スタンドアロン サーバー上で SharePoint 統合を構成する方法
新規 : 2007 年 9 月 15 日
Reporting Services を SharePoint 統合モードで実行するための配置シナリオの 1 つに、すべてのサーバー コンポーネントとアプリケーション データベースを単独のスタンドアロン サーバーにインストールするシナリオがあります。この構成は、テクノロジがどのように連携するかを理解したいと考えている場合や、カスタム アプリケーションを開発していて、便宜上すべてのサービスを単独のコンピュータで実行するという場合に便利です。インストールする必要があるコンポーネントを次の図に示します。
前提条件
コンポーネントのインストールを開始する前に、次の手順を実行する必要があります。
- 配置構成の概要を参照して、インストールするコンポーネントについて確認します。詳細については、「SharePoint 統合モードでの Reporting Services の配置構成」を参照してください。
- 構成の概要のトピックを参照して、サービス アカウントの構成に関する推奨事項と構成手順を確認します。詳細については、「SharePoint 3.0 統合用の Reporting Services の構成」を参照してください。
- SharePoint 統合モードの Reporting Services を含むすべての配置シナリオに適用されるハードウェア要件とソフトウェア要件を確認します。詳細については、「Reporting Services を SharePoint 統合モードで実行する要件」を参照してください。
- このセクションの残りの項目を参照して、スタンドアロン サーバー構成に適用される追加要件を確認します。
スタンドアロン サーバー構成のためのデータベースに関する注意点
Reporting Services と SharePoint 製品およびテクノロジは、どちらも SQL Server リレーショナル データベースを使用してアプリケーション データを格納します。Reporting Services を使用するには、互換性のあるエディションのデータベース エンジンが必要です。SharePoint 製品およびテクノロジでは、既存のデータベース サーバーがあればそのデータベースを使用できます。既存のデータベース サーバーがない場合は、セットアップ プログラムにより、SQL Server Embedded Edition が内部コンポーネントとしてインストールされ、アプリケーション データベース用に使用されます。ここでは Reporting Services のデータベース エンジンを既にインストールしているため、このインスタンスを SharePoint アプリケーション データベース用として利用することもできます。
ただし、セットアップで SQL Server Embedded Edition をインストールして使用することを選択した場合、インストールと構成の手順を大幅に省略できます。十分なディスク領域がある場合は、SharePoint によって提供される Embedded Edition を使用してください。
コンピュータに SQL Server のインスタンスを複数インストールしたくない場合は、SharePoint 構成データベースおよびコンテンツ データベースのデータベース エンジンを使用できます。そのためには、SharePoint 製品またはテクノロジをインストールするときに [詳細設定] インストール オプションを選択する必要があります。
メモ : |
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レポート サーバー インスタンスでは、データベース用に Embedded Edition を使用できません。ただし、SharePoint 製品またはテクノロジによってインストールされる Embedded Edition インスタンスは、別途インストールされた他のデータベース エンジン エディションと混在させることができます。レポート サーバー データベースに関するエディションの要件の詳細については、「レポート サーバー データベースの作成」を参照してください。 |
スタンドアロン サーバー構成のための既定のポートおよび Web サイトに関する注意点
レポート サーバーと、SharePoint 製品またはテクノロジのインスタンスを同じコンピュータにインストールする場合は、各 Web アプリケーションに一意なポート番号を割り当てる必要があります。SharePoint 製品またはテクノロジをインストールする際に [基本] インストール オプションを選択するか既定の設定を使用した場合、SharePoint の製品とテクノロジの構成ウィザードによって、SharePoint Web アプリケーションの構成時に、既定の Web サイトが使用され、トップレベル サイトにポート 80 が割り当てられます。レポート サーバーに既定の Web サイトを使用する場合は、既定の Web サイトに別のポートを選択してから、Web サイトを開始する必要があります。
インストールの順序
コンポーネント テクノロジは任意の順序でインストールできます。ただし、最良の結果を得るには、Reporting Services を最初にインストールし、有効なインストールであることを確認してから SharePoint 製品またはテクノロジをインストールする必要があります。
手順を省略するには、Reporting Services とデータベース エンジンを同時にインストールする必要があります。Reporting Servicesと データベース エンジンを同時にインストールする場合、通常は、仮想ディレクトリ、サービス アカウント、およびレポート サーバー データベースがインストール時に自動的に構成される既定の構成で Reporting Services をインストールするオプションを使用します。
配置作業の概要を以下に示します。
- Reporting Services とデータベース エンジンをインストールします。可能であれば、Reporting Services をインストールするときに [既定の構成をインストールする] オプションを選択します。
- レポート サーバーがまだ構成されていない場合は構成し、インストールが有効であることを確認します。
- SQL Server 2005 SP2 を適用します。
- Microsoft .NET Framework 3.0 再頒布可能パッケージをダウンロードし、インストールします。
- Windows SharePoint Services または Office SharePoint Server 2007 をインストールします。可能であれば、[詳細設定] インストール オプションを選択します。
- SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードを実行します。次に、SharePoint サイトを開き、インストールが有効であることを確認します。
- SharePoint テクノロジ用 Reporting Services アドインをダウンロードし、インストールします。
- サーバーの管理でレポート サーバーの統合機能を構成します。
Reporting Services とデータベース エンジンをインストールするには
- Reporting Services とデータベース エンジンを同じコンピュータ上にインストールします。詳細については、「1 台のコンピュータに Reporting Services をインストールする方法」を参照してください。
セットアップが完了したら、レポート マネージャを開いて、インストールが正常に完了していることを確認します。レポート マネージャを開くには、ブラウザ ウィンドウの URL アドレスに「https://localhost/reports」と入力します。
後で SharePoint 統合モード用にレポート サーバーを配置すると、レポート マネージャは使用できなくなります。ただし、レポート サーバーはこの段階でネイティブ モードで実行されているので、レポート マネージャを使用してインストールを検証できます。
既定の構成をインストールしなかった場合は、Reporting Services 構成ツールを開いて、レポート サーバーの動作を構成できます。手順については、「Reporting Services の構成の操作方法に関するトピック」を参照してください。
SQL Server 2005 Service Pack 2 を適用するには
SQL Server 2005 SP2 をダウンロードし、インストールします。詳細については、Microsoft の Web サイトの「SQL Server 2005 の最新の Service Pack を入手する方法」を参照してください。
SP2 は、構成済みのまたは未構成の Reporting Services インストールに適用できます。
SP2 のインストールについて、すべての既定値を受け入れます。
SP2 アップグレードの対象としてデータベース エンジン (MSSQLSERVER) と Reporting Services (<servername>\ReportServer) インスタンスの両方が選択されていることを確認します。
.NET Framework 3.0 再頒布可能パッケージをダウンロードするには
Microsoft ダウンロード センターから .NET Framework 3.0 をダウンロードします。
セットアップを実行します。セットアップはバックグラウンドで実行され、完了するまでにしばらくかかります。進捗状況を確認するには、タスク バーの通知領域の Microsoft .NET Framework 3.0 インストール アイコンをクリックします。
SharePoint Services または Office SharePoint Server をインストールして構成するには
インストール メディアから Setup.exe を実行します。
25 桁のプロダクト キーを入力します。
ソフトウェア使用許諾契約に同意します。
[基本] をクリックします。
このオプションを選択した場合、インストール手順は最も少なくなります。ソフトウェアはすべての既定値を使用して即座にインストールされます。さらに、サーバーの管理と既定の SharePoint サイトを設定するための構成手順も自動化されます。
既存のデータベース エンジンのインスタンスを使用する場合は、[詳細設定] をクリックする必要があります。このオプションを選択した場合、使用するデータベース サーバーを指定するための [完全] インストール オプションが使用可能になります。[詳細設定] インストール オプションを選択すると、後で実行する構成手順が複雑になります。[詳細設定] インストールを指定して構成する方法については、「複数のサーバー上で SharePoint 統合を構成する方法」の「SharePoint 製品またはテクノロジをインストールするには」の手順を参照してください。マルチサーバー配置トピックの [詳細設定] を使ったインストールおよび構成手順を完了したらこのトピックに戻り、ポートの割り当てを編集し、その他の残りの作業を実行します。
[完了] ページで、[SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードを今すぐ実行する] チェック ボックスがオンになっていることを確認します。
[閉じる] をクリックします。
セットアップが完了した後、SharePoint の製品とテクノロジの構成ウィザードが実行されます。[基本] インストール オプションを選択しているため、構成作業はバックグラウンドで実行されます。構成作業が完了すると、[完了] をクリックできるようになります。
インストールが正常に完了していることを確認します。既定では、構成作業が完了した後、ブラウザ ウィンドウに SharePoint サイトが表示されます。この手順で、インストールと構成プロセスを検証します。
SharePoint の製品とテクノロジの構成ウィザードでは、既定でポート 80 が SharePoint Web アプリケーションに割り当てられるので、レポート サーバーが使用できなくなります。そのため、別のポートを使用するようにレポート サーバーの構成設定を変更し、既定の Web サイトを起動する必要があります。
既定の Web サイトのポートの割り当てを編集するには
IIS マネージャを起動します。<ui>[スタート]</ui>、<ui>[管理ツール]</ui>、[インターネット インフォメーション サービス] の順にクリックします。
[既定の Web サイト] を右クリックして、[プロパティ] をクリックします。
別のポートを指定します。既定では、SharePoint Web アプリケーションはポート 80 を使用します。同じコンピュータ上のレポート サーバーを既定の Web サイトで実行するには、未使用の別のポート (たとえば、8080) を選択します。
既定の Web サイトを開始します。既定では、このサイトは、SharePoint Web アプリケーション用のサイト コレクションを作成および構成する際に停止します。レポート サーバーにアクセスするには、このサイトを再開する必要があります。そのためには、[既定の Web サイト] を右クリックし、[開始] をクリックします。
ブラウザ ウィンドウを開き、ポート番号を含む URL (たとえば、http://example-server-name:8080/reportserver) を入力して、レポート サーバーが動作していることを確認します。
特定のポート用に構成された既定の Web サイトを使用している場合は、テキスト エディタを使って RSReportServer.config ファイルを編集して、そのポート (たとえば、http://example-server-name:8080/reportserver) を UrlRoot 構成設定に追加します。Reporting Services では、UrlRoot 構成設定を使用して、レポート サーバー上で処理されるレポートに解決される、電子メール メッセージ内のリンクを構成します。このファイルの詳細については、「RSReportServer 構成ファイル」を参照してください。
SharePoint 統合モード用にレポート サーバー データベースを作成するには
Reporting Services 構成ツールを起動して、レポート サーバー インスタンスに接続します。手順については、「Reporting Services 構成を開始する方法」を参照してください。
ナビゲーション ウィンドウで、<ui>[データベースのセットアップ]</ui> をクリックします。
[サーバー モード] で、[変更] をクリックします。
[はい] をクリックして、SharePoint 統合モード動作をサポートする新しいレポート サーバー データベースを作成することを確認します。
[データベース名] に、新しいデータベースの名前 (たとえば reportserverSharepointMode) を入力します。
[SharePoint 統合モードでレポート サーバー データベースを作成する] チェック ボックスがオンになっていることを確認します。
[OK] をクリックして、データベースを作成します。
[適用] をクリックして、残りの接続設定を自動的に構成します。この手順を完了するために、データベース エンジンのインスタンスに接続するよう求められます。[OK] をクリックして接続を確認します。詳細については、「SharePoint 統合モード用のレポート サーバー データベースを作成する方法 (Reporting Services 構成)」を参照してください。
新しくインストールした Reporting Services を使用して作業する場合、レポートの自動実行をサポートするには、自動レポート処理アカウントも構成する必要があります。必要に応じて、電子メール配信を行うようにレポート サーバーを構成します。詳細については、「自動実行されるレポート処理用のアカウントの構成」および「電子メール配信用のレポート サーバーの構成」を参照してください。
SharePoint テクノロジ用 Reporting Services アドインをダウンロードしてインストールするには
Microsoft Web サイトのダウンロード ページ「Microsoft SharePoint テクノロジ用 Microsoft SQL Server 2005 Reporting Services アドイン」にアクセスします。
重要 : Reporting Services アドインをインストールするには、SharePoint Web ファームの管理者であると同時にサイト コレクションの管理者である必要があります。 インストールする言語を選択します。
[このダウンロードに含まれるファイル] で、32 ビット バージョンまたは 64 ビット バージョンの Reporting Services アドインに対応する [ダウンロード] をクリックします。
[保存] をクリックしてファイルをコンピュータ上の場所に保存します。
Windows エクスプローラを開き、ファイルが保存されているフォルダを参照します。
SharePointRS.msi をダブルクリックしてインストールを開始します。詳細については、「Reporting Services アドインをインストールする方法」を参照してください。
Reporting Services アドインの最新バージョンの readme ファイルを入手して、最新の変更内容や既知の問題を確認してください。Microsoft Web サイトのダウンロード ページの [このダウンロードに含まれるファイル] で、readme_rsaddin.htmファイルに対応する [ダウンロード] をクリックしてこのファイルを開いた後、ファイルを自分のコンピュータに保存します。
レポート サーバー統合を構成するには
[スタート] ボタン、[管理ツール]、[SharePoint 3.0 のサーバーの管理] の順にクリックします。
重要 : Reporting Services アドインをインストールするには、SharePoint Web ファームの管理者であると同時にサイト コレクションの管理者である必要があります。 [アプリケーション構成の管理] をクリックします。Reporting Services という名前の新しいセクションが表示され、統合設定に使用するページへのリンクが示されます。このセクションが表示されない場合は、レポート サーバー統合機能をアクティブ化する必要があります。詳細については、「SharePoint のサーバーの管理でレポート サーバー機能をアクティブ化する方法」を参照してください。
少なくとも、レポート サーバーの URL を設定し、認証モードを選択して、レポート サーバーに SharePoint データベースへのアクセス権を与える必要があります。詳細については、「SharePoint のサーバーの管理でレポート サーバー統合機能を構成する方法」を参照してください。
サーバーの管理を終了します。
次の手順
統合を確認するには、Reporting Services 構成ツールを起動し、[SharePoint 統合] ページを開いてサーバーの状態を表示します。SharePoint のサーバーの管理を開始するためのリンクが表示されます。
また、ブラウザ ウィンドウでレポート サーバーを開いて、インストールを確認することもできます。URL は、http://example-server-name:8080/reportserver のような形式にする必要があります。これはプロキシ エンドポイントに対する URL です。レポート サーバー アイテムを SharePoint ライブラリに追加した後、ブラウザ ウィンドウでこの URL を開き、サイト上のアイテムを表示できます。
最終的には、SharePoint Web アプリケーションを起動して、レポートや他のドキュメントを SharePoint ライブラリにアップロードできるようになります。
すべてのコンポーネントをインストールし、サーバー コンポーネントを接続するための設定を構成した後は、権限の割り当て、コンテンツの種類の追加、および SharePoint ライブラリへのレポート サーバー アイテムの追加などの作業を行う必要があります。
サーバー統合のための配置作業を完了するには :
- SharePoint Web アプリケーションを起動します。既定の URL は http://<your-server-name> です。
- ユーザーが SharePoint サイトにアクセスできるように権限を設定します。セキュリティは必要ですが、既存の権限を継承する場合は、特定のアイテムに対して権限を設定する必要はありません。詳細については、「SharePoint サイトのレポート サーバー アイテムに関する権限とセキュリティの管理」または「SharePoint サイト上のレポート サーバー アイテムに対する権限を設定する方法」を参照してください。
- 新しい共有データ ソース、レポート モデル、およびレポート ビルダ レポートを作成する場合は、Reporting Services のコンテンツの種類を追加します。詳細については、「レポート サーバー コンテンツの種類をライブラリに追加する方法 (SharePoint 統合モード)」を参照してください。
- レポートおよびモデルで使用する共有データ ソースを作成します。詳細については、「共有データ ソースを作成および管理する方法 (SharePoint 統合モード)」を参照してください。
- サブスクリプションまたは自動レポート処理で使用する共有スケジュールを作成します。詳細については、「共有スケジュールを作成および管理する方法 (SharePoint 統合モード)」を参照してください。
- レポート定義ファイル (.rdl)、データ ソース ファイル (.rds)、およびレポート モデル ファイル (.smdl) を SharePoint ライブラリにパブリッシュします。また、SharePoint ライブラリでアップロード コマンドを使用して、.rdl ファイルと .smdl ファイルをアップロードすることもできます。ただし、.rds ファイルはアップロードできません。権限に応じて、レポート ビルダでレポートを作成してライブラリに保存することもできます。共有データ ソースまたは外部ファイルへの参照がレポートに含まれている場合、参照を更新する必要があります。詳細については、「SharePoint サイトへのレポート、モデル、共有データ ソースの配置」および「SharePoint ライブラリにドキュメントをアップロードする方法 (SharePoint 統合モード)」を参照してください。
レポートをアップロードする場合、レポートのデータ ソース プロパティが正しいことを確認してください。このデータ ソースには、外部データ ソースに対する有効な接続文字列が必要です。資格情報の種類は、ネットワーク トポロジに対して有効である必要があります。具体的には、Kerberos 認証がドメインに対して有効ではない場合、資格情報の種類に Windows 統合セキュリティは使用できません。代わりに、保存されている資格情報を指定する必要があります。データ ソース プロパティが正しいことを確認したら、レポート名をクリックしてレポートを開くことができます。レポートは、レポート ビューア Web パーツに自動的に表示されます。
レポートが表示されない場合は、レポートに対する権限と、外部データ ソースへの接続を定義するデータ ソース プロパティを確認します。サイトまたはファームでは、SharePoint の権限を使用して、レポート、レポート モデル、共有データ ソース、およびアドホック レポートの作成に使用されるレポート ビルダ ツールへのアクセスを制御しています。これらのアイテムがユーザーに表示されない場合、権限が正しく設定されているかどうかを確認する必要があります。
SharePoint 統合モードで実行されるレポート サーバーは、レポート マネージャまたは SQL Server Management Studio では管理できません。サポートされている機能とサポートされていない機能の一覧については、「SharePoint 統合モードで Reporting Services がサポートする機能」を参照してください。
参照
処理手順
複数のサーバー上で SharePoint 統合を構成する方法
概念
Reporting Services を SharePoint 統合モードで実行する要件
SharePoint 統合モードでの Reporting Services の配置構成
Reporting Services の配置モード
SharePoint 3.0 統合用の Reporting Services の構成
Reporting Services と SharePoint テクノロジの統合
その他の技術情報
SQL Server Reporting Services のインストール