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使用状況ファイルのピボット テーブルを使用して EA の請求に関する問題をトラブルシューティングする

この記事は、使用状況ファイルのピボット テーブルを使用して、EA の請求に関する問題をトラブルシューティングする場合に役立ちます。 Azure 使用状況ファイルには、Azure の使用状況と消費量に関するすべての情報が含まれています。 このファイル内の情報は、次のことを理解するために役立ちます。

  • Azure の予約がどのように使用および適用されているかを理解する
  • 請求書を使用して、Cost Management の情報を調整する
  • コスト スパイクをトラブルシューティングする
  • サービス レベル アグリーメントの払戻額を計算する

使用状況ファイルの情報を使用すると、使用状況の問題をより深く理解し、診断することができます。 使用状況ファイルは、コンマ区切り (CSV) 形式で生成されます。 使用状況ファイルは大きな CSV ファイルになる可能性があるため、Excel のようなスプレッドシート アプリケーションでピボット テーブルとして操作および表示する方が簡単です。 この記事の例では Excel を使用しますが、必要な任意のスプレッドシート アプリケーションを使用できます。

使用状況ファイルにアクセスしてダウンロードできるのは、EA 管理者、アカウント オーナー、部署管理者のみです。

データの取得と書式設定

Azure 使用状況ファイルは CSV 形式であるため、Excel で使用できるようにデータを準備する必要があります。 データをテーブルとして書式設定するには、次の手順に従います。

  1. EA のお客様の使用量のダウンロード」にある手順に従い、[Usage Details Version 2] で [All Charges (usage and purchases)](すべての料金 (使用状況と購入)) を選択してファイルをダウンロードします。
  2. Excel でファイルを開きます。
  3. 書式設定されていないデータは、次の例のようになります。
    Excel で表示されている書式設定されていないデータを示すスクリーンショット。
  4. テーブルの最初のフィールド (1 番目の列のタイトル BillingAccountID を含むフィールド) を選択します。
  5. Ctrl + Shift + 下方向キーを押し、次に Ctrl + Shift + 右方向キーを押して、テーブル内のすべての情報を選択します。
  6. トップ メニューで、 [挿入]>[テーブル] の順に選択します。 [テーブルの作成] ボックスで、 [先頭行をテーブルの見出しとして使用する] を選択し、 [OK] を選択します。
    [テーブルの作成] ダイアログを示すスクリーンショット。
  7. トップ メニューで、 [挿入]>[ピボット テーブル] の順に選択し、 [OK] を選択します。 この操作により、ファイル内に新しいシートが作成され、 シートの右側にあるピボット テーブル領域に移動します。
    [ピボットテーブルのフィールド] 領域を示すスクリーンショット。

[ピボットテーブルのフィールド] 領域は、ドラッグ アンド ドロップ領域です。 次のセクションに進んで、ピボット テーブルを作成します。

Azure のコストをリソース別に表示するピボット テーブルの作成

このセクションでは、一般的な Azure 使用状況全体をトラブルシューティングできるピボット テーブルを作成します。 このテーブルの例は、リソースを最も消費しているサービスを調べるために役立ちます。 また、最もコストがかかっているリソースや、サービスへの課金方法を確認することもできます。

  1. [ピボットテーブルのフィールド] 領域で、 [MeterCategory][Product][行] セクションにドラッグします。 [Product][MeterCategory] の下に配置します。
    [行] に配置された [MeterCategory] と [Product] を示すスクリーンショット。
  2. 次に [Cost] 列を [値] セクションに追加します。 また、代わりに [Consumed Quantity] 列を使用して、消費単位やトランザクションに関する情報を取得することもできます。 たとえば、GB や時間数などです。 または、USD、EUR、INR などのさまざまな通貨単位のコストの代わりに、トランザクション数も取得できます。
    ピボット テーブルのフィールドに追加された列を示すスクリーンショット。
  3. これで、汎用的な消費量調査のためのダッシュボードが作成されました。 ピボット テーブルのフィルター オプションを使用して特定のサービスをフィルター処理できます。
    ピボット テーブルの行ラベルのフィルター オプションを示すスクリーンショット。 ピボット テーブルで 2 番目のレベル (たとえば、リソース) をフィルター処理するには、テーブル内で 2 番目のレベルの項目を選択します。
    [フィールドの選択] のフィルター オプションを示すスクリーンショット。
  4. [ResourceID] 列を [行] 領域の [Product] の下にドラッグすると、各サービスのコストがリソース別に表示されます。 詳細な価格情報を表示するには、組織の [UnitPrice] を表示し、価格表の最初の列で [Product] を検索します。
  5. [Date] 列を [列] 領域に追加すると、製品の日次消費量が表示されます。
    [Date] を [列] 領域に配置する場所を示すスクリーンショット。
  6. 月を展開したり、折りたたんだりするには、各月の列の + 記号を使用します。
    + 記号を示すスクリーンショット。
    [Cost][Quantity] の両方の列を [値] 領域に追加するのはオプションです。 そうすることで、ピボット テーブルの [列] セクションに [Date] 列がある場合、各月と日の下のデータ セクションごとに 2 つの列が作成されます。
  7. 追加のフィルターについては、[SubscriptionID]、[Department]、[ResourceGroup]、[Tags]、または [Cost Center] 列を [フィルター] 領域に追加し、必要な項目を選択できます。

特定のリソースのコストを表示するピボット テーブルの作成

1 つのリソースで、さまざまなサービスに対して複数の料金が発生する場合があります。 たとえば、仮想マシンの場合、コンピューティング、OS ライセンス、帯域幅 (データ転送)、RI 使用量、スナップショット用ストレージの料金が発生する可能性があります。 特定のリソースの全体的な使用状況を確認する場合は常に、次の手順でダッシュボードを作成し、使用状況ファイルを使用して全体的な使用状況を表示します。

  1. 右側のメニューで、 [ResourceID] を、ピボット テーブル メニューの [フィルター] セクションにドラッグします。
  2. コストを表示するリソースを選択します。 リソース名を [検索] ボックスに入力して検索します。
  3. [MeterCategory][Product] を [行] セクションに追加します。 [Product][MeterCategory] の下に配置します。
    [ピボット テーブルのフィールド] 領域に [MeterCategory] を配置する場所を示すスクリーンショット。
  4. 次に [Cost] 列を [値] セクションに追加します。 また、代わりに [Consumed Quantity] 列を使用して、消費単位やトランザクションに関する情報を取得することもできます。 たとえば、GB や時間数などです。 または、USD、EUR、INR などのさまざまな通貨単位のコストの代わりに、トランザクション数も取得できます。 これで、リソースで使用されるすべてのサービスを表示するダッシュボードが作成されました。
  5. [Date] 列を [列] セクションに追加します。 これにより、日次消費量が表示されます。
  6. 展開および縮小するには、各月の列にある + 記号を使用します。
    + 記号を示すスクリーンショット。

大きな使用状況ファイルを使用する前にデータを変換する

使用状況または調整ファイルが大きすぎて開けない場合があります。 また、問題をトラブルシューティングするには、情報の一部だけが必要な場合もあります。 たとえば、特定のリソースのみ、または一部のサービスやリソース グループの消費量のみに関する情報のみが必要な場合があります。 ピボット テーブルを作成する前に、データを変換して集計することができます。

  1. Excel で空のブックを開きます。

  2. 上部のメニューで、 [データ]>[テキスト/CSV から] を選択し、使用状況ファイルを選択して、 [インポート] を選択します。

  3. ウィンドウの下部で、 [データの変換] を選択します。 新しいウィンドウにデータの概要が表示されます。
    集計データを示す例

  4. 通常、MCA 使用状況ファイルには最初の行に列タイトルがあるため、Microsoft 顧客契約をお持ちの場合は、この手順をスキップして、次に進みます。 テーブルを作成してデータを準備します。 上位の行を削除して、タイトルだけを残します。 [行の削除]>[上位の行の削除] を選択します。
    上位の行を削除する場所を示す例

  5. [上位の行の削除] ウィンドウに、上部の削除する行数を入力します。 EA の場合は、通常 2 で、CSP の場合は、通常 1 です。 [OK] を選択します。

  6. [先頭の行を見出しとして使用] を選択します。
    [先頭の行を見出しとして使用] を示す例

    テーブル ビューには、上部に列タイトルが表示されます。

  7. 次に、フィルターを追加します。 フィルター処理するには、各列タイトルの右側にあるセレクター矢印を使用します。 推奨されるフィルターは、サブスクリプション ID、サービス名 (Meter category)、インスタンス ID、リソース グループです。 同じドキュメント内で複数のフィルターを使用できます。 可能なすべてのフィルターを適用してドキュメントのサイズを縮小することをお勧めします。これにより、後の作業が容易になります。

  8. フィルターを適用したら、[閉じて読み込む] を選択します。
    [閉じて読み込む] を示す例

ファイルが読み込まれ、フィルター処理された使用状況データを含むテーブルが表示されます。 これで、新しいピボット テーブルを作成して、使用状況の問題をトラブルシューティングすることができます。

使用量の急増のトラブルシューティング

このセクションでは、Azure 使用状況ファイルに使用量の急増が表示される様子、使用量の急増を回避する方法、リソースを監視する方法、Azure サポートに連絡するタイミングについて説明します。 これは、Enterprise Agreement (EA) または Microsoft 顧客契約をお持ちのお客様を対象としています。 EA 管理者または課金管理者のロールが必要となります。 アクセス許可の詳細については、Azure の請求書と毎日の使用状況データのダウンロードまたは表示に関する記事を参照してください。

特定のサービスまたはリソースに対する Azure の使用量の急増または予期しない料金は、多くの場合、インシデントまたは意図しない誤用によって発生します。

どちらの場合も、サポートに問い合わせる前に、影響を受けるサービスとリソースを絞り込む必要があります。これにより、適切なサポート分野を選択できます。

使用量と関連する料金の増加の根本原因は、Microsoft では判断できないことを理解していただくことが重要です。 そのため、お客様は Azure portal でご自身の詳細な使用状況データをダウンロードすることができます。

Microsoft では、セキュリティ上の懸念とお客様のプライバシーのため、仮想マシン、ネットワーク、データ転送などのデプロイされている Azure リソースを監視することはありません。 ただし、Microsoft では、Azure 使用量の監視方法についてはお客様にお伝えするようにしています。 最終的には、ご自身の使用量の監視は、お客様に行っていただく必要があります。

使用状況ファイルに急増が表示される様子

前のセクションで説明したフィルターを適用すると、異常を見つけることができます。 たとえば、帯域幅測定カテゴリの急増のトラブルシューティングを行っているとします。

ピボット テーブル ツール の [行] セクションに、製品インスタンス ID (Microsoft 顧客契約のリソース ID) を配置します。 次に、[値] にコストを、[フィルター] にサブスクリプション ID を、[列] に日付を追加します。 次に、サブスクリプション ID のデータのみが表示されるようにフィルター処理します。 たとえば、「 111111111111-1111-1111-111111111111 」のように入力します。

次の図は、帯域幅 (データ転送) の急増がどのように表示されるかを示しています。

使用量の急増を示す Excel のスクリーンショット。

急増は特定のリソースに関するものです。 この場合、Excel ファイルの行 7 には、ストレージ アカウント storageaccountnameazurefile1 のコスト値が表示されています。 2020 年10 月 1 日のコスト値は、ゼロ (0) 米国ドルに近い値 (2.23043 E-06。0.000002230431449 に相当) です。 2020 年 10 月 2 日と 2020 年 10 月 3 日には、このコストが 10,000 および 28,000 米国ドルに達して大幅に急増していることがわかります。 2020 年 10 月 4 日にはコストは通常に戻っています (9.29 E-07)。

この例では、高額の帯域幅料金が発生したリソース、発生した日付、具体的な製品 (リージョン間 – データ転送 (送信) – ヨーロッパ) を特定しました。 急増が大規模なデータ転送に起因するかどうかを判断してください。 前のセクションの情報を使用して、影響を受けるリソースを確認します。

言及された日付のリソースからの転送がなかったと判断した場合は、Azure テクニカル チームに問い合わせてください。 チームの支援で、問題の原因となっているバグまたはインシデントがあるかどうかを判断できます。 この例では、影響を受けるリソースはストレージ アカウントです。 そのため、Azure Storage テクニカル チームに問い合わます。 同様に、急増が仮想マシンに影響を与えている場合は、Azure Virtual Machines テクニカル チームに連絡して、Virtual Machines サービスに影響を与えている進行中のインシデントがあるかどうかを判断してください。

進行中のインシデントがある場合、Azure テクニカル チームが Azure Billing チームとの調整を行って、返金請求を検討します。

Azure の使用量を監視するためのツール

Azure Cost Management で常にコストを管理し、予算を作成できます。 詳細については、次を参照してください。

Storage の使用量については、Storage Analytics ツールの使用をお勧めします。 これにより、トランザクションごとのログを使用できます。 ログには詳細が記載されていますが、独自に包括的なトレースとデバッグを行うことができます。 詳細については、次を参照してください。

ネットワーク関連の使用量については、ネットワーク モニターや Fiddler などのネットワーク キャプチャ ツールを使用できます。

Windows オペレーティング システム イメージを使用する Virtual Machines に関する問題については、Windows イベント ログを使用できます。

サービスとしてのプラットフォーム (PaaS) のデプロイの場合は、アプリケーションで Azure Diagnostics を有効にします。

サービスとしてのインフラストラクチャ (IaaS) のデプロイの場合は、Windows Communication Foundation のトレースを有効にします。

IIS 8.5 用の強化されたログ記録を有効にします。

Azure App Service の Web アプリの診断ログを有効にします

実際の状況に対する詳細とアドバイスについては、Microsoft カスタマー サクセス アカウント マネージャーに問い合わせて、クラウド ソリューション アーキテクトの支援を要請してください。

次のステップ