この記事では、Microsoft に送り返される Windows 診断データの種類と、組織内で管理する方法について説明します。 Microsoft では、そのデータを使用してお客様に影響を及ぼす問題を迅速に識別し、対処します。
概要
Microsoft では、問題を解決し Windows を最新で安全な状態に保ち、適切に動作させるために Windows 診断データを収集しています。 また、Windows および関連する Microsoft 製品およびサービスを改善し、カスタマイズされたエクスペリエンス設定を有効にしたお客様に対して、お客様のニーズに合わせて Microsoft とサード パーティ製品、およびサービスを強化するためのより関連性の高いヒントと推奨事項を提供することにも役立ちます。
診断データによって、ユーザーはオペレーティング システムの開発と継続的な品質向上に関する意見を Microsoft へと届けることができます。 これにより、Windows の現実世界での用途を理解し、ユーザーにとっての優先事項に注目し、消費者と企業の顧客の両方に利益をもたらす詳しい情報に基づいた判断に役立ちます。 以降のセクションでは、これらの利点の実際の例を示します。
アプリとドライバーの品質向上
Microsoft では、診断データを収集し、Windows と Windows Server の改良を促進できるため、アプリとデバイス ドライバーの品質レベルを上げることができます。 診断データは、Windows で使用するアプリおよびデバイス ドライバーに関する重大な信頼性とセキュリティの問題を迅速に識別して修正する際に役立ちます。 たとえば、特定のバージョンのビデオ ドライバーを使用しているデバイスでハングするアプリを識別し、アプリとデバイス ドライバーのベンダーと Microsoft が協力して問題をすばやく修正できます。 その結果、ダウンタイムとコストが削減され、これらの問題のトラブルシューティングに関連する生産性が向上します。
たとえば、Windows の初期には、特定のバージョンのビデオ ドライバーが一部のデバイスでクラッシュし、デバイスを再起動しなければならないという状況がありました。 この場合は、診断データで問題が検出されたため、ビデオ ドライバーを開発するサード パーティの開発者にすぐに連絡を取りました。 開発者と協力して、24 時間以内には更新されたドライバーを Windows Insider に提供しました。 Windows Insider のデバイスの診断データに基づいて、新しいバージョンのビデオ ドライバーを検証できたため、翌日には更新プログラムを一般公開しました。 診断データのおかげで、この問題をたった 48 時間で検出、修正、および解決できたため、ユーザー エクスペリエンスが向上し、コストのかかるサポートへの問い合わせが削減されました。
エンド ユーザーの生産性の向上
Windows 診断データは、オペレーティング システムの機能と関連サービスをお客様がどのように使用する (または使用しない) かを Microsoft が詳細に把握する場合にも役立ちます。 このデータから得られる情報を使用すると、お客様のエクスペリエンスに直接影響する技術的な作業の優先順位を設定できます。 これらの例では、Microsoft が診断データを使用して、組織における従業員の生産性を向上し、ヘルプ デスクへの問い合わせ件数を減らすために役立つ機能を構築または強化する方法を示しています。
Active Directory 内のコンピューター アカウントが診断データ エンドポイントにアクセスすることを許可するようにプロキシ サーバーを構成します。 この構成では、Windows 統合認証をサポートするためにプロキシ サーバーが必要です。
データ アクセス
診断データへのアクセスは、最小限の特権アクセスの原則に従って行われます。 Microsoft では、お客様から指示があった場合や、プライバシーに関する声明に記載されている限られた目的がある場合を除き、お客様の個人データを第三者と共有することはありません。 ただし Microsoft では、集計された匿名の診断データ情報を含むビジネス レポートをハードウェア メーカーやサード パーティのパートナーと共有する場合があります。 データ共有に関する意思決定は、プライバシー、法律、データ管理などの社内チームによって行われます。
保持
Microsoft ではデータの最小化という取り組みを行っています。 必要な情報のみを収集し、サービスの提供や分析に必要である場合に限りその情報を保存するように努めています。 データが保持される期間の詳細については、Microsoft のプライバシーに関する声明 の 個人データの保持 というセクションを参照してください。
診断データ設定
4 つの診断データ収集設定があります。 各設定の詳細については、次のセクションで説明します。
診断データ オフ (セキュリティ)
必須診断データ (基本)
拡張 (この設定は、Windows 10、Windows Server 2016、および Windows Server 2019 を実行しているデバイスでのみ使用できます。)
オプションの診断データ (フル)
各設定に含まれるデータの種類の概要は次のとおりです:
診断データ オフ (セキュリティ)
必須 (基本)
拡張
オプション (完全)
診断データ イベント
Windows 診断データは送信されません。
デバイスをセキュリティで保護された最新の状態に維持し、正常に実行するために必要な最小限のデータ。
参照した Web サイト、Windows とアプリの使用方法と実行方法、およびデバイスのアクティビティに関する追加データ。 この追加データは、Microsoft がすべてのユーザーのために製品とサービスを修正および改善するのに役立ちます。
参照した Web サイト、Windows とアプリの使用方法と実行方法に関する追加データ。 このデータには、デバイスのアクティビティに関するデータ、および Microsoft がすべてのユーザーのために製品やサービスを修正および改善するのに役立つ拡張エラー報告も含まれます。
この設定は以前 セキュリティ としてラベル付けされました。 この設定を構成すると、デバイスから Windows 診断データは送信されません。 この機能は、Windows Server、Windows Enterprise、および Windows Education の各エディションでのみ使用できます。 この設定を選択すると、組織内のデバイスのセキュリティが保護されます。
これは、2022 年 12 月 13 日以前の Windows Server 2022 Datacenter: Azure Edition 用の既定の設定でした。
注意
組織が Windows Update を使用している場合は、最小限の推奨設定は 必須診断データ です。 診断データがオフの場合 Windows Update に関する情報は収集されないため、更新エラーに関する重要な情報は送信されません。 Microsoft では、これらのエラーの原因を修正し、更新プログラムの品質を向上させるために、この情報を使用します。
アプリのダウンロード、インストール、更新の回数など、Microsoft Store のパフォーマンスに関する情報。 Microsoft Store の起動回数、ページ ビュー数、一時停止と再開の回数、ライセンスの取得数も含まれます。
拡張診断データ
Windows 10 および Windows Server 2019 では、拡張診断データは、参照した Web サイト、Windows とアプリの使用方法と実行方法、およびデバイスのアクティビティに関するデータを含みます。 この追加データは、Microsoft がすべてのユーザーのために製品とサービスを修正および改善するのに役立ちます。
重要
この診断データの設定は Windows 11 および Windows Server 2022 では使用できず、送信されるオプションの診断データの量を制御できるポリシーに置き換えられています。 これらの設定の詳細については、このトピックの「グループ ポリシーと MDM を使用して診断データを管理する」セクションを参照してください。
サーバー マネージャー、フォト、メール、Microsoft Edge など、Microsoft Store からダウンロードされたか、Windows や Windows Server と共にプリインストールされている Microsoft アプリや管理ツールが原因で発生したオペレーティング システム アプリ イベント。
以前は 完全 とラベル付けされていたオプションの診断データには、デバイスとその設定、機能、デバイス正常性に関する詳細な情報が表示されます。 オプションの診断データには、参照した Web サイト、デバイスのアクティビティに関するデータ、および Microsoft がすべてのユーザーのために製品やサービスを修正および改善するのに役立つ拡張エラー報告も含まれます。 オプションの診断データの送信を選択すると、必須診断データが常に含まれ、次の追加情報が収集されます:
watsonc.events.data.microsoft.com (eu-watsonc.events.data.microsoft.com は、請求先住所が EU データ境界内にあるテナントのためのものです)
settings-win.data.microsoft.com
*.blob.core.windows.net
中東およびアフリカの国または地域、および EU に含まれていないヨーロッパの国または地域に請求先住所を持つテナントも eu-v10c.events.data.microsoft.com および eu-watsonc.events.data.microsoft.com のエンドポイントを使用します。 診断データは最初にヨーロッパで処理されますが、これらのテナントは EU データ境界の一部とは見なされません。
注意
Windows 診断データ プロセッサの構成が有効になる前にデバイスから収集された Windows 診断データは、この構成が有効化されると削除されます。