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Eseutil /P 修復モード

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007

トピックの最終更新日: 2006-08-28

Exchange Server データベース ユーティリティ (Eseutil.exe) の修復モードは、トランスポート サーバーのキュー データベース、メールボックス データベース、およびパブリック フォルダ データベースの問題を、ページ レベルと Extensible Storage Engine (ESE) テーブル レベルで修正します。ただし、Eseutil はアプリケーション レベルでは問題を修正しません。したがって、Eseutil を使用してメールボックスまたはパブリック フォルダ データベースを修復した後は、Information Store Integrity Checker (Isinteg.exe) を実行してアプリケーション レベルでデータベースを修復することをお勧めします。

note注 :
Isinteg は、Exchange ハブ トランスポート サーバーやエッジ トランスポート サーバーのキュー データベースには使用できません。トランスポート サーバーのキュー データベースの詳細については、「トランスポート サーバー上のキュー データベースの操作」を参照してください。

修復中に、テーブルから行を破棄したり、テーブル全体を破棄したりする必要が生じる場合があります。ESE レベルの修復を完了したら、アプリケーション レベルの修復を実行し、データ損失のためにアプリケーション レベルで現在存在している可能性がある問題を修正する必要があります。Isinteg を使用すると、メールボックスとパブリック フォルダ データベースで、このアプリケーション レベルの分析と修復を実行できます。以下の例で、Eseutil の修復モードがどのように機能するかを示します。

たとえば、データベース内の 1 つのテーブルに、すべてのメールボックスのメッセージが格納されるとします。各ユーザーの [受信トレイ] フォルダ用には、個別のテーブルが 1 つ使用されます。Eseutil を使用してメッセージ テーブルを修復したときに、あるメッセージが失われたと仮定ます。Eseutil は、アプリケーションのテーブル間のスキーマに関する情報を持っていないため、失われたメッセージと、それぞれの [受信トレイ] フォルダ内に存在するそのメッセージへの参照を関連付けません。Isinteg は、修復されたメッセージ テーブルとそれぞれの受信トレイを比較し、失われたメッセージを [受信トレイ] フォルダから削除するために必要です。

Eseutil は Exchange データベースのそれぞれのページとテーブルを確認し、各テーブル内の一貫性と整合性を確保します。Isinteg はアプリケーション レベルでメールボックスまたはパブリック フォルダ データベースを修復し、テーブル間の関係の整合性を確保します。

データベースの修復は、以下に示す 3 つの段階を、この順序で行う必要があります。

  1. Eseutil を /P モードで実行し、データベースのページ レベルおよびテーブル レベルの修復を行います。
  2. Eseutil を /D モードで実行し、インデックスを完全に再構築してデータベースを最適化します。
  3. メールボックスまたはパブリック フォルダ データベースに対してのみ Isinteg を実行し、アプリケーション レベルでデータベースを修復します。
    note注 :
    修復によってデータ損失が発生することがあるため、修復を実行する前にメールボックス、パブリック フォルダ、またはトランスポート サーバーのキュー データベースを必ずバックアップしてください。たとえば、場合によっては、システムのメタデータが失われると、データベースをマウントできなくなります。

修復したデータベースの運用環境への再配置

修復したデータベースをそのまま運用環境に残すかどうかは議論の余地があります。多くの管理者は、修復したデータベースはデータ復旧のみに使用する方針にしています。管理者は、できるだけ早期に別のデータベースにメールボックスを移動するか、修復したデータベースのデータを、既知の正常なデータベースに結合します。

Eseutil と Isinteg (メールボックスまたはパブリック フォルダ データベースに対して使用) はどちらも、検出され、修正されたエラーを一覧で示す詳細な修復ログ ファイルを生成します。特定のエラーの原因と結果の詳細については、「一般的な Eseutil エラーのリファレンス」を参照してください。

Eseutil /P のベスト プラクティス

Eseutil /P は、バックアップからデータベースを復元できない場合、またはトランザクション ログのロール フォワードを完全に実行できない場合に使用します。

note注 :
トランザクション ログのロール フォワードを実行できない場合は、方法を組み合わせることを検討します。運用バージョンのデータベースをバックアップから復元し、破損したデータベースを回復用ストレージ グループで修復して、2 つのデータベースを結合する方法を取れます。

データベースを修復する場合は、以下のベスト プラクティスに従うことをお勧めします。

  • 修復したデータベースは、長期間運用環境に残さないようにします。
  • データを損失しないでバックアップからの復元が可能な場合は、Eseutil の修復オプションを使用しないようにします。
  • エラー -1018 を修正するために、メールボックスまたはパブリック フォルダ データベースに対して Eseutil の修復モードを実行できます。Eseutil によって -1018 が発生したページが破棄され、修復が行われます。Microsoft Exchange Server 2003 に関する Microsoft Web キャストでは、エラー -1018 を修正する方法について説明しています。詳細については、マイクロソフト サポート技術情報の文書番号 812531「[Support WebCast] [Microsoft Exchange] エラー -1018 の原因とその解決方法」を参照してください。

詳細情報

Eseutil /P の構文の詳細については、「Eseutil /P (修復) を実行する方法」を参照してください。

Eseutil の詳細については、次のトピックを参照してください。

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。