Visual SourceSafe でのバイナリ ファイルの扱い
Visual SourceSafe では、文字データだけを含むテキスト ファイルと、それ以外のバイナリ ファイルは明確に区別されます。ほとんどの操作では、この 2 種類のファイルは、同じように扱うことができ、いずれのファイルもリバース デルタ技術で保存されて使用ディスク領域を最小限に抑えますが、ファイルの処理の一部は異なります。
Visual SourceSafe によるファイルの種類の識別方法と、テキスト ファイルとバイナリ ファイルに対する処理方法の違いを次に示します。
ファイルの種類の識別方法
Visual SourceSafe にファイルを追加すると、そのファイルの種類がチェックされ、テキスト ファイルとバイナリ ファイルのいずれかの種類が自動的に割り当てられます。ファイルの種類を判別する既定の方法は単純で、ファイル内に NULL 文字 (バイナリ値で 0) が含まれているかどうかを調べることによって行われます。ファイル内に NULL 文字が見つかった場合、そのファイルはバイナリ ファイルと認識されます。
この自動検出によって、ほとんどの場合、ファイルの種類を正しく判別できますが、バイナリ ファイルがテキスト ファイルとして識別される可能性はあります。そのため、Visual SourceSafe では、自動検出を無効にして、ユーザーが直接ファイルの種類を設定することもできます。
ファイルの種類は、データベースへの追加時に設定できます。[自動検出]、[バイナリ]、および [テキスト] の 3 つのオプションから選択できます。[自動検出] が既定値です。追加したファイルの種類は、再度設定しない限り変更されません。
メモ ファイルの種類の設定の表示または変更を行うには、[ファイル] メニューの [プロパティ] をクリックして、ファイルのプロパティ ダイアログ ボックスの [全般] タブを使用します。
バイナリ ファイルとテキスト ファイルの処理の違い
テキスト ファイルとバイナリ ファイルの処理は、次の点で異なります。
- 変更部分の保存 - テキスト ファイルとバイナリ ファイルでは、変更部分の保存で異なるアルゴリズムが使用されます。テキスト ファイルでは、ファイルの各行が比較の単位になりますが、バイナリ ファイルには明確な行の区切りはありません。このため、ファイルの種類の的確な識別が重要になります。
- [相違点の表示] コマンド - バイナリ ファイルに対して [相違点の表示] コマンドを実行しても、相違点は表示されません。バイナリ ファイルの相違点はバイト データの移動先として記録されます。これにより、旧バージョンのファイルを取り出すことができるようになりますが、相違点を表示することはできません。[相違点の表示] コマンドをバイナリ ファイルに対して実行した場合は、ファイルの変更の有無だけが表示され、変更内容は表示されません。
- バイナリ ファイルのマージ - バイナリ ファイルをマージすることはできません。
- バイナリ ファイルの多重チェックアウト - バイナリ ファイルを多重チェックアウトすることはできません。
- 改行コードの扱い - テキスト ファイルに含まれる改行コードは、オペレーティング システムに対応する改行コードに自動的に変換されます。バイナリ ファイルの場合は、キーワード展開が行われる場合を除き、ファイルの内容は一切変更されません。