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Exchange 2007 を既存の Exchange Server 2003 組織にインストールする方法

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007

トピックの最終更新日: 2008-10-23

ここでは、Exchange Server 2007 セットアップまたは無人インストールを使用して、既存の Exchange 組織に最初の Exchange Server 2007 サーバーをインストールする方法を説明します。

Exchange Server 2003 または Exchange 2000 Server から Exchange 2007 へのインプレース アップグレードは実行できません。ただし、Exchange 2007 サーバーを既存の Exchange 組織にインストールしてから、メールボックス、パブリック フォルダ、コネクタなどの Exchange リソースを Exchange 2007 に移動することはできます。この手順を実行した後は、共存モードで実行することになります。このモードは無期限に維持できます。Exchange 2003 から Exchange 2007 にすべてのリソースを移動して、Exchange 2003 サーバーの接続を解除することで、Exchange 2007 への移行をすぐに完了することもできます。

note注 :
Exchange 2007 と Exchange 2003 の共存と、Exchange 2007 と Exchange 2000 の共存に手順の違いはありません。手順またはドキュメンテーションの Exchange 2003 を Exchange 2000 に置き換えるだけです。

既存の Exchange 2003 組織に Exchange 2007 をインストールする場合、共存に固有の以下のタスクが実行されます。

  • Active Directory ユニバーサル セキュリティ グループ ExchangeLegacyInterop が作成されます。このグループには、Exchange 2003 サーバーと Exchange 2000 サーバーが Exchange 2007 サーバーに電子メールを送信するためのアクセス許可が与えられます。

  • Exchange 2007 管理グループが作成されます。この管理グループは、Exchange 管理グループ (FYDIBOHF23SPDLT) と呼ばれます。

    Caution注意 :
    低レベルのディレクトリ エディタを使用して、Exchange 2007 サーバーを Exchange 管理グループ (FYDIBOHF23SPDLT) から移動したり、Exchange 管理グループ (FYDIBOHF23SPDLT) の名前を変更したりしないでください。Exchange 2007 では、構成データの格納にこの管理グループを使用する必要があります。Exchange 管理グループ (FYDIBOHF23SPDLT) からの Exchange 2007 サーバーの移動や、Exchange 管理グループ (FYDIBOHF23SPDLT) の名前の変更はサポートされていません。
  • Exchange 2007 ルーティング グループが作成されます。このルーティング グループは、Exchange ルーティング グループ (DWBGZMFD01QNBJR) と呼ばれます。

    Caution注意 :
    低レベルのディレクトリ エディタを使用して、Exchange 2007 サーバーを Exchange ルーティング グループ (DWBGZMFD01QNBJR) から移動したり、Exchange ルーティング グループ (DWBGZMFD01QNBJR) の名前を変更したりしないでください。Exchange 2007 では、以前のバージョンの Exchange と通信するために、このルーティング グループを使用する必要があります。Exchange ルーティング グループ (DWBGZMFD01QNBJR) からの Exchange 2007 サーバーの移動や、Exchange ルーティング グループ (DWBGZMFD01QNBJR) の名前の変更はサポートされていません。
  • Exchange 2007 と選択された Exchange 2003 ブリッジヘッド サーバーの間の双方向ルーティング グループ コネクタが作成されます。Exchange 2007 と Exchange 2003 では別のルーティング トポロジが使用されます。異なるバージョンの Exchange 間でメール フローが有効になるようにルーティング グループ コネクタを構成する必要があります。

note注 :
ネイティブ モードの Exchange 組織に Exchange 2007 をインストールできます。ただし、Exchange 2007 のインストール先として新しいフォレストを作成する場合、以前のバージョンの Exchange を後から追加することはできません。このシナリオはサポートされていません。

複数のタスクを実行することで、Exchange 2007 のインストールが完了します。これらすべてのタスクを同時に実行することができます。また、Exchange 2007 サーバーの役割のインストールを始める前に、一部のタスクを実行することもできます。インストールを完了するには、次の手順に従います。

  • 前提条件のツールをインストールする   サーバーの役割をインストールする前に、Exchange 2007 をインストールするコンピュータに前提条件のツールをインストールすることができます。前提条件のツールは、Microsoft .NET Framework 2.0、Microsoft Management Console 3.0、および Microsoft Windows PowerShell です。これらのツールへのリンクは、Exchange Server 2007 セットアップ プログラムに表示されます。
  • Active Directory ディレクトリ サービスを準備する   サーバーの役割をインストールする前に、Exchange 2007 をサポートするために Active Directory スキーマを拡張し、Active Directory オブジェクトとユニバーサル セキュリティ グループを作成できます。フォレストのルートでスキーマ マスタであるドメイン コントローラ上のコマンド ラインで、setup.com /PrepareAD を実行します。setup.com /PrepareAD を実行するときに、タスク setup.com /PrepareLegacyExchangePermissions も実行され、Exchange 2007 ハブ トランスポート サーバーに電子メールを送信するためのアクセス許可が与えられるユニバーサル セキュリティ グループが作成されます。インストールを始める前にこのタスクを実行しない場合は、インストール時に実行することになります。詳細については、「Active Directory とドメインを準備する方法」を参照してください。
  • サーバーの役割をインストールする Exchange Server 2007 セットアップ プログラムを使用して Exchange 2007 をインストールする方法と、コマンド ラインから setup.com を実行して無人インストールを実行する方法があります。標準インストールを実行するように選択すると、メールボックス、ハブ トランスポート、およびクライアント アクセス サーバーの役割をインストールできます。カスタム インストールを実行するように選択すると、1 つ以上のサーバーの役割をインストールできます。Exchange 2003 組織にフロント エンド サーバーがある場合、通常、最初に展開される役割はクライアント アクセス サーバーの役割です。Exchange 2007 組織の機能をフル活用するには、ハブ トランスポート サーバーの役割とメールボックス サーバーの役割をインストールする必要があります。

開始する前に

開始する前に、以下の手順を実行します。

  • 移行計画を作成します。共存環境を無期限に維持することを予定している場合は、「共存の計画」を参照してください。
    移行計画を完成させるには、以下のトピックを参照してください。
  • Exchange 2007 のインストール先のサーバーが、インストールするサーバーの役割のシステム要件を満たしていることを確認します。詳細については、「Exchange 2007 のシステム要件」を参照してください。
  • 既存の Exchange 組織がネイティブ モードで稼働していることを確認します。ネイティブ モードで稼働している Exchange 組織には、Exchange 2000 Server より以前の Exchange を実行しているサーバーを含めることはできません。詳細については、「Exchange Server 2003 および Exchange 2000 Server との共存」を参照してください。
  • Exchange 2003 のトランザクション ログ ファイルやデータベース ファイルが、D:\Priv1.edb のようにドライブのルート ディレクトリにないことを確認します。Exchange 2003 のトランザクション ログ ファイルやデータベース ファイルがドライブのルート ディレクトリにある場合は、Exchange システム マネージャ ツールを使用してそのファイルサブフォルダに移動します。
note注 :
Exchange のトランザクション ログ ファイルやデータベース ファイルを、ドライブのルート ディレクトリに保存しないことをお勧めします。詳細については、「Exchange 2007 の Exchange 管理コンソールを開いたときに警告メッセージが発生する」を参照してください。

これまでに Active Directory スキーマを準備していない場合、以下の手順を実行するには、Schema Administrators グループのメンバシップを委任されたアカウントを使用する必要があります。

組織に最初の Exchange 2007 サーバーをインストールしている場合は、Enterprise Administrators グループのメンバシップを持つアカウントを使用する必要があります。

Exchange 2007 を管理するために必要なアクセス許可、役割の委任、および権限の詳細については、「アクセス許可に関する考慮事項」を参照してください。

手順

Exchange Server 2007 セットアップ プログラムを使用して既存の Exchange 組織に Exchange 2007 をインストールするには、次の操作を行います。

  1. Exchange 2007 をインストールするサーバーにログオンします。

  2. Exchange Server 2007 DVD を DVD ドライブに挿入します。Setup.exe が自動的に開始しない場合は、DVD ディレクトリを開いて、Setup.exe をダブルクリックします。

  3. [開始] ページで、手順 1. ~ 3. を完了して前提条件のツールをインストールします。

    note注 :
    Microsoft .NET Framework 2.0、Microsoft 管理コンソール (MMC) 3.0、および Windows PowerShell が既にインストールされている場合は、これらの手順は使用できません。Microsoft .NET Framework 2.0 をインストールしていない場合、.NET Framework Developer Center へのリンクが表示されます (このサイトは英語の場合があります)。Microsoft 管理コンソール (MMC) 3.0 をインストールしていない場合は、Windows Server 2003 および Windows XP 用の MMC 3.0 更新プログラムの入手に関するページへのリンクが表示されます (このサイトは英語の場合があります)。Microsoft Windows PowerShell をインストールしていない場合、「1 の Windows Server 2003 Service Pack と 2 Windows XP service pack Windows PowerShell 1.0 英語インストール パッケージ」へのリンクが表示されます。
  4. [開始] ページで、[ステップ 4: Microsoft Exchange のインストール] をクリックします。Exchange 2007 をインストールするコンピュータにセットアップ ファイルがコピーされます。

  5. [Exchange Server 2007 セットアップ][概要] ページで、[次へ] をクリックします。

  6. [使用許諾契約書] ページで、[使用許諾契約書に同意します] をクリックし、[次へ] をクリックします。

  7. [エラー報告] ページで適切な選択肢をクリックし、[次へ] をクリックします。

  8. [インストールの種類] ページで、[Exchange Server の標準インストール] または [Exchange Server のカスタム インストール] をクリックします。Exchange Server 2007 のインストール パスを変更する場合は、[参照] をクリックし、フォルダ ツリーで適切なフォルダに移動して、[OK] をクリックします。[次へ] をクリックします。

    note注 :
    [Exchange Server の標準インストール] オプションを選択した場合、ユニファイド メッセージング サーバーの役割、エッジ トランスポート サーバーの役割、またはクラスタ化メールボックス サーバーを現在のインストール中にインストールすることはできません。追加のサーバーの役割をインストールするには、後で Setup.com を実行するか、コントロール パネルの [プログラムの追加と削除] を使用します。
  9. [メール フローの設定] ページで、[参照] をクリックし、最初のルーティング グループ コネクタの作成先となるルーティング グループにある Exchange 2003 ブリッジヘッド サーバーを選択します。

    インストール ウィザードの [メール フローの設定] ページ

  10. [Exchange サーバーの選択] ダイアログ ボックスが表示されます。Exchange 2003 ブリッジヘッド サーバーを選択し、[OK] をクリックします。

    インストール ウィザードの [Exchange サーバーの選択] ダイアログ ボックス

  11. [メール フローの設定] ページで、[次へ] をクリックします。

  12. [インストールの前提条件の確認] ページで確認が完了するのを待ってから、[インストール] をクリックします。

  13. [進行状況] ページで、組織の準備、Exchange ファイルのコピー、およびサーバーの役割のインストールが完了するのを待ってから、[終了] をクリックします。

既存の Exchange 組織で Exchange 2007 の無人インストールを実行するには、次の操作を行います。

  • コマンド プロンプトを開き、Exchange 2007 ソース ファイルのディレクトリに移動します。次のコマンドを実行します。

    Setup /mode:Install /roles:ClientAccess,HubTransport,Mailbox /LegacyRoutingServer:Exch2003BH.Contoso.com
    

構文およびパラメータの詳細については、「無人モードで Exchange 2007 をインストールする方法」を参照してください。

終了後の操作

図 3 で示すように、インストール完了後は、Exchange 2003 の Exchange システム マネージャで Exchange 2007 構成オブジェクトを表示できます。

Exchange 2007 での 2003 Exchange システム マネージャー

important重要 :
Exchange 2003 の Exchange システム マネージャで Exchange 2007 構成オブジェクトを表示することはできますが、Exchange 2007 オブジェクトの管理には Exchange 2007 ツールのみを使用する必要があります。

メール フローが正常に機能していることを確認するには、次の手順に従います。

  1. Exchange 2007 メールボックス サーバー上にメールボックスを作成します。詳細については、「新しいユーザーのメールボックスを作成する方法」を参照してください。
  2. Exchange 2007 メールボックスから、Exchange 2003 サーバー上にメールボックスを持つユーザーに宛てて電子メールメッセージを送信します。電子メール メッセージが受信されることを確認します。
  3. Exchange 2003 サーバー上にメールボックスを持つユーザーから、Exchange 2007 メールボックス ユーザーに宛てて電子メール メッセージを送信します。電子メール メッセージが受信されることを確認します。

インストールしたサーバーの役割に必要な 展開タスクの完成 タスクを実行します。

これで、Exchange 組織の移行を継続、または共存環境を維持できます。共存環境で運用している場合は、「共存の計画」に必ず目をとおしてください。

詳細情報

詳細については、以下のトピックを参照してください。

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。