ドキュメント情報パネルとドキュメント プロパティ
ユーザーがドキュメント情報パネルを介して入力するドキュメント プロパティ は、Office Open XML 形式ファイルの特定のセクションに保存されます。Windows SharePoint Services で保存されるドキュメントの場合、これらのプロパティ値は、ユーザーがドキュメントの列を更新したときに、列値としてドキュメント ライブラリにレベル上げされます。同様に、ユーザーが Windows SharePoint Services ユーザー インターフェイスで、コンテンツの種類が列の値を更新した場合、新しい値はドキュメント プロパティとしてドキュメントそれ自体にレベル下げされます。
Office Open XML 形式の操作の詳細については、「XML in Office Developer Center」を参照してください。
コア ドキュメント プロパティ
コア ドキュメント プロパティは、すべての Microsoft Office システム アプリケーションに共通するプロパティであり、タイトル、件名、カテゴリなどの基本的なドキュメント プロパティです。これらのコア ドキュメント プロパティは、Office Open XML 形式ドキュメント内のコア ファイル プロパティ パーツに保存されます。このパーツには coreProperties 要素が含まれます。
Windows SharePoint Services には、これらのコア ドキュメント プロパティにマップされた次の列があります。
タイトル
件名
作成者 (Creator コア ドキュメント プロパティにマップ)
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キーワード
コメント (Description コア ドキュメント プロパティにマップ)
コンテンツの種類
ステータス
これらの列のいずれかを、ドキュメントに割り当てられるコンテンツの種類に含めた場合、ドキュメント プロパティの値は、ドキュメントとそのドキュメントが保存されるドキュメント ライブラリの間で、レベルが上げ下げされます。
次の例は、Office Open XML 形式ドキュメントのコア ファイル プロパティ パーツを示しています。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" standalone="yes"?>
<cp:coreProperties
xmlns:cp="https://schemas.openxmlformats.org/package/2006/metadata/core-properties"
xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/"
xmlns:dcterms="http://purl.org/dc/terms/"
xmlns:dcmitype="http://purl.org/dc/dcmitype/"
xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance">
<dc:title>My New Document</dc:title>
<dc:subject></dc:subject>
<dc:creator>CreatorUserName</dc:creator>
<cp:keywords></cp:keywords>
<dc:description></dc:description>
<cp:lastModifiedBy>ModifierUserName</cp:lastModifiedBy>
<cp:revision>2</cp:revision>
<dcterms:created xsi:type="dcterms:W3CDTF">2006-12-08T23:35:00Z</dcterms:created>
<dcterms:modified xsi:type="dcterms:W3CDTF">2006-12-21T19:50:00Z</dcterms:modified>
<cp:contentType>Document</cp:contentType>
</cp:coreProperties>
アプリケーション固有のプロパティ
ページ数やテキストの行数、アプリケーションのバージョンなどのアプリケーション固有のドキュメント プロパティは、アプリケーション レベルでドキュメントに固有です。このようなドキュメント プロパティは、Office Open XML 形式の拡張ファイル プロパティ パーツに含まれます。
既定では、Windows SharePoint Services は、拡張ドキュメント プロパティにマップされた列を含みません。通常、これらのプロパティの値は、ドキュメント コンテンツ (ページ数やテキストの行数など) によって自動的に決定されます。
次の例は、Microsoft Office Word ドキュメントの拡張プロパティを示しています。この例では、Word ドキュメントには、3 つの段落に分かれた全部で 45 の単語を含むページがあります。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" standalone="yes"?>
<Properties
xmlns="https://schemas.openxmlformats.org/officeDocument/2006/extended-properties"
xmlns:vt="https://schemas.openxmlformats.org/officeDocument/2006/docPropsVTypes">
<Template>Normal.dotm</Template>
<TotalTime>1</TotalTime>
<Pages>1</Pages>
<Words>45</Words>
<Characters>1024</Characters>
<Application>Microsoft Office Word</Application>
<DocSecurity>0</DocSecurity>
<Lines>12</Lines>
<Paragraphs>3</Paragraphs>
<ScaleCrop>false</ScaleCrop>
<Company>Tailspin Toys</Company>
<LinksUpToDate>false</LinksUpToDate>
<CharactersWithSpaces>1069</CharactersWithSpaces>
<SharedDoc>false</SharedDoc>
<HyperlinksChanged>false</HyperlinksChanged>
<AppVersion>12.0000</AppVersion>
</Properties>
カスタム ドキュメント プロパティ
ユーザー定義プロパティは、Office Open XML 形式のカスタム ファイル プロパティ パーツに含まれます。Windows SharePoint Services ライブラリに保存されるドキュメントの場合、このパーツは、ドキュメントに割り当てられるコンテンツの種類の ID を指定するカスタム プロパティを含みます。次に例を示します。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" standalone="yes"?>
<Properties
xmlns="https://schemas.openxmlformats.org/officeDocument/2006/custom-properties"
xmlns:vt="https://schemas.openxmlformats.org/officeDocument/2006/docPropsVTypes">
<property fmtid="{D5CDD505-2E9C-101B-9397-08002B2CF9AE}" pid="2" name="ContentTypeId">
<vt:lpwstr>0x01010042D2ECEB487FD14A878A8B12B45AD0DF</vt:lpwstr>
</property>
</Properties>
コンテンツの種類の ID プロパティは、ドキュメントから、そのドキュメントが保存されるドキュメント ライブラリにレベル上げされることはありません。
注意
バイナリ形式で保存される Office システム ドキュメント (.doc など) の場合、Windows SharePoint Services 列にマップされるプロパティを含むすべてのカスタム プロパティは、同じ場所に保存されます。バイナリ形式で保存される Office システム ドキュメントでは、Windows SharePoint Services 列をドキュメント プロパティにバインドすることはできません。Windows SharePoint Services でバイナリ ファイルを Office Open XML 形式で保存した場合、Windows SharePoint Services では、ドキュメント内に存在するプロパティの合理化が試行されます。ドキュメントに、保存先の Windows SharePoint Services ドキュメント ライブラリ内の列の名前とデータ型が同じカスタム プロパティがある場合、Windows SharePoint Services は、2 つのプロパティは同じであると見なし、それに応じてドキュメント プロパティを Office Open XML 形式ファイル内で再配置します。ただし、このドキュメント プロパティの合理化は、最初から Office Open XML 形式で保存されているファイルでは実行されません。
コンテンツの種類ドキュメント プロパティ
ドキュメントに割り当てられるコンテンツの種類に定義されたドキュメント プロパティは、Office Open XML 形式の customXml セクションに保存されます。具体的には、プロパティ データ ストア アイテムの documentManagement ノードに含まれます。
注意
customXml セクションの各データ ストア アイテムは、itemN.xml という名前の部分に、任意の番号である N 付きで保存されます。このため、このデータ ストア アイテムを操作するときは、部分名ではなく、ルート要素または名前空間によってそれらを識別する必要があります。
次の例は、ドキュメントに割り当てられたコンテンツの種類に定義された 2 つのドキュメント プロパティに格納されるプロパティ データ ストア アイテムを示します。
<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>
<p:properties xmlns:p="https://schemas.microsoft.com/office/2006/metadata/properties"
xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance">
<documentManagement>
<PropertyA xmlns="0523cb95-65e0-434b-b038-3cfd592e886c">first document property value</PropertyA>
<PropertyB xmlns="0523cb95-65e0-434b-b038-3cfd592e886c">second document property value</PropertyB>
</documentManagement>
</p:properties>
次の図は、ドキュメント プロパティ値が、ドキュメントそれ自体とドキュメント ライブラリにどのように割り当てられて保存されるかを示しています。この例では、ドキュメントのコンテンツの種類の中に、Title コア ドキュメント プロパティにマップされるタイトル列が含まれます。さらに、コンテンツの種類には、Property A と Property B という 2 つの列も含まれます。これらのプロパティの値は、ドキュメントの customXml セクションで、プロパティ データ ストア アイテムに保存されます。ドキュメント情報パネルで値を変更すると、ドキュメントそれ自体の値が更新されます。新しい値は、ドキュメントが次回ライブラリに保存されるときに、ドキュメント ライブラリにレベル上げされます。同様に、ドキュメント ライブラリの列値を変更すると、新しい列値は、ドキュメントが次回ダウンロードされたときに、適切なドキュメント プロパティとしてドキュメントにレベル下げされます。
See Also
タスク
[方法] InfoPath からカスタム ドキュメント情報パネルを作成する
[方法] Office SharePoint Server 2007 内からカスタムのドキュメント情報パネルを作成または編集する
[方法] コンテンツ タイプの変更に応じてドキュメント情報パネルを更新する