディメンション

"作業項目の履歴" パースペクティブに含まれる共有ディメンションを次の表に示します。これらの各共有ディメンション別にメジャーを集計できます。[ディメンションの使用] 列は、"作業項目の履歴" パースペクティブ内のメジャーに関係するディメンションの名前を示します。すべての作業項目に対して、Team System キューブで定義されるディメンションの使用の共通セットがあります。このようなディメンションの使用は、[発生元] 列に "Common" として示されます。このような共通のディメンションの使用の他に、プロセス テンプレート定義の中でフィールドを "reportable" と指定することによって、新しいディメンションの使用を定義できます。オプションの reportable 属性およびその値を使用する方法の詳細については、「作業項目の種類フィールドの定義」を参照してください。MSF プロセス テンプレートには、次の表の [発生元] 列の CMMI、Agile、または Common (属性が両方で共通) の値で指定される、このようなディメンションが含まれています。

共有ディメンションの詳細については、「共有ディメンション」を参照してください。

ディメンションの使用

ディメンション

発生元

説明

チーム プロジェクト

チーム プロジェクト

Common

作業項目に関連するチーム プロジェクト。

区分

区分

Common

作業項目が分類される区分。

イテレーション

イテレーション

Common

作業項目が分類されるイテレーション。

日付

日付

Common

作業項目が変更された日付。

担当者

エイリアス

Common

作業項目が割り当てられるユーザーの別名。

担当者

Common

作業項目が割り当てられるユーザーの名前。

変更者

エイリアス

Common

作業項目を変更したユーザーの別名。

変更者

Common

作業項目を変更したユーザーの名前。

作成者

エイリアス

Common

作業項目を作成したユーザーの別名。

作成者

Common

作業項目を作成したユーザーの名前。

変更セット

変更セット

Common

フィルタ条件を満たす作業項目のセットに関連する変更セットのセット。

変更セット ID

変更セット

Common

フィルタ条件を満たす作業項目のセットに関連する変更セットの ID。

発見されたビルド

ビルド

Common

バグが見つかったビルド。

統合ビルド

ビルド

Common

バグが修正されたビルド。

目標とする解決日

日付

CMMI

作業項目の解決目標の日時。

提案された日付

日付

CMMI

作業項目が提案された日付。

"作業項目" ディメンション

"作業項目" ディメンションに含まれる属性を次の表に示します。このディメンションには、サーバーに配置されるすべての作業項目のすべての属性が含まれています。各作業項目の定義には共通フィールドのセットが含まれており、これらのフィールドは、常に "作業項目" ディメンション内の属性になります。

属性

発生元

説明

ID

Common

作業項目が作成されたときに割り当てられる作業項目の ID。

前の状態

Common

作業項目の前の状態。

理由

Common

作業項目の状態が変化した理由。

バージョン

Common

作業項目のリビジョン。

状態

Common

作業項目の状態。

作業項目の種類

Common

作業項目の種類。

タイトル

Common

作業項目のタイトル。

アクティブ化した人

Common

作業項目を最初にアクティブ化したユーザー。

終了者

Common

作業項目を終了したユーザー。

CMMI 見積もり

Common

作業が完了するまでの見積もり時間数。

コミット済み

Common

要件がコミットされたかどうかを示すフラグ。

作業分野

Common

タスクが属する作業分野。

終了基準

Common

このシナリオが、イテレーションの終了条件としてトラックされるかどうかを決定するフラグ。

懸案事項

Common

バグを懸案事項としてマークするなど、作業項目を強調するときに使用します。

概算見積もり (日)

Agile

タスクを完了するための労働日数のおおよその見積もり。

会議の種類

CMMI

会議の種類。

優先度

CMMI

ビジネスの優先度。

確率

CMMI

作業項目が存在する環境。

提案者

CMMI

作業項目を提案したユーザー。

ランク

Common

作業の優先度付けのための順位。

必要条件の種類

CMMI

要件の種類。

解決者

Common

作業項目を解決したユーザー。

解決理由

Common

バグが解決された理由。

タスク階層

Common

指定の作業項目の Microsoft Project コンテキストを表す文字列。

トリアージ

CMMI

作業項目の方針の状態。

UAT

CMMI

要件の UAT (User Acceptance Test)。

参照

概念

作業項目スキーマ

その他の技術情報

ファクト テーブル

データ ウェアハウス キューブの構造について

パースペクティブ

Team Foundation Server のレポート作成での Microsoft Excel の使用