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格納済み仮想マシンおよびテンプレートを使用した SCVMM 環境の作成

 

発行: 2016年7月

保管された仮想マシンとテンプレートを使用して、SCVMM 環境を作成できます。 この方法で SCVMM 環境を作成すると、Microsoft Test Manager によって仮想マシンとテンプレートのコピーが作成されて環境に追加されます。

必要条件

  • Visual Studio Enterprise, Visual Studio Test Professional

注意

SCVMM 環境を作成すると、ネットワークの分離を有効にした場合を除き、複数のホストとクラスター化されたホストのグループに仮想マシンをホストできます。環境に仮想マシンを追加し、それらの仮想マシンがクラスターにホストされている場合は、クラスターにホストされていない仮想マシンも 1 つ以上環境に追加する必要があります。また、ネットワーク分離環境ではクラスター化されたホストを使用できません。

このトピックでは、保管された仮想マシンとテンプレートを使用して新しい SCVMM 環境を作成する方法について説明します。 SCVMM 環境の作成と管理のその他の方法については、「SCVMM 環境の作成および管理に関するガイダンス」を参照してください。 ラボ環境の概要については、「アプリケーションのライフサイクルでのラボ環境の使用」を参照してください。

このトピックは、次のセクションで構成されています。

  1. 必須コンポーネント

  2. テンプレートまたは格納された仮想マシンの選択

  3. テンプレートまたは格納された仮想マシンの選択

  4. テンプレートまたは格納された仮想マシンの選択

  5. テンプレートまたは格納された仮想マシンの選択

  6. 新しい環境: 詳細設定

  7. 新しい環境: 検証

  8. マシンの構成の完了

  9. 次の内容

必須コンポーネント

警告

Windows XP を実行している仮想マシンを含むラボ環境を作成するには、「Windows XP または Windows Server 2003 マシンを含むラボ環境の構成」に記載されている追加のステップを実行します。

保管された仮想マシンとテンプレートを使用して SCVMM 環境を作成するには、次の前提条件が満たされている必要があります。

  1. 環境に追加する各仮想マシンは、System Center Virtual Machine Manager (SCVMM) で管理する必要があります。 SCVMM 環境を作成するには、「ラボ環境でのテスト」に示した SCVMM 環境の前提条件となるタスクを完了する必要があります。

  2. 環境に追加する各保管された仮想マシンおよびテンプレートに、次のオペレーティング システムのいずれかをインストールする必要があります。

    • Windows Server 2008

    • Windows Server 2012

    • Windows XP SP3

    • Windows Vista SP2

    • Windows 7 SP1

    • Windows 8

  3. 環境に追加する各保管された仮想マシンおよびテンプレートでは、ファイルの共有を有効にする必要があります。

テンプレートまたは格納された仮想マシンの選択

環境を作成するには、チーム プロジェクト ライブラリから仮想マシンをコピーします。

新しい SCVMM 環境を作成するには

  1. Microsoft Test Manager を開き、[ラボ センター][ラボ] の順に選択します。

    チーム プロジェクトにラボ環境の一覧が表示されます。

    [ラボ センター] の下にある [環境] リストの [ラボ] タブ。

  2. [新規作成] を選択します。

  3. 新しい環境ウィザードで、[SCVMM 環境] を選択します。

    次のセクションに従って、ウィザードの他のフィールドに値を入力します。

新しい環境: 型および名前

Lab Management 環境ウィザード - [名前] ページ

フィールド

入力内容

名前

環境の名前。チーム プロジェクト内で一意である必要があります。

説明

省略可能です。

タグ

タグは、プロジェクトの規則に従って設定できるオプションの名前と値のペアです。 たとえば、環境の用途および環境が削除される日付を表すタグを使用できます。

新しい環境: コンピューター

[コンピューター] ページで、環境に追加する仮想マシンまたは仮想マシン テンプレートを選択します。

Lab Management 環境ウィザード - [コンピューター] ページ

[使用可能な仮想マシン] :

これはチーム プロジェクトのライブラリ内に格納された仮想マシンおよびテンプレートのリストです。 通常、リストにはオペレーティング システム、クライアント アプリケーション、およびサーバー ソフトウェアのさまざまな組み合わせがインストールされているコンピューターがあります。

たとえば、Web クライアントと Web サーバーを選択できます。

必要な機能を持つ項目が見つからない場合、新しい仮想マシンを設定し、ライブラリにインポートできます。 [インポート] を選択します。 詳細については、「方法: 仮想マシンまたはテンプレートを SCVMM からインポートする」を参照してください。

  • テンプレート

仮想マシン テンプレートとは、ID 情報が削除された仮想マシンのことです。 環境に仮想マシン テンプレートを含めると、新しい仮想マシンが作成されます。 新しい名前とポート ID が自動的に生成されます。

  • 仮想マシン

仮想マシンを追加するとき、仮想マシンの正確なコピーがラボ環境に作成されます。 そのため、名前を変更する必要があります。

通常、保管された仮想マシンはワークグループの一部です。

  • 実行中

実行中の仮想マシンは、どのような環境からも独立して作成されます。 SCVMM 管理者によって設定され、リソース プールを形成します。 これらのマシンは、環境にアタッチできます。 実行中のマシンは、一度に複数の環境にアタッチできません。

テストが完了したら、マシンがプールに返されるように、環境を削除してください。

詳細については、「SCVMM (仮想) 環境」を参照してください。

[選択したコンピューター]:

環境に追加する各マシンに対して次のプロパティを設定できます。

同じ仮想マシンまたは仮想マシン テンプレートを複数追加できることに注意してください。 コンピューターに異なる名前を付ける必要があります。

  • 名前

この名前は、この環境内の仮想マシンを識別します。 これはコンピューター名と同じではありません。

名前にコンマを使用しないでください。

  • ロール

ロールは、その環境でのマシンの機能を特定します。 テストの目的でインストールするコンポーネント、および収集するテスト データを判定するために、Test Manager はロールを使用します。 メニューからロールを選択するか、または選択したロール名を入力できます。

注意

ロールは、単にコンピューターの用途を示すだけです。Lab Management では、仮想マシンまたはテンプレートが必要なソフトウェアを保持していることも、これらのロールを満たすために自動的にソフトウェアをインストールすることも、自動的には確認されません。

新しい環境: コンピューターのプロパティ

LM 環境ウィザード - [コンピューターのプロパティ] ページ

タブ

コンピューターのプロパティ

ハードウェア プロファイル

仮想マシンに割り当てるメモリの量。

OS プロファイル (テンプレートのみ)

テンプレートから配置された仮想マシンのオペレーティング システムの種類、コンピューター名、管理者パスワード、プロダクト キー、ドメイン、およびワークグループ。

注意

テンプレートを SCVMM からインポートするときに、テンプレート内のセキュリティで保護された管理者パスワードとプロダクト キーが削除されます。この情報を再入力する必要があります。

プロパティ名

説明

オペレーティング システム

テンプレートにインストールされているオペレーティング システムを指定します。 テンプレートを仮想マシンに変換するときに行われるカスタマイズは、オペレーティング システムの種類とバージョンによって異なるため、この値は、テンプレートにインストールされているオペレーティング システムと一致する必要があります。

ID 情報

仮想マシンがテンプレートから作成される場合のコンピューター名の作成方法を指定します。

  • Lab Management で一意の名前を生成するには、"コンピューター名"* に設定します。

  • テンプレートが配置されるときにコンピューター名の入力を要求する場合は、[コンピューター名] ボックスをクリアします。

管理パスワード

管理者アカウント用に使用するパスワード。 コンピューターが実行中のときに、ログオンするために使用できます。

プロダクト キー

テンプレートのオペレーティング システムの認証に使用される Windows プロダクト キーを指定します。 入力したプロダクト キーが、仮想マシンのオペレーティング システムのバージョンに対して有効であることを確認します。

タイム ゾーン

テンプレートから作成される仮想マシンで使用するタイム ゾーンを指定します。

ドメイン/ワークグループ

テンプレートから作成される仮想マシンが、ワークグループと Active Directory ドメインのどちらに参加するかを示します。

  • ワークグループ コンピューターを指定するには、[ワークグループ] を選択し、ワークグループの名前を入力します。

  • ドメインを指定するには、[ドメイン (FQDN)] をクリックし、ドメインの完全修飾名を入力します。 次に、ドメインに参加するアクセス許可を持つユーザーのアカウント名とパスワードを入力します。

[GUIRunOnce] コマンド

ユーザーが初めて仮想マシンにログオンするときに、テンプレートから作成される仮想マシン上で実行されるスクリプトを指定します。

コンピューター タグ

ユーザー定義のカスタム プロパティ。 以下のような情報を示すために使用できます。

  • 仮想マシンにインストールされている更新プログラムとアプリケーション。

  • オペレーティング システムの言語またはロケール。

  • ネットワーク アダプター、ディスクなどの仮想マシンの機能。

新しい環境: 詳細設定

ラボ環境ウィザード - [詳細] ページ

テスト コントローラー

この環境のテスト コントローラー マシンの名前。

UI テストを実行するように環境を構成する

テストにコード化された UI テストが含まれる場合は、このオプションをオンにします。 詳細については、「UI オートメーションを使用してコードをテストする」を参照してください。

このオプションは、環境が実行されている場合にのみ設定できます。 新しい環境に設定するため、ウィザードを終了します。 環境の状態が [準備完了] になるまで待機します。 環境を選択し、[開く] を選択してウィザードに戻ります。

System_CAPS_warning警告

この環境のネットワークの分離を有効にする

ネットワークを分離すると、名前や IP アドレスの競合なしに、同じ保存済み環境を複数回配置できます。 ネットワーク分離機能の詳細については、「ネットワーク分離環境の作成および使用」を参照してください。

新しい環境: 検証

[確認] を選択して、設定したプロパティが有効であることを確認します。

検証が失敗した場合は、終了する前に問題を解決する必要があります。

検証が成功した場合は、[完了] を選択します。

SCVMM 環境の作成 - セットアップの確認

検証が成功した場合は、[完了] を選択します。

新しい環境ウィザードが閉じ、この環境が [環境] ボックスの一覧の [Type:SCVMM] の下に表示されます。

環境の作成には時間がかかる場合があります。 [環境] ボックスの一覧に処理の進行状況が表示されます。 個々の仮想マシンの進行状況を確認するには、環境を選択します。

仮想マシンが作成された後、必要に応じてログオンできます。 環境を選択し、コンピューターのアイコンのコンテキスト メニューから [接続] を選択します。

マシンの構成の完了

  • 必要に応じてテスト エージェントをインストールする
    SCVMM 環境の状態が [準備不完了] に変更された場合は、ショートカット メニューの [修復] を選択します。

    Lab Management は、各仮想マシンにテスト エージェントをインストールし、テスト コントローラーと通信するようにテスト エージェントを構成します。

    ヒント

    このステップは、ライブラリから選択したテンプレートまたは仮想マシンにまだテスト エージェントが存在しない場合にのみ必要です。このようにする必要をなくすには、テンプレートまたは仮想マシンをライブラリに追加するときに、テスト エージェントをインストールします。

  • 必要に応じてコンピューターをドメインに参加させる
    複数のマシンを 1 つのドメインのメンバーにする場合は、通常、各マシンをそのドメインに参加させる必要があります。

    このステップが必要なのは、仮想マシンが通常、ライブラリに保存される前にワークグループに参加しているためです。 この適切な措置により、同じ仮想マシンの複数のコピーが同時に使用中になっても、ドメイン名の競合が発生しません。

次の内容

ここでは、SCVMM 環境を作成した後に実行できるタスクを示します。

  • 環境を操作し、環境内の仮想マシンを管理します。 「ラボ環境および仮想マシンの管理」を参照してください。

  • チーム プロジェクト ライブラリに環境のコピーを保存します。 「方法: SCVMM 環境を格納する」を参照してください。

  • Microsoft Test Manager、Tcm.exe コマンド ライン ユーティリティ、またはビルド、配置、テストのワークフローを使用して、ラボ環境で手動テストおよび自動テストを実行します。 「ラボ環境でのテスト」を参照してください。

  • ビルド、配置、テストのワークフローを作成し、アプリケーションのビルドの作成、ラボ環境へのビルドの配置、および配置したアプリケーションでのテストの実行を行うプロセスを自動化します。 「自動ビルド、配置、およびテストのワークフロー」を参照してください。

参照

ラボ環境の作成
アプリケーションのライフサイクルでのラボ環境の使用
方法: 仮想マシンまたはテンプレートを保存する