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新しいユニファイド メッセージング環境の展開

 

適用先: Exchange Server 2010 SP2, Exchange Server 2010 SP3

トピックの最終更新日: 2016-11-28

Microsoft Exchange Server 2010 ユニファイド メッセージング (UM) が提供する効率的で単純な展開モデルは、拡張性が高く、それでいて展開が複雑になることはありません。組織内のユニファイド メッセージングには多くの展開モデルがあります。ユニファイド メッセージングに対して推奨される展開モデルは、ユニファイド メッセージング サーバーを集中化するものです。Microsoft Exchange Server 2007 以降のバージョンにユニファイド メッセージング機能が搭載されます。Exchange 2007 より前のバージョンはアップグレードできないため、ユニファイド メッセージング を含むすべての Exchange サーバーの役割を Exchange 2010 組織に展開して、Microsoft Exchange Server 2003 (以前) のメールボックスを Exchange 2010 メールボックス サーバーに移動する必要があります。詳細については、「Exchange 2003 サーバーから Exchange 2010 サーバーにメールボックスを移動する」を参照してください。

以下の図は、新しいユニファイド メッセージング環境を正しく展開するのに必要となる手順を示したものです。

ユニファイド メッセージングの展開の手順

UMDeployment

目次

展開する前に

ユニファイド メッセージングを展開する

ユニファイド メッセージングの展開後の作業

展開する前に

Exchange 2010 ユニファイド メッセージングを展開する前に、以下のトピックの概念を理解しておくことを推奨します。

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ユニファイド メッセージングを展開する

ユニファイド メッセージングに利用できる展開オプションは、一般的にいくつかの手順から構成されます。これらの手順は、多数のユニファイド メッセージング ユーザーをサポートする、拡張性と可用性が高いシステムを作成するのに必要となります。これらの手順は次のとおりです。

  1. ユニファイド メッセージングのテレフォニー コンポーネントを展開して構成します。

  2. ユニファイド メッセージングで必要となる Exchange 2010 サーバーの役割が正常にインストールされていることを確認します。

  3. ユニファイド メッセージング サーバーの役割をインストールします。

  4. 必要となるユニファイド メッセージング Active Directory コンポーネントを作成して構成します。

  5. ユニファイド メッセージングの展開後タスクを実行します。

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テレフォニー コンポーネントを展開して構成する

Exchange 組織に Exchange 2010 ユニファイド メッセージング サーバーを正しく展開するため、Exchange 管理者はデータ ネットワーキングの概念とテレフォニー用語と概念に精通し、ユニファイド メッセージングで必要となるテレフォニー コンポーネントを正しく構成できる必要があります。新しい展開、または従来のボイス メール システムのアップグレードを行うには、PBX と Exchange 2010 ユニファイド メッセージングについての多大な知識が必要です。詳細については、「Microsoft Exchange Server 2007 ユニファイド メッセージング (UM) の専門家に関するページ (英語)」を参照してください。

一般的に、ユニファイド メッセージングで必要となるテレフォニー コンポーネントを正しく構成するのに実行が必要となるタスクには、次の 3 つがあります。

  1. PBX 回線のプロビジョニング   拡張性の高い UM ソリューションを展開するための最初の手順は、PBX 回線のプロビジョニングです。

  2. チャネルの編成   PBX ベースの音声チャネルをプロビジョニングした後、チャネルをハント グループとして編成できます。

  3. IP ゲートウェイの展開   音声チャネルをハント グループとして編成した後は、これらのチャネルを IP ゲートウェイで終端します。IP ゲートウェイと従来の PBX を使用して、テレフォニー ネットワークで使用されている回線交換プロトコルを、IP ベースのパケット交換プロトコルに変換します。

Exchange 2010 ユニファイド メッセージングを展開するときに、組織のテレフォニー ネットワークとデータ ネットワークを統合する場合は、テレフォニー ネットワーク コンポーネントとデータ ネットワーク コンポーネントを正しく構成する必要があります。ユニファイド メッセージングを正しく展開するには、以下のコンポーネントやインターフェイスも構成する必要があります。

テレフォニー コンポーネントの詳細については、「テレフォニーの概念とコンポーネントについて」を参照してください。

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メールボックス、ハブ トランスポート、およびクライアント アクセス サーバーの役割のインストールを確認する

Exchange 2010 を展開する予定の組織は、さまざまな展開のパスを利用できます。どの方法でも同じ結果 (Exchange 2010 の正常な展開) を達成できますが、顧客ごとにニーズや作業開始時の状態が異なるため、方法もそれぞれやや異なります。ただし、一般的には、サポートされているすべての展開シナリオ (新規インストールとアップグレード) で作業開始時の状態や展開方法は共通しています。ユニファイド メッセージングは Exchange 2010 にあるその他のサーバーの役割の機能に依存しているため、ユニファイド メッセージング サーバーの役割は Exchange 2010 組織にインストールする最後のサーバーの役割となることがほとんどです。これらの手順に従って、ユニファイド メッセージング サーバーの役割をインストールする前に、ユニファイド メッセージング以外のサーバーの役割をインストールしてください。

  1. Exchange 2010 をインストールする前に、既存のインフラストラクチャが特定の前提条件を満たしていることを確認します。詳細については、「Exchange 2010 の前提条件」を参照してください。

  2. ユニファイド メッセージングで必要となる Exchange 2010 サーバーの役割が正常にインストールされていることを確認します。 Exchange 2010 をインストールした後で、インストールを確認し、サーバーのセットアップ ログを確認することをお勧めします。詳細については、「Exchange 2010 のインストールを確認する」を参照してください。

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ユニファイド メッセージング サーバーの役割をインストールする

ネットワークに IP ゲートウェイ、または IP PBX を展開したら、Exchange 環境内の 1 つまたは複数のコンピューターにユニファイド メッセージング サーバーの役割をインストールする必要があります。ビジネスのニーズに応じて、拡張性と可用性が高いユニファイド メッセージング システムを提供するため、複数のコンピューター上にユニファイド メッセージング サーバーの役割をインストールすることを検討してください。可用性と拡張性が高いユニファイド メッセージング システムを計画する方法の詳細については、「ユニファイド メッセージングの可用性について」または「ユニファイド メッセージングのパフォーマンスとスケーラビリティについて」を参照してください。

ユニファイド メッセージング サーバーの役割をインストールするのには、次の手順を実行します。

  1. インストール前に Exchange 2010 のシステム要件を確認します。

    ユニファイド メッセージング サーバーの役割をインストールする前に、ネットワーク、ハードウェア、ソフトウェア、クライアント、およびその他の要素が Exchange 2010 の要件を満たすことを確認することを推奨します。詳細については、「Exchange 2010 のシステム要件」を参照してください。

  2. ユニファイド メッセージング サーバーの役割をインストールします。

    Exchange 2010 を実行するコンピューターにユニファイド メッセージング サーバーの役割をインストールするにはいくつかの方法があります。ユニファイド メッセージング サーバーの役割は、他の Exchange 2010 サーバーの役割がインストールされていない単一のコンピューターや、他の Exchange 2010 サーバーの役割を実行しているコンピューターにインストールすることができます。ユニファイド メッセージング サーバーの役割をインストールする前に、メールボックス、ハブ トランスポート、およびクライアント アクセス サーバーの役割をインストールする必要があります。ただし、メールボックス、ハブ トランスポート、クライアント アクセス、およびユニファイド メッセージング サーバーの役割は、同一物理コンピューター上にインストールできます。詳細については、「Exchange 2010 ユニファイド メッセージング サーバーの役割をインストールする」を参照してください。

  3. Exchange 2010 ユニファイド メッセージングのインストールを確認します。

    Exchange 2010 をインストールした後で、インストールを確認し、サーバーのセットアップ ログを確認することをお勧めします。セットアップ プロセスが失敗した場合や、インストール中にエラーが発生した場合は、セットアップ ログを使用して問題の原因を突き止めることができます。詳細については、「Exchange 2010 のインストールを確認する」を参照してください。

  4. ユニファイド メッセージング言語パックをダウンロードしてインストールします。

    Exchange 2010 をインストールしたら、組織の UM サーバーに必要なユニファイド メッセージング Service Pack 1 (SP1) の言語パックをダウンロードしてインストールする必要があります。各 UM サーバーにそれぞれの UM 言語パックをインストールし、UM サーバーが関連付けられているすべてのダイヤル プラン上の既定の言語を確実にインストールします。

    Exchange ユニファイド メッセージング言語パックは、バージョン、およびプラットフォームに固有です。Exchange 2007 以降、UM 言語パックは Exchange 2007 RTM、Exchange 2007 SP1、Exchange 2010 RTM、および Exchange 2010 SP1 と、別々にリリースされてきました。これらのバージョンの一部では 32 ビット版と 64 ビット版の両方のダウンロードが用意されていますが、それ以外のリリースで用意されているのは 64 ビット版のみです。UM サーバーに、正しいバージョンと正しいプラットフォームの UM 言語パックをインストールすることが非常に重要です。

    UM 言語パックをインストールする方法の詳細については、「ユニファイド メッセージング言語パックの UM サーバーへのインストール」を参照してください。ユニファイド メッセージング言語パックをダウンロードするには、「Exchange Server 2010 UM 言語パック」を参照してください。

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コンポーネントを作成して構成する

Exchange 2010 ユニファイド メッセージングの展開と運用に必要となる、Active Directory に含まれるいくつかの UM コンポーネントが存在します。Active Directory に含まれるユニファイド メッセージング コンポーネントは、Active Directory 環境でテレフォニー インフラストラクチャと接続します。少なくとも 1 つのコンピューター上にユニファイド メッセージング サービスを正常にインストールした後、以下の手順に従います。

手順 1:UM ダイヤル プランを作成して構成する

UM ダイヤル プランは、Exchange 2010 ユニファイド メッセージングの動作にとって不可欠であり、ユニファイド メッセージングをネットワークに正常に展開するために必要なものです。ユニファイド メッセージング サーバーの役割を正常にインストールした後、UM ダイヤル プランが最初に作成する Active Directory コンポーネントになります。

既定では、UM ダイヤル プランと、そのダイヤル プランに関連付けられたユニファイド メッセージング サーバーは、暗号化を使用せずにデータを送受信します。セキュリティで保護されていないモードでは、VoIP および SIP トラフィックは暗号化されません。ダイヤル プランを作成するとき、または作成した後、相互トランスポート層セキュリティ (相互 TLS) を使用して、VoIP および SIP トラフィックを暗号化するようにダイヤル プランを構成できます。VoIP セキュリティ設定を構成した後、UM サーバーの起動モードを構成する必要があります。詳細については、「UM サーバーのスタートアップ モードを構成する」を参照してください。

以下のいずれかの手順を実行して、新しい UM ダイヤル プランを作成します。

EMC を使用して UM ダイヤル プランを作成する

この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、以下を参照してください。「ユニファイド メッセージングのアクセス許可」の「UM ダイヤル プラン」。

  1. コンソール ツリーで、[組織の構成] > [ユニファイド メッセージング] にアクセスします。

  2. 操作ウィンドウで、[UM ダイヤル プランの新規作成] をクリックします。

  3. UM ダイヤル プランの新規作成ウィザードで、次のフィールドを入力します。

    • [名前]   ダイヤル プランの名前を入力します。一意な UM ダイヤル プラン名を必ず指定する必要があります。ただし、入力した名前は EMC とシェルでは表示専用として使用されます。ダイヤル プランを作成した後で表示名を変更する必要が生じた場合は、最初に既存の UM ダイヤル プランを削除してから、適切な名前を持つ別のダイヤル プランを作成する必要があります。組織で複数の UM ダイヤル プランを使用している場合は、それぞれに意味のあるわかりやすい名前を使用することをお勧めします。UM ダイヤル プラン名の長さは 64 文字以下で、スペースを含めることができます。ただし、次の文字を含めることはできません。 " / \ [ ] : ; | = , + * ? < >.

      重要

      ダイヤル プラン名のフィールドには 64 文字まで入力できますが、49 文字を超えるダイヤル プラン名は設定できません。これは、ダイヤル プランを作成するときに、"<ダイヤル プラン名> の既定のポリシー" という名前で既定の UM メールボックス ポリシーも作成されるからです。UM ダイヤル プランと UM メールボックス ポリシー両方の name パラメーターは、いずれも最大 64 文字に設定できます。

    • [内線番号の桁数]   ダイヤル プランの内線番号の桁数を入力します。内線番号の桁数は、構内交換機 (PBX) で作成されるテレフォニー ダイヤル プランに基づいています。たとえば、テレフォニー ダイヤル プランに関連付けられているユーザーが、同じテレフォニー ダイヤル プランを使用している別のユーザーに電話をかけるときに 4 桁の内線番号をダイヤルしている場合は、内線番号の桁数として 4 を選択します。

      このフィールドは、1 ~ 20 の値を設定できる必須のフィールドです。一般的な内線番号の桁数は 3 ~ 7 です。既存のテレフォニー環境で内線番号が使用されている場合は、それらの内線番号と同じ桁数を指定する必要があります。

      セッション開始プロトコル (SIP) ダイヤル プランまたは E.164 ダイヤル プランを作成して、UM が有効なユーザーにダイヤル プランを関連付けた場合でも、ユーザーが使用する内線番号を入力する必要があります。この番号は、Outlook Voice Access ユーザーが Exchange 2010 メールボックスにアクセスするときに使用します。

    • [URI の種類]   このドロップダウン リストで、UM ダイヤル プランの URI タイプを選択します。URI は、リソースを識別または指定する文字列です。この識別子の主な目的は、VoIP デバイスが特定のプロトコルを使用して他のデバイスとネットワークを介して通信できるようにすることです。URI は、呼び出しの特定の構文、形式、およびプロトコルを定義するスキーマで定義されます。

      ダイヤル プランに対して次のいずれかの URI タイプを選択できます。

      [内線電話番号]   これは、最も一般的な URI タイプです。IP ゲートウェイまたは IP PBX からの発信元情報および発信先情報は、以下のいずれかの形式で一覧表示されます。Tel:512345 または 512345@<IP アドレス>。これは、ダイヤル プランの既定の URI タイプです。

      [SIP URI]   IP PBX が SIP ルーティングをサポートするときに SIP URI ダイヤル プランを必要とする場合、または Microsoft Office Communications Server 2007 と Exchange ユニファイド メッセージングを統合している場合に、この URI タイプを使用します。IP ゲートウェイまたは IP PBX からの呼び出し元および呼び出し先の情報は、sip:<ユーザー名>@<ドメインまたは IP アドレス>:Port の形式で、SIP アドレスとして一覧表記されます。

      [E.164]   E.164 は、割り当てられた各電話番号に国/地域コード、国内宛先番号、および加入者番号が含まれる、公衆電話システム用の国際電話番号計画です。IP ゲートウェイから送信される発信元情報および発信先情報は、Tel:+14255550123 という形式で一覧表示されます。

      注意

      ダイヤル プランを作成した後で URI タイプを変更するには、ダイヤル プランを削除してから再作成して、正しい URI タイプを含める必要があります。

    • [VoIP セキュリティ]   このドロップダウン リストで、UM ダイヤル プランの VoIP セキュリティ設定を選択します。既定では、UM ダイヤル プランを作成すると、セキュリティで保護されていないモードで通信します。ユニファイド メッセージング サーバーは、ダイヤル プランで構成されているどのモードでも動作できます。これは、ユニファイド メッセージング サーバーがセキュリティで保護されていない要求は TCP ポート 5060 で、セキュリティで保護されている要求は TCP ポート 5061 で同時に待機するように構成されているからです。

      ダイヤル プランに対して次のいずれかのセキュリティ設定を選択できます。

[セキュリティ保護なし] 既定では、作成した UM ダイヤル プランは、セキュリティで保護されていないモードで通信します。UM ダイヤル プランと関連付けられているユニファイド メッセージング サーバーは、暗号化を使用せずに、IP ゲートウェイ、IP PBX、および他の Exchange 2010 コンピューターとの間でデータを送受信します。セキュリティ保護なしモードでは、リアルタイム転送プロトコル (RTP) メディア チャネルと SIP 信号情報のどちらも暗号化されません。

    **\[セキュリティで保護された SIP\]**   **\[セキュリティで保護された SIP\]** を選択すると、SIP 信号トラフィックのみが暗号化され、RTP メディア チャネルは依然として TCP を使用し、暗号化されません。SIP 信号トラフィックの暗号化には、相互トランスポート層セキュリティ (TLS) が使用されます。
    
    **\[セキュリティで保護\]**    **\[セキュリティで保護\]** を選択すると、SIP 信号トラフィックと RTP メディア チャネルの両方が暗号化されます。SRTP (Secure Realtime Transport Protocol) を使用する、暗号化された信号メディア チャネルでも、相互 TLS を使用して VoIP データを暗号化します。

  - **\[国/地域コード\]**   発信呼び出しに使用される国/地域コードを入力するには、このフィールドを使用します。この番号は、ダイヤルされた電話番号に自動的に付加されます。このフィールドには、1 ~ 4 桁の数値を入力できます。たとえば、米国内の国/地域コードは 1、英国内の国/地域コードは 44 です。
  1. [UM サーバーの設定] ページで [追加] をクリックし、[UM サーバーの選択] ページで UM ダイヤル プランに追加する UM サーバーを選択します。

  2. [完了] ページでは、ダイヤル プランが正常に作成されたかどうかを確認します。

    • [完了] の状態は、ウィザードでタスクが正常に完了したことを示します。

    • [失敗] の状態は、タスクが完了しなかったことを示します。タスクが失敗した場合は、説明の概要を確認し、[戻る] をクリックして構成を変更します。

  3. [完了] をクリックすると、UM ダイヤル プランの新規作成ウィザードが完了します。

シェルを使用して UM ダイヤル プランを作成する

この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、以下を参照してください。「ユニファイド メッセージングのアクセス許可」の「UM ダイヤル プラン」。

この例では、4 桁の内線番号を使用する、MyUMDialPlan という名前の UM ダイヤル プランを新しく作成します。

New-UMDialplan -Name MyUMDialPlan -NumberofDigits 4

この例では、5 桁の内線番号を使用して SIP URI をサポートする、MyUMDialPlan という名前の UM ダイヤル プランを新しく作成します。

New-UMDialplan -Name MyUMDialPlan -UriType SIPName -NumberofDigits 5

構文およびパラメーターの詳細については、「Set-UMDialplan」を参照してください。

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手順 2:UM IP ゲートウェイを作成および構成する

UM IP ゲートウェイとは、IP ゲートウェイ ハードウェア デバイスまたは IP PBX ハードウェア デバイスのことを指します。UM IP ゲートウェイ オブジェクトと UM ハント グループ オブジェクトの組み合わせにより、IP ゲートウェイや IP PBX と UM ダイヤル プランの間の論理リンクが確立されます。

ダイヤル プランで VoIP セキュリティを作成するか有効にすると、このセクションの以下の手順のいずれかで作成する UM IP ゲートウェイは、VoIP セキュリティを使用する UM ダイヤル プランと関連付けられます。この場合、UM IP ゲートウェイを作成するのに、IP アドレスではなく完全修飾ドメイン名を使用する必要があります。TCP ポート 5061 をリッスンするように UM IP ゲートウェイを構成する必要もあります。TCP ポート 5061 をリッスンするように UM IP ゲートウェイを構成するには、以下のコマンド Set-UMIPGateway -identity MyUMIPGateway -Port 5061 を実行します。IP ゲートウェイまたは IP PBX もポート 5061 で 相互 TLS の要求待ちをするように構成されていることを確認します。

以下のいずれかの手順を実行して、新しい UM IP ゲートウェイを作成します。

EMC を使用した UM IP ゲートウェイの作成

  1. コンソール ツリーで、[組織の構成] > [ユニファイド メッセージング] にアクセスします。

  2. 結果ウィンドウで、[UM IP ゲートウェイ] タブをクリックします。

  3. 操作ウィンドウで、[UM IP ゲートウェイの新規作成] をクリックします。

  4. UM IP ゲートウェイの新規作成ウィザードで、[名前] セクションに UM IP ゲートウェイの名前を入力します。これは UM IP ゲートウェイの表示名です。

  5. [IP アドレス] セクションで、UM IP ゲートウェイの IP アドレスを入力し、[新規作成] をクリックします。

    注意

    また、UM IP ゲートウェイの FQDN を入力できます。FQDN を使用することを選択した場合は、正しい IP アドレスを持った適切なホスト レコードを DNS ゾーンに追加する必要があります。セキュリティ保護されたモードで運用されているダイヤル プランと関連付けられる UM IP ゲートウェイを構成している場合は、FQDN を使用して UM IP ゲートウェイを作成する必要があります。

  6. [UM IP ゲートウェイの新規作成] ページで、[新規作成] をクリックします。

  7. [完了] ページで、[終了] をクリックします。

シェルを使用した UM IP ゲートウェイの作成

この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、以下を参照してください。「ユニファイド メッセージングのアクセス許可」の「UM IP ゲートウェイ」。

この例では、MyUMIPGateway という UM IP ゲートウェイを作成し、このゲートウェイでユニファイド メッセージング サーバーを有効にして、10.10.10.1 という IP アドレスを持つ IP ゲートウェイからの呼び出しの受け付けを開始しています。

New-UMIPGateway -Name MyUMIPGateway -Address 10.10.10.1

この例では、MyUMIPGateway という UM IP ゲートウェイを作成し、このゲートウェイでユニファイド メッセージング サーバーを有効にして、MyUMIPGateway.contoso.com という FQDN を持つ IP ゲートウェイからの呼び出しの受け付けを開始しています。また、この UM IP ゲートウェイはポート 5061 でリッスンします。

New-UMIPGateway -Name MyUMIPGateway -Address "MyUMIPGateway.contoso.com" -Port 5061

構文およびパラメーターの詳細については、「New-UMIPGateway」を参照してください。

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手順 3:UM ハント グループを作成して構成する (オプション)

ハント グループは、ユーザーによって共有される PBX や IP-PBX リソースのグループ、または内線番号のグループを表すために使用される用語です。ハント グループは、特定のビジネス単位で発着信される呼び出しを効率的に配信するために使用されます。

UM IP ゲートウェイを作成して、その UM IP ゲートウェイを UM ダイヤル プランと関連付けると、既定の UM ハント グループが作成されます。これまでに作成した UM IP ゲートウェイの個数に応じて、別の UM ハント グループを同じ、または別の UM IP ゲートウェイに関連付けることができます。

UM ハント グループを作成すると、UM ダイヤル プラン内で指定されているすべてのユニファイド メッセージング サーバーが、IP ゲートウェイと通信できるようになります。UM ハント グループの詳細については、「ユニファイド メッセージング ハント グループについて」を参照してください。新しい UM ハント グループを作成するには、以下のいずれかの手順を実行します。

EMC を使用して UM ハント グループを作成する

この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、以下を参照してください。「ユニファイド メッセージングのアクセス許可」の「UM ハント グループ」。

  1. コンソール ツリーで、[組織の構成] > [ユニファイド メッセージング] にアクセスします。

  2. 作業ウィンドウで、[UM IP ゲートウェイ] タブをクリックします。

  3. 結果ウィンドウで、UM IP ゲートウェイを選択します。

  4. 操作ウィンドウで、[UM ハント グループの新規作成] をクリックします。

  5. UM ハント グループの新規作成ウィザードで、次のフィールドを表示または入力します。

    • [関連付けられた UM IP ゲートウェイ]   この表示専用フィールドには、UM ハント グループに関連付けられる UM IP ゲートウェイの名前が表示されます。

    • [名前]   UM ハント グループの表示名を作成するには、このテキスト ボックスを使用します。UM ハント グループ名は必須で、一意である必要があります。ただし、この名前は、EMC とシェルでの表示のためにのみ使用されます。ハント グループを作成した後にその表示名を変更する必要が生じた場合は、まず既存のハント グループを削除し、その後で適切な名前を持つ別のハント グループを作成する必要があります。

      組織で複数のハント グループを使用する場合は、ハント グループに対してわかりやすい名前を使用することをお勧めします。UM ハント グループ名の長さの上限は 64 文字で、スペースも使用できます。ただし、次の文字を含めることはできません。 " / \ [ ] : ; | = , + * ? < >.

    • [ダイヤル プラン]   UM ハント グループに関連付けるダイヤル プランを選択するには、[参照] ボタンをクリックします。ハント グループとダイヤル プランの関連付けは必須です。UM ハント グループは、1 つの UM IP ゲートウェイと 1 つの UM ダイヤル プランにのみ関連付けることができます。

    • [パイロット ID]   PBX または IP/PBX で構成されているパイロット識別子 (またはパイロット ID) を一意に識別する文字列を指定するには、このテキスト ボックスを使用します。

      このフィールドには、内線番号または SIP URI を使用できます。このフィールドは英数字の入力に対応しています。従来の PBX では数字のパイロット ID が使用されますが、IP PBX では SIP URI が使用される場合もあります。

  6. [完了] ページでは、UM ハント グループが正常に作成されたかどうかを確認します。

    • [完了] の状態は、ウィザードでタスクが正常に完了したことを示します。

    • [失敗] の状態は、タスクが完了しなかったことを示します。タスクが失敗した場合は、説明の概要を確認し、[戻る] をクリックして構成を変更します。

  7. UM ハント グループの新規作成ウィザードを完了するには、[完了] をクリックします。

シェルを使用して UM ハント グループを作成する

この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、以下を参照してください。「ユニファイド メッセージングのアクセス許可」の「UM ハント グループ」。

この例は、MyUMHuntGroup という名前の、パイロット ID が 12345 の UM ハント グループを作成します。

New-UMHuntGroup -Name MyUMHuntGroup -PilotIdentifier 12345  -UMDialplan MyUMDialPlan -UMIPGateway MyUMIPGateway

この例は、MyUMHuntGroup という名前の、複数のパイロット ID を持つ UM ハント グループを作成します。

New-UMHuntGroup -Name MyUMHuntGroup -PilotIdentifier 5551234,55555 -UMDialplan MyUMDialPlan -UMIPGateway MyUMIPGateway

構文およびパラメーターの詳細については、「New-UMHuntGroup」を参照してください。

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手順 4:UM メールボックス ポリシーを作成して構成する

UM メールボックス ポリシーは、ユーザーに対して Exchange 2010 ユニファイド メッセージングを有効にするときに必要です。UM が有効な各ユーザーのメールボックスは、単一の UM メールボックス ポリシーにリンクされている必要があります。UM メールボックス ポリシーを作成した後で、UM が有効な 1 つ以上のメールボックスをその UM メールボックス ポリシーにリンクします。これにより、その UM メールボックス ポリシーに関連付けられた UM が有効なユーザーに対して、PIN の最低桁数やサインインの最大試行回数などの PIN セキュリティ設定を制御できます。

UM ダイヤル プランを作成するたびに、UM メールボックス ポリシーも作成されます。UM メールボックス ポリシーには、"<ダイヤル プラン名> の既定のポリシー" という名前が付けられます。ただし、新しい UM メールボックス ポリシーを作成する必要がある場合、以下のいずれかの手順を実行します。

EMC を使用して UM メールボックス ポリシーを作成する

この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、以下を参照してください。「ユニファイド メッセージングのアクセス許可」の「UM メールボックス ポリシー」。

  1. コンソール ツリーで、[組織の構成] > [ユニファイド メッセージング] にアクセスします。

  2. 作業ウィンドウで、[UM メールボックス ポリシー] タブをクリックします。

  3. 操作ウィンドウで、[UM メールボックス ポリシーの新規作成] をクリックします。

  4. UM メールボックス ポリシーの新規作成ウィザードで、以下のフィールドに入力します。

    • [名前]   このテキスト ボックスを使用して、UM メールボックス ポリシーの一意の名前を指定します。UM メールボックス ポリシーを作成した後にその表示名を変更する必要が生じた場合は、まず既存の UM メールボックス ポリシーを削除し、その後で適切な名前を持つ別の UM メールボックス ポリシーを作成する必要があります。UM メールボックス ポリシーを削除するには、その UM メールボックス ポリシーに関連付けられている UM が有効なユーザーがいない状態にする必要があります。

      UM メールボックス ポリシー名は必須ですが、この名前が使用されるのは表示のためだけです。組織で複数の UM メールボックス ポリシーを使用する場合もあるため、わかりやすい名前を使用することをお勧めします。UM メールボックス ポリシー名の長さの上限は 64 文字で、スペースも使用できます。ただし、次の文字を含めることはできません。 " / \ [ ] : ; | = , + * ? < >.

    • [関連付けられたダイヤル プランの選択]** [参照]** をクリックして、UM メールボックス ポリシーと関連付ける UM ダイヤル プランを選択します。UM メールボックス ポリシーは、少なくとも 1 つの UM ダイヤル プランに関連付ける必要があります。複数の UM メールボックス ポリシーを 1 つのダイヤル プランに関連付けることもできます。

  5. [完了] ページで、UM メールボックス ポリシーが正常に作成されたかどうかを確認します。

    • [完了] の状態は、ウィザードでタスクが正常に完了したことを示します。

    • [失敗] の状態は、タスクが完了しなかったことを示します。タスクが失敗した場合は、説明の概要を確認し、[戻る] をクリックして構成を変更します。

  6. [完了] をクリックし、UM メールボックス ポリシーの新規作成ウィザードを終了します。

シェルを使用した UM メールボックス ポリシーの作成

この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、以下を参照してください。「ユニファイド メッセージングのアクセス許可」の「UM メールボックス ポリシー」。

この例では、MyUMDialPlan という名前の UM ダイヤル プランに関連付けられた、MyUMMailboxPolicy という名前の新しい UM メールボックス ポリシーを作成します。

New-UMMailboxPolicy -Name MyUMMailboxPolicy -UMDialPlan MyUMDialPlan

構文およびパラメーターの詳細については、「New-UMMailboxPolicy」を参照してください。

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手順 5:ユニファイド メッセージング サーバーをダイヤル プランに追加する

ユニファイド メッセージング サーバーの役割をインストールした後、UM サーバーを UM ダイヤル プランに追加するまで、UM サーバーは着信呼び出しに応答できません。インストール後、Exchange 2010 ユニファイド メッセージング サーバーの状態が有効に設定されていても、ユニファイド メッセージング サーバーの状態を有効、または無効にするのに使用するパラメーターがあります。

ユニファイド メッセージング サーバーは、1 つまたは複数の UM ダイヤル プランに関連付けることができます。相互 TLS (セキュリティ保護)、SIP セキュリティ保護、または TCP (セキュリティ保護なし) を使用する複数ダイヤル プランに、単一 UM サーバーを追加できます。ダイヤル プランに UM サーバーを追加するには、以下のいずれかの手順を実行します。

EMC を使用して、ダイヤル プランに UM サーバーを追加する

この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、以下を参照してください。「ユニファイド メッセージングのアクセス許可」の「UM ダイヤル プラン」。

  1. コンソール ツリーで、[サーバーの構成] をクリックします。

  2. 結果ウィンドウで、ダイヤル プランに追加するユニファイド メッセージング サーバーを選択します。

  3. 操作ウィンドウで [プロパティ] をクリックします。

  4. [UM の設定] > [関連付けられたダイヤル プラン] で、[追加] をクリックします。

  5. [ダイヤル プランの選択] ウィンドウで、使用可能なダイヤル プランの一覧から追加するダイヤル プランを選択し、[OK] をクリックします。

シェルを使用して、ダイヤル プランに UM サーバーを追加する

この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、以下を参照してください。「ユニファイド メッセージングのアクセス許可」の「UM ダイヤル プラン」。

この例では、ユニファイド メッセージング サーバーを MyUMDialPlan という名前のダイヤル プランに追加し、その UM サーバーが新しい呼び出しを受け付けないようにします。また、スタートアップ モードをデュアル モードに設定し、UM サーバーが TCP 要求と TLS 要求を受け付けられるようにします。

Set-UMServer -Identity MyUMServer -DialPlans MyUMDialPlan -Status Disabled -UMStartupMode Dual

この例では、MyUMServer という名前のユニファイド メッセージング サーバーを MyUMDialPlan および MyUMDialPlan2 という名前の 2 つの UM ダイヤル プランに追加し、着信の音声および FAX 呼び出しの最大数も設定します。

Set-UMServer -Identity MyUMServer -DialPlans MyUMDialPlan, MyUMDialPlan2 -MaxCallsAllowed 50

構文およびパラメーターの詳細については、「Set-UMServer」を参照してください。

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手順 6:UM 自動応答を作成して構成する (オプション)

Exchange 2010 ユニファイド メッセージングを使用すると、組織のニーズに応じて、1 つ以上の UM 自動応答を作成することができます。UM 自動応答を作成するとき、組織の音声メニュー システムを作成します。組織の内外から電話をかけてきた発信者は、メニュー システムを使用することで組織内のユーザーや部署を見つけて、通話したり呼び出しを転送できます。

発信者は、デュアル トーン多重周波数 (DTMF) 入力 (タッチトーン入力) または音声入力を使用して、メニュー システム内を移動できます。自動音声認識 (ASR) を使用して、ユーザーが音声入力できるようにするには、UM 自動応答を音声対応にする必要があります。

Exchange 2010 ユニファイド メッセージングでの自動応答の作成と使用はオプションです。ただし、新しい UM 自動応答を作成する必要がある場合、以下のいずれかの手順を実行します。

EMC を使用して、UM 自動応答を作成する

この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、以下を参照してください。「ユニファイド メッセージングのアクセス許可」の「UM 自動応答」。

  1. コンソール ツリーで、[組織の構成] > [ユニファイド メッセージング] にアクセスします。

  2. 作業ウィンドウで、[UM 自動応答] タブをクリックします。

  3. 操作ウィンドウで、[UM 自動応答の新規作成] をクリックします。

  4. UM 自動応答の新規作成ウィザードで、以下のフィールドに入力します。

    • [名前]   このテキスト ボックスを使用して、UM 自動応答の表示名を作成します。一意な UM 自動応答名を必ず指定する必要があります。ただし、EMC とシェルでは表示専用として使用されます。

      自動応答を作成した後にその表示名を変更する必要がある場合は、最初に既存の UM 自動応答を削除してから、適切な名前を持つ別の UM 自動応答を作成する必要があります。組織で複数の UM 自動応答を使用している場合は、UM 自動応答にわかりやすい名前を使用することをお勧めします。UM 自動応答名は最大で 64 文字で、空白を含めることができます。

    • [関連付けられたダイヤル プランの選択]** [参照]** をクリックして、UM 自動応答と関連付ける UM ダイヤル プランを選択します。自動応答に対して UM ダイヤル プランを選択して関連付ける必要があります。UM 自動応答に関連付けることができる UM ダイヤル プランは 1 つだけです。

    • [内線番号]   このフィールドを使用して、電話をかけてきた人が自動応答を呼び出すために使用する内線番号を入力します。このボックスに内線番号を入力し、[追加] をクリックしてその内線番号を一覧に追加します。入力した内線番号の桁数と、関連付けられている UM ダイヤル プランで構成されている内線番号の桁数とが一致する必要はありません。これは、UM 自動応答では直通電話が許可されるためです。

      内線番号は必要ないため、内線番号なしに新しい自動応答を作成することもできます。

      既存の内線番号を編集または削除できます。既存の内線番号を編集するには、[編集] をクリックします。既存の内線番号を一覧から削除するには、[削除] をクリックします。

    • [自動応答を作成して有効にする]   このオプションを選択すると、UM 自動応答の新規作成ウィザードを終了すると、自動応答が着信呼び出しに応答するようになります。既定では、新しい自動応答は無効な状態で作成されます。

      UM 自動応答を無効な状態で作成した場合は、ウィザードの完了後に EMC またはシェルを使用して、自動応答を有効にすることができます。

    • [音声認識が有効な自動応答を作成する]   このオプションを選択すると、UM 自動応答が音声認識に対応します。自動応答の音声認識を有効にすると、電話をかけてきた人は、音声入力またはタッチトーン入力を使用して、UM 自動応答のシステムまたはカスタム プロンプトに応答できます。既定では、作成直後の自動応答は音声認識に対応しません。

      発信者に対して音声認識が有効な自動応答を使用するためには、自動音声認識 (ASR) のサポートを含む適切なユニファイド メッセージング言語パックをインストールし、自動応答でこの言語を使用するようにプロパティを構成する必要があります。

  5. [完了] ページで、UM 自動応答が正常に作成されたかどうかを確認します。

    • [完了] の状態は、ウィザードでタスクが正常に完了したことを示します。

    • [失敗] の状態は、タスクが完了しなかったことを示します。タスクが失敗した場合は、説明の概要を確認し、[戻る] をクリックして構成を変更します。

  6. [完了] をクリックして UM 自動応答の新規作成ウィザードを完了します。

シェルを使用して新しい UM 自動応答を作成する

この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、以下を参照してください。「ユニファイド メッセージングのアクセス許可」の「UM 自動応答」。

この例では、音声認識が有効ではない着信呼び出しを受け付けることができる MyUMAutoAttendant という名前の UM 自動応答を作成します。

New-UMAutoAttendant -Name MyUMAutoAttendant -UMDialPlan MyUMDialPlan -PilotIdentifierList 55000 -Enabled $true

この例では、MyUMAutoAttendant という名前の、音声認識が有効な UM 自動応答を作成します。

New-UMAutoAttendant -Name MyUMAutoAttendant -UMDialPlan MyUMDialPlan -PilotIdentifierList 56000,56100 -SpeechEnabled $true

構文およびパラメーターの詳細については、「New-UMAutoAttendant」を参照してください。

音声認識が有効でない自動応答または音声認識が有効な自動応答を作成した後、自動応答が正しく機能するようにキー マッピングを作成して構成する必要があります。勤務時間、または勤務時間外のキー マッピングを有効にしないと、電話をかけてきた人は音声プロンプトを聴くことはできますが、自動応答と対話することができなくなります。自動応答用のキー マッピングを作成するには、以下のトピックを参照してください。

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ユニファイド メッセージングの展開後の作業

ユニファイド メッセージング サーバーの役割の新しいインストールを終え、ユニファイド メッセージングを正しく展開した後、インストール後タスクを実行する必要があります。展開後タスクを実行することで、ユニファイド メッセージングのユーザーを有効にし、UM 展開をセキュリティ保護し、UM が有効なユーザーの受信 FAX を展開できます。

ユーザーのユニファイド メッセージングを有効にする

IP ゲートウェイや IP PBX を展開し、ユニファイド メッセージングをインストールし、ユニファイド メッセージングの Active Directory コンポーネントを作成した後、ユーザーがユニファイド メッセージングを利用できるようにする必要があります。詳細については、「ユーザーのユニファイド メッセージングの有効化」を参照してください。

UM 展開をセキュリティ保護する

UM セキュリティ戦略を正しく計画して、UM サーバーと UM が有効なユーザーのセキュリティ設定を正しく構成することで、ネットワークの保護レベルを向上させることができます。

UM の相互 TLS

相互 TLS を使用して、ユニファイド メッセージング サーバーが送受信する SIP およびリアルタイム トランスポート プロトコル (RTP) トラフィックを暗号化するには、以下のタスクを実行します。

ユニファイド メッセージングでの VoIP セキュリティの詳細については、「ユニファイド メッセージング VoIP セキュリティについて」を参照してください。

UM が有効なユーザーの PIN ポリシー

Exchange 2010 ユニファイド メッセージングでは、PIN ポリシーは UM メールボックス ポリシーで定義および構成されます。必要に応じて、複数の UM メールボックス ポリシーを作成できます。ユーザーの Exchange 2010 ユニファイド メッセージングを有効にするときに、そのユーザーを既存の UM メールボックス ポリシーに関連付けます。UM メールボックス ポリシーで構成されている UM PIN ポリシーは、組織のセキュリティ要件に基づくものにする必要があります。UM が有効なユーザーの PIN 設定を構成する方法の詳細については、「ユニファイド メッセージング ユーザーのセキュリティの構成」を参照してください。

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FAX を展開する

Exchange 2010 UM は、受信 FAX 呼び出しを専門の FAX パートナー ソリューションに転送します。この FAX パートナー ソリューションは、FAX 送信者と FAX 通話を確立し、UM が有効なユーザーの代わりに FAX を受信します。ただし、UM が有効なユーザーがメールボックスで FAX メッセージを受信できるようにするため、最初に Exchange 2010 ユニファイド メッセージングを展開し、FAX パートナー サーバーを設定して構成してから、UM ダイヤル プラン、UM メールボックス ポリシーを構成し、UM が有効なユーザーが FAX を受信するように構成する必要があります。詳細については、「着信 FAX を展開および構成する」を参照してください。

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