PIX 実行ビュー
PIX によるデータのキャプチャーが実験の定義に従って実行されると、キャプチャーされたデータが実行ビューに表示されます。
図形 1. PIX 実行ビュー
実行ビューは、以下のパネルで構成されており、それらのパネル間を移動しながらデータを参照することができます。
- [Events] パネル
- [Details] パネル
- [Objects] パネル
- [Timeline] パネル
[Events] パネル
[Events] パネルは、ユーザー インターフェイスの主要なコントロール機能が集まった領域です。このパネルには、Direct3D/DirectX 呼び出しなどのキャプチャーされたイベントがすべてフレームごとにまとめて一覧表示されるほか、各フレームに関してキャプチャーされたあらゆる統計情報が表示されます。キャプチャーされた API 呼び出しは、展開および折りたたみ可能なツリー構造で表示されるため、関数の従属関係を明確に把握できます。
[Events] パネルの各行には、イベント ツリーでルートとしての働きをするフレーム イベント、一意のイベント マーカー ("セッション開始" またはアプリケーション定義のマーカーなど)、またはフレーム イベント内で発生した Direct3D/DirectX API 呼び出しのいずれかの、キャプチャーされたイベントが示されています。キャプチャーされた API 呼び出しには、関数に渡されたパラメーターも表示されます。
[Events] パネルの列には、イベントに関連するカウンター統計情報が表示されます。ほとんどのカウンター統計情報は、フレーム内での動作状況を示すものであるため、ほとんどすべてのルート フレーム イベントで、こうしたカウンター統計情報が表示されます。Direct3D/DirectX API イベントは、それらのイベントが呼び出されたときのキャプチャー内での相対時間を示すタイム マークなどの統計情報もいくつか保持しています。
このパネル内でのイベント間の移動は、その他のパネルの表示に影響します。フォーカスが特定のイベント (Direct3D 呼び出しなど) に変更されると、他のパネルに表示される情報は、新しいフォーカスに対応したものに更新されます。
[Details] パネル
[Details] パネルには、[Events] パネルで現在フォーカスがあるイベントの詳細を示す複数のタブが表示されます。
このパネルには、デバイス、テクスチャー、バッファーなどの、さまざまな Direct3D オブジェクトの詳細情報が表示され、場合によってはそれらの情報を変更することもできます。これらのタブを表示するには、[Events] パネルのイベント ログでハイパーリンクされたパラメーターを使用するか、[Objects] パネルのオブジェクトの一覧を使用できます。
さらに、[Details] パネルでは、以下のタブをいつでも使用できます。
[Summary] タブ
[Summary] タブには、アプリケーションとキャプチャーされたデータに関する基本情報が表示されます。
この情報は静的であるため、[Events] パネルでフォーカスが変更されても、変わることはありません。
[Output Log] タブ
[Output Log] タブには、PIX によってキャプチャーおよび再実行された DirextX 呼び出しから生成された診断メッセージが表示されます。
[Output Log] タブに書き込まれるメッセージのタイプは、DirectX コントロール パネル ツールによって制御されます。
[Render] タブ
[Render] タブには、アプリケーションによって画面にレンダリングされた内容が、イベント ステージごとに表示されます。[Events] パネルでフォーカスが変更されると、[Render] タブの画面表示は、フォーカスされたイベントの完了時のステージにおける Direct3D のレンダリング状態を反映するように変更されます。レンダリングの進行状況は、Direct3D 描画呼び出しシーケンスを使用し、[Events] パネル内でフォーカスを進めることによって確認できます。
メッシュ タブ
[Mesh] タブには、現在適用されている Direct3D メッシュに関する情報が表示されます。このタブには、Direct3D 描画呼び出しが [Events] パネルで現在フォーカスのあるイベントである場合のみ、有効な情報が表示されます。
[Objects] パネル
[Objects] パネルには、ターゲット プログラムにより作成された後にキャプチャーされた Direct3D オブジェクトが一覧表示されます。これらのオブジェクトは、[Events] パネルでハイパーリンクされたパラメーターとして参照されるオブジェクトと同じです。
このパネルでは、オブジェクトの一覧を、参照のタイプ、アドレス、サイズ、または数別にソートしたりフィルタリングしたりできます。たとえば、すべてのテクスチャー オブジェクトやピクセル シェーダーのサブセットのみを表示したり、アプリケーションによって 3 回参照されたすべてのオブジェクトをすばやく特定したりできます。
一覧内のオブジェクトをダブルクリックするか、一覧内のオブジェクトを右クリックしてから [View] を選択すると、そのオブジェクトに関する詳細情報が [Details] パネルのタブに表示されます。
[Timeline] パネル
[Timeline] パネルには、キャプチャーされたイベントのシーケンスと期間がグラフィック形式で表示されます。それによって、パフォーマンスのボトルネックと、発生したイベントの相関関係を視覚的に容易に確認できます。
イベント ビューのフォーカスが変更されると、[Timeline] タブのフレーム矢印は、選択されたイベントの位置を示すように変更されます。
イベント テーブルで任意のセルをダブルクリックすると、タイムライン ビューの最初のカウンターのタイプが、そのセルを含む列のタイプに変更され、その列に含まれているデータがグラフ表示されます。これは、注意を要するイベントのハイレベルなビューを取得するのに有効です。