チェックリスト: 複数のサーバーでの Team Foundation Server のアップグレード

更新 : 2010 年 8 月

このチェックリストを使用すると、Visual Studio Team Foundation Server 2010 にアップグレードできます。 このチェックリストを最大限に活用するためには、複数のサーバーを含む Team Foundation Server の配置が必要です。または、配置を別のハードウェアに移行すると同時にアップグレードする必要があります。 シングルサーバー配置を使用していて、インプレース アップグレードを行う場合は、「チェックリスト: シングルサーバーでの Team Foundation Server のインプレース アップグレード」を使用します。

このトピックの表には、タスクとリンクが記載されています。 各リンクは、関連するタスクを実行するための手順または概念を説明するトピックを示しています。 これらのタスクは上から順に実行し、特に指示がない限りスキップしないでください。

準備

次のいずれかのタスクに向けて Team Foundation Server の既存のインストールを準備するためのタスクを以下に示します。

  • 移行アップグレード (別のハードウェアを使用)。

  • 複数のサーバーを含むインプレース アップグレード (同じまたは別のハードウェアを使用)。

    タスク

    詳細な説明

    最新のインストール ガイドを確認する。 このガイドの最新バージョンをダウンロードします。 アップグレード手順に関して最新の更新情報がある場合は、このガイドの最新バージョンに記載されています。

    Team Foundation Server インストール ガイドの最新バージョンについては、次の Microsoft Web サイトを参照してください。

    データをバックアップする。 既存の Team Foundation Server のインストールで、データをバックアップします。アップグレード ツールによってアップグレード時に古いデータベースが削除されます。 新しいハードウェアに移行する場合は、このデータを新しいハードウェアで使用することになります。 インプレース アップグレードを行う場合は、このデータを、アップグレード直前の Team Foundation Server インストールのスナップショットとして使用できます。

    メモメモ
    web.config ファイルをバックアップして、電子メールの警告およびパブリック URL の設定など、一部の設定を保存します。これらの設定はアップグレード ウィザードを使用して手動で追加する必要があります。また、web.config の情報は参照として使用できます。Team Foundation Server の Web アプリケーションが使用するフォルダーを開き、ファイルを別の場所にコピーします。ファイルの名前を変更することもできます (たとえば、この Web アプリケーションがポート 80 を使用する場合は、ファイルを Web.config80 として保存します)。

    Team Foundation Server のバックアップの最新詳細については、次の Microsoft Web サイトを参照してください。

    サポートされているハードウェアおよびソフトウェアを確認する。 Team Foundation Server をインストールする各サーバーのオペレーティング システムが Team Foundation Server の要件を満たしていることを確認します。 ハードウェアが、Team Foundation Server および必要なすべてのサーバー ソフトウェアを実行できることを確認します。 Team Foundation Server の言語要件を確認します。

    必要なアクセス許可とユーザー アカウントを確認する。 Team Foundation Server のインストールに使用するアカウントが、Team Foundation Server をインストールするサーバーの Administrators セキュリティ グループのメンバーであることを確認します。

    Team Foundation Server および SQL Server (SQL Server の新規インストールが必要な場合) のインストール中に使用するサービス アカウントを決定します。

    サポートされている環境設定を確認する。 複数のサーバーで Team Foundation Server を使用するには、Team Foundation Server の要件を満たす Active Directory ドメインが必要です。

    Team Foundation Server を実行するサーバーと、Team Foundation Server に接続する必要があるクライアントとの間にファイアウォールが設置されている場合は、Team Foundation Server で必要とされるポートが開いていることを確認します。

    Windows ファイアウォールが有効で、例外を許可するように構成されている場合は、Team Foundation Server 用の例外が Team Foundation Server インストール ウィザードによって作成されます。

    Windows ファイアウォールが例外を許可しないように構成されている場合、または別のファイアウォールを使用している場合は、Team Foundation Server をインストールする前に、手動でポートを指定する必要があります。

    インターネット インフォメーション サービス (IIS) をセットアップする。 Windows Server 2003 を実行している新しいハードウェアに Team Foundation Server を移行する場合は、IIS をインストールする必要があります。 それ以外の場合、IIS はインストールおよび構成されますが、インストール中に警告メッセージが表示されます。 警告メッセージが表示されないようにするには、Team Foundation Server をインストールするサーバーに IIS をインストールする必要があります。 IIS が既にインストールされている場合は、Team Foundation Server で使用できるように IIS が構成されていることを確認します。

    SQL Server をセットアップする。 データベース エンジン機能とフルテキスト検索機能をホストするサーバーに SQL Server 2008 をインストールするか、または既存のインストールが Team Foundation Server の要件を満たしていることを確認します。 SQL Server 2005 を使用していた環境でインプレース アップグレードを行う場合は、SQL Server 2008 にアップグレードする必要があります。

    Team Foundation Server の照合順序の要件を確認します。 組織のデータに必要な照合順序の設定を決定し、その設定が Team Foundation Server の要件を満たしていることを確認します。 Team Foundation Server に追加されるすべての SQL Server インスタンスでこの設定が一貫していないと、レポートに予期しない結果が報告される場合があります。

    レポート機能をセットアップする。 レポート機能を使用する場合は、SQL Server Reporting Services および SQL Server Analysis Services をインストールするか、または既存のインストールが Team Foundation Server の要件を満たしていることを確認する必要があります。

    レポート機能用の SQL Server をアップグレード中にセットアップするには、次のガイドラインを使用できます。

    • 以前のバージョンの Team Foundation Server で使用していたものと同じレポート サーバーを使用する必要はありません。

    • レポート サーバーに使用する SQL Server インスタンスは、データベース エンジンに使用するインスタンスと同じでなくてもかまいません。

    • 複数のサーバーを使用してレポート サーバーをホストすることもできます。

    ただし、レポート サーバーを他のアプリケーションと共有することはできません。 Team Foundation Server には専用のレポート サーバーが必要です。 レポート サーバーが Team Foundation Server と同じサーバーに配置されていない場合は、レポート サーバーの Administrators セキュリティ グループに、Team Foundation Server のインストールに使用したアカウントを追加する必要があります。 これにより、レポート サーバーを Team Foundation Server で使用するための構成を、セットアップで実行できるようになります。

    SQL Server のアップグレード方法については、Microsoft Web サイトの次のページを参照してください。

    SQL Server を検証する。 SQL Server のすべてのインスタンスが、Team Foundation Server の最小要件を満たすように構成されていることを確認します。

    ポータル サーバーを準備する。Windows SharePoint Services 2.0 を使用している場合、新しい Team Foundation Server のインストールにポータル サーバーを追加するには、Windows SharePoint Services 3.0、Microsoft Office SharePoint Server 2007、または Microsoft SharePoint Server 2010 にアップグレードする必要があります。 

    Windows SharePoint Services 3.0 は、Team Foundation Server のアップグレード時にインストールすることはできません。 既存のポータルを使用するか、要件を満たす既存の SharePoint 製品のサイトを指す必要があります。

    ポータル サーバーについては、オプションとして次のいずれかの手順を実行することもできます。

    詳細については、Microsoft Web サイトの次のページを参照してください。

    Team Foundation Server 管理者がワークシートに入力する。 SharePoint 製品のリモート インストールでは、複数の管理者が情報を交換して Team Foundation Server を構成する場合があります。やり取りを円滑に進めるために、Team Foundation Server 管理者は、「ワークシート: Team Foundation Server と SharePoint 製品のコラボレーション」を印刷し、SharePoint 製品管理者に必要な情報を追加する必要があります。その後、Team Foundation Server 管理者は、このチェック リストの残りのタスクを完了するために、ワークシートおよび Team Foundation Server インストール メディアを SharePoint 製品管理者に渡す必要があります。

    Team Foundation Server と SharePoint 製品の両方を管理する場合は、この手順をスキップできますが、作業を続行する前に次の重要な注意事項を確認してください。

    • Microsoft Office SharePoint Server 2007 または SharePoint Server 2010 を使用している場合は、このトピックの「ダッシュボードの互換性のための設定の構成」に記載されている手順を実行しないと、ダッシュボードが正常に機能しません。

    • インプレース アップグレードを行う場合、SharePoint 製品が既に Team Foundation Server と同じサーバーにインストールされていると、アップグレード ウィザードにより、Windows SharePoint Services の Team Foundation Server 拡張機能がインストールされます。 このトピックで後述する「拡張機能をインストールして構成する」をスキップする必要があります。

    SharePoint 製品をインストールおよびプロビジョニングする。 Windows SharePoint Services 3.0 が既に Team Foundation Server と同じサーバーにインストールされている場合、「ローカルの SharePoint 製品を検証する」までスキップできます。 Microsoft Office SharePoint Server 2007 または SharePoint Server 2010 が既にインストールされている場合は、「ダッシュボードの互換性のための設定の構成」までスキップします。

    Team Foundation Server で推奨される設定を使用して、SharePoint 製品をインストールできます。 SharePoint 製品をインストールしたら、SharePoint サーバーの全体管理サイトで、次の特性がある Web アプリケーションを作成する必要があります。

    • ポート 80 を使用する

    • 認証に NTLM を使用する

    • ポート番号も表す一意の名前が付いている

      メモメモ
      80 以外のポート番号を指定した場合、ユーザーが Team Foundation Server を正しく操作するには、そのポート番号をアドレスの一部として使用する必要があります。

    Web アプリケーションを作成する方法の詳細については、Microsoft Web サイトの次のページを参照してください。

    Microsoft Office SharePoint Server 2007 または SharePoint Server 2010 を構成する。 Microsoft Office SharePoint Server 2007 または SharePoint Server 2010 を使用している場合は、ダッシュボードの互換性を保つために必要な構成を実行します。 Windows SharePoint Services 3.0 を使用する場合は、次の手順に進んでください。

    拡張機能をインストールして構成する。 SharePoint 製品が既に Team Foundation Server と同じサーバーにインストールされている場合、アップグレード ウィザードにより、Windows SharePoint Services の Team Foundation Server 拡張機能がインストールされます。 「ローカルの SharePoint 製品を検証する」までスキップできます。

    SharePoint 製品のインストールが Team Foundation Server の最小条件を満たしていることを確認し、Windows SharePoint Services の Team Foundation Server 拡張機能をインストールして構成します。

    Team Foundation Server サービス アカウントをファームの管理者グループに追加します。 アプリケーション層をインストールする担当者のアカウントをファームの管理者グループに追加します。 Team Foundation Server サービス アカウント (TFSSERVICE) のアカウント名と、Team Foundation Server をインストールする担当者のアカウントを特定するには、印刷されたワークシートを使用します。

    SharePoint 製品の管理者がワークシートに入力する。 Team Foundation Server 管理者が Team Foundation Server の構成を完了するには、SharePoint 製品のインストールに関する特定の情報が必要です。 SharePoint 製品管理者は、「ワークシート: Team Foundation Server と SharePoint 製品のコラボレーション」を印刷する必要があります。SharePoint 製品 管理者は、Team Foundation Server 管理者に必要な情報を追加し、そのワークシートを Team Foundation Server 管理者に渡す必要があります。

    ローカルの SharePoint 製品を検証する。 SharePoint 製品が Team Foundation Server と同じサーバー上にある場合は、SharePoint 製品のインストールが Team Foundation Server の最小条件を満たしていることを確認します。

    Team Foundation Server サービス アカウントをファームの管理者グループに追加します。 アプリケーション層をアップグレードする担当者のアカウントをファームの管理者グループに追加します。

    以前のバージョンの Team Foundation Server をアンインストールする。 インプレース アップグレードを行う場合は、Team Foundation Server をアンインストールする必要があります。 別のハードウェアに移行する場合は、この手順をスキップできます。

     

    データを復元する。 インプレース アップグレードを行う場合、SQL Server 2008 のインスタンスに既にデータが配置されているときは、この手順をスキップできます。 それ以外の場合は、構成データベースをホストする SQL Server のインスタンスで、このチェックリストの開始時にバックアップした Team Foundation Server からデータを復元できます。

    メモメモ
    復元するデータベースの名前は変更しないでください。

    Team Foundation Server からデータを復元する方法の詳細については、Microsoft Web サイトの次のページを参照してください。

Team Foundation Server のアップグレード

Team Foundation Server をアップグレードするには、次のタスクを実行します。

タスク

詳細な説明

Team Foundation Server をインストールする。 Visual Studio 2005 Team Foundation Server からアップグレードする場合は、この手順を実行する前に、インターネット インフォメーション サービス (IIS) から古い Team Foundation Server Web サイトを削除する必要があります。

Team Foundation Server を更新して構成する。 この更新プログラムによって、バージョン管理のラベルおよびマージのアップグレードに影響する、バージョン管理操作の特定のパターンが原因で発生する問題を防止できます。 この更新プログラムをダウンロードするには、Microsoft Web サイトの「KB2135068 - Labeled items and merge targets missing after upgrade to TFS2010 (KB2135068 - TFS2010 へのアップグレード後に、ラベル付けされた項目およびマージ ターゲットが見つからない)」を参照してください。 詳細については、Microsoft Web サイトの「After an upgrade to TFS 2010, labels are missing items, or merge relationships are missing (TFS 2010 へのアップグレード後に、ラベルの項目が見つからないか、マージの関係が失われている)」を参照してください。

インストールが完了して、バージョン管理の更新プログラムを適用したら、Team Foundation Server 構成ツールを使用してサーバーをアップグレードします。

Microsoft Office SharePoint Server 2007 または SharePoint Server 2010 の最終的な構成を行う。

Microsoft Office SharePoint Server 2007 または SharePoint Server 2010 をインストールした場合、Team Foundation Server 用に作成したエンタープライズ アプリケーション定義を構成する必要があります。 Windows SharePoint Services 3.0 を使用している場合、または SharePoint 製品を構成していない場合は、この手順をスキップできます。

参照

概念

シナリオ : Team Foundation Server のアップグレード

履歴の変更

日付

履歴

理由

2010 年 8 月

トピックのタイトルを変更。

カスタマー フィードバック

2010 年 8 月

SQL Server 2008 R2 アップグレードへのリンクを追加。

情報の拡充

2010 年 6 月

バージョン管理の更新プログラムに関する情報を追加。

情報の拡充