Windows Server Essentials でのサーバー フォルダーの管理
適用対象: Windows Server 2016 Essentials、Windows Server 2012 R2 Essentials、Windows Server 2012 Essentials
サーバー管理者は、サーバー上の [サーバー フォルダー] タブのタスクを使用することで、サーバー上の任意のサーバー フォルダー (スタート パッド、リモート Web アクセス、Windows Phone 用の My Server アプリ、または Windows 8 用の My Server アプリからアクセスするときの「共有フォルダー」とも呼ばれています) へのアクセスを管理して、さまざまなファイルに対してさまざまなレベルのアクセスをユーザーに許可できできます。
以下のトピックは、サーバーのフォルダーの理解、作成、管理に役立つ情報を提供します。
ダッシュボードを使用したサーバー フォルダーの管理
Windows Server Essentials ダッシュボードを使用して、一般的な管理タスクを実行することができます。 ダッシュボードの [サーバー フォルダー] ページでは、次の機能が提供されます。
サーバーのフォルダーの一覧 (以下の項目が表示されます):
フォルダーの名前
フォルダーの説明
フォルダーの場所
フォルダーの場所にある、利用可能な空き領域
フォルダーで実行されているすべてのタスクに関する簡単なステータス情報。フォルダーが正常な場合、またはタスクが実行されていない場合、[状態] フィールドは空になります。
選択したフォルダーに関する追加情報を提供する詳細ウィンドウ
フォルダー関連の管理タスク セットが含まれている作業ウィンドウ
次の表は、Windows Server Essentials ダッシュボードで使用できる、さまざまなサーバー フォルダーのタスクを示しています。 タスクの大部分はフォルダー固有で、一覧内でフォルダーを選択したときにのみ表示されます。
ダッシュボード上のサーバー フォルダー タスク
タスク名 | 説明 |
---|---|
フォルダーを開く | エクスプローラー (以前のバージョンの Windows では Windows エクスプローラーと呼ばれていました) で、選択したフォルダーの内容を表示します。 |
フォルダーの削除 | ユーザーが作成したフォルダーを削除することができます。 このタスクは、サーバーのインストールによって作成された、既定のフォルダーには使用できません。 |
フォルダーの移動 | サーバー フォルダーを新しい場所に移動するためのウィザードが開きます。 |
フォルダーの共有の停止 | 選択したフォルダーの共有を停止しますが、削除はしません。 フォルダーが共有されなくなると、ダッシュボードに表示されません。 このタスクは、サーバーのインストールによって作成された、既定のフォルダーには使用できません。 |
フォルダー プロパティの表示 | 選択したフォルダーのプロパティを表示し、以下のことを有効にすることができます。 - ユーザーが作成したフォルダーの名前を変更します。 - 選択したフォルダーの説明を変更します。 - フォルダーのサイズを表示します。 - エクスプローラーで選択されているフォルダーを開きます。 - 選択したフォルダーのユーザー アカウントのアクセス許可を指定します。 - リモート Web アクセスおよび Web サービス アプリケーションから、選択したフォルダーを非表示にします。 - フォルダーのクォータを指定します。 |
フォルダーの追加 | 新しいサーバー フォルダーを作成し、各ユーザー アカウントに許可されるアクセス レベルを割り当てることができます。 |
サーバー フォルダーの概要 | サーバー フォルダーの使用と機能を説明しているヘルプ項目を、インターネットで開きます。 |
サーバー フォルダーへのアクセスの管理
Windows Server Essentials では、サーバー フォルダーを使用することで、クライアント コンピューター上のファイルを、一元化された場所に格納することができます。 サーバー フォルダーにファイルを格納すると、常に各クライアントから安全な方法でアクセスできる場所にファイルが格納されます。
サーバー フォルダーを使用してファイルを保存すると、次のことができるようになります。
サーバー全体の障害に対する保護のために、サーバーのバックアップと復元を使用して、サーバー フォルダーをバックアップします。
リモート Web アクセスや Windows Phone および Windows 8 の My Server アプリを介してインターネット ブラウザーを使って、任意の場所から、サーバー フォルダーに格納されているファイルにアクセスします。
すべてのクライアント コンピューターから、新しいサーバー フォルダーにアクセスします。
ダッシュボードの [サーバー フォルダー] タブのタスクを使って、サーバー上の任意のサーバー フォルダーへのアクセスを管理できます。 次の表に、Windows Server Essentials をインストールするか、サーバーでメディア ストリーミングを有効にするときに、既定で作成されるサーバー フォルダーを示します。
サーバー フォルダー名 | 説明 |
---|---|
クライアント コンピューター バックアップ | 既定では、Windows Server Essentials は、クライアント コンピューターのバックアップを作成し、このフォルダーに格納します。 クライアント コンピューターのバックアップの設定は、ネットワーク管理者が変更できます。 |
[会社] | 組織に関連するドキュメントの格納とアクセスを行うため、ネットワーク ユーザーが使用します。 |
ファイル履歴のバックアップ | 既定では、Windows Server Essentials は、ファイル履歴を使ってファイル バックアップを作成し、このフォルダーに格納します。 これらのファイル履歴の設定は、ネットワーク管理者が変更できます。 |
フォルダー リダイレクト | ネットワーク ユーザーが、フォルダー リダイレクト用に設定されているフォルダーを保存し、アクセスするために使用します。 |
ユーザー | ネットワーク ユーザーが、ファイルを保存し、アクセスするために使用します。 ユーザー固有のフォルダーは、管理者が作成したネットワーク ユーザー アカウントごとに、[ユーザー] サーバー フォルダーに自動生成されます。 |
ミュージック | ネットワーク ユーザーが音楽ファイルを保存し、アクセスするために使用します。 このフォルダーは、メディア共有をオンにした場合に使用できます。 |
ピクチャ | ネットワーク ユーザーが画像ファイルを保存し、アクセスするために使用します。 このフォルダーは、メディア共有をオンにした場合に使用できます。 |
テレビ録画 | ネットワーク ユーザーが、録画されたテレビ番組を保存し、アクセスするために使用します。 このフォルダーは、メディア共有をオンにした場合に使用できます。 |
ビデオ | ネットワーク ユーザーがビデオ ファイルを保存し、アクセスするために使用します。 このフォルダーは、メディア共有をオンにした場合に使用できます。 |
サーバー フォルダーの非表示やアクセス許可を設定したり、サーバー フォルダーのプロパティを変更するには、次の手順を参照してください。
サーバー フォルダーの非表示
ネットワーク管理者は、これらのサーバー フォルダーのいずれかを非表示にしたり、リモート Web アクセス Web サイトや Web サービス アプリケーション (My Server など) に表示されるようにすることができます。
注意
この手順を実行するには、ネットワーク管理者である必要があります。
サーバー フォルダーをリモート Web アクセスに表示しないようにするには
Windows Server Essentials ダッシュボードを開きます。
[記憶域] をクリックし、[サーバー フォルダー] をクリックします。
一覧で、表示または変更するプロパティのサービス フォルダーを選択します。
[<ServerFolder> タスク] ウィンドウで [フォルダー プロパティの表示] をクリックします。
[<FolderName> のプロパティ] で [共有] をクリックし、[このフォルダーをリモート Web アクセスおよび Web サービス アプリケーションから非表示にする] をオンにして [適用] をクリックします。
サーバー フォルダーのアクセス許可の設定
ダッシュボードを使用して、サーバー上で追加する任意のサーバー フォルダーでは、3 つの異なるアクセス設定を選択できます。
読み取り/書き込み
このユーザーに対して、サーバー フォルダー内のファイルの作成、変更、および削除を許可する場合は、この設定を選択します。
読み取り専用
このユーザーに対して、サーバー フォルダー内のファイルの読み取りのみを許可する場合は、この設定を選択します。 読み取り専用アクセス権を持つユーザーは、サーバー フォルダー内でファイルの作成、変更、または削除を実行できません。
アクセスなし
このユーザーに、サーバー フォルダー内のファイルにアクセスしてほしくない場合に、この設定を選択します。
重要
フォルダー プロパティに表示されるアクセス許可は、ダッシュボードによって管理されているユーザーのみを表します。 グループまたはサービス アカウントなどのユーザー アクセス許可、他のネイティブ ツールを使用してフォルダーに設定された可能性がある許可、またはダッシュボードを使って追加されていないユーザーは含まれていません。
注意
この手順を実行するには、ネットワーク管理者である必要があります。
サーバー上のサーバー フォルダーにアクセス許可を設定するには
Windows Server Essentials ダッシュボードを開きます。
[記憶域] をクリックし、[サーバー フォルダー] をクリックします。
一覧で、表示または変更するプロパティのサービス フォルダーを選択します。
[<ServerFolder> タスク] ウィンドウで [フォルダー プロパティの表示] をクリックします。
[<FolderName> のプロパティ] で、[共有] をクリックし、一覧表示されているユーザー アカウントの適切なユーザー アクセス レベルを選択して [適用] をクリックします。
注意
既定では、ユーザー アカウントをネットワークに追加するときに、サーバーの [ユーザー] フォルダーの下に、ユーザーのサブフォルダーが作成されます。 サブフォルダーは、ユーザーまたは管理者だけが、ネットワーク コンピューターからアクセスできます。 アクセス許可は [ユーザー] の下でサブフォルダーごとに設定されるため、最上位レベルの [ユーザー] フォルダーには一般的なアクセス許可はありません。
注意
[ファイル履歴バックアップ]、[フォルダー リダイレクト]、および [ユーザー] サーバー フォルダーの共有アクセス許可を変更することはできません。 そのため、これらのサーバー フォルダーのフォルダー プロパティには、[共有] タブがありません。
サーバー フォルダーのプロパティの表示または変更
サーバー フォルダー名とサーバー フォルダーの説明を変更したり、サーバー フォルダーにアクセスするユーザー アカウントを定義するには、ダッシュボードの [サーバー フォルダー] タブの [フォルダーのプロパティを表示] タスクを介して実行します。
注意
Windows Server Essential と Windows Server 2012 R2 (Windows Server Essentials エクスペリエンスの役割がインストールされていること) の場合は、フォルダー クォータを変更することもできます。
フォルダーのプロパティを表示または変更するには
Windows Server Essentials ダッシュボードを開きます。
[記憶域] をクリックし、[サーバー フォルダー] をクリックします。
一覧で、表示または変更するプロパティのサービス フォルダーを選択します。
[<ServerFolder> タスク] ウィンドウで [フォルダー プロパティの表示] をクリックします。
[<Foldername> のプロパティ] の [全般] タブで、サーバー フォルダーの名前と説明を表示または変更します。
注意
Windows Server Essentials と Windows Server 2012 R2 (Windows Server Essentials エクスペリエンスの役割がインストールされていること) の場合は、サーバー フォルダーが指定されたサイズに達したときに警告メッセージを表示するフォルダー クォータを変更することもできます。
サーバー フォルダーの追加または移動
セットアップ時に作成される既定のサーバー フォルダーに加え、さらに多くのサーバー フォルダーを追加して、サーバーにファイルを保存することができます。 プライマリ サーバーまたは Windows Server Essentials を実行しているメンバー サーバーで、サーバー フォルダーを追加できます。
必要な場合に、フォルダーの移動ウィザードを使って、Windows Server Essentials を実行しているプライマリ サーバー上にあり、ダッシュボードの [サーバー フォルダー] タブに表示されている サーバー フォルダーを別のハード ドライブに移動することができます。 次の場合に、サーバー フォルダーを別のハード ディスク ドライブのロケーション アドレスに移動できます。
データ ハード ドライブにデータを保存する場合の十分な領域がなくなった場合。
既定の記憶域の場所を変更する場合。 高速な移動を行うため、データが保存されていない場合に、サーバー フォルダーの移動を検討してください。
既存のハード ドライブ上にあるサーバー フォルダーを失うことなく、ハード ドライブを削除する場合。
フォルダーを移動する前に、次のことを確認します。
サーバーをバックアップしたことを確認します。
クライアント コンピューターのバックアップ フォルダーを移動する場合は、すべてのクライアント バックアップが停止し、進行中でないことを確認します。 クライアント コンピューターのバックアップ フォルダーの移動中、フォルダーの移行が完了するまで、サーバーはクライアント コンピューターをバックアップすることができません。
サーバーが重要なシステムの操作を実行していないことを確認します。 実行されている更新またはバックアップが完了してから、フォルダーの移動を開始することをお勧めします。そうでない場合、プロセスが完了までに時間かかることがあります。
移動先フォルダー内のファイルが使われていないことを確認します。 サーバー フォルダーの移動中に、サーバー フォルダーにアクセスすることはできません。
サーバー フォルダー内のファイルに次のテクノロジが実装されている場合、NTFS から ReFS へのフォルダーの移動はサポートされません。
オルタネート データ ストリーム
オブジェクト ID
短い名前 (8.3 形式の名前)
圧縮
EFS 暗号化
トランザクション NTFS、TxF (Windows Vista で導入)
スパース ファイル
ハード リンク
拡張属性
Quotas (クォータ)
サーバー フォルダーの追加または移動先
通常、サーバー フォルダーは、空き領域が最も大きいハード ドライブに追加または移動する必要があります。 システム ドライブはオペレーティング システムとその更新プログラムに必要な領域が占有されてしまう可能性があるため、可能であればシステム ドライブに共有フォルダーを移動しないでください。 また、外付けハード ドライブにサーバー フォルダーを追加したり、移動したりしないでください。外付けハード ドライブは簡単に取り外すことが可能で、その結果、ファイルにアクセスできなくなる可能性があるためです。 代わりに、内部ドライブにフォルダーを作成することをお勧めします。
サーバー フォルダーを次の場所に追加したり、移動したりすることはできません。これらの場所を追加先または移動先に選択すると、エラーが発生します。
NTFS または ReFS ファイル システムでフォーマットされていないハード ドライブ
%windir% フォルダー
マップ済みネットワーク ドライブ
共有フォルダーが含まれているフォルダー
リムーバブル記憶域のあるデバイスの下にあるハード ドライブ
ハード ドライブのルート ディレクトリ (C:\、D:\、E:\ など)
既存の共有フォルダーのサブフォルダー
Windows Server Essential または Windows Server 2012 R2 (Windows Server Essentials エクスペリエンスの役割がインストールされていること) を実行しているメンバー サーバー
サーバー フォルダーを追加または移動する手順
注意
以下の手順を完了するには、サーバー管理者である必要があります。
サーバー フォルダーを追加するには
ダッシュボードを開きます。
[記憶域] をクリックし、[サーバー フォルダー] をクリックします。
[サーバー フォルダーのタスク] で [フォルダーの追加] をクリックします。 これにより、フォルダーの追加ウィザードが起動します。
指示に従ってウィザードを完了します。
注意
- [参照] ボタンを使用して特定のフォルダーを参照し、サーバー フォルダーの場所を指定する場合、移動先のフォルダーがサーバーのフォルダーとして追加されます。
- リモート Web アクセス経由でアクセスできるサーバー フォルダーを定義できます。 詳細については、「サーバー フォルダーへのアクセスの管理」を参照してください。
- [参照] ボタンを使用して特定のフォルダーを参照し、サーバー フォルダーの場所を指定する場合、移動先のフォルダーがサーバーのフォルダーとして追加されます。
サーバー フォルダーを移動するには
ダッシュボードを開きます。
[記憶域] をクリックし、[サーバー フォルダー] をクリックします。
サーバー フォルダーの一覧から、移動するフォルダーを選択します。
作業ウィンドウで [フォルダーの移動] をクリックします。
指示に従ってウィザードを完了します。
見つからないサーバー フォルダーの追加
事前定義されているサーバー フォルダー (会社、ユーザー、クライアント コンピューターのバックアップ、ファイル履歴バックアップ、またはフォルダー リダイレクト) が (何らかの理由により) 共有されなくなったことが検出されると、この問題を解決するようにユーザーを誘導するアラートが生成されます。 サーバー バックアップからフォルダーを復元することをお勧めします。 ただし、サーバーがバックアップされていない場合は、見つからないフォルダーを選択し、[見つからないフォルダーの再作成] をクリックして、サーバー フォルダーの場所を再構成します。
注意
再作成できるのは、事前定義されているフォルダー (会社、ユーザー、クライアント コンピューターのバックアップ、ファイル履歴バックアップ、またはフォルダー リダイレクト) のみです。 ユーザーが作成したサーバー フォルダーとメディア サーバー フォルダーは再作成できません。
見つからないフォルダーを復元または再作成した後は、[不足] と表示されなくなります。
サーバー バックアップからファイルを復元する方法の詳細については、バックアップと復元の管理に関するトピックで、ファイルとフォルダーの復元方法に関するセクションを参照してください。
共有フォルダーの概要
サーバーに接続されているデバイスから、Windows Server Essentials 上の共有フォルダーにアクセスするには、いくつかの方法があります。 詳細については、「共有フォルダーの使用」を参照してください。
シャドウ コピーの概要
サーバーのシャドウ コピーを使用すると、過去の特定の時点で存在していた共有ファイルとフォルダーを表示できます。 以下の操作ができるため、以前のバージョンのファイル (つまりシャドウ コピー) にアクセスすることは便利です。
誤って削除されたファイルを回復します。 ファイルを誤って削除した場合は、以前のバージョンを開いて、安全な場所にコピーできます。
誤って上書きされたファイルを回復します。 誤ってファイルを上書きした場合、以前のバージョンのファイルを回復することができます (バージョンの数は、作成したスナップショットの数によって決まります)。
作業中にファイルのバージョンを比較します。 ファイルの複数のバージョン間で変更内容を確認する場合、以前のバージョンを使用することができます。
シャドウ コピーを使用するには、クライアント コンピューターから、サーバーの共有フォルダーを右クリックし、[以前のバージョンを復元] を選択します。