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データベース エンジンでの Integration Services の使用

MicrosoftSQL Serverデータベース エンジンは、リレーショナル形式 (表形式) または XML ドキュメントでデータを格納、処理、および保護するためのコア サービスです。SQL Server データベース エンジンに用意されているツールや機能を使用すると、大規模なオンライン トランザクション処理 (OLTP) データベースを構築して、変化を伴うデータを管理することも、大量の固定データに対する分析や検索が容易になるようなデータ ウェアハウスを編成することもできます。

データベース エンジンの詳細については、「データベース エンジンの概念」を参照してください。

ここでは、データベース エンジンとの連携のために設計された Integration Services オブジェクトに焦点を当てて説明します。Integration Services には、SQL Server Compact データベースへの接続やデータの書き込みのためのオブジェクトも含まれています。

詳細については、「SQL Server Compact による Integration Services の使用」を参照してください。

接続マネージャ

接続マネージャとは、データ ソースへの接続を論理的に表したものです。データベース エンジンへの接続にはさまざまな接続マネージャを使用できます。データベース エンジン専用の接続マネージャは SMO 接続マネージャだけです。その他の接続マネージャのパッケージにはより汎用性の高いアプリケーションが含まれており、他の種類のデータ ストアに接続できます。

SMO 接続マネージャ

SMO 接続マネージャは、パッケージから SQL 管理オブジェクト (SMO) サーバーへの接続を可能にします。Integration Services の転送タスクでは、SMO 接続マネージャを使用します。SMO 接続マネージャを構成する際には、SQL Server がインストールされているサーバーの名前や、サーバーに接続するための認証モードを指定できます。

詳細については、「SMO 接続マネージャ」を参照してください。

タスク

タスクとは、パッケージで実行される作業の単位を定義する、制御フローの要素のことです。以下のタスクを使用して、SQL Server データベースのオブジェクトを作成、変更、および処理することができます。

以下のタスクは、データベース エンジン専用に作られています。

一括挿入タスク

一括挿入タスクは、テキスト ファイルから SQL Server のテーブルまたはビューにデータをコピーします。データがテキスト ファイルにあり、変換の必要がない場合は、これがテキスト ファイルから SQL Server にデータを読み込むための最も簡単な方法になります。フォーマット ファイルを一緒に使用してフィールドやデータ型を定義したり、一括挿入オプションを設定したりすることもできます。一括挿入タスクでは、XML および XML 以外のフォーマット ファイルの両方がサポートされます。

このタスクの詳細については、「一括挿入タスク」を参照してください。

一括挿入タスクは、ファイル接続マネージャを使用してソース ファイルに接続し、OLE DB 接続マネージャを使用してデータベース エンジンに接続します。

詳細については、「フラット ファイル接続マネージャ」および「OLE DB 接続マネージャ」を参照してください。

転送タスク

転送タスクは、SQL Server のインスタンス間および SQL Server データベース間で SQL Server オブジェクトを移動またはコピーします。これらのタスクを使用すると、データベース、エラー メッセージ、ジョブ、ログイン、master データベースのユーザー定義ストアド プロシージャなどの SQL Server オブジェクトや、テーブル、ビュー、スキーマなどのデータベースレベルのオブジェクトを転送できます。これらのタスクは SQL Server でのみ使用でき、SQL Server 2000 のインスタンス間、SQL Server のインスタンス間、またはそれぞれの SQL Server のインスタンス間で転送を行うことができます。

データベース転送タスク

データベース転送タスクは、SQL Server の 2 つのインスタンスの間で SQL Server データベースを転送します。SQL Server オブジェクトをコピーして転送するだけの他のタスクに対し、データベース転送タスクでは、データベースをコピーまたは移動できます。このタスクを使用して、同じサーバー上のデータベースをコピーすることもできます。

このタスクの詳細については、「データベース転送タスク」を参照してください。

エラー メッセージ転送タスク

エラー メッセージ転送タスクは、SQL Server インスタンス間で SQL Server ユーザー定義エラー メッセージを転送します。ユーザー定義メッセージとは、ID の値が 50000 以上のメッセージのことです。ID の値が 50000 未満のメッセージはシステム エラー メッセージなので、エラー メッセージ転送タスクを使用して転送することはできません。このタスクは、選択した言語のメッセージだけを転送するように構成できます。ただし、その場合は、コード ページ 1033 を使用する us_english バージョンのメッセージが転送先のサーバーに存在している必要があります。

このタスクの詳細については、「エラー メッセージ転送タスク」を参照してください。

ジョブ転送タスク

ジョブ転送タスクは、SQL Server のインスタンス間で 1 つ以上の SQL Server エージェント ジョブを転送します。また、転送先で転送したジョブを有効にするかどうかも指定できます。

このタスクの詳細については、「ジョブ転送タスク」を参照してください。

ログイン転送タスク

ログイン転送タスクは、SQL Server のインスタンス間で 1 つ以上のログインを転送します。また、ログインに関連付けられているセキュリティ識別子 (SID) をコピーするかどうかも指定できます。同時にデータベースを転送する場合は SID をコピーする必要があります。SID をコピーしないと、転送したログインが転送先のデータベースで認識されません。

このタスクの詳細については、「ログイン転送タスク」を参照してください。

Master ストアド プロシージャ転送タスク

Master ストアド プロシージャ転送タスクは、SQL Server のインスタンス上の master データベース間で、1 つ以上のユーザー定義ストアド プロシージャを転送します。master データベースからストアド プロシージャを転送するには、プロシージャの所有者が dbo である必要があります。このタスクでは、システム ストアド プロシージャはコピーされません。

このタスクの詳細については、「Master ストアド プロシージャ転送タスク」を参照してください。

SQL Server オブジェクトの転送タスク

SQL Server オブジェクトの転送タスクは、SQL Server データベース内の 1 つ以上の種類のオブジェクトを SQL Server のインスタンス間で転送します。転送元として使用される SQL Server のバージョンに応じて、コピーできるオブジェクトの種類が異なります。たとえば、スキーマとユーザー定義集計は SQL Server データベースだけに含まれます。転送するオブジェクトによって、転送に含める関連オブジェクトを選択できます。

このタスクの詳細については、「SQL Server オブジェクトの転送タスク」を参照してください。

メンテナンス タスク

Integration Services には、データベースのメンテナンス機能を実行するタスクのセットが含まれます。これらのタスクは通常、データベース メンテナンス プランで使用されますが、SSIS パッケージに含めることもできます。詳細については、「メンテナンス プラン ウィザード」および「メンテナンス プラン」を参照してください。

メンテナンス タスクは、SQL Server 2000 と SQL Server のデータベースおよびデータベース オブジェクトに対して使用できます。

データベースのバックアップ タスク

データベースのバックアップ タスクは、さまざまな種類の SQL Server データベースのバックアップを実行します。単一のデータベースをバックアップすることも、複数のデータベースをバックアップすることもできます。タスクにより単一データベースのみをバックアップする場合、バックアップ対象となるデータベース、ファイル、またはファイル グループなどのコンポーネントを選択できます。

このタスクの詳細については、「データベースのバックアップ タスク」を参照してください。

データベースの整合性確認タスク

データベースの整合性確認タスクは、指定されたデータベース内のすべてのオブジェクトの割り当てと構造上の整合性を検査します。このタスクは、単一のデータベースまたは複数のデータベースをチェックできます。また、データベースのインデックスもチェックするかどうかを選択できます。

このタスクの詳細については、「データベースの整合性確認タスク」を参照してください。

SQL Server エージェント ジョブの実行タスク

SQL Server エージェント ジョブの実行タスクは、SQL Server エージェント ジョブを実行します。SQL Server エージェントは、SQL Server のインスタンスで定義されたジョブを実行する Microsoft Windows サービスです。ユーザーは、Transact-SQL ステートメントや ActiveX スクリプトの実行、Analysis Services やレプリケーションのメンテナンス タスクの実行、およびパッケージの実行を行うジョブを作成できます。MicrosoftSQL Server を監視し、警告を発するジョブを構成することもできます。SQL Server エージェント ジョブは、繰り返して実行するタスクの自動化に使用することが普通です。

このタスクの詳細については、「SQL Server エージェント ジョブの実行タスク」を参照してください。

T-SQL ステートメントの実行タスク

T-SQL ステートメントの実行タスクは、Transact-SQL ステートメントを実行します。このタスクは、SQL 実行タスクと同様です。ただし、T-SQL ステートメントの実行タスクでは、SQL 言語の Transact-SQL バージョンのみがサポートされるため、このタスクを使用して、SQL 言語の他の仕様の言語によるステートメントをサーバーで実行することはできません。パラメータ化クエリの実行、クエリ結果の変数への保存、またはプロパティ式の使用が必要な場合は、T-SQL ステートメントの実行タスクではなく、SQL 実行タスクを使用する必要があります。

このタスクの詳細については、「T-SQL ステートメントの実行タスク」および「SQL 実行タスク」を参照してください。

履歴クリーンアップ タスク

履歴クリーンアップ タスクは、バックアップ操作と復元操作、SQL Server エージェント ジョブ、およびデータベース メンテナンス プランに関連する履歴データを削除します。このタスクには、履歴テーブルに保持されるデータの、最も古い日付を指定するプロパティが含まれます。このタスクでは、backupfile テーブルや backupfilegroup テーブルなど、SQL Server の msdb データベースにある履歴テーブルのエントリが削除されます。

このタスクの詳細については、「履歴クリーンアップ タスク」を参照してください。

メンテナンス クリーンアップ タスク

メンテナンス クリーンアップ タスクでは、データベース バックアップ ファイルや、メンテナンス プランによって作成されたレポートなど、メンテナンス プランに関連するファイルを削除します。このタスクには、特定のファイルを削除したり、フォルダ内の複数のファイルを削除したりするオプションがあります。必要に応じて、削除するファイルの拡張子を指定することもできます。削除するファイルの期限は、日、週、月、または年を使用して指定できます。

このタスクの詳細については、「メンテナンス クリーンアップ タスク」を参照してください。

オペレータへの通知タスク

オペレータへの通知タスクは、通知メッセージを SQL Server エージェント オペレータに送信します。SQL Server エージェント オペレータは、電子通知を受信できる人またはグループの別名です。電子メール、ポケットベル、または Net Send を使用して、1 人以上のオペレータに通知できます。通知方法は、オペレータごとに変更できます。

このタスクの詳細については、「オペレータへの通知タスク」を参照してください。

インデックスの再構築タスク

インデックスの再構築タスクでは、SQL Server データベースのテーブルおよびビュー内のインデックスを再構築します。単一データベースまたは複数のデータベース内のインデックスを再構築できます。このタスクにより単一データベース内のインデックスのみを再構築する場合、タスクによってインデックスを再構築するビューおよびテーブルを選択できます。

このタスクの詳細については、「オペレータへの通知タスク」を参照してください。

インデックスの再編成タスク

インデックスの再編成タスクは、SQL Server データベースのテーブルおよびビューのインデックスを再編成します。単一データベースまたは複数データベースのインデックスを再編成できます。タスクにより単一データベースのインデックスのみを再編成する場合、インデックスの再編成の対象となるビューまたはテーブルを選択できます。また、インデックスの再編成タスクには、ラージ オブジェクト データを圧縮するオプションが含まれます。ラージ オブジェクト データとは、image、text、ntext、varchar(max)、nvarchar(max)、varbinary(max)、または xml データ型のデータのことです。

このタスクの詳細については、「インデックスの再編成タスク」を参照してください。

データベースの圧縮タスク

データベースの圧縮タスクは、SQL Server データベースのデータおよびログ ファイルのサイズを縮小します。単一データベースまたは複数データベースのファイルを圧縮できます。データベースの圧縮タスクで複数のデータベースを圧縮する場合、複数の SHRINKDATABASE コマンドが、1 つのデータベースにつき 1 回ずつ実行されます。SHRINKDATABASE コマンドのすべてのインスタンスは、データベース名を指定する引数以外の引数に同じ値を使用します。

このタスクの詳細については、「データベースの圧縮タスク」を参照してください。

統計の更新タスク

統計の更新タスクは、指定されたテーブルまたはインデックス付きビュー内の 1 つ以上の統計グループ (コレクション) についてキー値の分布に関する情報を更新します。単一データベースまたは複数のデータベース内の統計を更新できます。このタスクにより単一データベース内の統計のみを更新する場合、タスクによって統計を更新するビューおよびテーブルを選択できます。更新は、すべての統計、列統計のみ、またはインデックス統計のみを対象とするように構成できます。

統計の更新タスクにより複数データベース内の統計を更新する場合、タスクは複数の UPDATE STATISTICS ステートメントを各テーブルまたはビューに対して 1 つずつ実行します。UPDATE STATISTICS の全インスタンスで同じ句が使用されますが、テーブル名やビュー名を指定する引数の値が異なります。

このタスクの詳細については、「統計の更新タスク」を参照してください。

データ フローの変換先

変換先とは、データ フローの出力を別の種類のデータ ソースに読み込んだり、メモリ内のデータセットを作成する、データ フロー コンポーネントのことです。データベース エンジン専用の変換先は SQL Server 変換先だけです。

SQL Server 変換先

SQL Server 変換先はローカルの SQL Server データベースに接続し、データを SQL Server テーブルまたはビューに一括で読み込みます。リモート サーバーの SQL Server データベースにアクセスするパッケージでは、SQL Server 変換先ではなく、OLE DB 変換先を使用してください。SQL Server 変換先で行われるのは、一括挿入タスクで行われるものと同じ、SQL Server への高速なデータ挿入です。ただし、SQL Server 変換先を使用することによって、データが SQL Server に読み込まれる前に変換を列データに適用できます。

この変換先の詳細については、「SQL Server 変換先」を参照してください。

データベース エンジンのためのその他の Integration Services タスクとコンポーネント

SQL 実行タスクおよび多くの Integration Services コンポーネントは、リレーショナル データベースに接続します。SQL 実行タスクが SQL ステートメントを実行し、データ フロー コンポーネントがデータの抽出や読み込みや、データベース エンジンで一時テーブルやインデックスの格納を行います。次に示すデータ フロー コンポーネントは、データベース エンジン専用に設計されたものではありませんが、リレーショナル データベースのデータへのアクセスや、SQL Server データベースの要求を行います。

SQL 実行タスク   SQL ステートメントやストアド プロシージャを実行します。このタスクには、1 つの SQL ステートメントまたは順に実行される複数の SQL ステートメントを含めることができます。Excel などの非リレーショナル データ ストアに対して SQL ステートメントを実行することもできます。詳細については、「SQL 実行タスク」を参照してください。

ADO NET ソース : .NET プロバイダからデータを呼び出し、そのデータをデータ フローで使用できるようにします。詳細については、「ADO NET ソース」を参照してください。

OLE DB ソース   OLE DB プロバイダを使用してリレーショナル データ ソースからデータを抽出します。詳細については、「OLE DB ソース」を参照してください。

あいまいグループ化変換   重複部分と考えられるデータの行を識別することによって、データ クリーニング タスクを実行します。この変換では、変換アルゴリズムの処理に必要な一時テーブルを作成するために、データベース エンジン インスタンスに接続します。詳細については、「あいまいグループ化変換」を参照してください。

あいまい参照変換   参照テーブルであいまい一致参照を実行することによって、データ クリーニング タスクを実行します。参照テーブルは、SQL Server データベースのテーブルである必要があります。この変換では、使用する一致インデックスを作成するために、データベース エンジンのインスタンスに接続します。詳細については、「あいまい参照変換」を参照してください。

参照変換   参照を実行して参照テーブルからデータを追加することにより、データセットを拡張または変更します。この変換では、参照テーブルを含むリレーショナル データベースに接続します。詳細については、「参照変換」を参照してください。

OLE DB コマンド変換   変換入力の各行に対して SQL ステートメントを実行します。この変換では、SQL ステートメントを実行するときにリレーショナル データベースに接続します。詳細については、「OLE DB コマンド変換」を参照してください。

用語抽出変換   テキストから用語を抽出します。リレーショナル データベースのテーブルを使用して、用語をフィルタによって除外することもできます。この変換では、除外用語のテーブルを含むリレーショナル データベースに接続します。詳細については、「用語抽出変換」を参照してください。

用語参照変換   テキストから抽出した用語を参照テーブルの用語と照合することによって参照を実行します。また、用語が見つかった回数をカウントします。この変換では、参照テーブルを含むリレーショナル データベースに接続します。詳細については、「用語参照変換」を参照してください。

OLE DB 変換先   OLE DB プロバイダを使用してリレーショナル データ ソースにデータを読み込みます。詳細については、「OLE DB 変換先」を参照してください。

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