Apache Kafka Mirror Maker 1 を使用して Kafka クラスターから Event Hubs にデータをレプリケートする
このチュートリアルでは、Kafka MirrorMaker 1 を使用して Azure Event Hubs に Kafka ブローカーをミラーリングする方法について説明します。
Note
このサンプルは GitHub で入手できます。
Note
この記事には、Microsoft が使用しなくなった用語への言及が含まれています。 ソフトウェアからこの用語が削除された時点で、この記事から削除します。
このチュートリアルでは、以下の内容を学習します。
- Event Hubs 名前空間を作成します
- サンプル プロジェクトを複製する
- Kafka クラスターを設定する
- Kafka MirrorMaker を構成する
- Kafka MirrorMaker を実行する
はじめに
このチュートリアルでは、イベント ハブと Kafka MirrorMaker を使用し、Kafka 入力ストリームを Event Hubs サービスに "ミラーリング" することで、Azure に既存の Kafka パイプラインを統合する方法について説明します。この方法により、いくつかのフェデレーション パターンを使用した、Apache Kafka ストリームの統合が可能になります。
Azure Event Hubs Kafka エンドポイントでは、Kafka プロトコル (つまり Kafka クライアント) を使って Azure Event Hubs に接続できます。 Kafka アプリケーションに最小限の変更を行うことで、Azure Event Hubs に接続し、Azure エコシステムの利点を活用することができます。 Event Hubs は現在、Apache Kafka バージョン 1.0 以降のプロトコルをサポートしています。
Apache Kafka の MirrorMaker 1 は、Apache Kafka から Event Hubs に一方向で使用することができます。 MirrorMaker 2 は双方向で使用できますが、MirrorMaker 2 で構成可能な MirrorCheckpointConnector
と MirrorHeartbeatConnector
は、両方とも、Event Hubs ではなく、Apache Kafka ブローカーをポイントするように構成する必要があります。 このチュートリアルでは、MirrorMaker 1 の構成について説明します。
前提条件
このチュートリアルを完了するには、以下のものが必要です。
- Apache Kafka 用の Event Hubs に関する記事を読む。
- Azure サブスクリプション。 お持ちでない場合は、開始する前に無料アカウントを作成してください。
-
Java Development Kit (JDK) 1.7 以降
- Ubuntu で
apt-get install default-jdk
を実行して JDK をインストールします。 - 必ず、JDK のインストール先フォルダーを指すように JAVA_HOME 環境変数を設定してください。
- Ubuntu で
- Maven バイナリ アーカイブのダウンロードとインストール
- Ubuntu で
apt-get install maven
を実行して Maven をインストールします。
- Ubuntu で
-
Git
- Ubuntu で
sudo apt-get install git
を実行して Git をインストールします。
- Ubuntu で
Event Hubs 名前空間を作成します
Event Hubs サービスとの間で送受信を行うには、イベント ハブの名前空間が必要です。 名前空間とイベント ハブを作成する手順については、イベント ハブの作成に関するページを参照してください。 後で使うので、イベント ハブの接続文字列をコピーしておきます。
サンプル プロジェクトを複製する
Event Hubs の接続文字列が用意できたので、Kafka 用 Azure Event Hubs リポジトリをクローンし、mirror-maker
サブフォルダーに移動します。
git clone https://github.com/Azure/azure-event-hubs-for-kafka.git
cd azure-event-hubs-for-kafka/tutorials/mirror-maker
Kafka クラスターを設定する
Kafka クイック スタート ガイドを使って、必要な設定でクラスターをセットアップします (または、既存の Kafka クラスターを使います)。
Kafka MirrorMaker を構成する
Kafka MirrorMaker を使うと、ストリームを "ミラーリング" できます。 ミラー元とミラー先の Kafka クラスターを指定すると、MirrorMaker は、ミラー元クラスターに送信されたメッセージを、ミラー元とミラー先の両方のクラスターが受信するようにします。 この例では、ミラー元の Kafka クラスターをミラー先のイベント ハブにミラーリングする方法を示します。 このシナリオを使って、データのフローを中断することなく、既存の Kafka パイプラインからイベント ハブにデータを送信できます。
Kafka MirrorMaker について詳しくは、Kafka ミラーリング/MirrorMaker ガイドに関するページをご覧ください。
Kafka MirrorMaker を構成するには、Kafka クラスターをコンシューマーつまりミラー元として指定し、イベント ハブをプロデューサーつまりミラー先として指定します。
コンシューマーの構成
コンシューマー構成ファイル source-kafka.config
を更新し、ミラー元 Kafka クラスターのプロパティを MirrorMaker に提供します。
source-kafka.config
bootstrap.servers={SOURCE.KAFKA.IP.ADDRESS1}:{SOURCE.KAFKA.PORT1},{SOURCE.KAFKA.IP.ADDRESS2}:{SOURCE.KAFKA.PORT2},etc
group.id=example-mirrormaker-group
exclude.internal.topics=true
client.id=mirror_maker_consumer
プロデューサーの構成
次に、プロデューサー構成ファイル mirror-eventhub.config
を更新し、クローンされた (つまり "ミラーリングされた") データを Event Hubs サービスに送るよう MirrorMaker に指示します。 具体的には、bootstrap.servers
と sasl.jaas.config
を、Event Hubs Kafka エンドポイントを指すように変更します。 Event Hubs サービスにはセキュリティで保護された (SASL) 通信が必要であり、これは次の構成の最後の 3 つのプロパティを設定することによって実現します。
mirror-eventhub.config
bootstrap.servers={YOUR.EVENTHUBS.FQDN}:9093
client.id=mirror_maker_producer
#Required for Event Hubs
sasl.mechanism=PLAIN
security.protocol=SASL_SSL
sasl.jaas.config=org.apache.kafka.common.security.plain.PlainLoginModule required username="$ConnectionString" password="{YOUR.EVENTHUBS.CONNECTION.STRING}";
重要
{YOUR.EVENTHUBS.CONNECTION.STRING}
を Event Hubs 名前空間への接続文字列に置き換えます。 接続文字列を取得する手順については、「Event Hubs の接続文字列の取得」を参照してください。 構成の例には、sasl.jaas.config=org.apache.kafka.common.security.plain.PlainLoginModule required username="$ConnectionString" password="Endpoint=sb://mynamespace.servicebus.windows.net/;SharedAccessKeyName=RootManageSharedAccessKey;SharedAccessKey=XXXXXXXXXXXXXXXX";
などがあります。
Kafka MirrorMaker を実行する
新しく更新した構成ファイルを使って、Kafka のルート ディレクトリから Kafka MirrorMaker スクリプトを実行します。 構成ファイルを Kafka のルート ディレクトリにコピーするか、または次のコマンドを使って構成ファイルのパスを更新します。
bin/kafka-mirror-maker.sh --consumer.config source-kafka.config --num.streams 1 --producer.config mirror-eventhub.config --whitelist=".*"
イベント ハブにイベントが届いていることを確認するには、Azure portal でイングレス統計を確認するか、またはイベント ハブに対してコンシューマーを実行します。
MirrorMaker が実行されている場合、ミラー元の Kafka クラスターに送信されたイベントはすべて、Kafka クラスターとミラーリングされたイベント ハブの両方によって受信されます。 MirrorMaker と Event Hubs Kafka エンドポイントを使うと、既存のクラスターを変更したり、実行中のデータ フローを中断したりすることなく、既存の Kafka パイプラインを、マネージド Azure Event Hubs サービスに移行できます。
サンプル
GitHub の次のサンプルを参照してください。
次のステップ
Kafka 用 Event Hubs の詳細については、次の記事を参照してください。